会社の備品は何を置く?リストや効率的な備品管理のコツを解説
働く姿をイメージして会社の備品を揃えよう
会社の仕事は、多くの備品がなければ成り立ちません。新しいオフィス立ち上げの際には、必要な備品をピックアップするとともに、備品管理ルールを決めておいてください。
どのような保管が使いやすいか、管理台帳は扱いやすいか、働く姿をイメージしながら備品管理のルールを決めていきます。
会社に必要な備品やルール決めのポイントをまとめました。
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まずはこれだけ!必須のオフィス備品
オフィスを立ち上げる時、手続きやビジネスで忙しくて備品が後回しになることは珍しくありません。
備品の準備をついつい後回しにしてしまって、後から足りないものに気が付くケースもあります。
すぐに必要となる最低限の備品は揃えておかないと、事業の進捗も滞ってしまいます。
ここでは、オフィスを立ち上げる時に最低限必要な備品をまとめました。起業や支店開設でオフィスを構える時の参考にしてください。
デスク回りのオフィス備品
従業員が少ない場合でも、最低限必要なのがデスク回りの備品です。オフィス備品は以下のものがあります。
筆記具・基本の文房具
ボールペンやシャープペン、サインペンや消しゴムといった筆記具は多めに揃えておくようにしてください。
パソコン業務がメインであっても、筆記具や文房具をまったく使わない職場はそう多くありません。
ペンは黒だけでなく使い分けできるように赤や青、蛍光マーカーも用意します。
はさみやカッター、セロハンテープ、のり、ホッチキス、定規といった文房具も出番が多いアイテムです。
ホッチキスの芯やセロハンテープのような消耗品は多めに用意してください。
使用する場面をイメージしながら使い勝手が良いものを選びます。
事務用品
コピー用紙や電卓、USBメモリのように業務に使う事務用品はたくさんあります。
コピー用紙は、使う頻度も多く業務によってはすぐになくなってしまうので、なくなった時に店舗で購入するか、通販などを利用するか考えておいてください。
また、電池もよくつかう種類のものを買い置きしておきます。
ファイル関係
ファイルやクリアホルダーのように書類を保存する備品も必要です。名刺ファイルも準備してください。
書類は整理を怠ると紛失やミスの原因になりますので、どのように保管するのかルールを決めておくことをおすすめします。
メモ用品
ノートやメモ帳、付箋も使う機会が多い備品です。個人で持っていることもありますが、来訪時の応答のように会社の都合で使用する場面は多々あります。
会社の都合で使うものを従業員が負担するのは好ましくないので、最低限は用意してください。
封筒や名刺
書類やDMの郵送のように封筒を使う機会はたくさんあります。
新しいオフィス開設の挨拶やお知らせに際して名刺を使う機会も増えるため、多めに用意しておくようにしてください。
封筒は中身に応じて選べるように複数種類常備します。
共有スペースのオフィス備品
オフィスは仕事をする場所ですが、長時間を過ごすスペースでもあるので、できるだけ快適に過ごせる空間づくりが働きやすさや業務効率にも貢献します。
頻繁に買い替えないものもあるので慎重に選んでください。
机や椅子類
机や椅子、パーテーションやロッカーなどオフィス家具はたくさんあります。
あまりに安いものだと使い勝手や耐久性に難があるかもしれません。費用面で厳しい場合には、レンタルやリースを検討してください。
収納関連
オフィスには収納するための備品も必要です。ファイル棚や本棚など、オフィスの広さに合わせて選ぶようにしてください。
オフィスインテリア
オフィスを快適に整えることは従業員のモチベーションアップにも効果的です。オフィスを過ごしやすくするには、観葉植物やロールカーテン、ブラインドなどを使います。
雰囲気が良い空間は来客も過ごしやすくなるので、殺風景なオフィスには彩りになるインテリアを配置するようにします。
オフィス生活用品
オフィスで仕事をするには、様々な生活用品が必要です。
ティッシュペーパーやウェットティッシュ、トイレットペーパーのほかにもハンドソープや清掃用品も必要となります。清掃用品は掃除機やゴミ袋など一通り準備してください。
通信関係
通信環境はオフィスの必需品です。インターネットプロバイダとの契約をするほか、オフィス用の電話やパソコンを用意します。
無線LANやネットワーク機器は設置する場所や運用ルールも決めておきましょう。必要に応じてテーブルタップや延長コードも用意してください。
事務機器
オフィスで使用する事務機器は多岐にわたります。大きいものではコピー機や複合機、さらにラベルライターやシュレッダー、タイムレコーダーなどを用意します。
シュレッダーは忘れがちですが、情報漏洩を防ぐためにも必須のアイテムです。電動タイプだけでなく手回し式や鋏タイプもあるので、どれかひとつは用意します。
オフィスを快適にする備品
オフィスで快適に過ごすためには、ゴミ箱などの衛生用品や加湿器、空気清浄機を用意しておくのがおすすめです。
風邪やウイルスのまん延を防ぐ空気清浄機や、肌やのどのダメージを減らす加湿器は、従業員の健康を維持するためにも導入を検討してください。
飲料や食事に関する備品
オフィスでは、休憩や水分補給、食事の機会もあります。どういったものを用意すれば良いのか紹介します。
ポット類
お茶を淹れる時やインスタントラーメンを作る時にもポット類が必要です。コンパクトなものであれば置き場所にも困りません。
ドリンク
コーヒーメーカーやティーバックのお茶のようにドリンク類も用意しておくと喜ばれます。
また、夏場など小まめな水分補給にはウォーターサーバーがあると便利です。
お湯が出るタイプであれば来客時のお茶や、ランチタイムにも使えます。
意外と忘れがちな備品
オフィスは多くの人が働く場所であり、様々な事が起こります。ここでは意外と必要になるものの忘れがちな備品を紹介します。
ドライバーや工具
オフィスに工具が必要な場面はあまり思いつかないかもしれません。しかし、オフィス備品の組み立てや簡単な修理には最低限の工具が必要です。
時計やラベルライターのように電池を使う家電は、電池交換にドライバーが必要なケースもあるので、ワンセットは工具を置いておくようにしてください。
電源タップと延長コード
オフィスのコンセント数に応じて電源タップや延長コードを用意します。
電子機器の中には電源プラグが3つのものもあるので、必要があれば3Pプラグ専用のものを用意してください。
ホワイトボード
会議やミーティング、プレゼンの場などでホワイトボードは役立ちます。プロジェクターがあれば簡易スクリーンにもなるので、画面を共有しながら話し合うことが可能です。
ホワイトボードはキャスターで移動できるものが便利ですが、スペースが少ない場合には壁に貼るタイプも検討してみてください。
防災セット
災害に備えて必ず防災セットを備え付けてください。飲料水や食料に加えて、簡易トイレ、消火スプレー、救急セット、ヘルメットなどを人数に応じて用意します。
市販の防災セットであれば最低限のアイテムがまとまっています。防災セットを購入したら、定期的に有効期限や賞味期限をチェックするようにルールを作ってください。
オフィス備品はどうやって管理する?
備品は細かな文具や消耗品からデスクやパソコン、什器など多岐にわたります。備品は用意するだけでなく、適切に管理しなければいけません。
備品管理を怠れば、無駄な出費が増えたり会社の情報が漏えいしたりと多くのリスクがあります。
種類も多い備品を管理するための方法について紹介します。
備品管理の必要性
備品管理をどうしてしなければいけないのかと疑問に思う事業主もいるかもしれません。
備品管理の必要性をまとめました。
コスト削減
備品の数や状況を把握できない場合、すでに備品としてあるにもかかわらず二重に買ってしまうなど、本来であれば不要なものを購入してしまうことがあります。
低単価の備品であっても、無駄が積もりに積もって大きな損失につながるかもしれません。
セキュリティ強化
備品の中には、会社の機密が保存されたパソコンやUSBメモリ、タブレットなどもあります。
これらの備品は、今どこにあって誰が使っているのかを把握していないと紛失して機密漏洩のリスクがあります。
備品管理は、その会社が扱っている情報を外部に漏らさないためにも大切な仕事です。
業務効率化
備品は働く人のために使われるものですが、管理されていないと必要な人が必要な時に使えないケースが出てきます。
その結果、生産性が下がったり、社員のモチベーションを悪化させる遠因になるかもしれません。
ほかの仕事に比べて地味に感じるかもしれませんが、備品を管理することはビジネスに集中するためにも欠かすことができない業務です。
備品管理のやり方
備品管理を行うためにはルールづくりがポイントです。効率が良い備品管理のやり方を紹介します。
1.備品をカテゴリごとに分ける
備品管理をスタートするには、すべての備品をカテゴリー別に分類してください。
具体的にはボールペンなどの文房具と、タブレットやHDDといったIT機器を分けます。
パソコンやデスクのように同じ備品を使い続けるものは、カテゴリに分けてからさらにナンバリングしておきます。
カテゴリごとに色分けしたラベルを貼り付けておくと、何がどこにあるのか把握が簡単です。
2.備品管理台帳を作成する
備品の個数や状態を把握しておくためには、備品管理の台帳を作成します。備品管理台帳を作成することで、備品がいくつあって今どこにあるのかを把握できます。
備品管理台帳に記載する項目は以下のものが一般的です。
-
- 備品の名前
- 備品ナンバー
- 購入日
- 購入数量
- 利用日と数量や理由
- 返却日
- 現在の数量
備品管理台帳は、ノートやメモ帳のほかExcelで作成することもできます。
クラウドで従業員がアクセスできるようにしておくと、データを共有しやすく紛失もありません。
3.備品管理のフローを作成する
備品を管理するには、それぞれの備品を購入してから管理するまでの一連の流れを決めておきます。
備品によって使う期間や購入、交換の頻度が違うからです。
高価な備品の場合には、購入前に稟議や見積もりの段階を設けるのが一般的です。
消耗品は購入から使い切るまでの頻度も多いので、効率的にサイクルを回せるようにしてください。
4.備品管理のルールを決め、社員に周知する
すべての従業員が備品の扱いを統一できるようにルールを作ります。
備品の置き場所や使い方、管理台帳の記入方法、発注までのフローをまとめてください。
決めたルールは従業員が把握して活用できるように説明の場を設けるようにしましょう。
すぐにはじめたい備品管理のコツ
備品管理は、実際にビジネスをおこないながら自社に適した方法を模索するようにしてください。
備品管理のコツを紹介します。
備品を見える化する
備品をうっかり棚の奥に眠らせてしまっていることも珍しくありません。
備品は保管状態や数量がわかるように、見えやすく取り出しやすい保管方法にしてください。
例えば透明なケースに入れて数を把握しやすくしたり、備品管理システムで在庫を数字であらわせるようにしたりする方法です。
備品を視覚的にわかりやすくしておくことで業務効率もアップします。
棚卸を定期的に行う
備品は備品管理台帳で在庫数を記録するだけでなく、定期的に棚卸するようにしてください。備品管理台帳があれば、在庫数はすぐに把握できます。
人間が記録して管理している以上、ミスは起こりえます。帳簿上の数字と実際の数量がズレることも多いので、定期的な棚卸がおすすめです。
在庫管理ソフトを使う
備品管理ソフトは、備品をデータで整理して記録、管理できるソフトです。備品の状態や使用状況、担当者といった情報を一括管理してくれます。
会計や資産管理システムと連携できるものであれば、経費計上や資産管理の手間も削減可能です。
備品が多すぎて管理が追いつかない時や、効率化を進めたい時には在庫管理ソフトの導入も検討するようおすすめします。
在庫管理のルールを周知する
備品管理のルールは社内で共通認識できるようにしてください。
備品の担当者や総務が管理を徹底しても、社員が運用ルールを守らなければ適切な管理はできません。
備品の管理について研修を実施するほか、備品の近くにルールを貼りだして徹底する方法もあります。
備品管理が乱れてしまった時には、社内メールも活用して運用ルールを繰り返し伝えてください。
まとめ
会社の備品管理と聞くと地味な印象かもしれません。しかし、備品が管理されている会社は業務効率が良く、能力や資金をビジネスに集中できる環境が整っています。
どのような備品が必要で、どういったルールで管理するのかあらかじめ考えておくようにしてください。