ホラクラシー組織を知っていますか 役職や上下関係が存在しない新しい組織の形を解説

創業手帳

ホラクラシー組織の概要と特徴を解説します

(2020/08/15更新)

ホラクラシー組織という言葉をご存知でしょうか。役職や上下関係が存在しない組織運営手法として、近年日本でも注目されつつあります。

「フラットで自由な組織」と表現されることもありますが、ホラクラシー組織は明確なルールのもと、メンバー全員と価値観をすり合わせながら運営していく必要があります。ホラクラシー組織の基本的な特徴と、メリット・デメリットなどについて解説します。

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ホラクラシー組織とは

ホラクラシー組織は、役職や上下関係が存在しない組織運営スタイルです。2007年に、Holacracy One(ホラクラシー・ワン)社が生み出しました。

ホラクラシー組織では、発生する業務について「ロール(役割)」という単位を割り当てます。業務の意思決定を役職や人ではなく、ロール単位で行っていく点が最大の特徴です。

現在多くの企業で取り入れられている、ヒエラルキー型の組織運営方法は、組織の上層部の人間が意思決定を行い、下層部のメンバーに指示するトップダウンの形を取ります。これに対して、ホラクラシー組織はメンバー全員が対等な関係・立場にあり、意思決定は同じロールに属するメンバーの間で行われます。

つまり、ホラクラシー組織の意思決定は分散型であり、メンバー全員に意思決定権があるとも言えます。

共通のルールとロール(役割)にのっとって業務に取り組む

「メンバー全員が対等で、全員に意思決定権がある」と言うと、フラットで自由な働き方をすることができる、と思う人もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

ホラクラシー組織には、役職や上下関係・管理業務がない一方で、組織を運営するための共通ルール(ホラクラシー憲法という名のガイドライン)があります。ホラクラシー憲法は、組織内での動き方や、意思決定をする会議の手順、禁止事項など、組織運営のためのルールが細かく定められています。メンバーは、共通のルールを遵守しながら働くことになります。

ホラクラシー組織における意思決定の要となるのが、「ロール(役割)」です。ロールとは、仕事上の役割を指し、「目的」「責務」「領域」の3つの要素を含んでいます。ロールが示す責任範囲や権限は、組織ごとに柔軟に設定することができます。

メンバーは、共通のルールと、自身に割り当てられたロールの領域から外れないよう注意しながら組織を運営します。「管理や上下関係がないから自由」ではなく、「管理や上下関係がなくても組織を運営できるように、ルールをしっかり定めている」のです。

全ての情報をメンバー間で共有する

ホラクラシー組織の大きな特徴の一つに、「情報の非対称性がないこと」が挙げられます。ヒエラルキー型の組織では、役職など一部の権限がある人にしか見ることができない情報があることが一般的ですが、ホラクラシー組織では、原則としてメンバー間で全ての情報を共有します。

ホラクラシー組織の代表的なロール

ホラクラシー組織を運営する際に、ベースとなるロールが存在します。代表的な「リードリンク」、「ファシリテーター」、「セクレタリー」について簡単に解説します。

リードリンク

リードリンクは、組織の全体的な目的の達成に向けて、戦略を立てたり、重要指針を作成したり、優先順位の見極めなどを行ったりする存在です。具体的な業務領域としては、人事や投資の配分などが考えられます。

ファシリテーター

ファシリテーターは、組織全体の活動が共通のルールに沿って行われているかをチェックしたり、調整したりする役割です。会議では司会進行を務めます。

セクレタリー

セクレタリーは、組織内でやり取りされる情報について、記録を取る役割です。会議のスケジューリングや、議事録の作成などを担います。

意思決定の場は「ガバナンスミーティング」

ホラクラシー組織において、ロールの目的や権限は、全て「ガバナンスミーティング」という会議で定めます。ロールの中でガバナンスミーティングを繰り返すことで、業務の役割や目的を現状にあわせて改善し、業務を最適化していくことができるのです。

ホラクラシー組織のメリット

ホラクラシー組織として事業を運営するメリットを紹介します。

本業に集中しやすい

組織のマネジメント・管理業務がなくなるので、本業に集中しやすいというメリットがあります。それにより、社内政治など本業に関係のない人間的なトラブルが起きにくいので、メンバーにとって働くストレスを軽減しやすくなります。

メンバーの主体性・多様性を生みやすい

ホラクラシー組織では、与えられたロールをいかに達成するかを常に考え続けることになります。そのため、メンバーが自ずと主体性高く業務に取り組む環境ができます。
また、メンバーどうしで上下関係などを気にする必要がないため、コミュニケーションが活性化し、組織に多様性が生まれやすくなります。

柔軟な運営をしやすい

決められた役職や固定された部署などがないので、タスクごとにロールを新設したり、既存のメンバーを新しいロールに配属したりするなど、柔軟な運営をしやすくなります。その時々に応じたニーズに対応しやすい組織の形です。

ホラクラシー組織のデメリット

ホラクラシー組織の弱点としてどんなものがあるかもお伝えします。

リスク管理が難しい

組織全体に情報が共有されるという性質上、ホラクラシー組織では機密情報管理の難易度が上がります。

組織全体をコントロールすることが難しい

ロールによって意思決定が行われるホラクラシー組織では、組織を全体的にコントロールすることが難しくなります。また、管理業務がない分、メンバーが今何をやっているのかを把握しづらいという面もあります。

採用のハードルが高い

ホラクラシー組織では、与えられたロールの目標に向かって主体的に動けるメンバーを集める必要があります。新たなメンバーを迎えるときも、その人が組織のカルチャーに合う人かどうかを丁寧にすり合わせなければならない分、採用のコストが高くなります。

事業の成長にあわせて人材をどんどん雇い、組織を急成長させる、といった戦略を取ることが難しい形態です。

既存の組織形態からの移行が難しい

ホラクラシー組織のあり方、運営の方法は独特で、現状日本ではまだ浸透していません。すでにヒエラルキー型の組織として運営している企業が、ホラクラシー組織に移行したいと考える場合、メンバー全員に新たな価値観を周知し、浸透させるためには相応の時間とコストがかかります。

まとめ

ホラクラシー組織のベースとなる情報を解説しました。ホラクラシー組織は、組織設計や運用のルールについての深い理解と、メンバーに対する情報や価値観の共有・遵守の徹底をもってはじめて効果を発揮します。導入を考えている経営者は、自身の事業に適した組織運営の形かどうか、メンバーとしっかりすり合わせながら慎重に取り組む必要がありそうです。

また、株式会社アトラエなど、ホラクラシー型の組織運営を導入している会社の事例などを参考にしてみるのも良いでしょう。

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