創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2023年9月25日有機ELディスプレイや照明に用いる次世代発光材料を開発する「Kyulux」に「九州発ジャパン・エボリューション・ファンド」が出資
2023年9月21日、MCPアセット・マネジメント株式会社は、MCPグループが運営する、九州発ジャパン・エボリューション・ファンド投資事業有限責任組合が、株式会社Kyuluxに2億円の出資を実行したことを発表しました。
また、MCPグループでは、シリーズCファースト・クローズにて8億円の出資および監査役の派遣を実施しており、今回のJEFによる出資を含め、出資総額は10億円となっています。
Kyuluxは、有機EL発光技術「Hyperfluorescence」を中心に、有機ELディスプレイや照明に用いる次世代発光材料を開発する九州大学発ベンチャー企業です。
国内外の大手ディスプレイメーカーから出資を受け、協業による技術開発を進めています。
今回の資金調達は、発光技術・材料の大量生産技術の確立と市場投入を目的としています。
有機ELは、近年テレビ・スマートフォン・PCなど、さまざまなディスプレイで利用されることが増えてきているテクノロジーです。
有機ELは、1950年代初頭に発見され、1980年代後半に基本的なデバイス構造が確立されました。
有機ELは自らが発光するため、液晶ディスプレイでは必要だったバックライトが必要ないこと、液晶ディスプレイよりも薄さ・軽さ・コントラスト・応答速度などで優位性があることから、今後ディスプレイのスタンダードとして普及していくと考えられています。
一方、有機ELにはいまだ技術上の課題が存在しています。
有機ELの第1世代である蛍光材料は内部変換効率が低く(つまりより多くの電力を必要とする)、それを改善した第2世代である燐光材料は、効率は高いものの、色純度が必要であるほか高価なレアメタルを必要とします。さらには、第2世代は青色の発光が実現されていません。
現在の有機ELディスプレイは、赤色と緑色の発光材料に第2世代である燐光材料が利用され、青色には効率を低下させる第1世代の蛍光材料が利用されています。
つまり、有機ELの劇的な普及のためには、発光効率が高く、長寿命であり、青色に発光する技術が求められているのです。
Kyuluxの「Hyperfluorescence」は、九州大学で発明された、レアメタルフリー・高効率・狭い発光スペクトル(青色の発光を実現)・廉価を実現する有機EL発光技術です。
世界中の主要な有機EL材料メーカーと協力しながら、2023年には緑色のAMOLED材料、2024年までには赤色と青色AMOLED用材料の本格的な商業化に向け開発を進めています。
企業・事業の成長には戦略的な資金調達やシナジーのある企業などとの提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。カテゴリ | 有望企業 |
---|---|
関連タグ | BtoB Hyperfluorescence MCPアセット・マネジメント MCPグループ ディスプレイ モニター 九州大学 九州発ジャパン・エボリューション・ファンド 有機EL 材料 株式会社 次世代 照明 開発 |
有望企業の創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
2022年5月31日、株式会社Beauty Thinkerは、資金調達を実施したことを発表しました。 Beauty Thinkerは、100%ヴィーガンコスメブランド「mirari」を展開しています。…
2023年8月2日、TRUSTART株式会社は、総額4億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 TRUSTARTは、不動産ビッグデータの提供とマーケティング施策の実行支援などを行う「R…
2023年7月10日、株式会社Haluは、総額5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Haluは、障害者や高齢者など、従来のプロダクト開発では見逃されていた人びとのニーズに着目し、当事…
2020年12月10日、AMI株式会社は、「AMI指先採血キット(管理医療機器承認番号:22600BZX00362000)」と「クラウド健進」をリリースすることを発表しました。 「AMI指先採血キット…
2023年4月26日、株式会社TriOrbは、4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 TriOrbは、九州工業大学の発明である球駆動式全方向移動機構をコア技術に産業技術総合究所で研究・…
大久保の視点
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…