注目のスタートアップ

ナノ分離膜を用いた革新的CO2回収技術を保有する「Carbon Xtract」に「九州大学」が出資・事業参画

company

九州大学は、2023年5月に双日株式会社が主体となって設立したCarbon Xtract株式会社に、出資による事業参画を行うことを発表しました。

Carbon Xtractは、分離ナノ膜を用いて大気からCO2を選択的に回収する技術を活用した装置・製品の開発・販売と、ソリューションの提案を行っています。

九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I²CNER)は、空気を膜でろ過するだけでCO2を回収・濃縮する技術「m-DAC」の開発を進めています。

九州大学は、「m-DAC」とCO2転換技術の実用化に向け、内閣府のムーンショット型研究開発制度の支援を受けて研究開発を進めています。

この技術の早期実用化に向け、2022年2月9日に双日と「m-DAC」とCO2転換技術の社会実装に関する覚書を締結し、2023年5月26日に双日が主体となって化学ベンチャーの株式会社ナノメンブレンらと共同で、新会社Carbon Xtractを設立しました。

そして今回、従来の共同研究や特許ライセンスに留まることなく、関連設備・施設の提供、知財化支援にまで踏み込んだ支援強化による一層の連携を目的に九州大学としては初めてとなるCarbon Xtractに出資・事業参画を行うこととしました。


二酸化炭素(CO2)は気候変動の原因のひとつとされており、脱炭素化に向けた動きが国内外で推進されています。

CO2の排出抑制やCO2を排出しない技術への転換は脱炭素化につながるものとして強力に推進される中、根本的にCO2排出を削減するものとしてCO2を回収する技術(DAC:直接空気回収技術)の研究開発が進められています。

大気中から選択的にCO2を回収することができれば、現在の地球全体のCO2の濃度を低減させることが可能です。さらには、回収したCO2を利用することも可能であるため、一石二鳥の技術であるといえます。

DACでは、固体や液体にCO2を吸着・吸収させる、特殊な膜でCO2を分離して回収する、冷却しドライアイスにすることで回収するといった技術が研究されています。

九州大学は、分離膜型のCO2回収技術の研究開発を強力に推進しており、また双日と実用化・事業化推進のための覚書を締結し、早期実用化に向けて取り組んでいます。

研究開発を続けるには豊富な資金を必要とします。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、融資だけではなく、ベンチャーキャピタルから出資を受ける方法や、クラウドファンディングを成功させる方法など、資金調達に関するノウハウを紹介しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB Carbon Xtract CO2 m-DAC カーボンニュートラル ソリューション 九州大学 二酸化炭素 共同研究 出資 分離 双日 回収 実用化 技術 株式会社 濃縮 研究開発 設立
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

アパレル生産管理SaaS提供の「DeepValley」が請求書買取の「OLTA」と業務提携
2019年12月6日、株式会社DeepValleyは、OLTA株式会社と、業務提携契約を締結したことを発表しました。 DeepValleyは、アパレル生産管理SaaS「AYATORI」を運営しています…
認知症コミュニケーションロボットの開発・販売や認知症介護施設を運営する「ザ・ハーモニー」が2億900万円調達
2023年1月31日、ザ・ハーモニー株式会社は、総額2億900万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ザ・ハーモニーは、AIを活用した認知症コミュニケーションロボットの開発・販売や、認知症に特化…
ローカル・ビジネス向け顧客獲得支援の「Zehitomo」が8.2億円調達
株式会社Zehitomoは、総額8億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 仕事を依頼したい人と、専門職のフリーランスや中小企業をつなげる顧客獲得プラットフォーム「Zehitomo(ゼ…
化学薬品不使用・短時間の醸造物・発酵物製造技術を保有する「日本ハイドロパウテック」と「ロッテ」が資本業務提携
2023年1月6日、日本ハイドロパウテック株式会社は、株式会社ロッテと、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 日本ハイドロパウテックは、化学薬品を一切用いず短時間で加水分解を行う独自技術を保…
インテグレーションサービスやNFTシステム開発を展開する「ディマージシェア」が「クロス・マーケティンググループ」と資本業務提携
2022年8月29日、株式会社クロス・マーケティンググループはグループ内CVCである株式会社クロスベンチャーズを通じて株式会社ディマージシェアの株式を一部取得し、資本業務提携契約を締結したことを発表し…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集