スタートアップワールドカップ2025世界決勝を速報!優勝はCoreshell(アメリカ代表・超電池)
2025年10月17日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2025」の世界決勝戦が、米国・サンフランシスコで開催されました。
優勝はCoreshell(アメリカ代表・電池容量が飛躍的に向上する画期的なシリコン電極)が選ばれました。
SWCは、世界中のスタートアップ、投資家、起業家、テック系CEOが一堂に会するグローバルなピッチコンテストカンファレンスです。
準決勝には世界各国からの地域予選チャンピオンとユースの登壇者を合わせたプレゼンターは100社以上となった。
今年はユースの大会が行われたことも昨年との違い。またシリコンバレーのAIのトップランナーなど豪華なキーマンが登壇をした。
また大企業でスタートアップに投資をしたい日本のCVC関係者も多数詰めかけた。
最終予選は上位10社が出場。
投資賞金は100万ドル(約1億4000万円)。投資賞金とはそれ以上の額が投資される権利を得ることを意味しており、代表のアニス・ウッザマン氏によると実際は100万ドルの賞金を超えてはるかに多い金額が投資されるとのことです。
日本からも東京予選を勝ち抜いたAcompany 社 が世界ベスト10に入りました。
代表のアニス・ウッザマン氏から創業手帳ニュース読者へのコメント
今年は過去最大の規模の大会となりました。
また今年始めてユース大会も行われた他、ケニア、イスラエルの会社が上位に入ったのは世界中にイノベーションを起こす起業家がいることを意味しており、意義が深いと思います。また会場ではAIのキーマンによる最先端の解説なども行われました。ぜひ日本の皆様にもシリコンバレーの最先端の空気、会場の熱気に触れて頂ければと思います。
創業手帳ファウンダー大久保の解説
優勝のCoreshell社の技術は簡単に言うと電池の電力の容量を飛躍的に上げる技術。
バッテリーは生活の中で欠かせないものであり、この技術のブレイクスルーになる技術は大きな可能性を持つと思われる。
こうした一見地味なハード系が評価されるのもこの大会の面白さ。
また、2位がスタートアップ大国のイスラエルからIntuition Robotics、3位がケニアBuuPassと欧米に偏らないエントリーもこの大会の魅力と思いました。特にアフリカから3位入賞が出たのは意義が深いことだと思います。
世界上位3位
1位 Coreshell 社 (アメリカ・イーストベイ予選代表) https://www.coreshell.com/
独自ナノレイヤー薄膜コーティング技術により、バッテリー負極で一般的に使われる黒鉛と比べて 10 倍の容量を貯めることができる低コストかつ高性能なシリコン負極を開発
2位 Intuition Robotics 社 (イスラエル予選代表)
https://www.intuitionrobotics.com/
ユーザーとのコミュニケーションを自発的に開始し、会話の持ちかけや活動提案、薬の服薬リマインダー、健康管理支援等の機能を搭載した独居高齢者向けの AI コンパニオンロボットを開発
3位 BuuPass 社 (ケニア予選代表) https://buupass.com/
消費者向けにバス、電車、飛行機等を予約できる複合交通予約プラットフォームを提供する他、事業者向けに AI を活用した需要予測、在庫管理、決済機能等を備えた管理システムを提供
世界決勝戦に勝ち進んだ他の10 社は以下の通りです。
・ Acompany 社 (日本・東京予選代表) https://www.acompany.tech/
機密データを暗号化した状態で計算や分析ができる高速秘密計算エンジンを開発し、機密データを AI ツールに連携する際に暗号化したデータを復号せずに活用できる秘密計算 AI クラウドを提供
・ FaceHeart 社 (台湾予選代表) https://faceheart.com/
AI と遠隔光電式容積脈波記録技術を活用し、スマートフォン等の通常のカメラで顔をスキャンすることで心拍数、酸素飽和度、ストレス指数等の生体情報を非接触で測定できるソフトウェア開発キットを提供
・ Go To-U 社 (アメリカ・ロサンゼルス予選代表) https://goto-u.com/en
AI と高度予約技術を活用し、充電ポイント運営事業者と EV ドライバー向けに世界 67か国を超える EV 充電ステーションにアクセスできるグローバルな EV 充電プラットフォームを提供
・ Happy Robot 社 (スペイン予選代表) https://www.happyrobot.ai/
荷物の出荷管理、AI エージェントによる出荷先や物流業者との電話やメールなどのコミュニケーションの代理応答や配送料金の交渉等の物流に係る業務を自動化できる物流支援システムを開発
・ MacroCycle 社 (アメリカ・サンフランシスコ予選代表) https://www.macrocycle.tech/
プラスチック廃棄物を工程全体の炭素排出をゼロに抑制しながら新品同様の品質を持つリサイクル PET とポリエステル樹脂を製造できるアップサイクルプロセスを開発
・ Scentian Bio 社 (ニュージーランド予選代表) https://www.scentianbio.com/
昆虫の嗅覚受容体とナノテクノロジー、AI を組み合わせることで、腐敗や汚染、有害な微生物の存在を示す可能性のある揮発性有機化合物の検出ができる高感度バイオセンサーデバイスを開発
・ Vital Audio 社 (アメリカ・ニューヨーク予選代表) https://vitalaudio.io/
ウェアラブルデバイスなどの機器を必要とせず、AI が患者との通話中の音声を解析し、心拍数、呼吸数、肺活量等の生体情報を算出することで患者の健康状態を把握できる音声解析ソフトウェアを開発