顧客管理に使える名刺管理アプリとは

創業手帳

名刺管理アプリの特徴・メリットデメリットとは?ビジネスを活性化するアプリはどれか


名刺管理アプリは、顧客データの管理を行うためのアプリです。スマートフォンを使って、いただいた名刺を登録、管理できます。
紙の名刺の管理に困っている企業におすすめです。

名刺管理アプリを導入することで、営業や顧客管理の効率化、データの活用が活発になります。
ただし、名刺管理アプリを使う際には注意点もあります。個人情報を多く含み、大切な会社の財産である顧客データを扱うアプリなので、慎重に見極めましょう。
名刺管理アプリの良さや選ぶ際に押さえたいポイントについて解説します。

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名刺管理アプリとは


名刺管理アプリとは、一般的にはスマートフォンを使用して顧客の名刺データを管理するアプリのことをいいます。
名刺はビジネスシーンでやり取りされることが多いですが、人との出会いが多い場合には管理も煩雑になりがちです。

せっかく受け取っても整理する暇がなく、溜まっていくばかりという人もいるかもしれません。
しかし、名刺はビジネスの人脈作りに欠かせない大切なものです。そんな名刺の整理をスムーズにするため登場したのが、名刺管理アプリです。

紙の名刺をスキャンしてデジタル化

名刺管理アプリでは、紙の名刺をスキャンして読み取り、デジタルデータとして保管します。
名刺をデジタル化しておくと、紙の名刺をいちいち探さなくても検索でスムーズに出すことができますし、他人や他のデバイスとの共有も可能です。
デジタルデータなので、情報の追加や書き換えも容易にできます。

法人向けと個人向けがある

名刺管理アプリには法人向けと個人向けがあります。法人向けは企業として活用しやすく、個人向けは利用者本人のみが使う仕様となっているのが一般的です。

法人向けはより幅広い機能、より多くの情報の格納など、個人向け以上のサービス内容となっていることが多くなります。
社内での情報の共有や組織図の作成、リスト化機能といった、名刺管理に関連する機能も豊富です。また、セキュリティレベルも法人向けのほうが高い傾向となります。

個人向けの名刺管理アプリも基本的な名刺管理機能はありますが、こちらはあくまでも個人が自分自身で管理するためのものです。
個人向けでは、情報共有などの機能を使えない、もしくは有料でのみ使えることが多くなっています。

名刺管理アプリのメリットデメリット


名刺管理アプリは名刺のデジタル化を可能とすることで、多くのメリットを得ることができます。
し一方でリスクや余計な手間を増やし、業務の邪魔になるケースもあるようです。
名刺管理アプリ導入を検討しているのであれば、メリットとデメリットの両方を確認し、自社に適したサービスかどうかの判断が必要となります。

名刺管理アプリのメリット

名刺管理アプリの優れた点は、名刺のデジタル化によって情報の整理や共有が進み、人脈を無駄にせず活用できるようになったことです。そこから、以下のようなメリットが生まれます。

営業活動の効率化

名刺管理アプリを使うことで名刺情報のデジタル化が進むと、情報整理の円滑化と社内の部署間でのデータ共有が可能となります。
それによって、必要な情報を必要なタイミングでスピーディーに得やすくなり、営業活動も効率よく進められるようになるでしょう。

顧客へのアポイントの連絡をしたい、顧客情報を確認し打ち合わせに備えたいなど、名刺の内容が必要となった時、紙の名刺を一枚ずつ探す手間がありません。
簡単な操作で必要な情報を得て、次のステップへ移れます。
また、社内で名刺情報を共有することで自分の持っていない人脈を探し、他部署や他の社員から紹介してもらうチャンスを作ることも可能です。

異動や担当者の変更があった際にも、データで情報の引き継ぎを終えることができます。
顧客に対しても、重複する情報を与えるといったムダを防ぎ、相手の時間を奪うリスクを減らすことができます。

外出先からも使用可能

名刺情報をデータ化しておくことで、情報をいつでもどこからでも得やすくなります。
多忙な営業マンが外出先から顧客にアポイントを取りたい時など、社内にいる社員に名刺を探してもらわなければならず、手間や時間がかかってしまいます。
名刺管理アプリを使っていれば、自分自身でアプリにアプロ―チするだけで必要な情報を得ることが可能です。
社内の人の手を煩わせることも防げるため、お互いの効率化につながります。

また、クラウドで情報管理を行うタイプであれば、外出の多い営業マンだけでなく、リモートワークにもおすすめです。
リモートワークの社員も名刺データにアクセスでき、どこにいても顧客とのコミュニケーションがスムーズになるでしょう。

情報を二次利用しやすい

名刺管理アプリで名刺情報をデータ形式で登録することで、さらに二次利用にも使いやすくなります。
蓄積されたデータをCSVで取り出せば、それをもとにメーリングリスト作成することも可能です。

年賀状やDMの発送情報としても、社内すべての顧客情報を網羅でき、顧客とのコミュニケーションを促進できます。
また、お礼メール配信の自動化や、配信後の顧客のアクション測定などの機能を持ったアプリも増えてきています。

名刺管理アプリのデメリット

名刺管理アプリは、名刺をデジタルデータ化することで利便性も高められますが、一方で情報管理の面で問題やリスクを抱える可能性もあります。
また、企業で使う際にはコスト面もネックとなるかもしれません。

情報漏洩の危険性

名刺管理アプリを導入することで、情報漏洩のリスクが増えてしまう可能性もあります。情報漏洩は、情報のデジタル化で最も注意すべき点です。
名刺管理アプリでは扱うデータが個人情報を含む機密情報なので、特にリスク管理が必要となります。

クラウド上で管理する場合には不正アクセス、オペレーター経由の場合には人による漏洩が気になる点でしょう。また、名刺を読み取った後の画像なども漏洩リスクとなります。

管理が手間になる場合も

名刺管理アプリを導入することで、余計な手間を増やしてしまうこともあります。名刺管理アプリで情報を管理するためには、名刺の登録が必須です。
しかし、名刺をもらう頻度が多い場合には、登録作業が面倒だと思うこともあります。

導入当初も、これまで蓄積してきた膨大な名刺データを登録することが必要です。
また、登録した情報に変更や追加があった場合にも、適切なタイミングで情報を書き換えなければいけません。
これらの登録作業が滞ると、結局名刺管理アプリ導入前と同じく名刺を貯めこむことになります。

法人向けは有料が多い

名刺アプリには個人向けと法人向けがあると前述しましたが、個人用で無料のアプリは規模が小さく、機能も不足しがちなことが多いです。
そのため、企業には法人向けで有料のアプリやプランが必要ですが、コストがかかることがネックとなります。

特に、それほど多くの名刺を処理しない中小企業などには、有料プランでは使わない機能を持て余し、割に合わないと感じることもあるでしょう。
自社の名刺交換の頻度や名刺管理の必要性を鑑み、費用対効果を分析してから導入を決めることが必要です。

名刺管理アプリを選ぶポイント


名刺管理アプリを導入する際には、自社の運用に向いたアプリを選ぶことが大切です。自社に合ったアプリを選ぶために押さえたいポイントを解説します。

データの保管場所

名刺管理アプリには、データの保管場所が異なる2種類のものがあります。名刺管理アプリを選ぶ際には、データをクラウド上で保管するかオフラインかを選びましょう。
クラウド上でも閲覧でき、オフラインでも使えるアプリもあります。

クラウド上で管理するタイプは大勢でデータ共有する場合に便利ですが、セキュリティレベルに注意が必要です。
オフラインのものはクラウドよりも漏洩リスクを抑えられますが、端末のデータ容量を圧迫することと共有しにくいことがネックとなります。

名刺をデータ化する方法

名刺管理アプリでは、名刺をデータ化する方法も重要です。
「OCR機能を使った自動入力」と「オペレーターによる手動入力」の2種類があり、種類によって導入スピードやコストに影響があります

自動入力は手軽でスピーディーですが、自動変換のために間違って変換されることがあるため、入力後の確認や修正が必要です。
オペレーターによる手動入力は丁寧で間違いがありませんが、時間やコストがかかる可能性があります。

登録できる名刺の枚数

名刺管理アプリは、アプリやプランによって登録できる名刺の枚数が違います。
登録枚数が少ないと使い勝手が悪く役に立たないこともあるため、自社の管理したい枚数を事前に調べておき、適切なサービスやプランを選ぶことが必要です。

マルチデバイス対応かどうか

マルチデバイスとは、データをスマートフォンやパソコンで自在に管理できることです。
マルチデバイス対応のアプリであれば、スマホで登録した名刺データをパソコンで処理する、データを加工して出力するなどもしやすくなります。

セキュリティ面

名刺管理アプリでは、個人情報漏洩問題に注意しなければいけません。
特にクラウド形式のアプリを使う際には、セキュリティ面を確認し、安全に使えるものを選びましょう。

セキュリティで注目するのは、データの暗号化、パスワードによる関係者以外の閲覧防止、IPアドレスによるアクセス制限などです。
「プライバシーマーク」取得のアプリであればより安心できます。また、人的なミスも漏洩リスクとなるため、使い方の指導を徹底することも必要です。

連携機能

名刺管理アプリでは、外部ツールや他社ツールとの連携によってさらに多くの活用方法を見出すこともできます。
そのため、外部との連携機能がどれだけあるか、自社のツールとの相性はどうか見ることも大切です。
また、これまで連絡先を管理していたサービスとの連携によって登録作業を削減できることもあります。

アプリの操作性

名刺管理アプリを選ぶ際には、アプリの操作性にも注目したいところです。使い勝手の良くないアプリでは、従業員に定着せず、導入が無駄になることがあります。
登録作業の工程やユーザーインターフェイスの見やすさなど、アプリの使いやすさを確認しましょう。実際に使うことの多い従業員の生の声を反映することも大切です。

付帯機能の利便性

名刺管理アプリを選ぶ際には、名刺管理以外の付帯機能にも注目してください。
書類保存機能や商談履歴管理機能など、付帯機能が充実しているアプリも多く、付帯機能の有無も利便性を左右します。
ただ単に機能が多いだけではなく、自社に必要な機能があるかがポイントです。機能が多すぎるとコストが高くなったり操作性が悪くなったりすることもあります。

料金体系

名刺管理アプリは無料で使えるものと有料のものがあります。
無料アプリは企業には向かないこともありますが、規模や名刺交換をする量によっては無料でも不足しないこともあるため、実際の使い方に照らし合わせて選んでください。

おすすめの無料名刺管理アプリ


無料でも使えるおすすめの名刺管理アプリを紹介します。コストがかからないため、まず名刺管理アプリの機能を試してみるのに最適です。

Wantedly People

Wantedly Peopleは、豊富な機能をすべて無料で使用できる名刺管理アプリです。
情報は人工知能によって処理され、通信はTLS プロトコル v1.2 (SSL)を用いて暗号化されています。

カメラ撮影だけで名刺情報を読み取ることができ、最大で10枚の同時スキャンも可能です。
また、情報の検索も、連絡先一覧から過去の職歴や学校名でも探せる検索機能で快適です。登録されている連絡先には、ワンタッチで電話やメールもできます。

Sansan

Sansanは、大手法人向けの定番とも言える名刺管理アプリです。業界のサービスシェア率は84%となっており、CMでも見かけるため知名度による信頼感もあります。

テクノロジーとオペレーターの手入力によって、名刺をスキャンするだけで99.9%の精度でデータ化。
また、11か国の多言語対応です。外部連携サービスも充実しており、ダイヤモンド社、Eightなどとの連携によって顧客や企業の情報の把握もできます。

有料で、価格プランは3種類です。実際の費用は見積もりで知ることができます。

Eight

Eightは、個人向け名刺交換ソフトとして有名です。Sansanと運営元が同じで、連携もできます。
AIと手入力を組み合わせて、素早く正確にデータを読み取ります。オンライン名刺交換もでき、相手のEightとつながることで近況情報もキャッチすることが可能です。

無料でも利用できますが、月額480円のプレミアムにすることで、データのダウンロード管理ができるようになります。

CAMCARD

CAMCARDは、世界で2億人以上の個人ユーザーを持つ名刺管理アプリです。スマホで撮影するだけで即データ化、オンライン名刺交換もでき、既存システムと連携もしています。

無料でも使えますが、法人向け別サービス「CAMCARD BUSINESS」もあります。
法人向けサービスでは、月額1700円のスタンダードと2500円のプロフェッショナルの2プランが利用できます。

まとめ

名刺管理アプリは、顧客データを保存し、共有できるアプリです。
名刺交換を頻繁に行い、顧客データの管理が煩雑になったら、名刺管理アプリを活用して、ビジネスの効率化や顧客情報の一元管理を始めましょう。

ただし、名刺管理アプリは重要な個人情報を扱うため、セキュリティ面の確認が必要です。
また、利便性の悪いアプリでは導入しても定着しません。実際に導入するためには、事前にポイントを押さえてアプリを比較し、自社に合うものを選んでください。

創業手帳の冊子版は、名刺管理といったサービスなど起業前後に必要な情報を掲載しています。起業間もない時期のサポートにぜひお役立てください。
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(編集:創業手帳編集部)

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