注目のスタートアップ

超小型衛星コンステレーションの構築を進める「アークエッジ・スペース」が80億円調達

company

2025年2月4日、株式会社アークエッジ・スペースは、総額80億円の資金調達を実施したことを発表しました。

今回の資金調達により、累計調達額は107億円となります。

アークエッジ・スペースは、超小型衛星コンステレーションの企画・設計から、量産化、運用までの総合的なソリューションの提供を行っています。

IoTデータ収集や、リモートセンシング、船舶向け衛星通信(VDES)、光通信など、さまざまなミッションへの対応が可能な6U衛星の標準汎用バスシステム・量産システム・複数衛星の自動運用システムの構築に取り組んでいます。

2024年11月に、6U衛星の汎用バスの基本設計、開発、量産試験を順次完了しており、打ち上げ・軌道上実証フェーズに移行しています。

今回の資金調達を通じ、国内外の政府機関や民間事業者向けに、船舶・海洋を対象とした双方向通信を実現するVDESや、海洋状況把握、多様な周波数データを収集可能な多波長リモートセンシングなどに対応する商業衛星コンステレーションの構築を加速化させる予定です。

また、光通信などの基盤技術の獲得や、人材基盤の拡充、量産体制の構築なども進めます。


2010年に約27兆円だった世界の宇宙ビジネス市場は、2023年には約54兆円に拡大し、2040年には140兆円を超えると予測されています。この急速な成長の背景には、超小型衛星技術の進化と、それに伴う打ち上げコストの大幅な低下が大きく影響しています。これにより、多くのスタートアップ企業が宇宙ビジネス市場に参入する機会を得ています。

また、ロケットや人工衛星の打ち上げ数も急増しており、2014年には221機だった小型人工衛星の打ち上げ数が、2023年には2860機に達しています。このような動向は、宇宙産業が従来の国家主導型から民間主導型へとシフトしていることを示しており、今後の市場成長においても重要な要素となっています。

人工衛星は、地上のあらゆる場所のデータを取得することが可能です。地上の通信網の整備されていない場所のデータを取得するといったことも可能であり、たとえば、長距離航海を行う船舶、航空機、放牧された家畜などのデータを取得することができます。

しかし1基の超小型衛星がカバーできる範囲は限られているため、複数基を軌道に投入し、衛星同士をつなぐことでより広い範囲をカバーする衛星コンステレーションの構築が進められています。

アークエッジ・スペースは、地球観測、船舶向け衛星通信(衛星VDES)、光通信、低軌道衛星測位などに対応した超小型衛星コンステレーションの構築を目指しています。

企業の成長には戦略的な資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ IoT VDES アークエッジ・スペース リモートセンシング 人工衛星 光通信 宇宙 宇宙ビジネス 小型衛星 株式会社 衛星 衛星コンステレーション 資金調達 超小型衛星 通信
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

アフリカにおいてタクシードライバー向けマイクロファイナンスを展開する「HAKKI AFRICA」が3.2億円調達
2023年12月19日、株式会社HAKKI AFRICAは、総額3億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 これによりシリーズBの合計調達額は19.1億円(融資含む)となりました。 H…
特許明細書作成サポートシステム「appia-engine」を開発する「Smart-IP」が2,500万円調達
2023年7月31日、Smart-IP株式会社は、総額2,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Smart-IPは、特許明細書作成サポートシステム「appia-engine」β版の開発や…
灰やスラグを原料とした連続長繊維「BASHFIBER」を製造する技術を保有する「新日本繊維」が資金調達
2023年3月3日、新日本繊維株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、電源開発株式会社(Jパワー)です。 新日本繊維は、石炭火力発電や石炭ガス化複合発電で生じる灰やスラグを原料に…
「クラウドエース」と「JQ」が共同でDX全社構想立案コンサルティングサービス「DXランチャー」を提供開始
2020年10月15日、クラウドエース株式会社は、株式会社JQと共同で、「DXランチャー」の提供を開始したことを発表しました。 クラウドエースは、 Google Cloudを専門としており、クラウドの…
低コストの二酸化炭素分離膜を開発する「OOYOO」が4.3億円調達
2024年10月18日、株式会社OOYOOは、総額4億3000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 OOYOOは、独自の分離膜技術を搭載した省エネルギーかつコンパクトなCO2回収システムを開発…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集