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障害者福祉施設向けクラウドソーシングの「ミンナのシゴト」が資金調達

株式会社ミンナのシゴトは、とちぎ地域活性化投資事業有限責任組合(とちぎ地域活性化ファンド)から出資を受けたことを発表しました。

とちぎ地域活性化ファンドは、株式会社栃木銀行と株式会社とちぎんキャピタルが2015年2月に設立した、創業・新事業または将来成長が見込まれる地域企業に株式による出資などを行うファンドです。

ミンナのシゴトは、グループ会社での就労継続支援A型・B型事業所の運営や、大手企業との業務提携実績を活かして、売上確保に悩む障害者福祉施設向けのクラウドソーシング事業を展開しています。

パソコン操作に不慣れな障害者でも作業しやすいシステムを提供するほか、ミンナのシゴトが作業のアドバイスや進捗状況・品質の管理までを行っています。

ミンナのミカタぐるーぷ 代表取締役 兼子 文晴氏のコメント

今回のニュースについて、ミンナのミカタぐるーぷ 代表取締役 兼子 文晴氏よりコメントが届きました。

兼子 文晴
ミンナのミカタぐるーぷ 代表取締役
1979年11月3日生まれ、東京都大田区羽田出身。国士舘中学・高等学校・大学出身の国士舘10年生。中学・高等学校時代は入寮し柔道を行い、鈴木桂治(一つ下)・内柴正人(一つ上)と共に日本一に輝く。
大学卒業後に一部上場企業のジャパン建材㈱に入社。仙台配属。結婚し子供が産まれた事をきっかけに妻の実家のある鹿沼に移住。
2013年6月11日に株式会社未来福祉人材センター創業。2016年6月3日に株式会社ミンナのミカタを設立。2018年5月1日に株式会社ミンナのシゴトを開始
ー起業の経緯について教えてください。

兼子:障がい者の就労施設は「障害者自立支援法」という法律によって、一般企業への就労を支援する「就労移行支援事業所」と、一般企業への就業が困難で軽度の障がい者が働く場所としての「就労継続支援A型事業所」、重度の障がい者の作業所としての「就労継続支援B型事業所」の3つに分類されます。

私は6年前にうつ病にかかった際、就労移行支援事業所と関わることがありました。
その時、自分の知っている障がい者の情報と現実は全く違うことに衝撃を受け、「日本から障がいという言葉と概念をなくし、全国800万人のミカタになる」という思いを強く持ち、2013年6月11日に株式会社未来福祉人材センター創業しました。その後、就労継続支援A型事業所「(株)ミンナのミライ」と、B型事業所「(株)ミンナのナカマ」を設立しました。

6年前に設立した当初は、全国の障がい者の数は800万人でしたが、現在は937万人に増えている、と言われています。要因として考えられるのは、うつ病等の発症による精神障がい者の増加です。そのほとんどが、一般企業での就労中に発症された方々で、社会人として多くの経験とスキルを持った方です。

それに伴い、「就労移行支援事業所」と「就労継続支援A型事業所」が増加し、「就労継続支援B型事業所」と合わせると、全国に15,800事業所が存在しています。
ですが、国から支給される補助金を目当てに参入する者が多く、2018年の4月には「補助金を障がい者の賃金に当ててはならない」とした法改正がありました。
その結果、2018年の5月以降多数の就労継続支援事業所が廃業に追い込まれるという事態になってしまいました。

私は、その現状を打開することと、本来の趣旨である「障害者自立支援法」に基づく、「障がいのある者も差別なく、社会の一員として働ける」仕組みを創るべく、2018年5月に、障がい者福祉施設特化型クラウドソーシングである「㈱ミンナのシゴト」を立ち上げました。

ー今回の資金調達の目的はなんでしょうか?

兼子:資金調達の目的は運転資金です。
当面の運転資金を調達し、事業所の新規開拓、IT企業からの仕事の受注を行います。
売上が順当に伸びて来た場合はシリーズAとしてシステムの開発費用を調達しようと考えています。

ー今回の資金調達について、反響はありましたか?

兼子:少しですが、反響はありました。まずは御社に記事を掲載して頂いたこと。
その他メガバンク様よりお取引のお問い合わせを頂きました。

ー起業家へのメッセージをお願いします。

兼子:お金を稼ぐ事も重要ですが、一番重要な事は日本や世界が便利になったり、生きづらい人達が少しでも生きやすくなるような事業を作り出したりして欲しいと思います。

私も本当に普通の人間でした。ですが、ある時をきっかけに自分の信念に気づきました。
それが見つかれば、常に信念と情熱を持ち続け、行動することで道は拓けると考えます。
私もまだまだ夢の途中です。これからもがんばります。

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カテゴリ 有望企業
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