弥生株式会社戦略説明会|2026年事業戦略のキーは「AI」中小企業がAIを活用するために必要なこととは


会計ソフト「弥生シリーズ」などを展開する弥生株式会社が、2026年2月9日にFY26(※2026年度)戦略説明会を開催しました。

説明会の前半では、同社の代表取締役社長執行役員兼CEOを務める武藤健一郎氏が登壇。2025年の振り返りとともに、今後のAIを活用戦略について語りました。武藤氏は「弥生の持つ強みとAIを組み合わせ、中小企業をより元気にしたい」と語りました。

説明会の後半は、タレントのキンタロー。さんがゲストとして登場。AIを活用した弥生の確定申告ツールについてデモンストレーションが行われました。

2025年は「プロダクト」「M&A」「組織」という3つの変革に取り組む


冒頭は武藤氏より、2025年に行った取り組みについて説明がありました。同社では2025年にミッションとビジョンを新たに設定、その実現に向けて変革に取り組んだと言います。

中小企業を元気にすることで、日本の好循環を作る。これが2025年に出した弥生の新たなミッションです。弥生は創業から約30年、一貫して中小企業をサポートしてきました。これは今後も変わりませんが、弥生としての支援の『姿勢』は変わっていきます。お客様が求めるものを作るだけではなく、より能動的な支援をしていきたいと考えています。

そこで弥生は「現場での業務効率化」と「中小企業の経営判断支援」を目指すことにしました。その土台作りとして、まず「プロダクト」「M&A」「組織」という3つの変革に取り組みました。」(武藤氏)

プロダクトの変革では、昨年「弥生 Next」という新製品をローンチしたことが大きなポイントになったと言います。

「昨年に正式リリースした「弥生 Next」は、従来の弥生会計のクラウド版です。ただそれだけではなく、2つのポイントがあります。

まずひとつは自動化です。できるだけ手入力を減らし、完全自動化による業務の効率化を目指しています。もうひとつはAIを活用した経営支援です。AIで経営を予測できる機能を搭載し、経営アドバイスにつながるような機能を持たせました。」(武藤氏)

M&Aにおいては、2025年に3つの企業が弥生グループに参画しました。

「AIを使った与信管理サービスを提供するアラームボックス社、AIで請求書処理などを自動化するプラットフォームを手掛けるミレトス社、もうひとつは起業家に向けたメディアを運営する創業手帳社。この3社が昨年グループにジョインしました。

例えばアラームボックス社の製品は、AIがSNSやWeb上のさまざまな企業情報を自動収集して、取引先でのリスクを判断できるというものです。こうしたサービスを弥生と組み合わせることで、今後中小企業の皆様に向けて新たな価値を提供できると考えています。」(武藤氏)

組織の変革では、事業部制の導入や制度の見直しの他、社内のAI活用に取り組んでいるといいます。「弥生の全社員に生成AIのアカウントを渡し、社内でのAI活用を進めています。実際にサポートや開発で実験的にAIを活用して、効率アップなどの効果も出ています。」(武藤氏)

弥生がAI戦略で重視する「3つのA」とは?

2026年は、さらに中小企業のAI活用を推進していきたいと武藤氏は語ります。「中小企業が社内でAIエキスパートを採用するというのは、難しいのが実情です。ですから弥生のような業務ツールを通じて、中小企業の皆様がAIを活用しその価値を獲得する。これが今後、弥生で目指しているものです。

ただユニークなAIを提供するためには、「弥生の持つ強みとの融合」が必要だと考えています。弥生には2つの強みがあります、まずは大きな強みが弥生がこれまで培ってきた350万という顧客規模。加えて士業の方々との幅広いネットワークも持っています。

もう1つの強みは、圧倒的なデータ量です。例えばコールセンターには、毎日何千というお電話をいただきます。つまりサポートを通じて多くのデータを蓄積しており、これを活用できるというわけです。こうした弥生の強みとAIテクノロジーを融合して、中小企業の「現場の業務効率化」と「経営判断支援」をサポートする。これが2026年の弥生のAI戦略です。」(武藤氏)

このAI戦略を進めるにあたって、弥生では「Automate」「Assist」「Advise」という3つのキーワードで取り組んでいくと言います。「1つめの「Automate」(自動化)は、AIが業務を代行することです。会計業務で一番手間がかかるのは、書類をデータ化して会計システムに取り込むところではないでしょうか。こうした業務をAIに全部任せることを目指します。また弥生ではAIによる仕訳の自動化にも取り組んでいます。仕訳のルールは企業ごとに細かく異なりますが、弥生が蓄積してきた膨大なデータをAIが学習することで、各社に最適化された自動仕訳が可能になります。

2つめの「Assist」は、初めての業務でもスムーズに実行できるようアシストすることを指しています。あらゆる業務を自動化すると、かえって使いづらいこともあります。例えば自動車の自動運転をイメージしていただくとわかりやすいと思うのですが、自動運転とはいえハンドルが全くないと違和感がありますよね。ですから自動化が難しいところは、AIがサポート役に回り一緒に解決する形を目指しています。弥生には毎日多くのお問い合わせをいただきますので、そこで得た情報をもとに最適な解決策を提示することができます。

最後の「Advise」はまさに経営についての助言です。わかりやすい例で言うと資金予測ですね。6か月後の資金を予測して、この時期にこういう支払いがあるからこういう形で資金調達したほうがいい、といったところまでAIがアドバイスするというものです。

正直なところ「Automate」と「Assist」の2つは、他社でも対応できる状況にあります。一方3つめの「Advise」については、弥生が長年蓄積してきたデータと知識とAIを組み合わせれば、他社にはない価値が提供できると考えています。」(武藤氏)

クラウド版だけではなくデスクトップ版でもAIに対応する理由

AI機能というとクラウド型で提供するケースが一般的ですが、弥生ではデスクトップ型製品もAI機能を搭載する方針だと言います。

「実は中小企業の市場シェアの6割がデスクトップ型です。新規のお客様もクラウド型が主流と思われがちですが、実際には4割のお客様がデスクトップ型を採用しています。デスクトップ型を選ぶのは、動作の速さや操作に慣れているといった理由があるようです。

そういう状況を考えると、中小企業にニーズの高いデスクトップ型にAI機能を搭載することが、中小企業のAI活用につながると考えています。」(武藤氏)

キンタロー。さんも驚く、AIで手入力がほぼ不要な確定申告ツール

説明会の後半ではタレントのキンタロー。さんを迎え、弥生の確定申告ツールが紹介されました。個人事務所を立ち上げた後は、事務仕事も自らこなすというキンタロー。さん。現在は請求書などを作成できる弥生の「Misoka(ミソカ)」を使って作業の効率化はできているものの、やはり確定申告の時期は憂鬱になると言います。

「確定申告って、1年間頑張った結果を見られるという意味でモチベーションは上がりますけど、やっぱり面倒ですね。作業時間をどう確保するか、いつも課題です。」(キンタロー。さん)

そこで、今回はAIを活用した弥生の確定申告ツールのデモンストレーションを実施。書類の取り込みから仕訳までをAIによって自動化、確定申告の書類が手間なく作成できる様子が紹介されました。

デモンストレーションを目の当たりにし、驚きを隠せない様子のキンタロー。さん。「書類を取り込んだらあと全部やってくれるところがすごいですね。AIの進化にびっくりです。私は最近ChatGPTにハマっているんですけど、旦那の愚痴をChatGPTに言って「あなたは何も悪くありません」って返してくれるのに満足していたんです。こんな使い方ではAIがもったいないですね(笑)」(キンタロー。さん)

デモの最後には、弥生の確定申告ツールとマイナポータルを連携することで、ふるさと納税関連の手続きも大幅に自動化できることが紹介されました。

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