建設業許可を取得するために押さえておきたいポイント

創業手帳

建設業許可申請を多数手がけている専門家が解説します

(2018/11/20更新)

建設業で起業する場合、特定の工事を行う際には「建設業許可」が必要になります。ですが、いざ建設業許可を取得する場合、様々な条件をクリアしないといけません。
そこで今回は、建設業の許可申請を多数手がけている行政書士の方波見泰造氏に、建設業許可取得のために押さえておきたいポイントを解説していただきました。

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「建設業許可」はどのような場合に必要なのか

「建設業で起業する場合、絶対に建設業許可を取らなければならないのでしょうか?」
筆者へのお問い合わせでもよくあるご相談です。
結論から言いますと「絶対」ではありません。建設業法上、「建設業許可」が必要とされるのは、以下の2つに該当する工事を行う場合です。

建築一式工事

  • 1件の請負代金が1,500万円未満(税込)の工事
  • 請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延面積が150㎡未満の工事
    (主要構造部が木造で、延面積の1/2以上の居住の用に供すること)

建築一式工事以外の工事

  • 1件の請負代金が500万円未満(税込)の工事

逆に言うと、上記に該当しない範囲の工事を取得する請負う場合には建設業許可は必要ない、ということです。

ですが、そうは言ってもこれはあくまで法律上の話。
筆者にご依頼頂くお客様が必ずと言っていいほど、

「元請から建設業許可を取るように言われている」
「取引見込先から建設業許可を持っているかどうか聞かれている」

と口にしています。
その点は、「請負金額」云々を超えた話になります。
今や「建設業許可を持っている」ということは、それだけ元請や取引先に対して信用力を発揮できるということでもあるのです。

建設業許可にはどのような種類があるのか?

建設業許可の業種は、下記の29業種に分かれます。

建設業許可の業種
土木一式工事
建築一式工事
大工工事
左官工事
とび・土工・コンクリート工事
石工事
屋根工事
電気工事
管工事
タイル・れんが・ブロック工事
鋼構造物工事
鉄筋工事
舗装工事
しゅんせつ工事
板金工事
ガラス工事
塗装工事
防水工事
内装仕上工事
機械器具設置工事
熱絶縁工事
電気通信工事
造園工事
さく井工事
建具工事
水道施設工事
消防施設工事
清掃施設工事
解体工事

これらはそれぞれが独立した許可ですので、例えば「土木一式工事」の許可を持っていても、500万円以上の「とび・土工・コンクリート工事」や「舗装工事」を請負える訳ではありません。
500万円以上の「とび・土工・コンクリート工事」や「舗装工事」を請負うのであれば、「とび・土工・コンクリート工事」と「舗装工事」の建設業許可が必要となるのです。

建設業許可取得に必要な5つの要件


では、建設業許可を取得するにあたって、必要な条件はどのようなものなのでしょうか?

1.経営業務の管理責任者

法人の場合は常勤の役員のうち1名、個人事業の場合は事業主本人が、建設業の経営業務について総合的に管理する「経営業務の管理責任者」である必要があります。

この「経営業務の管理責任者」になるためには厳格な要件があり、「許可を受けようとする建設業に関して5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者」またはこれと同等の能力を有する者として「許可を受けようとする建設業以外の建設業に関して6年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者」「一定年数建設業の経営業務を総合的に管理した経験を有する者」であることが求められます。

例えば、過去いずれかの建設会社で5年~6年以上取締役としての経験を有していた方、個人事業主として長年建設業を営んできた方等が該当します。

ただし、こうした過去の経験は当時の請負契約書や注文書、確定申告書等で証明する必要があります。自治体によって求められる資料は異なりますので、取得する際はチェックしておきましょう。

2.専任技術者を営業所ごとに置いていること

「専任技術者」とは、営業所に常勤し、その業務に専任で従事する技術者のことです。

この「専任技術者」になるためには、1級・2級土木施工管理技士、建築士等の国家資格、1級・2級型枠施工、とび・とび工等の「職業能力開発促進法」に基づく資格(いわゆる「技能士」)等の資格、又は建設業に関連する指定学科の卒業歴や実務経験等が必要です。

建設業許可では複数の営業所を登録できますが、許可を取得する営業所には必ずこの「専任技術者」が常勤しなければなりません。

3.請負契約に関して誠実性を有していること

法人、法人の役員、役員と同等の支配力を有する者、支店長や個人事業主本人が請負契約に関して不正行為や不誠実な行為をする恐れがある者ではないことが必要です。

4.請負契約を履行するに必要な財産的基礎・金銭的信用を有していること

自己資本が500万円以上あること、500万円以上の資金調達能力があること、直前5年間許可を受けて継続して営業していた実績があること等が求められます。
工事途中で倒産してしまうような財務内容である会社を防ぐため、一定の金銭的縛りをかけたものです。

下請に出す金額が4,000万円(建築一式工事は6,000万円)以上である場合に必要な建設業許可を「特定建設業」と言いますが、この場合は更に要件が厳格となり、「欠損の額が資本金の20%を超えないこと」「流動比率が75%以上であること」「資本金が2,000万円以上であること」「自己資本が4,000万円以上であること」が求められます。

特定建設業を取得するような会社は大規模工事を扱うことになるため、その分財産的要件も厳しくなっているのです。

5.欠格要件に該当しないこと

建設業許可に限らずほとんどの許認可で定められているのが「欠格要件」です。

例えば破産者で復権を得ていない者や許可の取り消しを受けてから5年を経過していない者、禁固以上の刑、建設業法、建築基準法、労働基準法や刑法等の一定の罪を犯して罰金以上の刑に処せられてその刑の執行を終わり、執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者や反社会的勢力等を許可対象から外しています。

建設業許可は、取得が難しいからこそ信頼度がアップする

いかがでしたでしょうか?

建設業許可にはこのように比較的厳格な要件がありますので、取得するまでには時間がかかってしまうこともよくあります。
ですが、取得が難しいからこそ「対外的信用がアップする」と言えます。

「建設業許可業者=それだけ厳格な要件を満たした会社」と言える訳ですから、元請業者や取引先も安心できますし、対外的に「当社(私)は許可業者です」と言えるのと言えないのとでは、営業面では大きく差があると言えるでしょう。

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(監修:High Field行政書士事務所 代表 行政書士 方波見 泰造(かたばみ たいぞう)
(編集:創業手帳編集部)

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