三井住友海上キャピタル主催 「“Change The World” PITCH」 in CEATEC JAPAN 2019
CEATEC JAPAN 2019内で開催されたスタートアップピッチイベントの様子をお伝えします
(2019/10/25更新)
2019年10月17日に千葉県幕張メッセで開催された「CEATEC 2019」にて、三井住友海上キャピタル主催のスタートアップピッチ「“Change The World” PITCH」が催されました。
「世の中を変える・世界を変える」潜在能力を有する、注目のスタートアップ代表らが登壇し、自社の事業についてのプレゼンや、トークセッションなどを行いました。その様子をお伝えします。
Deeptech、コミュニケーション、AI領域のベンチャーが登壇
イベントでは、「Deeptech(ディープテック)」、「コミュニケーション」、「AI」という3つのテーマに沿った企業によるピッチとセッションが行われました。登壇企業は以下の通りです。
Deeptech
Deeptechでは、株式会社チャレナジーの清水敦史代表、株式会社Kyuluxの安達淳治代表が登壇。
チャレナジーは、「風力発電にイノベーションを起こし、 全人類に安心安全な電気を供給する」をスローガンに、台風でも発電できる風力発電機を開発しています。台風が多いフィリピンなど、過酷な環境でも絶えうる発電技術でエネルギーシフトを目指しています。
有機ELディスプレイと照明パネル用の材料を開発しているKyuluxは、九大発のベンチャーとして、世界最高性能の青色有機EL発光材料づくりに取り組んでいます。安価ながら、これまでの技術とは比べ物にならないレベルで電気を光に変えることができる次世代の技術で革新を目指す企業です。
コミュニケーション
コミュニケーションでは、Crevo株式会社の柴田憲佑代表、バルス株式会社の林範和CEO、FacePeer株式会社の多田 英彦代表、株式会社Synamonの伊藤翔氏らが登壇。
Crevo(クレボ)は、高品質かつ最適価格での動画制作が可能な企業向けの動画制作サービスを提供しています。約6000人のクリエイターを抱え、予算や制作できる動画の幅も広く、あらゆる形での動画コンテンツで企業の動画活用をサポートしています。
バルスは、xR技術を活用したライブ配信サービスを中心に、VR・AR領域のコンテンツ制作やイベントのプロデュース手掛けています。一つのコンテンツを、複数の場所で同時に楽しめるエンターテイメントを提供することで、場所や規模に縛られない集客が可能となる未来を目指しています。
FacePeerは「対面×オンライン」で業務効率化に貢献するリアルタイムコミュニケーションツール「FaceHub」を提供しています。シンプルさ、使いやすさ、わかりやすさを追求した設計で、従来の対面コミュニケーションにかかるコストを軽減し、生産性向上に貢献するツールです。
Synamonは、VR技術を使ったBtoB向けのコミュニケーションサービス「NEUTRANS BIZ」を提供している会社です。複数の人とVR空間で同じ映像を共有できるため、プレゼンや、ディスカッション、展示会、面接といったあらゆるビジネスシーンで活用できます。KDDIなど大手企業からも積極的に導入されているなど、注目を集めている会社です。
AI
AIでは、Arithmer株式会社の大田佳宏代表、株式会社xenodata lab.の関洋二郎代表、株式会社プレイドの倉橋健太代表が登壇しました。
Arithmerは、東大発のベンチャーで、高度数学を活用したAIシステムを企業に提供しています。OCR(AI画像認識で活字や手書きをテキスト化する技術)、画像解析、動画解析、チャットボット、データベース、3Dモデリングなど、あらゆる領域の先端技術を扱うプロフェッショナルが集う企業です。
xenodata lab.は、膨大なニュースを瞬時に解析し、ニュースが企業に及ぼす経済的な影響などを可視化するSaaS型のAIサービスを提供しています。膨大な寮のデータをリサーチ・分析するハードルの高さを解消し、経営意思決定速度アップに貢献するサービスです。正式リリースから3か月で50社以上と提携したといい、注目度の高さがわかります。
プレイドは、データ活用のBtoB向けのクラウドサービス「KARTE」を提供しています。顧客の誰が、今何をしているかをリアルタイムのを可視化するサービスで、これまでインターネット上のマーケティングにおける課題だった「顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の詳細な把握」に役立ちます。
トークセッションでは、大企業とベンチャーの協業に関する視点も
ピッチのあとは、登壇者らによるトークセッションが行われ、各社が今後社会に起こすイノベーションや、事業提携について知見を共有しあう場となりました。特に、今回大手企業と積極的に提携しているベンチャーの登壇ということで、大企業×ベンチャーの協業についての話題も飛び出しました。
「ベンチャーとして大企業と協業する上では、大企業の考え方に合わせることが秘訣です。サービスを遣うのは一般人であり、より多くの人に合わせたサービスづくりを展開しているのが大企業です。大企業側のやり方に沿うように、柔軟に対応できるとよいですね」(FacePeer 多田代表)
「VRといった新しい技術は、そもそも企業導入の実績実例が少なく、根拠が見えにくいというハードルがあります。技術の将来的な発展への期待と、数字も提携しながら一緒に作っていく、という意識で協業できると嬉しいですね」(Synamon伊藤氏)
「協業によって利用者が増えれば増えるほど、技術の精度も上がっていくと考えています。我々の予測技術に対して、「本当にあたるのか?」という視点ではなく、100%の制度でなくても、導入して前に行くのだ、という意思を持っている会社と組みたいです」(xenodata lab. 関代表)
といったコメントが特に印象的でした。先端技術を持つベンチャーがこれから社会に起こしていくイノベーションと、企業の規模を超えた協業の輪の広がりに期待感が高まるイベントでした。
LUNCH PITCHは毎月開催中!
今回のピッチを主催した三井住友海上キャピタルは、「スタートアップ・エコシステムの構築」と「有望スタートアップの発掘」を目的としたランチピッチを毎月第二水曜日に開催しています。登壇するシード・アーリー期の企業も随時募集しているので、スタートアップの経営者の方も積極的に応募してみてはいかがでしょうか。
電話 03-3279-3672
メール lunchpitch@msvc.co.jp
(編集:創業手帳編集部)