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2022年3月25日株式会社ダイモン 中島紳一郎|民間初の月面探査車の開発事業が注目の企業
民間初の月面探査車「YAOKI」の開発事業で注目なのが、中島紳一郎さんが2012年2月に創業した株式会社ダイモンです。
近年、宇宙開発事業が熱を帯びてきており、国家としてだけではなく、民間での独自技術やプロダクトの開発が活発になってきています。
直近では2021年に、民間人だけが乗り組む宇宙船が地球を回る軌道を飛行することに成功し、同乗した日本の有名起業家との宇宙からの通信が話題になっていたのを記憶している方も多いかと思います。
宇宙開発事業における目的は実に様々で、宇宙規模でのビッグデータ収集とその利活用、宇宙空間を活用した効率良いモノづくりや植物生育、住空間としての宇宙開発、など、どれも将来の社会や生活に大きな可能性を拡げてくれるものばかりです。
宇宙ビジネス関連のテクノロジーがSDGsの達成にも寄与すると考えられ、世界の宇宙産業市場規模は2019年には既に約41.7兆円となり、2040年には120兆円にまで膨れ上がると予想されています(モルガン・スタンレー等の推計)。
世界では既に民間企業による宇宙開発に多額の資金が集まり、次々と新しい開発が進んでいる中、日本でもようやく宇宙ビジネス加速に向けた動きがみられるようになってきました。
2028年には月面に基地が建設されようとしており、益々宇宙での活動に拍車がかかると予測される中、日本のある起業家の開発したプロダクトがそれらのプロジェクトを下支えする重要なポジションを担うとして、大きな期待と注目が寄せられています。
株式会社ダイモンの月面探査車開発事業です。
株式会社ダイモンの月面探査車開発事業の特長は、世界最小にして最軽量級の2輪車が、月面を自由に走り回りながら月面観察を行ったり、月面におけるモノの稼働状況や状態の変化といったデータ収集をすることが出来る、という点です。
事前調査のために有人飛行をしたり大型の機材を飛行させなくても、必要な事前調査や観測が可能になることは、環境負荷軽減にもつながります。
株式会社ダイモンの中島紳一郎さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクト開発するに至った経緯について教えてください。
2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに、「もう自動車の開発をやっている場合ではない」と思いすぐに会社を辞めました。
その後、宇宙ベンチャー・White Label Space Japan(現ispace)が手がける民間月面探査チームの「HAKUTOプロジェクト」に参加。有志のチームで月面無人探査レース「Google Lunar XPRIZE」に挑戦し、そこで月面探査車の筐体設計・開発を担当しました。
当時から2輪の開発を提案していましたが、結果的にHAKUTOは4輪のローバーを採用。そこから2輪のローバーを自社開発へ移行し、「YAOKI」の開発に至ります。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
「YAOKI」は世界最小、最軽量級の2輪のローバーで、NASAの月輸送ミッションと契約し、2022年にアポロ以来50年ぶりとなる月面探査を実施します。
大きさは15cm×15cm×10cm以下。重さは500グラムを下回ります。
月への輸送は1kgあたり1億円かかると言われていますので、最も安価に月に送り込むことが可能です。
そしてラグビーボールのような球体の形状から成り立っており、転んでもひっくり返っても走り続けることができます。100mから落下の衝撃にも耐える強度を誇ります。
また、YAOKIは月での実験プラットフォームという役割も担います。
安価に月に送り込むことが可能であるため、様々な企業の素材や技術を「YAOKI」に実装し、月での実証試験を行うことにも適しているのです。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
尖った技術を持つ企業に、「YAOKI」を利用することで月面開発の市場に挑戦していただきたいです。
素材メーカーや、カメラ、センサー、バッテリー、モーターなどの技術要素を持つ企業などは、自社製品が月でも稼働することを証明することで、これから始まる新しい月面開発市場に参入する事が出来ると共に、グローバルにアピールできる材料となります。
・このサービスが解決する社会課題はなんですか?
日本企業がグローバルで拡大する宇宙市場に挑戦し、リードしていく先陣となります。人類が月面を始めとして宇宙に拡がる事は、人類の進歩・進化として必須であり、人類の宇宙進出を加速させる役割を果たします。
また、月面探査で得た知見や技術を、配管・廃炉などのインフラ点検ロボットとして活用し、今まで危険だった作業環境をロボットに任せることで、人が人らしく働く社会の実現に貢献します。
さらに、たった一人から始めたロボット開発でも、宇宙で活躍することができる、夢は実現できるということを、教育エンタメを通して子供たちに伝えていきたいと考えています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
勢いで会社を辞めて起業したため、新しい事業関係性の構築が大変でした。
開発力・設計力の自社の強みに特化し、ものづくりの得意な町工場と連携して、関係性と事業の拡大を図りました。
今も、その関係性を基に、月面探査の実施に繋がっています。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
数年後に最大100機の「YAOKI」を月面に運ぶ計画です。これらの「YAOKI」は月面で連携探査を行い、月面マッピングを行う予定です。
また、地上からも操縦可能で、アバターロボットとして自分が月面に行った感覚で操縦できます。つまり、YAOKIを操縦する事で、月面旅行を体感できます。
何時でも何処でも誰でも月面旅行を楽しめる時代を創ります。
・今の課題はなんですか?
連携探査を効率的に実施するための制御技術、管理技術が大きな技術課題です。
・読者にメッセージをお願いします。
人にとって一番大事な権利は、夢を見ることだと考えます。今、たとえ一人でも、少人数でも、夢を実現できる時代が来ました。月面探査を実現する事で、これを証明します。そして、日常生活や日常事業に宇宙が普通に関われる時代を切り開きます。
会社名 | 株式会社ダイモン |
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代表者名 | 中島紳一郎 |
創業年 | 2012年2月 |
社員数 | 8名 |
資本金 | 86,000,000円 |
事業内容 | ・月面探査事業 ・地上ロボット事業 ・教育エンタメ事業 |
サービス名 | 月面ロボ「YAOKI」 |
所在地 | 〒143-0013 東京都大田区大森南4-10-20 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | ダイモン 中島紳一郎 |
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