GoogleAI Studio(スタジオ)とは?使い方は?無料でも使える?

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ChatGPT Searchとの違いについても解説

日夜進歩を遂げる生成AIサービスですが、Googleが新たな生成AIサービス「Google AI Studio(スタジオ)」をリリースしました。この「Google AI Studio」はGoogleの最新の生成AI機能と、従来からあったGoogle検索を組み合わせて使えるすごいツールです。本記事では、「Google AI Studio」の概要や機能、使い方などについてご説明します。

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GoogleAI Studio(スタジオ)とは?無料で使える?

「Google AI Studio」は、Googleの最新の生成AI「Gemini(ジェミニ)」などの機能を誰でも手軽に試せる無料のサービスです。AIとのテキストベースのコミュニケーション、会話履歴のGoogleドライブへの保存など、基本的な機能を気軽に体験できます。

開発者向けの機能も充実しており、プロンプトに対する応答の検証、出力内容のカスタマイズ、APIキーの発行などが可能です。一方で、直感的なインターフェースにより、プログラミング未経験者でも簡単に利用を始められます。

このように専門知識の有無を問わない使いやすさから、AI技術に興味を持つ幅広いユーザーの間で注目を集めているサービスです。

もちろん、日本語でも利用可能です。

Google AI Studioで使える生成AIのモデル

24年11月現在、「Google AI Studio」で使える生成AIのモデルは大きく「Gemini(ジェミニ)」と「Genma(ジェンマ)」の2種類です。

さらに、実験段階にある生成AIのモデルも「PREVIEW」として使えるようになっています。

以下では、すでに公式リリースされた「Gemini」と「Genma」の2つについて、その概要をご紹介します。

Gemini(ジェミニ)

「Gemini(ジェミニ)」とは、Googleが開発した生成AI、および生成AIモデル名です。テキストだけではなく、画像、動画や音声、コードなども処理できる「マルチモーダル型」と呼ばれる生成AIに分類されます。

2023年12月に発表された、生成AIとしては比較的新しいモデルです。過去、Googleは「Bard(バード)」という対話型AIサービスをリリースしており、このサービスの基盤となっていたのがGeminiと名付けられた生成AIモデルでした。2024年2月には、サービス名とモデル名が統一され、どちらも「Gemini」と呼ばれるようになりました。

以下ではさらに、最新の主要モデル2つ「Gemini1.5 Pro(プロ)」と「Gemini 1.5 Flash(フラッシュ)」のそれぞれの特徴をご紹介します。

Gemini 1.5 Pro(プロ)

「Gemini 1.5 Pro」の最大の特徴は、従来のAIモデルとは比較にならない膨大な入力容量です。一度に処理できるトークン数が100万にまで拡大され、これにより11時間分の音声データ、1時間分の動画データ、30,000行を超えるソースコード、70万語以上の英単語といった大規模なデータを一括で処理できるようになりました。さらに、実験環境では1,000万トークンという、LLM史上最大規模の入力にも成功しています。

この大容量処理能力は、特に動画コンテンツの活用において大きな可能性を開きます。YouTube動画の文字起こしなど、動画クリエイターにとって特に有用なツールとなることが期待されます。

ただし、現時点ではWebブラウザからの直接利用はできず、Google AI Studioを通じての利用が必要となります。Google AI Studioを使用することで、これらの先進的な機能を無料で体験することができます。

このような特徴を持つGemini 1.5 Proは、大規模データ処理の新たな可能性を切り開く革新的なモデルとして注目を集めています。

Gemini 1.5 Flash(フラッシュ)

「Gemini 1.5 Flash 」の特徴は、軽量なモデル設計でありながら、100万トークンという大規模なコンテキストウィンドウを実現し、高速な応答性能とコスト効率の両立を達成していることです。

また、テキストだけでなく、動画、画像、音声など、様々な形式のデータを処理できるマルチモーダル機能を備えています。具体的には、1時間の動画データや11時間の音声データといった大容量のマルチメディアコンテンツも扱えます。

「Gemini 1.5 Flash 」は、Google AI Studioを通じて無料で利用することができます。軽量で高性能な特性を活かし、幅広い用途での活用が期待されています。

Genma(ジェンマ)

「Gemma(ジェンマ)」は、Googleが公開したGeminiと同じ技術を活用した軽量なLLMモデルで、ローカルPCの環境でも動かすことができます。 Gemmaの性能は、MetaのLlama2など同規模のモデルを上回ると言われています。 学習データから特定の個人情報や機密データを除外しており、安全性の高さも誇ります。

Google AI Studioは検索機能も使える

「Google AI Studio」は、生成AI が自ら考えて、質問に対して自然な日本語で回答してくれるだけではありません。

Google検索も使えるようになったので、Google検索してソースをしっかりとみた上で、ソースのURLを提示した上で質問に回答してくれるようになりました。

このおかげで、ちょっとした回答を得たい場合はGoogle AI Studioを使い、ソースを見たい場合はソースのURLに飛ぶことができるようになったのです。

Google AI Studioの使い方

「Google AI Studio」を筆者が実際に使ってみました。まず、「Google AI Studioにログイン」をクリックします。

次に、「Model」で使いたい生成AIのモデルを選択します。

検索機能を使いたい場合には、右下にある「Grounding」をクリックして有効にします。

そして、実際に質問を投げかけてみると、以下のように、Google検索をした上でソースを基に回答してくれました。

ソースのURLは回答の下に「Grounding Sources」として表示されます。

Google AI Studioの登場でGoogle検索は使われなくなる?

生成AIに検索機能が加わっても、Google検索が完全に使われなくなることは考えにくいと分析できます。

まず、両者の特性と役割が異なります。Google検索は、膨大なWebページの中から関連性の高い情報を素早く見つけ出し、信頼できる情報源に直接アクセスできる点が強みです。ユーザーは元の情報源を確認でき、その信頼性を自身で判断できます。一方、生成AIは情報を要約・統合して回答を生成しますが、その過程で情報源が不明確になる可能性があります。

利用シーンも異なってきます。単純な事実確認や特定のWebサイトへのアクセスにはGoogle検索が適しています。一方、複数の情報を組み合わせた分析や、質問に対する詳細な説明が必要な場合は生成AIが有用です。例えば、「〇〇社の公式サイト」を探す場合はGoogle検索、「〇〇業界の最新トレンドを分析して」という場合は生成AIというように、目的に応じて使い分けられるでしょう。

情報の信頼性と検証の観点でも、両者は補完関係にあります。生成AIの回答の正確性を確認するためにGoogle検索を使用したり、Google検索で見つけた大量の情報を生成AIで整理・要約したりするなど、相互に補完しながら使用されることが予想されます。
また、Google検索は20年以上の歴史の中で、ユーザーの検索行動や習慣として定着しています。特に、シンプルな検索クエリに対する素早い回答という点では、依然としてGoogle検索の利便性は高いと言えます。

さらに、Google自身も検索機能の進化を続けており、AIを活用した検索結果の向上や、より直感的な検索体験の提供に取り組んでいます。生成AIとの統合や、新しい検索手法の開発により、さらなる進化が期待されます。

むしろ今後は、従来の検索エンジンと生成AI検索が融合し、より高度な情報アクセス手段として発展していく可能性が高いでしょう。例えば、検索結果に基づいて生成AIが解説を加えたり、ユーザーの意図をより深く理解した検索結果を提供したりするなど、両者の利点を組み合わせたサービスが登場すると考えられます。

したがって、生成AI検索は既存の検索エンジンを置き換えるというよりも、新たな情報アクセス手段として、既存の検索手段と共存しながら発展していくと予想されます。ユーザーは目的や状況に応じて、両者を使い分けたり組み合わせたりしながら、より効果的な情報収集を行うようになるでしょう。

Google AI StudioとChatGPT Searchとの違い

Google社のライバルであるOpenAI社も、ChatGPTの位置機能として検索機能「ChatGPT Search」をリリースしています。両者はどのように違うのでしょうか。以下でご説明します。

基本的な性質と目的

「ChatGPT Search」は対話型の検索に特化し、自然な会話を通じて情報提供を行うサービスです。「GPT-4」をベースとし、検索結果に情報源のURLを提示する特徴があります。

「Google AI Studio」は、「Gemini」の機能を試験的に使用できる開発者向けプラットフォームであり、AIとの対話機能に加えて、開発やカスタマイズのための機能を提供します。

利用できるユーザー

「ChatGPT Search」は現時点でChatGPT Plus会員やTeamプラン利用者、待機リスト登録者に限定されています。

「Google AI Studio」は誰でも無料で利用でき、専門知識がなくても使い始められます。

特徴的な機能

「ChatGPT Search」は検索と対話を組み合わせた情報提供に焦点を当て、ソースURLの提示によるファクトチェック機能を備えています。

「Google AI Studio」は開発者向け機能(APIキーの発行、プロンプトの検証、出力カスタマイズなど)が充実しており、会話履歴のGoogleドライブ保存なども可能です。

使用目的

「ChatGPT Search」は一般ユーザーの情報検索とその確認を主な目的としています。

「Google AI Studio」は開発者のテストや実験、そして一般ユーザーのAI体験の両方をカバーする幅広い用途を想定しています。

Google AI StudioによってWeb広告が激変する

「Google AI Studio」のような検索機能付き生成AIが浸透することで、Web広告は大きく変革すると予想されます。

広告のターゲティングがより精密になる

広告表示の最適化が進化し、ユーザーの検索コンテキストとリアルタイムの行動データを組み合わせた、より精密なターゲティングが可能になります。例えば、ユーザーが生成AIと対話する中で示した興味関心や意図を理解し、最も関連性の高い広告を、最適なタイミングで表示できるようになるでしょう。

より効果のある広告クリエイティブが作れるように

広告クリエイティブも変化します。生成AIが検索データから消費者のニーズや傾向を分析し、それに基づいて最も効果的な広告文やビジュアルを提案できるようになります。さらに、ユーザーの反応に応じてリアルタイムで広告内容を調整することも可能になるでしょう。

入札戦略が高度化する

入札戦略も高度化します。リアルタイムの検索トレンドや競合状況を分析し、広告費用対効果を最大化する入札額を自動的に設定できるようになります。また、キーワードの価値や競争度をより正確に予測し、効率的な予算配分が可能になります。

広告フォーマットが多様化する

広告フォーマットも多様化するでしょう。従来の検索連動型広告に加えて、ユーザーとの対話の文脈に合わせた自然な広告表示や、質問に対する回答の中に関連商品やサービスを組み込むなど、新しい広告形態が登場すると考えられます。

広告のパーソナライゼーションはさらに進化

パーソナライゼーションはさらに進化し、個々のユーザーの検索履歴や対話内容に基づいて、より詳細なセグメント分けと、それに応じた広告配信が可能になります。これにより、広告の関連性と効果が大幅に向上するでしょう。

広告効果の測定・分析の精度も上がる

また、広告効果の測定と分析も変わります。生成AIが広告パフォーマンスをリアルタイムで分析し、即座に最適化提案を行うことで、より効率的なキャンペーン運営が可能になります。さらに、検索データと広告効果の相関分析により、より精度の高いROI予測も実現できます。

プライバシーへの配慮はより重要になる

一方で、プライバシーへの配慮がより重要になります。ユーザーの検索履歴や対話内容を広告に活用する際には、適切なデータ保護とユーザー同意の取得が必要不可欠です。透明性の高い広告運用と、ユーザーのプライバシー保護の両立が求められるでしょう。

Google AI Studioを積極的に活用しましょう

以上、「Google AI Studio」についてご説明しました。ぜひあなたも、積極的に活用してみてください。




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(編集:創業手帳編集部)

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