btrax主催「DESIGN for Innovation 2017」に創業手帳編集部が潜入取材!

創業手帳woman

ビジネスとデザインの気になる関係を徹底討論!

(2017/06/16更新)

ビジネスにおけるデザインの重要性を唱えるイベント「DESIGN for Innovation 2017 -デザインが経営を加速させる-」が5月24日(水)に開催されました。
このイベントは、アジア最大級のスタートアップイベント出場権をかけたピッチコンテストや、デザイン×経営の手法を学ぶための豪華セッションも同時開催されるため、デザインを活用した経営戦略に関心のある方や、日本のスタートアップとコラボレーションしたい方などにとって大きな後押しとなるイベントです。
当日は創業手帳編集部も潜入取材してきました!今回は、編集部が注目したコンテンツをご紹介します。

DESIGN for Innovation 2017とは

「DESIGN for Innovation 2017」とは、btrax,Inc.が昨年から運営している、ビジネスにおけるデザインの重要性を唱えるイベントです。アジア最大級のスタートアップイベント出場権をかけたピッチコンテストや、デザイン×経営の手法を学ぶための豪華セッションも同時開催されるため、デザインを活用した経営戦略に関心のある方や、日本のスタートアップとコラボレーションしたい方などにとって大きな後押しとなるイベントです。

Runway to RISE 東京予選ピッチコンテスト


午前中は、アジア最大級のテクノロジーカンファレンス「RISE2017」の中で行われるスタートアップピッチの出場者を決定するコンテストから始まりました。
全8社のスタートアップから、オーディエンス投票で見事日本代表に選ばれたのは、ホームネットワーク事業を手掛ける株式会社デジオンと、コンテンツ・マネジメント・システムとなる開発プラットフォームを手掛ける株式会社Qurateの2社でした!

今回受賞された2社は、日本代表として7月に香港で行われる「RISE2017」に参加します。今後の動向に注目です。

イノベーションを生み出すオフィスデザインとは


午後からはデザインカンファレンスが始まりました。
最初に登場したのは、フロンティアコンサルティングの稲田 晋司氏。オフィスデザインの観点から、顧客の業績向上に結びつけるにはどうすれば良いか?を主軸にスピーチをされていました。

「最近はコワーキングスペースやノマドワーカーなど、固定したオフィスを持たない働き方が増えています。このような時代だからこそ、オフィスじゃないとできないことを考えていきましょう」と話す稲田氏。固定オフィスじゃないとできないことは次の4つのポイントにまとめることができるそうです。

公共性

外部の人を巻き込んで、新たなことをやるための準備ができます。

専門性

オフィスを現場に近い環境にすることによって、実際に何が起こってどのようなものが必要なのかを理解することができます。

人間関係

オフィス内で様々な方とコミュニケーションができることによって、仕事の質を上げることができます。

文化を伝える

自分が所属する会社の歴史や事業・岐路に立った時に会社はどのような決断をしたのか、を共有することによって、一体感が生まれます。

「多くの経営者は社員と一緒に仕事をしたいと思っています。全員が働きやすいオフィスをデザインすることで、必要な価値観を共有することができ、経営者とのコミュニケーションと業績の向上につながります」と価値観の共有の重要さを説いて、スピーチは終了しました。

弱みから始まった福岡市のスタートアップ支援事業

続いては、国家戦略特区である福岡市から、的野 浩一氏が登壇されました。

様々なスタートアップイベントを積極的に実施されたり、廃校になった小学校をまるまる改装してスタートアップの中心地として生まれ変わらせたりなど、スタートアップ支援に積極的に取り組んでいる福岡市。
このような支援を始めたきっかけは、意外にも福岡市がずっと抱えていた「弱み」だったそうです。

「福岡市に進出する企業はほとんどが支店。なので、景気が悪くなるとすぐ撤退し、経済はずっと停滞していました。そこで考えたのは、福岡市で本社を作ってもらうには、外から呼ぶだけではなく地元での起業を促進すればいいじゃないか!ということでした。そこからスタートしました」と的野氏は、当時の状況を話されていました。

現在は昨年度に引き続き、訪米研修「Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA」を実施する福岡市。
今後はどのような支援が行われるか、スタートアップの皆さんはチェックしてみてください。

訪米研修「Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA」についてはこちらからご覧ください。

世界で活躍する女性

創業手帳編集部が注目したプログラム、最後は世界で活躍する女性起業家4名の対談です。

西村 真里子

国際基督教大学卒。IBMでエンジニア、Adobe Systemsでマーケティング、クリエイティブ企業バスキュールでプロデューサー経験を経て、株式会社HEART CATCHを起業。クリエイティブと最新テクノロジー・マーケティングトレンドへの強みを活かし企業の新規事業開発、マーケティング支援、プロモーション全般を手掛けており、既存の枠組みから一歩飛び出た企画を実行し心弾む世界を創造しています。

岡本 杏莉

株式会社メルカリ リーガルグループ 弁護士。2008年に西村あさひ法律事務所入所。退職後は2013年スタンフォード大学ロースクール(LL.M.)を修了。2014年 ポール・ワイス・リフキンド・ワートン・ギャリソン法律事務所(ニューヨーク)研修
した後、2015年に株式会社メルカリに入社。

木村 優紀子

東北大学理学部宇宙地球物理学科卒業後、2013年に株式会社オプトに入社。金融業界・人材業界を中心に、コンサルタント・営業を経験。2016年4月に退職後、2か月ほどシンガポールに在住。その後、2016年6月よりSnapmart立ち上げに参画し、執行役員COOに就任。営業・マーケティング・アライアンス交渉などを担当しています。

本村 美絵

カリフォルニア州立大学を卒業後、米国SF/NYCのデザインエージェンシー、Adobe XD部門等を経て2009年よりSLEEPYTIGERとして独立。ビジュアルデザインとUXのバランスを重視したアプリ・サービス提案、プロダクト開発などハイコンセプトからのプロジェクトに多数参画。2013年より日本国内を拠点に、UX・UI領域でのデザイン・コンサルティングを中心に活動されています。

話題になったのは「日本と世界での働き方のギャップ」について。
例えば、岡本さんがアメリカのロースクールで知り合った同級生は、弁護士になった後も起業したりミュージシャンとして活動したりなど、周りの人たちが通常の仕事をこなしながら、「やりたいことをやることに貪欲」だったことにすごく驚いたそうです。

日本人の働き方の多くが、膨大な仕事量にてんやわんやしています。
自分自身が楽しく幸せに過ごすために、仕事を「やりたいことができるようにコントロールする」こともデザイン思考の一つだということですね。今一度やっている仕事を見直してみると、思わぬところにヒントが隠れているかもしれませんよ。

主催企業btrax佐々木さんから創業手帳読者にコメント

今回のイベントについて、btrax Japanの広報担当 佐々木さんよりコメントを頂きました。

-イベントの手ごたえはいかがでしたでしょうか?

DESIGN for Innovationは昨年からスタートしたのですが、昨年はビジネスよりもデザインの要素が強かった影響で、起業家よりもデザイナーの方が多く参加されていました。今年はデザインのほかにも、行政の動きや女性起業家の対談などの要素も盛り込んだことで、起業家の方が多数来場してくださいました。デザイナー・起業家の橋渡しになるようなイベントにできたことに、手ごたえを感じています。

-今回のイベントの目的を教えてください。

テーマとして掲げているのは「デザイン×経営」です。
「デザイン」というと「絵を描く・設計するといったクリエイティブ系の仕事」にしか関わらない、と思われがちです。
ですが、デザインには「新たな機会を見つけるための問題解決プロセス」といった意味も込められています。

最近よく言われる「デザイン思考」というのは、まさに後者の意味が込められています。
解決するべき問題の本質を見極め、新たな視点から解決策を考え、新たなものを創造する。そのような考え方を広めていくことが本イベントの目的です。

-今後の展開を教えてください。

昨年はデザインについてのワークショップを開催したのですが、来年開催する際には起業家向けのワークショップをプログラムに盛り込みたいですね。

-注目する経営者の方はいましたでしょうか?

参加していただいた経営者それぞれ注目していますが、個人的にはフロンティア・コンサルティングの稲田氏に注目しています。
様々なオフィスデザインを手掛けている企業なのですが、国内外の技術や考え方を積極的に取り入れて「従業員満足度を考えたデザイン」を実践できていることに、すごく驚きました。

-起業家・起業関係者にメッセージをお願いします。

btraxは様々な起業家の方と関わってきたのですが、そこで感じたのは「完璧な成功事例は無い」ということです。
一時は成功した方法でも、時間が経つと状況が変わってまた改善策を模索する、という繰り返しです。

常にユーザーの近い存在になること、状況に応じてビジネスモデルを変化していくこと、粘り強く続けていくことが重要になってきます。6月に募集を開始した「Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA」をはじめ、btraxはそのような起業家を後押しいていきたいと思います。

訪米研修「Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA」についてはこちらからご覧ください。
訪米研修「Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA」参加者募集スタート!

DESIGN for Innovation 2017 概要

会場 Nagatacho GRID、6階イベントスペース”Attic” 東京都千代田区平河町2-5-3
開催日時 平成29年5月24日 10:00 – 20:00
主催 btrax, Inc. / ビートラックスジャパン合同会社

(編集:創業手帳編集部)

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