「未上場企業の東証一部」を目指す投資型クラウドファンディング エメラダCEO澤村帝我インタビュー

創業手帳

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(2018/04/20更新)

資金を集める手段として、マクアケやReadyFor、Campfireのような「クラウドファンディング」は既に広まっています。
一方で、「投資型クラウドファンディング」と言われる新しい手法が認可され、2018年現在では3社承認されています。その中の一つが、資金調達企業のために2日間で8,000万円という大きな事業資金を集めた「エメラダ・エクイティ」を運営しているエメラダ株式会社です。

エメラダ株式会社のCEOである澤村氏は、慶應義塾大学出身で、起業前は野村證券、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門でIPO、増資、社債発行、銀行借入等の助言業務に携わっていた金融のプロ。今回はそんな澤村氏が、エメラダ株式会社を立ち上げた経緯を中心にお話を伺いました。

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澤村帝我(さわむらたいが)
慶應義塾大学卒業。当社創業前は、野村證券及びゴールドマン・サックス証券の投資銀行部門にて企業買収及び資金調達の助言業務に従事。投資銀行時代の自身の経験に基づき、日本の99%を占める中小企業の資金調達に透明性を持たせたいとの想いから、2016年、エメラダ株式会社を共同創業し、 CEO(最高経営責任者)に就任。

「審査基準」をクリアした優良企業向けのクラウドファンディング

ーエメラダ・エクイティの概要について教えてください。

澤村:エメラダ・エクイティは、オンラインの申請・審査手続きを経て、年間最大1億円まで数百名規模の個人投資家から増資を行うことができる、資金調達サービスです。

当サービスの特徴は、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルから出資を既に受けていることを前提にしているという点です。
東京証券取引所のように一定のハードルを設けているのは、魅力的な企業への投資機会を個人投資家に提供したいと思うからです。「未上場企業にとっての東証一部」のような存在になれたらいいなと思っています。「エメラダが取り扱っているなら、有望な企業だ」と個人投資家の皆様から思われたらいいですね。

ーエメラダ・エクイティで得られるメリットについて教えてください。

澤村:もちろん、早期に最大1億円未満まで事業資金を獲得できるのはメリットですね。また、審査が厳しい分、審査を通過した企業には、数百人の個人投資家を交えて、市場調査(潜在的顧客としての反応・意見の提供)、事業拡大(顧客紹介、人材紹介)や認知度拡大(SNSや人脈での宣伝)などの貢献をしています。「お金以外の価値」が大きいです。

ーどういう企業が出資を募っていますか?

澤村:クラフトビール製造のFar Yeast Brewing社といった伝統的な産業の企業様もいらっしゃれば、投資アルゴリズム提供のスマート・トレード社、ランニングアプリのラントリップ社などのスタートアップの会社様もいらっしゃいます。

皆、将来的に※IPOやM&Aのエグジットを目指しています。今のところで3,000万円から8,000万円の資金調達を実施しています。

IPO:「Initial Public Offering」の略語で、「新規公開株」や「新規上場株式」と表す。株を投資家に売り出して、証券取引所に上場し、誰でも株取引ができるようにすること。

M&A:企業の合併買収のことで、2つ以上の会社が一つになったり、ある会社が他の会社を買ったりすること。

エグジット:「EXIT(出口)」のことを指し、スタートアップの創業者やベンチャーキャピタルが投資した資金を回収する方法。

ー投資家にはどういう人がいらっしゃいますか?

澤村:30-40代の男性が中心で(約80%)、一定水準以上の所得・金融資産を有し、リスクの高い資産への投資経験を有する方々です。

投資家たちは、エメラダ・エクイティに「投資先の応援」、「運用先の分散」、「成功した場合のリターン」などを求めています。投資や新しいトレンドに感度が高い方々ですね。

ーどれくらいの取り扱い実績でしょうか?またどれくらいの通過率、募集成功率ですか?

澤村2017年11月にサービスを開始してから、4件のクラウドファンディング案件が目標募集金額の調達に成功しています。4件公開で4件成立ですので、すべて目標募集金額に到達しています。すべての案件が成功している分、案件の審査にはそれなりの基準を設けています。

また、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルから出資を既に受けているという前提があるので、その点も投資家からは好評なのだと思います。

ー成功事例、エピソードがあれば教えてください。

澤村:直近では、株式や仮想通貨取引に関する投資アルゴリズムを提供するスマート・トレード社が、2日で8,000万円程度の増資を約350名の個人投資家から集めました。

ベンチャーキャピタルの場合だと、審査過程が一般的に数か月かかったり、銀行の場合は利益が出ていないといけない、といったハードルがあります。成長意欲のある企業にとってエメラダ・エクイティは、新しい有益な選択肢になってくるのではないかと思います。

ークラウドファンディングの業界は今後どうなっていくと思いますか?

澤村株式投資型のクラウドファンディングは、ベンチャーキャピタルや銀行の融資とは異なる第三の軸として普及していくと思います。米国や中国では、既に年間1,000億円前後の大きな市場になっています。日本はまさにこれからだと思いますので、エメラダが頑張っていくところですね。

経営の「不透明さ」を解決したい

ーご自身も起業されていますが、起業して大変だったことは何ですか?

澤村:創業後はとにかくすべてが綱渡りだと感じました。お金、人材、業登録、顧客、商品など、どれか一つでも欠けてしまった場合、事業立ち上げはうまくいきませんよね。起業家は、揺るがない信念をもって、すべてをハンドリングしないといけないですので。

ー起業までの経緯を教えてください。

澤村:私は、野村證券とゴールドマン・サックス証券で、企業の資金調達やM&A等の助言業務に従事していました。大企業は、財務部、経理部、経営企画部など、財務戦略のプロの方々がどのような資金調達をすべきか心得ています。また、多数の証券会社や銀行が日々提案をしているので、選択肢も多くあります。「透明性が高い市場」ですね。

一方、中小企業は、起業家、社長自身が知識のない中で様々なことを切り盛りしないといけないですし、資金調達の選択肢もあまりありません。大企業と比べると「不透明な市場」だと言えます。この「不透明」を解決したい、というのが起業のきっかけです。

ー起業家が成功する上で大事なことは?

澤村:私自身もまだ道半ばですが、とにかく自分が信じられることに取り組んでいるか、そこが一番大事だと思っています。

ーご自身の夢、エメラダはどうなりたいか教えてください。

澤村:エメラダは、企業のためのマーケットプレイスになっていければいいなと思っています。資金調達だけではなく、様々な企業の悩みを解決していくことができるサービスにしていきたいですね。

ー起業家にメッセージをお願いします。

澤村:創業直後は本当に大変なことがたくさん起こります。エメラダは、創業後の資金調達だけではなく、市場調査、顧客紹介、人材紹介や認知度拡大などをサポートする総合サービスです。ぜひお声がけいただけると嬉しいです。

(取材協力:エメラダ株式会社/澤村帝我
(編集:創業手帳編集部)

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