【2024年最新】最大1億円!ものづくり補助金をわかりやすく解説!
ものづくり補助金について補助金額や流れ、スケジュールについて把握しよう!
ものづくり補助金 18次締切分の電子申請が、2024年3月11日から始まります。最大1億円が支援される17次からの「省力化枠」に加え、18次では「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」の公募も始まります。
今回はそんな2024年のものづくり補助金について、主な変更点や各申請枠の概要、スケジュールなどを解説します。2023年(16次締切以前)とは大きく変更されている部分もありますので、ぜひご確認ください。
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この記事の目次
ものづくり補助金とは
ものづくり補助金とは、相次ぐ制度変更に対応すべく生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者等を支援する事業です。正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。
具体的には、生産性向上に資する革新的サービスや試作品の開発、生産プロセスの改善に向けた設備投資などが支援の対象です。「制度変更」に関しては、働き方改革や被保険者の適用拡大、賃上げ、インボイス制度などが想定されています。
ものづくり補助金17次・18次変更点とは
ものづくり補助金 2024年(17次から)の変更点は下記の通りです。申請枠や補助上限額など、比較的大きく変わる部分があるのでご留意ください。
「省力化枠」を新設して申請枠・類型を刷新【17次から】
2024年のものづくり補助金は、従来とは異なる申請枠・類型で公募されます。17次から省力化(オーダーメイド)枠、18次から製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠が新設。従来の基本枠・デジタル枠等を中心とした枠組みから、省力化枠がメインの形に変更されます。
補助上限額が大幅アップ!最大1億円に【従来の2倍】
ものづくり補助金 2024年の補助上限額は、従来の2倍となる最大1億円まで引き上げられます。中小企業・小規模事業者等は、本補助金を利用してより大規模な生産改革に取り組みやすくなります。
2023年のものづくり補助金では、グリーン枠(アドバンス)の4,000万円、大幅賃上げの特例を合わせて5,000万円が最大でした。一方、17次締切からのものづくり補助金では、新設された省力化枠の補助上限額が最大8,000万円、大幅賃上げの場合は1億円です。
大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例も強化
2023年から始まった大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例も、17次締切分から最大2倍まで拡充されます。同特例は、補助事業終了後から3〜5年で大幅な賃上げ(年平均成長率6%以上増加など)に取り組む事業者へ、補助上限額を100万円〜上乗せする仕組み。
16次締切以前の上乗せは100〜1,000万円でしたが、17次・18次締切では100〜2,000万円まで強化されます。
口頭審査(オンライン)が新設される
ものづくり補助金 2024年では、従来の書面審査に加えて、補助申請額が一定以上の場合に口頭審査も実施されます。形式はオンライン(Zoom等)、所要時間は1事業所15分ほどです。
口頭審査では、申請した「事業計画の適格性、革新性、優位性、実現可能性等」が見られます。審査に対応するのは原則として法人代表者等の申請者本人で、経営コンサルタントや社外顧問等による代理、同席は認められないのでご注意ください。
その他留意すべき変更点
そのほか、17次・18次締切のものづくり補助金では、以下の点も変更されているのでご注意ください。
- 申請事業に係る資金を金融機関(ファンドを含む)から調達予定の場合、金融機関による事業計画の確認書の提出が必要
- 令和元年度補正以降にものづくり補助金を活用し、かつ収益納付実績がない事業者には減点を実施
- 新設される製品・サービス高付加価値化枠では、新しい製品・サービスの開発が必須(従来の通常枠等とは異なり、単に設備・システムを導入しただけでは補助対象にならない)
ものづくり補助金の申請枠
ものづくり補助金 2024年 17次締切分は、新設される省力化(オーダーメイド)枠のみの公募となります。18次締切分では、製品・サービス高付加価値枠とグローバル枠も追加されます。各申請枠・類型の概要は以下の通りです。
省力化(オーダーメイド)枠【17次締切から新設】
省力化(オーダーメイド)枠は、人手不足の解消を念頭に置いた、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド整備)による生産プロセス・サービス提供方法の改革を支援する枠組み。デジタル技術等としては、ICT、IoT、AI、ロボット、センサーなどが想定されています。
例えば、手作業の工程を、システムインテグレータ(Sler)と共同開発したAIやロボットなどで24時間自動化する場合などに利用できます。導入する設備、システム投資にかかった費用などが補助の対象です。
補助上限額・補助率
従業員規模 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
5人以下 | 750万円(1,000万円) | 1/2 小規模・再生 2/3 ※補助金額1,500万円までは1/2も しくは2/3、1,500万円を超える部 分は1/3 |
6~20人 | 1,500万円(2,000万円) | |
21~50人 | 3,000万円(4,000万円) | |
51~99人 | 5,000万円(6,500万円) | |
100人以上 | 8,000万円(1億円) |
基本要件(全枠共通)
以下の要件をすべて満たす3〜5年の事業計画を策定していること。
- 事業者全体の付加価値額を年平均成長率(CAGR)3%以上増加
- 給与支給総額を年平均成長率(CAGR)1.5%以上増加
- 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
追加要件
基本要件に加え、以下の要件を全て満たすこと
- 3~5年の事業計画期間内に補助事業において設備投資前と比較して労働生産性が2倍以上となる事業計画を策定すること
- 3~5年の事業計画期間内に投資回収可能な事業計画を策定すること。
- 外部SIerを活用する場合、3~5年の事業計画期間内における保守・メンテナンス契約を中小企業等とSIer間で締結し、SIerは必要な体制を整備すること
製品・サービス高付加価値化枠【18次締切から新設】
製品・サービス高付加価値化枠は、革新的な製品やサービスの開発に必要な設備・システムなどの導入を支援する枠組みです。革新的な製品・サービスとは、同業や同地域にまだあまり普及していない、顧客に新たな価値を提供できるものを指します。
通常類型では、賃上げの程度によって「新型コロナ回復加速化特例」の対象となり、補助率が引き上げられます。また成長分野であるDX・GXに関する製品・サービス開発は「成長分野進出類型」に該当し、補助上限額が引き上げられることも特徴です。
補助上限額・補助率
通常類型 | ||
---|---|---|
従業員規模 | 補助上限額 | 補助率 |
5人以下 | 750万円(850万円) | 1/2 小規模・再生 2/3 新型コロナ回復加速化特例 2/3 |
6~20人 | 1,000万円(1,250万円) | |
21人以上 | 1,250万円(2,250万円) |
成長分野進出類型 | ||
---|---|---|
従業員規模 | 補助上限額 | 補助率 |
5人以下 | 1,000万円(1,100万円) | 2/3 |
6~20人 | 1,500万円(1,750万円) | |
21人以上 | 2,500万円(3,500万円) |
通常類型
基本要件に加え、以下の要件を満たすこと
- 3~5年の事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画を策定すること
【新型コロナ回復加速化特例の要件】
- 常時使用する従業員がいること
- 2022年10月から2023年8月までの間で、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること
- 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額が1.5%以上増加目標を達成していること
- 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での事業場内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上の水準を達成していること
成長分野進出類型
基本要件に加え、以下の要件を満たすこと(2・3はどちらか一方)
- 3~5年の事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画を策定すること
- 【DX】DXに資する革新的な製品・サービスの開発であること
- 【GX】グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する革新的な製品・サービスの開発であること
グローバル枠【18次締切から新設】
グローバル枠は、海外事業によって国内の生産性を高めるために必要な設備・システム投資などを支援する枠組みです。
以下のいずれかの海外事業が補助対象となります。
- 海外への直接投資に関する事業
- 海外市場開拓(輸出)に関する事業
- インバウンド対応に関する事業
- 海外企業との共同で行う事業
補助率・補助上限額
従業員規模 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
5人以下 | 3,000万円(3,100万円) | 1/2 小規模 2/3 |
6~20人 | 3,000万円(3,250万円) | |
21人以上 | 3,000万円(4,000万円) |
共通要件
- 海外事業に関する実現可能性調査を実施していること
- 社内に海外事業の専門人材を有すること又は海外事業に関する外部専門家と連携すること
個別要件
基本要件に加え、選択する事業における以下の要件を満たすこと
【①海外への直接投資に関する事業】
- 国内に所在する本社を補助事業者とし、補助対象経費の2分の1以上が海外支店の補助対象経費となること、又は海外子会社(発行済株式の総数の半数以上又は出資価格の総額の2分の1以上を補助事業者が所有している、国外に所在する会社)の事業活動に対する外注費(本補助金の補助対象経費の範囲に限る。一般管理費は含まない。事業実施に不可欠な開発・試作にかかる業務等を想定。)若しくは貸与する機械装置・システム構築費(本補助金の補助対象経費の範囲に限る。)に充てられること。
- 国内事業所においても、海外事業と一体的な機械装置等(単価50万円(税抜き)以上)を取得(設備投資)すること。
- 応募申請時に、海外子会社等の事業概要・財務諸表・株主構成が分かる資料を提出すること。
- 実績報告時に、海外子会社等との委託(貸与)契約書とその事業完了報告書を追加提出すること。
【②海外市場開拓(輸出)に関する事業】
- 国内に補助事業実施場所を有し、製品等の最終販売先の2分の1以上が海外顧客となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していること。
- 応募申請時に、事前のマーケティング調査に基づく、想定顧客が具体的に分かる海外市場調査報告書を提出すること。
- 実績報告時に、想定顧客による試作品等の性能評価報告書を提出すること。
【③インバウンド対応に関する事業】
- 国内に補助事業実施場所を有し、製品・サービス等の販売先の2分の1以上が訪日外国人となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していること。
- 応募申請時に、想定顧客が具体的に分かるインバウンド市場調査報告書を提出すること。
- 実績報告時に、プロトタイプの仮説検証の報告書を提出すること。
【④海外企業との共同で行う事業】
- 国内に補助事業実施場所を有し、外国法人と行う共同研究・共同事業開発に伴う設備投資等があり、その成果物の権利の全部又は一部が補助事業者に帰属すること(外国法人の経費は、補助対象外)
- 応募申請時に、共同研究契約書又は業務提携契約書(検討中の案を含む)を提出すること。
- 実績報告時に、当該契約の進捗が分かる実績成果報告書を提出すること。
ものづくり補助金の申請フロー
ものづくり補助金 2024年の申請の流れは、下記の通りです。
- 事前準備(GビズIDの取得)
- 公募開始
- 申請受付
- 審査(書面審査→口頭審査)
- 補助金交付候補者決定
- 交付申請・決定
- 補助事業実施(事業実施→中間検査→実績報告)
- 確定検査(交付額の決定)
- 補助金の請求
- 補助金の支払
- 事業化状況報告・知的財産権報告(毎年4月)
上記の手続きは全て電子化されており、申請は電子申請システムのみの受付となります。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。
ものづくり補助金のスケジュール
ものづくり補助金 2024年のスケジュールは下記の通りです。
18次 | |
---|---|
公募開始 | 2024年1月31日(水)17:00~ |
電子申請受付 | 2024年3月11日(月)17:00~ |
申請締切 | 2024年3月27日(水)17:00まで |
補助金交付候補者決定 | 2024年6月下旬頃(予定) |
補助事業実施期間 | 2024年12月10日まで |
補助金の請求 | 2025年1月31日まで |
なお、電子申請で使うGビズIDの作成には2週間前後(場合によっては3週間前後)の期間を要します。直前で作成申請をすると締切に間に合わない恐れがあるため、余裕のあるスケジュールを立てるのがおすすめです。
ものづくり補助金の採択ポイント
ものづくり補助金の採択を受けるにあたって、最も重要なのが事業計画書のクオリティです。必要に応じて専門家のサポートを受けながら、適格性・革新性・優位性・実現可能性等に優れた事業計画を立てられれば採択に近づくでしょう。
注意点として、ものづくり補助金 2024では、オンラインでの口頭審査に、個人事業主本人や法人代表者等が1人で臨まなければなりません。つまり事務局に対し、事業計画について経営者本人が自分の言葉でしっかり語れることが求められます。よって、経営コンサルタント等の支援を求めるにしても、経営者自身が事業計画について主体的に検討することが重要でしょう。
ちなみにものづくり補助金の審査において、事業計画書の審査項目は以下のようなものです。
- 補助対象事業としての適格性:公募要領に記載された対象事業や申請要件などを満たす。3〜5年計画で年平均成長率3%以上増加の達成を見込む。
- 技術面:製品・サービス開発の技術革新性と具体性。革新性が低ければ評価は低くなる。
ものづくり補助金のよくある質問
最後に、ものづくり補助金 2024年についてよくある質問にお答えします。
Q. 17次締切と18次締切に2回申請することは可能?
A. 2回申請することはできません。ものづくり補助金の17次締切と18次締切は、どちらか1回にのみ申請できます。17次に続いて18次にも申請した場合、不採択となるか、採択決定ないし交付決定が取り消されるので注意してください。
ちなみに17次・18次は受付や締切の期間に差はあれど、補助事業実施期間と補助金の支払時期は同じです。
Q. ものづくり補助金 2024年の採択率はどのくらい?
A. ものづくり補助金の採択率は例年30〜40%、採択倍率は2〜3倍ほどです。前回のものづくり補助金 16次締切分の採択率は48.8%でした。
2024年も同程度になると予想されますが、変動する可能性もあります。なお、仮に不採択となった場合でも、次回の締切分(17次・18次の場合は19次以降)に再度申請することは可能です。
Q. ものづくり補助金 2024年は17次・18次の2回だけ?
A. 2024年3月現在で予定されているのは17次・18次の2回のみです。ただし、今後2024年以内に19次以降が実施される可能性もあります。
18次での申請が難しい場合、または同締切分で不採択となった場合などは、19次以降の続報をお待ちください。
まとめ
ものづくり補助金 2024年の主な変更点は、申請枠が刷新され、補助上限が最大1億円に引き上げられることです。18次締切では省力化(オーダーメイド)枠に加え、製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠の公募も始まります。
ものづくり補助金の採択を受けるには、質の高い事業計画書を作ることが大切です。経営者本人が1人で参加する口頭審査も念頭に、革新的かつ優位的で実現可能性も高い事業計画を策定しましょう。
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(編集:創業手帳編集部)
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