ネットショップを開業するならECモール?自社EC?ー特徴と運営の違いー

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ネットショップ開業時に必要な基礎知識や運営の方法を解説!ECモールと自社ECのメリット・デメリットとは?

ネットショップ開業時に必要な基礎知識や運営の方法を解説!ECモールと自社ECのメリット・デメリットとは?

(2020/09/26更新)

ネットショップ開業の際、「ECモール」と「自社EC」のどちらかを選びます。各サイトで特色が異なる「ECモール」と、さまざまなサイトの構築方法がある「自社EC」。

それぞれメリット・デメリットがあることから、自社での運営方法やマーケティング戦略などを考慮しなければなりません。

本記事では、ネットショップ開業の際に、経営者や担当者が知っておきたい基礎知識やECモールと自社ECの特徴をご紹介します。

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ネットショップ開業における「ECモール」と「自社EC」の違いとは?

ECモール」と「自社EC」の違いとは

ネットショップを開業する際、「ECモール」に出店するか、「自社EC」を立ち上げるかを選ぶ必要があります。同じネットショップでありながら、開業費用や運営方法が全く異なるため、場合によってはコストや売り上げにも影響します。

まずは、「ECモール」と「自社EC」についての基礎的な知識から整理しましょう。

ECモールとは?

ECモールとは、複数のショップで構成されているショッピングサイトを指します。一般的に、「総合ECモール」「専門ECモール」の2種類に分けられます。

総合ECモール:Amazon、楽天市場、ヤフーショッピングなど
総合ECモールは、家電・書籍・生活雑貨など複数のジャンルを扱っているため、自社で販売したい商品を同じECモールで一括出品できるのが特徴です。

専門ECモール:アパレル販売サイトZOZOTOWN、ハンドメイドを扱うminneなど
特定ジャンルのみの商品を取り扱っていることから、消費者のニーズに合わせて商品を出品できます。

自社ECとは?

独自ドメインの取得やサーバーの準備などを自社で行い、1からネットショップを開業するのが「自社EC」です。

自社でサイトを立ち上げなければなりませんが、最近ではECサイトのベースとなるパッケージの販売やオープンソースを利用した構築が可能となり、Webに精通していない企業でもECサイトを作成できるようになりました。

初心者におすすめの自社EC構築方法

自社ECを立ち上げる際に、初心者でもネットショップを1から構築できるサービスがあります。
WEBスキルに応じた3つのサービスを見ていきます。

・ASPサービス(WEBスキル初級者向け
Webスキルを有していない場合に便利なのが、ASPサービスです。ASPはインターネットを通じて、ECサイトに必要となるアプリケーションを提供しているため、運営者側で操作しなくても自動的にシステムがアップデートされます。

無料で展開されているサービスや、費用が発生しても月額数千~数万円で済むため、コストを抑えた運営が可能ですが、カスタマイズできない点に注意する必要があります。インターネット上で複数の事業者が共通のアプリケーションを利用していることから、自社EC向けのカスタマイズを行えません。

・パッケージ(WEBスキル中級者向け
パッケージは、中規模の自社EC構築に適しています。ネットショップを運営するために必要な機能が備わっており、初めての方でも1からサイト作りを行えます。

ただし、パッケージは販売元へのライセンス費用を支払う必要があるのに加え、より機能性が高いパッケージほど高額です。自社ECの規模によっては、機能を持て余してしまうこともあるため、考慮した上で選択しなければなりません。

・オープンソース(WEBスキル上級者向け
オープンソースの特徴は、利用するためのライセンス費用が発生しないことです。ライセンスがフリーであることか、コストをかけずにネットショップ開業が可能です。

しかし、オープンソースを利用してサイトを構築するためには、Web全般のスキルが必要です。また、オープンソースはセキュリティに脆弱性を持っていることもあり、トラブルが発生した場合は全て自己責任となります。

ECモールのメリットとデメリット

消費者目線で考えると利便性に優れているECモールですが、出店者の立場として利用する場合には、注意すべき点も多々あります。

ECモールを利用してネットショップ開業をする際のメリットとデメリットを見ていきましょう。

ECモールのメリット

ポイント!
  • 集客力の強さ
  • サイト運営にかかる業務負担の軽減
  • 高い知名度と信頼性

利用者数が多いことから販路拡大のチャンスを得やすいのがECモールの特徴だと言えます。

また、運営会社がサイトを管理していることから、Web分野に精通している人材が自社にいない場合、業務の負担を抑えられる点も魅力です。

ネットショップ開業時には自社に知名度や信頼がないため、ECモールがすでに持つ知名度と信頼性を利用できるのもメリットです。

強い集客力による販路拡大チャンス

ECモールの利点として挙げられるのが、「集客力の強さ」です。

市場調査を専門とするニールセンデジタル株式会社の調べによると、2019年4月の月間利用者数は、Amazonが5,004万人、楽天市場が4,804万人で、いずれも日本の人口の30%以上が利用しています。

また、2019年全体での売り上げに関しても、Amazonの日本事業だけで1兆7,000億円を超えており、規模の大きさを容易にイメージできます。

さらに、多くのECモールでは、サブスクリプションサービスやポイント制度などを導入していることから、集客性に優れているのがメリットです。

管理業務の負担軽減

サイトを管理する手間を省けるのが、ECモールのメリットです。

ECモールは母体企業(Amazonや楽天)によって運営されているため、ネットショップ開業に伴う特別な作業を必要としません。

商品の出品や受注後の発送など事務的な手続きのみを行えば良いため、自社における運営管理の業務負担を抑えられます。

知名度・信頼性がある

売り上げに直接影響する知名度や信頼性がある点もECモールのメリットです。

Amazonや楽天市場といったECモールでは、数千万人単位の利用者数を維持しています。このような人口の大部分が利用しているECモールでネットショッピングを開業することで、顧客側に対しても安心感を与えられます。

また、出店している企業や商品についての評価システムを導入しているECモールもあり、高評価を得られれば、有利に売り上げを伸ばすことも可能です。

ECモールのデメリット

注意点!
  • 手数料がかかる
  • 競争が激しい
  • 自由度が低い

ECモールでネットショップを開業する場合は、手数料を支払わなければいけません。また、サイトのルールなどに縛られることから自由度が低い点にも注意が必要です。

更に、規模の大きさから競合他社との差別化も難しくなり、ブランド力が乏しい企業は苦戦を強いられる可能性があります。

出店手数料が発生する

ECモールを利用する際には、各サイトで決められている出店手数料を支払わなければなりません。

例えば、Amazonの場合、毎月49点までは販売する方向けの「小口出品」と、50点以上を販売する「大口出品」に分けられており、手数料がそれぞれ課されます。
小口出品:商品毎に100円+カテゴリによって販売手数料8~15%
大口出品:月額税抜き4、900円(オプションサービスや機能付き)+カテゴリによって販売手数料8~15%

商品を売る毎に手数料がかかってしまうことから、効率的に利益を確保しにくいのがECモールのデメリットと言えます。

類似商品の価格競争が発生しやすい

ECモールでは、多くの出店者が類似商品を販売していることから商品の価格競争が避けられません。価格競争に巻き込まれないためには、自社のブランドや機能性など付加価値を盛り込むことによって、差別化を図ることが求められます。

消費者にとっては選択肢が多いメリットがある一方、出店者にとっては厳しい競争になります。

ECモールのルールに依存する

ECモールでネットショップを開業した場合、運営会社のルールに従って販売を行う必要があります。サイトのデザインや販売促進のためのキャンペーンや会員プログラムにも制限が設けられています。

また、ECモールでトラブルなどが発生した場合、自社ページへの影響も避けられません。利用しているECモールのサービスが停止することで、出店先のECモールの変更やネットショッピング自体の閉業といったリスクも発生します。

自社ECのメリットとデメリット

ECモールと同様に、自社ECにもメリットとデメリットがあります。どのような特徴なのかを整理して、自社でのネットショップ運営における方針と照らし合わせましょう。

自社ECメリット

ポイント!
  • ブランディングできる
  • 顧客情報が把握できる
  • コスト削減が可能

自社ECの魅力は、自由度の高い運営が可能である点です。自社のブランドを確立しながら事業戦略を直接反映させることができます。

また、コストに関してもECモールより抑えられるため、起業したばかりの段階でも利用しやすいのがポイントです。

自社ブランディングが可能

自社ECでは、企業独自のブランディングが可能です。オープンソースを利用することで自由度の高いサイトを構築できるようになり、自社の雰囲気を全面的に反映させられます。

また、時期やトレンドに合わせて特定商品のピックアップを行えるなど、ネットショッピングにおける販売戦略を立てやすいのがメリットです。

顧客を自社で把握できる

ECモールとは異なり、自社ECでは購入者情報を管理できるのがメリットです。顧客情報を利用してメールマガジンの送信や、SNSを使ったマーケティングを行うことができます。

購入履歴を把握できれば、以前購入した商品の新モデルや関連商品を特定の購入者に対してスムーズな訴求が可能です。

運営コストを削減できる

自社ECとしてネットショップを開業する際には、サイトの立ち上げ費用と決済手数料が発生します。サイトの立ち上げ費用は、方法や規模にもよりますが100万円ほどを目安にしておくといいでしょう。決済手数料は、支払い方法や決済代行業者によって異なりますが、商品価格に対して3~5%が目安です。

自社ECは、開業するための初期費用が必要ですが、運営コストが低いため長期的に考えるとECモールよりも安く抑えられます。

自社ECのデメリット

注意点!
  • 集客に向けたマーケティングが必要
  • 成果を出すための時間が必要
  • サイト運営者を用意しなければならない

自社ECでは、自社で集客する必要があり、固定顧客の獲得に向けたマーケティング戦略が必要です。1からネットショップサイトを立ち上げる場合は、インターネットを使った広告やプロモーション活動などに時間や費用が必要となります。
 
また、自社でサイトを管理することから、Web全般のスキルを持っている人材が求められます。

自社で集客する必要がある

自社で集客しなければならないのが、自社ECのデメリットです。すでに固定の利用者が集まっているECモールと異なり、開業したばかりで知名度や信頼度が低い場合、訪問者の確保が課題となります。

自社ECの認知度を向上させるためには、商品のオリジナル性を高めることや、メディアへの露出、広告戦略も必要となり、運営コストとは別に費用を捻出しなければなりません。

成果を出すために時間が必要

1から自社ECを開業して、売り上げの成果を出すためにはある程度の時間が必要です。自社のブランドが確立していない状況では、新規顧客獲得に向けたマーケティングが求められるためです。

また、ECモールと比較して価格競争は発生しにくいものの、類似商品を販売している競合他社との差別化も講じなければなりません。安定的に成果を出せるようになるまで、サイト自体のデザインや商品価格、サービスの利便性を常に意識する必要があるため、長期戦を視野に入れる必要があります。

サイトの運営者を用意する必要がある

自社ECでネットショップを立ち上げる際には、運営責任者やWebサイトの運営に詳しい人材が必要となります。システムトラブルが発生した場合も、自社で対応しなければなりません。

ネットショップサイト自体の構築はオープンソースなどを利用することで、以前と比べて容易になったものの、突発的なトラブルに対処する知識も必要です。トラブルなどによってサイトが停止することで、売り上げにも影響が出る危険性があります。

「ECモール」と「自社ECサイトモール」のメリット・デメリット比較

ECモール 自社EC
運営・管理 ECモールの運営会社が運営と管理。 自社にて運営・管理。
Web全般に精通した人材が必要。
集客性 知名度が高く、固定客が多い。 1から立ち上げる場合、集客するための施策が必要。
成果の出やすさ 企業や商品のブランド力あれば、成果が出やすい。
価格競争などに巻き込まれるデメリットもあり。

自社でのブランディングに時間を要する。
固定顧客を獲得できれば、成果が継続的に出る。
コスト 出店手数料・販売手数料(商品価格の8~15%) 自社EC構築の初期費用+支払い手数料(3~5%)
場合によっては広告費用などが必要。
カスタマイズ性 ECモールのデザインに統一される。 自社のイメージなどに合わせて独自性を出せる。
顧客情報の管理 ECモール側で顧客情報を管理。 自社で管理できるため、メルマガなどを使ったEC戦略をしやすい。

運営や集客性の面ではECモールが有利です。しかし、出店者が多いことからブランド力など突出した点がないと、成果を出しにくいのがデメリットです。

一方、自社ECは、固定顧客の獲得などにコストや時間がかかるものの、自社の特色を反映したサイト作りが可能で、顧客情報を利用したマーケティングなど自由にEC事業を行えます。

まとめ

ネットショッピング開業に欠かせない「ECモール」と「自社EC」は、システム自体が異なるため、入念に調べた上で導入する必要があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、自社EC事業の方向性を明確にしなければなりません。

また、ネットショップで売り上げを伸ばすためには、自社商品のブランド力や会社自体の知名度も重要となります。どちらか1つを選択するのではなく、ECモールと自社ECの両方で開業してみるなど試行錯誤することも検討しましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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