エンジニアとして独立・開業するには?メリット・デメリットや必要な知識を解説

創業手帳

フリーシステムエンジニアになるには?開業の方法・身につけたいスキルを紹介

エンジニアとして会社に勤めていると、独立開業してフリーランスになることを夢に見ることもあるでしょう。
エンジニアが開業する時に必要なスキルや考えたいことを紹介するので、フリーランスエンジニアの夢を現実にするための参考にしてみてください。
また、エンジニアとしての開業にメリットやデメリットがあるか、さらにエンジニアがするべき開業前や開業後の行動も紹介します。

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エンジニア独立開業のメリットとデメリット


エンジニアで独立開業をすることには、メリットとデメリットがあります。
フリーランスエンジニアのメリットやデメリットを理解し、開業してフリーランスになることの是非を検討してください。
会社に勤めているエンジニアがフリーランスになると、メリットだけでなくデメリットも感じることが多いものです。

メリット

会社員からフリーランスになった時、より働きやすい、稼ぎやすいとメリットを感じることもあります。
フリーランスエンジニアにあるメリットを見て、フリーの良さを確認しておきましょう。

スキルがあれば会社員時代よりも高収入を稼げる

フリーランスとしてエンジニアが開業すると、スキルがあればそのスキルの分だけ高収入を期待できます。
そもそも、特にエンジニアは各々のスキルで勝負できる職業です。
エンジニアとしてのスキルが高い人は会社に雇われているよりも、高収入になります。

日本企業の特徴である年功序列によって、会社員エンジニアの平均年収が低くなることがあります。
評価基準がスキルよりも勤続年数となるため、若いエンジニアはどれだけ優秀でも年収が上がりません。
そういった企業の体質で低くなった年収が不満であるなら、フリーになることも良いものです。

仕事や時間の自由度が高い

エンジニアだけではなく、フリーランスになると会社に雇われているよりも自由度が高くなることが多いものです。
雇われていると、仕事のえり好みができません。
勤務条件に勤務時間があるため、時間も自由に決められないことが多いです。
しかし、開業してフリーランスになれば、自分の好きな仕事や時間を選び、働けます。

使ったお金を経費にできる

事業に関わることにお金を使った場合はそれらを経費にできます。
また、フリーランスで自宅で作業している場合、家賃や光熱費・インターネット代を一部経費にできます。

カフェで作業した時の飲食の費用は「雑費」、仕事仲間との食事は「交際費」、勉強のための書籍購入は「書籍代」などにできます。
経費や控除をうまく活用すれば節税できるので、会社員の時よりも納税金額を減らすことも可能です。

デメリット

フリーのエンジニアは、そのデメリットによって会社に勤めていた時より働きにくいと感じることもあります。
エンジニアの開業の際には、メリットだけではなくデメリットも理解しておくことが重要です。

雇用契約で守られない

開業したエンジニアは自由度が高くなりますが、自由である分会社に守られないことも多くなります。

フリーランスとは、会社に雇用されない働き方です。つまり、雇用契約で守られていないということです。

会社組織は、エンジニアが会社の仕事で失敗した時に責任を取ってくれることが多いです。
一方、フリーランスは自分の思うとおりに仕事をすることができますが、その代わりに自分の身は自分で守る必要があります。

法定福利厚生を受けられない

会社に雇用されていないエンジニアは、法定福利厚生を受けることができません。
会社は、健康保険料や厚生年金保険料、介護保険料、雇用保険料、労災保険料などを負担してくれるものです。
フリーランスでは、これらの費用を自分だけで負担することになります。

本業以外の業務を行う必要がある

会社員の時とは違い、独立するとSE業務以外の作業をする必要も出てきます。具体的には、営業活動や経理作業です。

経理の作業としては、確定申告を自身で行う必要があります。
会社員時代は会社がすべて作業を代行してくれましたが、独立してからは自分で確定申告の作業を行うか、税理士・会計士にお金を払ってお願いしなければなりません。

エンジニアの開業は法人化(会社設立)と個人事業主どちらが良い?


エンジニアが開業するのにはどのような立場が良いのか、会社設立と個人事業主の開業資金などを検討してみましょう。
自身の環境と準備できる資金でどちらが良いか考えることが大切です。

開業資金

法人の法定設立費用は、6万円~20万円+資本金です。
また、法人として事務所も必要となり、外部に事務所を構える場合には200万円程の資金が必要になります。
自宅でフリーランスエンジニアになる時には、パソコン取得の費用が必要です。
高スペックなものなら50万円くらいですが、低スペックのものは数万円で買えるかもしれません。
また、自宅にパソコンがある人は買う必要がないこともあります。

会社を設立する場合の目安

会社を設立するとなると、住民税や社会保険といった維持費が増えることになります。そのため、ある程度まとまった売上げがあることや、売上げが見込めることが必要です。
会社を設立する際の目安は以下となっております。

【フリーランス】
  • 売上高が1,000万円を超えた
  • 課税所得が800万円以上
【会社員】
  • 独立しても売上高が1,000万円以上見込める

一般的には、最初はフリーランスになり、軌道に乗ってから会社を設立する方が多いようです。

開業届の提出方法は?


エンジニアとして開業する時には開業届が必要です。
開業届は事業を開始した日から1カ月以内に提出しなければならないとされています。しかし、期限を過ぎてしまっても提出することはできます。
また、開業届を出すのは義務となっていますが、出さないままでも罰則はありません。

持参

税務署の窓口に直接持って行く方法です。窓口に持参すれば、記入漏れなどがあってもその場で直すことができます。
ただし、税務署の開庁時間は平日の8時30分から17時までとなっているため、平日忙しい場合には時間を作るのが大変かもしれません。

その場合、夜間に税務署に持って行って時間外収受箱に投函する方法もあります。
時間外収受箱を利用するなら税務署宛に送る切手は不要ですが、返信用の封筒に貼る切手は必要なので注意しましょう。

郵送

税務署宛に郵送する方法です。郵送を利用すれば、わざわざ税務署まで行かずに済みます。
以下のものを封筒に入れて郵送します。

  • 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)
  • 開業届の控え
  • 返信用封筒・返信用切手
  • マイナンバー確認書類・本人確認書類

簡易書留・レターパックなど追跡可能な方法が安心です。

インターネット(e-Tax)

国税庁のオンラインサービスであるe-Taxにより、インターネットで税務署に申請する方法です。
e-Taxを利用すれば、家にいながらでも開業届を出すことができます。

パソコンとインターネット環境、ICカードリーダライタ、マイナンバーカードが必要です。

利用者識別番号と呼ばれる16桁のID番号を取得、電子証明書を取得して、 e-Taxソフトをダウンロードします。
別途税目のインストールになるため「所得税」を追加します。e-Taxのホームページの「各ソフト・コーナー」からダウンロード可能です。

開業届について、詳しくはこちらの記事を>>
開業届を出すデメリットはある?開業届の基礎知識を紹介します

エンジニアの会社設立の手順は?


会社を設立するには、いくつかの手順を踏むことが必要です。
エンジニアとして会社組織を作り、開業したい人は会社設立の準備から設立の手続きまでの手順を確認してください。

会社の概要を決める

まず会社の基本事項を決めます。
会社の概要として主に必要な項目は下記のとおりです。今後作成する定款にも記載する内容にも反映されます。

  • 社名(商号)
  • 資本金
  • 所在地
  • 会計年度
  • 事業目的
  • 株主の構成
  • 役員の構成

法人用の実印を作成する

社名が決まったらまず実印を作り、印鑑届書を届けます。 印鑑届書は、会社が法務局で実印を登録するために必要な書類です。

定款を作成して認証を受ける

定款(ていかん)とは、会社を運営するうえでのルールをまとめたものです。定款の作成は時間がかかるため、余裕を持って準備を進めることが必要となります。

出資金(資本金)を払い込む

定款が認証された後で、出資金(資本金) を払い込みます。
会社設立登記が完了していなく会社の銀行口座はまだ作れないため、発起人の個人口座に振り込みます。

会社法では資本金の下限がないので1円から申請可能ですが、資本金が極端に少ないと、事務所を借りる際の契約料や備品購入の資金が足りなくなるかもしれません。
そのため、最低限の資本金として、初期費用に運転資金3カ月分を足した金額程度は、用意しておくほうが良いでしょう。

登記申請書類を作成して法務局で申請する

登記申請は原則として代表者が行いますが、司法書士などの代理人によって行うことも認められています。
代理人が行う場合は、委任状が必要です。

登記申請には、申請書類が必要となります。 以下の書類を準備してください。

  • 設立登記申請書
  • 登録免許税分の収入印紙
  • 定款(収入印紙代(4万円)が必要)
  • 発起人の同意書(発起人決定書、発起人会議事録)
  • 設立時代表取締役の就任承諾書
  • 監査役の就任承諾書(監査役に就任することを承諾した旨を証明するための書類。監査役を設置しない場合、提出は不要)
  • 発起人の印鑑証明書(取締役会を設置している場合は、代表取締役のみ必要)
  • 資本金の払い込みを証明する書面
  • 通帳のコピー(通帳の表紙・1ページ目・振込が記帳されたページ)を払込証明書に添付
  • 印鑑届書( 会社の実印登録のための届書)
  • 登記用紙と同一の用紙

エンジニアとして開業前に身につけたいスキル


エンジニアとしてプログラムスキルはもちろんですが、開業したフリーランスエンジニアとしては会社組織の助けがないため、仕事をする時にいくつかのスキルを求められます。
開業したいエンジニアは必要なスキルを知り、それを身につけることが必要です。

プレゼンテーションスキル

プレゼンテーションスキルは、自分で仕事を受けたい時に必要となります。自分のスキルなどをプレゼンテーションすることで、依頼主に安心して依頼してもらうことができます。

会社員として働いているエンジニアの場合には、会社の営業担当者が行いますが、フリーランスの場合には自分自身が営業マンとして依頼主へと働きかけることが必要です。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルも、依頼主との打ち合わせなどの時に必要です。会社に勤めるエンジニアとは違い、フリーランスになると外部の人との打ち合わせを避けられません。
また、電話やビジネスチャットでコミュニケーションすることもあるでしょう。
こういった時にコミュニケーションスキルがあれば、依頼主も安心して仕事を任せられす。

また、依頼主の希望通りに案件を仕上げるためにも、コミュニケーションが必要です。依頼主は「自分の話を聞いてもらえた」と感じ、満足してくれるでしょう。

スケジュール管理能力

開業したフリーランスエンジニアは、指示待ちでひたすら作業をすることができません。スケジュール管理も自分でできることが必要です。

また、スケジュール管理を効率的にできれば、エンジニアの仕事に時間や手間をかけることができ、依頼主のために集中して仕事をすることができるようになります。

開業後の仕事の取り方


エンジニアとして開業したら、自分で仕事を取ることが必要です。どのように仕事を取れば良いのか、紹介します。

コネクションを活用する

会社に勤めていた時のコネを使ったり、知り合いに声かけたりすることで仕事につながることがあります。
そのためには、会社を辞める時にも喧嘩別れにならないようにしましょう。エンジニアとして会社に勤めていた人なら、やりやすい仕事の取り方です。

また、親兄弟や友人などのコネを使って仕事を取ることもあります。
自分のエンジニアとしてのスキルと経験をアピールすることで、より仕事が取りやすくなります。
仕事を任せてくれるであろう人はコネで得られますが、自分のスキルを信用してもらうことが、継続して依頼をしてもらうためには必要です。

ホームページやブログ、SNSを活用する

自分でホームページやブログサイトを立ち上げ、またはSNSを使い、自分のスキルをアピールすることで仕事を取ります。
ホームページやブログには自分のスキルや経験を載せ、どのような仕事をできるか、いつ仕事を任せてほしいか、PRしてください。
ホームページでもブログでもSNSでも見てくれた人は自分のことを知らないため、丁寧にアピールすることが必要です。

SNSマーケティングについて、詳しくはこちらの記事を>>
SNSをマーケティングに活かそう!ポイントや注意点を事例とともに解説

クラウドソーシングを利用する

仕事を取るには、クラウドソーシングで仕事をしてほしい人(法人)とつながっておくと良いでしょう。
まずは、クラウドソーシングサービスに受注側として登録します。
自分のスキルや可能な納期などを記載して登録することで、自分の可能な仕事を発注してくれます。

エージェントを利用する

エージェントは、転職の際に使うものだけではありません。フリーランスエンジニアが仕事を取る時にも使えます。
転職エージェントでもフリーランスの仕事を取ることが可能ですが、フリーの仕事が少ないと感じたら転職エージェントではなく、フリーランスの仕事を紹介するエージェントを使いましょう。

まとめ

エンジニアはフリーとして開業することでメリットを得ることもありますが、デメリットも感じることがあります。
エンジニアとして開業したい人はまずメリットとデメリットを理解して、必要なスキルや開業した後の仕事の受注方法を知ることが必要です。
エンジニアの開業は大変だと思うかもしれませんが、自分のスキルアップにもなるでしょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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