注目のスタートアップ

遠隔ICUサポートサービス提供の「T-ICU」が5.7億円調達

company

2021年12月28日、株式会社T-ICUは、総額5億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

重症患者診療現場向けの遠隔相談サービス「リリーヴ」や、ICU・一般病棟向け遠隔モニタリングシステム「クロスバイ」を提供しています。

「リリーヴ」は、集中治療医・集中ケア認定看護師が、24時間対応で重症患者診療の現場をサポートする相談サービスです。

集中治療医が不足している病院において、医療スタッフの不安に寄り添い、最新の知見と豊富な経験でサポートすることを目的としています。

ICU(集中治療室)は、生命の危機にある急性の重症患者に対し、効果的かつ集中的な医療・看護を行う特別な病室のことです。

ICUでは、様々な高度な知識・技術を持つ専門医師である集中治療医と、そのパートナーとなる専門の知識・技術を持った集中ケア認定看護師といった人材が必要となります。

しかし日本の集中治療医は2021年4月時点で約2,200名ほどしかいません。海外と比べ日本のICUのレベルは高いものの、人数が少なく、ICUベッド数も少ないことも、今回の新型コロナウイルスパンデミックで明らかになりました。

集中治療医人数とICUベッド数が少ないと、パンデミックや災害などによって通常のキャパシティーを超えて重症患者が押し寄せた場合に、救命率の低下や命の選別が迫られるといった課題を生みます。

この脆弱な医療提供体制を改善するためには、集中治療医人数とICUベッド数共に増やすことが必要ですが、集中治療医は専門的な技術が求められるため、単純に人数を増やすということは困難です。

そこで考えられているのが、遠隔ICUというシステムです。

ICU・医療スタッフと遠隔地にいる専門的な医療チームがビデオ通話などでつながり、集中治療のサポートを行うというコンセプトです。

遠隔ICUでは、現場の医療スタッフと遠隔医療チームとの信頼関係の構築や、情報の伝達システムの構築、遠隔ICUスタッフの確保など様々な課題がありますが、国内の医療の質の向上のために重要なシステムであり、推進・普及が期待されています。

社会課題を解決するビジネスは、ビジネスとして成立させるためにハードルがあることも少なくなく、継続的な資金を必要とする企業もあるでしょう。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ ICU クロスバイ サービス サポート システム モニタリング リリーヴ 医師 医療 株式会社 治療 現場 病院 相談 診療 資金調達 遠隔 集中ケア認定看護師 集中治療医
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

小説出版プラットフォームを手がける「BookBase」が3,500万円調達
2023年4月7日、株式会社BookBaseは、3,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、株式会社マイナビです。 BookBaseは、CtoC小説(電子書籍)販売プラットフォー…
コミュニケーションプロデュース事業やタレントプロデュース事業などを展開する「FOR YOU」が1億円調達
2024年3月6日、株式会社FOR YOUは、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 FOR YOUは、デジタルやソーシャル領域を中心としたコミュニケーションプロデュース事業(広告事業)や…
レシピ動画「クラシル」が「イオンリテール」と連携しネットスーパー機能を追加
2020年12月3日、dely株式会社は、イオンリテール株式会社と連携し、2020年12月3日(木)から「クラシル」内でネット・スーパーのサービスを開始することを発表しました。 「クラシル」は、国内最…
決済機能付きデジタル社員証アプリ「TwooCa」を運営する「Kort Valuta」が5億円調達
2023年6月21日、株式会社Kort Valutaは、総額5億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Kort Valutaは、決済機能付きデジタル社員証アプリ「TwooCa(ツウカ)」を運営し…
光量子コンピューターの早期実現を目指す「OptQC」が6.5億円調達
2025年1月23日、OptQC株式会社は、総額6億5000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 OptQCは、東京大学大学院工学系研究科・古澤研究室の研究成果をもとに設立されたスタートアップ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集