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2025年6月3日5G基地局データと生成AIを活用した次世代アプリケーションを開発する「FYRA」が資金調達

2025年5月31日、FYRA株式会社は、資金調達を発表しました。
FYRAは、5G基地局データと生成AIを活用した次世代アプリケーション「FYRA Suite」を開発しています。
5G基地局から取得されるリアルタイムネットワークデータを可視化し、生成AIによって分析することで、モバイル通信のボトルネック解消や基地局環境の最適化を図るサービスです。
今回調達した資金は、「FYRA Suite」の強化、5Gデータの実利用に関心を持つ企業・団体との実証実験の推進に活用します。
テクノロジーの進化は急速に進んでおり、さまざまな分野でその導入が広がっています。たとえば、物流倉庫では自律走行ロボットによる作業の自動化が進み、また自動運転車の実用化も現実味を帯びてきています。
こうした高度なテクノロジーの稼働には、安定した通信環境が不可欠です。しかし、従来の4Gでは通信性能が不足しており、多数の機器が同時に動作するような環境では十分に対応できないという課題がありました。たとえば、物流倉庫では数百台規模のロボットが稼働する場合もあり、4Gでは通信の容量や遅延の面で限界があります。
このような課題を解決する手段として期待されているのが、第5世代移動通信システム、いわゆる5Gです。5Gは高速・大容量通信に加え、超低遅延、そして多数同時接続といった特徴を持ち、これまで実現が難しかった技術の活用を可能にします。
一方で、5Gには新たな課題もあります。5Gで使われる高周波数帯は、従来の4Gに比べて通信エリアが狭く、電波が建物などに遮られやすいという性質があります。そのため、広範囲をカバーするには多数の基地局を設置する必要があり、通信事業者にとって大きな負担となっています。このため、5Gの普及はまだ限定的で、多くの人がその恩恵を実感できる段階には至っていません。
さらに、5Gのネットワークは多種多様な用途に対応する必要があり、システム全体が複雑化しています。このような背景から、従来のように人の手でネットワークの運用や最適化を行うのが難しくなってきています。
こうした課題を解決するための取り組みとして注目されているのが、RAN(無線アクセスネットワーク)のオープン化を進める「O-RAN(Open Radio Access Network)」です。O-RANでは、異なるメーカーが共通の基準でネットワーク機器やソフトウェアを開発できるようにすることで、柔軟かつ効率的なネットワーク構築を実現しようとしています。
この分野で取り組みを進めている企業の一つがFYRAです。FYRAでは、無線通信基地局の保守・運用の効率化を目的としたサービス「FYRA Suite」の提供や、5Gアプリケーション開発を支援するプラットフォームの整備を目指しています。これにより、より現実的で持続可能な5Gネットワークの構築が期待されています。
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