会社設立は専門家に手続きを代行してもらうことができるって知ってますか?

創業手帳

代行を依頼できる内容と、依頼先。そのメリット・デメリットまとめ

(2018/06/29更新)

いざ会社を設立しようと思っても、「会社設立ってそもそも何からスタートしたらよいかわからない」「手続きが面倒くさそうだから、個人事業のままでいいかな」と二の足を踏んでいませんか?

会社設立の手続は自分で行うこともできますが、煩雑な手続きを代行してくれるサービスを利用することもできます。専門家の手を借りることで、確実に、手間なく会社設立を行うことが可能です。

これからは、“副業から起業する”といった流れの起業も増え、会社設立を考える機会も増えていくことでしょう。ビジネスに十分な時間を充てるためにも、会社設立の事務作業はなるべく簡略化することが重要です。この記事を参考に、会社設立をする際は代行サービスの利用を検討し、会社設立の手間を省きましょう。

会社設立は手間がかかる

会社を設立するためには、いくつもの手続きをクリアしなくてはなりません。それらの中で、代行してもらえるのはどの手続きなのか?代行サービスの紹介をする前に、会社設立の流れを簡単に説明します。

①基本事項の決定

会社名、法人印鑑、役員報酬、資本金額など、会社設立にあたって必要な項目を決定します。特に、役員報酬の額は税金に与える影響が大きく、設立直後の資金繰りに関わります。資本金額は融資の際の判断基準にもなります。いずれも、慎重な検討が必要です。

②定款の作成・認証

定款とは、会社の基本原則について定めた書類。必ず書かなくてはならない「絶対的記載事項」が定められていて、それを記していないと無効になってしまいます。定款を作成したら、記載が正しいものであることを第三者に証明してもらう「定款認証」を行います。これは、公証役場にて行います。

③資本金の払込

資本金を振り込み、払込証明書を作成します。登記申請は資本金の払込みから2週間以内なので、スケジューリングに注意しましょう。

④登記書類の作成

会社設立登記に必要な書類を準備します。株式会社や合同会社などといった、会社のタイプによって、作成する書類の種類が変わります。作成した登記書類は、印刷・製本します。

⑤登記申請

作成した書類と必要書類をまとめて、法務局に提出します。登記申請の際に、登録免許税を収入印紙で納めます。登記申請書を提出した日が会社設立日となるので、こだわりがある場合は注意しましょう。

⑥登記後の手続き

会社設立が完了しても、まだやるべきことはあります。印鑑証明書の交付、税務署・都道府県税事務所・市町村役場・年金事務所・労働基準監督署・ハローワークへの届出など。作成する書類も多岐に渡るので、もれなく対応できるよう事前の準備が重要です。

※ここで示した番号は、以降の項目にも対応しています。

会社設立の流れについて、より詳しく知りたいという場合は、以下の記事が参考になります。

【保存版】株式会社設立の「全手順」と流れを詳しく解説します

初めての会社設立の場合、慣れていないので想像よりも時間や手間がかかります。法務局に書類を提出すれば終わりではなく、公証役場に、年金事務所や税務署にとさまざまな場所に足を運ばなくてはなりません。作る書類の数も膨大です。

経営者としては、会社設立手続き自体に時間を割くよりも、ビジネスそのものに時間を割く方が有意義なはずです。以下に、専門家に依頼できる手続きや、依頼先ごとのメリット・デメリットを解説していきます。会社設立の代行を検討する際の参考にしてください。

会社設立で専門家に代行を依頼できる内容

上記で開設した「会社設立の手続き」の中で、専門家に依頼できる内容は以下のとおりです。

①基本事項の決定
②定款の作成・認証
④登記書類の作成
⑤登記申請
⑥登記後の手続き

実際に自分でやらなくてはならないところ(資本金の振込など)や、最終的な意思決定を除き、ほとんどの作業を代行してもらえることが分かります。また、その意思決定に際しても、専門家のアドバイスが受けられるというメリットがあります。

例えば、資本金や役員報酬の額はいくらにすべきなのか。これらは、法人税額や融資にも関わってくる話です。専門家の目線で最適な基準を示してもらうことで、意思決定のスピードも上がるでしょう。

会社設立を代行してもらえる依頼先

会社設立を代行してもらえる代表的な依頼先は、以下の通りです。

前提として、会社の登記手続きを代理できるのは、司法書士だけ。いろいろな代行先がありますが、間接的に司法書士と連携していることも多いです。登記手続きだけがネックなのであれば、司法書士に依頼するといいでしょう。

依頼先によって、得意とする分野が違うので、どのようなサポートを求めるのかに応じて選んでください。依頼先ごとのメリット・デメリットについては、次の項目で詳しく解説します。

【司法書士】
登記の専門家。設立関連書類の作成と登記申請を一気に依頼できますが、設立後の税務手続きまでは対応していない場合もあります。

【税理士】
登記手続きは代理できないため、書類作成のみ。司法書士と連携して対応するケースが多いです。設立後の税務顧問契約とあわせて依頼することで、設立代行費用を低く抑えています。

【行政書士】
登記手続きは代理できないため、書類作成のみ。提携の司法書士に依頼するか、登記手続き自体は自分で行う必要があります。飲食業や派遣業など、各種許認可やビザ手続きがある場合は、同時に依頼できます。

【社労士】
登記手続きは代理できないため、書類作成のみ。社会保険の手続も含めて依頼でき、助成金の申請に長けているという特徴があります。

【その他の代行サービス】
会計ソフトを扱う企業などが、会社設立をサポートする事業を手がけているケースもあります。

「弥生のかんたん会社設立」で株式会社を設立してみて分かったこと

「会社設立 freee」で会社設立手続きの手間を最小限に

専門家の業務範疇について、詳しくは下記記事も参考にしてみてください。

会社設立は誰に頼む?司法書士・行政書士・社労士・税理士を徹底比較

会社設立の代行を依頼するメリット

会社設立の代行を依頼すると、次のメリットがあります。

  • 手続きで悩む時間がなく、会社設立までがスピーディ
  • 専門家目線のアドバイスが得られる
  • 時間を無駄にせず、ビジネスに集中できる

起業直後の忙しいタイミングだからこそ、代行サービスを上手に使って時間を節約したいですね。

上記で代行先を紹介しましたが、要は「どの士業に依頼するか?」という点に集約されます(その他の代行サービスも、いずれかの士業が実務・運営に関わっていることが多いため)。

各士業に依頼した際のメリット・デメリットを一覧でまとめましたので、依頼先選びの参考にしてください。

メリット デメリット
司法書士 登記手続きがスムーズ 費用が割高
税務手続きなどは自分で行う必要あり
税理士 費用が安い
税務手続きに強い
節税のアドバイスが得られる
設立後の顧問契約とセットの場合が多い
行政書士 許認可やビザ申請を同時に進められる 費用が割高
税務手続きなどは自分で行う必要あり
社労士 助成金に強い
社会保険の手続を依頼できる
給与計算なども依頼できる
費用が割高
税務手続きなどは自分で行う必要あり

会社設立は誰に頼む?司法書士・行政書士・社労士・税理士を徹底比較

まとめ

会社設立の手続きは自分でも行うことができますが、手続きにかかる時間を考えると、代行を依頼するほうがコストパフォーマンスが良い場合もあります。会社設立をする回数は限られているので、そのために調べたり書類を作成したりするのは、時間のロスです。また、依頼先によって得意分野が違うので、悩みに合わせた依頼先を選ぶことで、経営のよいパートナーを見つけることができます。

会社設立前後の時間は、経営者にとってとても貴重な時間です。会社設立の手続は代行してもらい、浮いた時間をビジネスそのものに当てましょう。

(執筆:創業手帳編集部)

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