注目のスタートアップ

プリントオンデマンドを活用したオンライン書店サービス「BOOKSTORES.jp」を運営する「セルン」が1億円調達

company

2023年1月10日、セルン株式会社は、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。

セルンは、プリントオンデマンドを活用したオンライン書店サービス「BOOKSTORES.jp」、全国の印刷会社と連携したプリントオンデマンド事業、データ・電子配信用データをフィルム・底本から作成するデジタルデータ化サービス、通販物流サービス、出版物流事業を展開しています。

今回の資金調達により、出版社や書籍を取り扱う企業との関係構築・関係強化、「BOOKSTORES.jp」の開発強化、人材採用の強化を図ります。

インターネットの普及による紙媒体の利用率の減少、娯楽の多様化などにより、出版業界(紙媒体)の市場規模は年々減少傾向にあります。

その象徴となるのが書籍の販売を担う書店の減少であり、1999年に約2.2万店舗だったものが、2017年には約1.3万店舗へと大きく減少しています。

一方で、出版業界においては電子書籍の市場はここ数年拡大傾向にあり、今後も成長が見込まれています。

つまり、紙媒体とその販売方法が時代に合わないものとなってきており、出版業界では新たな流通・販売の仕組みを構築する重要性が高まってきています。

プリントオンデマンドは、必要に応じて必要分のみ印刷する仕組みであり、出版の新たな形として近年注目が高まっています。

出版業界では、平均40%という高い「返品率」が課題になっています。

出版業界では出版社が決めた定価でしか販売できない再販制度が運用されているのですが、再販制度では高額な書籍や発行から日にちが経った書籍が売れ残る確率が高くなるため、書店の負担を軽減するため、売れ残った本を出版社に返品できる委託販売制度というものがあります。

この制度によって返品率が高くなっており、出版社に大きな負担としてのしかかっています。

プリントオンデマンドは必要な分を印刷するという仕組みであるため、在庫を抱えることがないというメリットがあり、さらに資源も節約することが可能です。

学術書など、高額で数は売れないものの、一定数の需要があり、さらに絶版になってしまう傾向にある書籍においては親和性が高く、すでにプリントオンデマンドで販売されている例が数多くあります。

セルンは、このプリントオンデマンドを中心とした書籍の流通プラットフォームを構築することで、出版業界の課題解決を目指しています。

ビジネスのさらなる成長には戦略的な資金調達やシナジーが見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BOOKSTORES.jp セルン プリントオンデマンド 出版 印刷 書店 書籍 株式会社 資金調達 電子書籍
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
起業の仕方サムネイル
起業の仕方を大解剖!初めての素人でも失敗しない起業の6つのステップと手順とは?
事業計画書とは?書き方の18ステップやメリットを解説!
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
合同会社と株式会社の違いサムネイル
合同会社とは?株式会社との違い、メリット・デメリットをわかりやすく比較
普通の人が起業するには。起業の成功に大切な5ステップを創業手帳の大久保が解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

データカタログソリューション「Quollio Data Catalog」を提供する「Quollio Technologies」が2.2億円調達
2023年4月18日、株式会社Quollio Technologiesは、総額約2億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Quollio Technologiesは、日本のエンタープ…
採用サイト作成ツール「採用係長」提供の「ネットオン」が3.6億円調達
2022年5月6日、株式会社ネットオンは、総額3億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ネットオンは、採用サイト作成ツール「採用係長」や、採用Webマーケティング事業、Indeed運…
生成AIを活用したサービスを開発・提供する「Sparticle」が5億円調達
Sparticle株式会社が、総額約5億円の資金調達を実施しました。 Sparticleは、WebサイトにAIアシスタントを導入できる「GPTBase」、コラボレーションツール「Felo」、リモートコ…
高度環境制御ハウスを用いた機能性トマトの生産に取り組む「ゼブラグリーンズ」が資金調達
2022年10月12日、株式会社ゼブラグリーンズは、資金調達を実施したことを発表しました。 ゼブラグリーンズは、機能性成分が豊富な品種に着目し、生産・流通・消費・健康のバリューチェーンを構築することを…
ヘリカル型核融合炉の開発を目指す「Helical Fusion」が6,500万円調達
2022年5月10日、株式会社Helical Fusionは、総額6,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Helical Fusionは、ヘリカル型核融合炉の開発を目指しています。 ヘ…

大久保の視点

日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集