注目のスタートアップ

心臓再生医療の「メトセラ」が14.2億円調達

company

2022年6月28日、株式会社メトセラは、総額14億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

メトセラは、心不全向けの新しい再生医療等製品をできるだけ安価に提供することを目的に研究開発を行っています。

研究により、同じ臓器の中に、機能的な心組織の作製や、臓器の中に心不全の治療に特に適した線維芽細胞群(VCF)が存在することがわかっています。

メトセラが開発する「MTC001」はVCFを用いた細胞治療であり、ラット・ブタ試験では高い心不全の治療効果を確認しています。

また、2022年4月には小児先天性心疾患に対する自家細胞を用いた再生医療等製品「JRM-001」を開発する株式会社日本再生医療を買収しており、幅広い心疾患を対象とした、患者本人の細胞を用いる「自家再生医療等製品」の開発を手掛けています。

今回の資金は、自家再生医療等製品の商業化に向けた製品製造体制の構築の推進や、自社創薬シーズのパイプライン化に向けた研究開発の加速などに充当します。

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身の血液が滞ってしまう状態のことです。胸の痛み、動悸、息切れなどが症状があります。治療した場合でも症状が悪化していくことがあり、また根本的に治療する方法がないことが大きな課題となっています。

病状が進行した場合は、補助人工心臓治療や心臓移植が必要となります。しかし多くの人が知っているように日本は臓器提供件数が少なく、必要なだけの移植手術が行えていない現状があります。

iPS細胞やES細胞などの万能細胞は、目的の臓器や組織を作りだすことができるため、心疾患やがんなどこれまで治療困難だった病気の治療法として期待されています。しかし実用化に向けた計画は想定よりも遅れており、2022年6月現在においても実用化に至ったiPS細胞関連の再生医療はありません。

メトセラが発見した心臓線維芽細胞(VCF)は、培養が容易でありながら、心組織の構築を促す力があることがわかっています。すでに動物を使った試験で治療効果を確認しており、iPS細胞・ES細胞などよりも早期の実用化が実現できるものと期待されています。

また、買収した株式会社日本再生医療は、心臓内幹細胞(CSC)を応用した心疾患の治療製品を開発しています。

CSCは、心臓内に存在する体性幹細胞で、心臓への組織適合性が高く、心疾患に対する有効な治療法となると期待されています。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ CSC VCF メトセラ 再生医療 心不全 心疾患 心臓 心臓内幹細胞 心臓線維芽細胞 日本再生医療 株式会社 研究開発 細胞 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

カスタマー・サクセス・チャット「チャネルトーク」提供の「ZOYI Corporation」2.5億円調達
2020年7月28日、株式会社ZOYI Corporationは、コロナ禍の3月17日に2億5,000万円の資金調達を実施し、累計資金調達額が11億8000万円になったことを発表しました。 また、社名…
シェアサロンやサロン開業サービスを展開する「サロウィン」が52億円調達
2025年2月14日、サロウィン株式会社は、総額約52億円の資金調達を実施したことを発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は約88億円となります。 サロウィンは、シェアサロン「SALOWIN…
お寺オンライン「まごころ供養」や虹のオンライン「ペットのお葬式」を提供する「CLASSIX」が資金調達
2022年10月31日、CLASSIX株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 CLASSIXは、寺院への納骨とオンライン参拝可能な月例法要を提供する「まごころ供養」、ペット供養サービス「ペ…
都市型八百屋「旬八青果店」を運営する「アグリゲート」が「オイシックス・ラ・大地」から資金調達
2024年3月8日、株式会社アグリゲートは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、オイシックス・ラ・大地株式会社です。また、アグリゲートは、3月からオイシックス・ラ・大地株式会社の連結子会…
農産物の流通現場向けSaaS「bando」運営の「kikitori」が5,000万円調達
2020年5月1日、株式会社kikitoriは、総額5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 農業流通特化型SaaS「bando」を運営しています。 電話・FAXなどアナログなコミュニケ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集