経費削減のアイデア:15の効果的な方法と導入のポイント

創業手帳

経費削減のアイデアで経営のスリム化を!


企業が利益を増やすためには、売上げを向上させるか経費を削減するかのどちらかが必要です。売上げは社会情勢の変化の影響も大きく、簡単には増やせません。
一方で、経費削減は効果が見えやすく、企業の利益上昇に直接貢献します。
経営をスリム化すれば、より利益が上がりやすい構造になり金融機関や株主からの評価にもつなげることが可能です。

ここでは経費削減のためのアイデアを紹介しています。

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会社が削減できる経費の種類


経費削減は多くの企業で取り組まれています。しかし、可能な限りコストを削減すればいいわけではありません。
会社が削減できるコストには、大きく分けてエネルギーコストとオフィスコスト、オペレーションコストの3種類があります。

エネルギーコストは、電気代や水道代のほか、社用車のガソリン代といったエネルギーにかかるコストです。
オフィスコストは、オフィスや工場の賃料や事務消耗品、リース代といった費用です。
オペレーションコストは、人件費や会議費、福利厚生費といった事業を営むために発生するコストをいいます。自社で発生する経費がどれに当たるかを考えてみてください。

エネルギーコストの経費削減アイデア


水道光熱費やガソリン代は業務遂行に必要なものであるため、削減できないと思われるかもしれません。
しかし、エネルギーコストは、契約の見直しや日々の心がけで大きく削減できる部分です。

エネルギーコストの経費削減アイデアをまとめました。

電力・ガスの自由化を利用した契約見直し

電力・ガスの自由化によって、電力会社とガス会社を自由に選べるようになりました。
今では契約者が料金プランやサービス内容を比較して、自分に合う電力・ガス会社を選択しています。

入居してから一度も電力・ガスの契約見直しをしていない会社も多いかもしれません。
電話代や携帯電話通信料との連携サービスもあり、まとめて乗り換えることによって大幅に経費削減できます。

オフィスや店舗の節電・節水

節約の基本としてオフィスや工場で使う電気や水道は無駄がないようにしてください。
従業員に節電、節水を呼びかけて節約意識が高まれば大きな経費削減につながります。

また、蛍光灯をLED照明に置き換えることも節電手段です。近年は、家電だけでなくオフィス機器も省エネ性能が高い機種が登場しています。
新しく導入する機器については省エネ性能もチェックしてください。

オフィスコストの経費削減アイデア


オフィスコストには幅広い経費が含まれているため、多角的な視点での経費削減が可能です。
オフィスコストはオフィスがある限り発生するため、可能な限りの削減策を講じてください。

オフィスコストの経費削減アイデアを紹介します。

消耗品の効率的な管理と節約

オフィスにあるボールペンやコピー用紙といった消耗品は単価が安いため、つい気軽に使ってしまう人も多いかもしれません。
しかし、安い単価でも年間の購入費用では大きな差になります。
消耗品はまとめて管理して、無駄に使うことがないようにしてください。また、コピーは白黒印刷や両面印刷を活用するといった心がけでも経費削減につながります。

長期的な目線では、システムを導入してペーパーレス化することで、コピー用紙代やインク代を削減できます。業務面でも効率化につながるので検討してみてください。

通信費の見直しと最適化

電話やFAX、インターネットなどの通信費も見直しをして最適化を図ってください。
利用料金が安い会社に乗り換えたり、電気代・ガス代とのセット割引を使ったり自社に適した方法を選択します。

また、FAXをメールやデジタルFAXに切り替える方法も有効です。
紙でやり取りしていた書類をデジタル化すれば、コピー用紙代などが削減できるだけでなく、業務効率もアップします。
デジタルであれば外出先からでも確認しやすく、保管や検索も簡単です。

金融機関の変更による手数料削減

振込手数料も、塵が積もって山になってしまう経費です。取引先や仕入れ先への振り込みの都度振込手数料を支払っていると1年間でまとまった金額になります。

振り込みの回数が多い場合には、手数料が安い金融機関に乗り換える方法もあります。
その場合には、振込手数料を安くするために振込回数や方法を変更できないか検討してください。

補助金の活用

国や自治体が提供している補助金や助成金の中には、中小企業やスタートアップを応援する制度も多くあります。
IT機器の導入や商品、サービス訴求の資金を援助してくれる制度もあり、企業の生産性向上や認知度向上につなげることが可能です。

新しいシステムの導入や、新商品の開発に対する思いがあっても、資金面で諦めてしまうケースもあるかもしれません。
自社の課題やビジョンに合う補助金や助成金がないか探してみてください。

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レンタルや中古を活用したオフィス

オフィスの備品を新品ではなく、中古品やレンタル、リースにするだけで費用が削減できます。
オフィスで毎日のように使うコピー機やパソコンも経費削減のために見直しましょう。
備品の購入費用が大きい場合や使用する機会が少ない場合には、レンタルやリースの活用も検討してください。

また、社用車も購入以外の手段があります。
公共交通機関を利用するほか、カーシェアリングやレンタカーを活用すれば運用コストが大幅に削減できるケースも多いので、シミュレーションしてみてください。

オフィススペースの最適化

オフィスのスペースにかかる費用は、オフィスコストの中でも大きな割合を占めます。大きく経費削減するのであれば、賃料が安い物件を探したり、統廃合してオフィスや店舗自体を減らすことも検討してください。

リモートワークやオンラインショップにすることで、オフィスや店舗を閉鎖してオンラインに移行できます。水道光熱費も発生しないため、経費削減に効果的です。

オペレーションコストの経費削減アイデア


人件費に代表されるオペレーションコストは、企業が大きくなるとともに膨れ上がるコストです。やみくもに削減してしまうと生産性や社員のモチベーションにも影響します。

オペレーションコストを削減するための経費削減アイデアを紹介します。

リモートワークなどの働き方改革

オペレーションコストの大部分を占めるオペレーションコストの削減は、働き方改革と並行して進められます。
リモートワークを導入したり、時短勤務やフレックスといった従業員が柔軟に働くための体制を整備してください。

今まで対面で行っていたミーティングや出張をオンラインに切り替えることで、従業員の業務負担を減らしつつ、出張旅費や交通費を削減できます。

接待費の適切な管理と見直し

取引先や顧客との接待も経費削減をきっかけに見直してください。
外部企業とのかかわりが多い企業では接待費が大きくなりがちです。しかし、不要な接待が含まれていることもあるかもしれません。

接待費を適切に管理するために、接待に関する社内ルールを見直す必要があります。時候の挨拶として出張で訪問していたり、お中元、お歳暮の中止も考えてみてください。

ペーパーレス化、業務のシステム化によるコスト削減

多くの企業では、業務に際して申請書や稟議書といった手続き書類があります。
書類が多い場合には、業務をシステム化することでオフィスコスト、オペレーションコストの両方を削減可能です。

書類が電子化されることでペーパーレスとなり、コピー用紙代やインク代を削減可能です。
さらに、経費精算システムや会計システムを導入すれば業務効率が高まるため、オペレーションコストも削減できます。

業務システムは、導入費用がリーズナブルなものやトライアル可能なものもあるので比較して選んでください。

アウトソーシングの戦略的活用

人件費を必要な人材に効率良く注力するためには、戦略的にアウトソーシングも活用してください。
社内で専門人材を抱える必要がない業務に関しては、外部委託も検討してもいいかもしれません。

例えば、バックオフィスや管理部門をアウトソーシングして自社が強化したい部門に人件費を配分します。新しく人材を雇用する余裕がない場合に適した手段です。

従業員の定着率向上による採用コスト削減

長期的な目線での経費削減として、離職率の低下、従業員の定着率向上があります。採用や人材育成には大きなコストがかかります。
手間と時間をかけた人材がすぐに辞めてしまえば、その人にかけたコストは無駄になってしまう上、新たに代わりの人材を採用しなければいけません。

従業員の定着率が高ければ、新規採用、中途採用にかかる経費を最小限に抑制できます。
定着率を向上させるには、現場の意見も参考にして労働環境や採用フローの改善を検討してください。
すでに離職率が高い場合には、なぜ離職するのか、どのようにすれば早期離職を減らせるのか調査が必要です。

広告費の削減

広告費は、売上げアップや認知度向上に寄与する経費ですが、定期的に効果測定して効果的な広告を選択してください。
広告媒体や内容がターゲットにあっていない場合には、費用対効果が見合っていない広告を減らして他の方法を検討します。

また、代理店に任せるだけでなく広告を自社で作成することで経費削減できることがあります。

法人カードの導入

今までの支払いを法人カードにするだけでも経費削減になることがあります。
法人カードを導入することによって、マイルやポイントを貯められるほか、従業員の福利厚生や付帯サービスを受けられます。
さらに小口現金管理の手間が少なくなるので会計の工数を削減して、人件費を抑えられる点もメリットです。

経費削減アイデアを成功させるポイント


経費削減アイデアは、目につくコストをただ削減しても効果は限定的です。ここでは経費削減アイデアを成功させるポイントを紹介します。

明確な目標設定

経費削減アイデアを成功させるには、最初からアイデアを導入するのではなく、現状のコストを把握してから具体的な経費削減目標を設定します。
コスト削減目標が不明瞭で実現に無理があれば従業員のモチベーションも上がりません。

明確な目標を設定するとともに、その裏付けや経費削減のためにできることを設定します。業務改善が必要な時には行動プランを実現可能な内容で設定してください。

従業員の理解と協力の獲得

経費を削減するためには、従業員や部署で連携して経費削減に取り組まなければいけません
コスト削減案を策定してから実行するまでに関係者に周知して理解と協力を獲得します。

従業員の理解を得る前に、今まで使っていた備品がなくなったり、経費計上が認められなくなったりすれば、従業員のモチベーションが下がります。
従業員の混乱を防ぐためにも、十分な説明と話し合いを行ってください。

定期的な効果検証とPDCAサイクルの実施

経費削減アイデアは、ただ導入するだけでなく効果測定と検証を行います。期待どおりに効果が出ていないのであれば、経費削減プラン自体に問題があるのかもしれません。
また、経費削減で来ていても業務で不都合が発生してしまうこともあります。
特定の部署や人材に経費削減のしわ寄せが生じているのであれば、改善策を練って次のアクションにつなげるようにしましょう。

避けるべき経費削減アイデアはある?


経費削減アイデアはほかにも多くあります。しかし、中には避けたほうが良いものや、企業にとって良くないものもあるので注意してください。
どういった経費削減アイデアを避けるべきなのか紹介します。

短期的な視点による過度な削減

短期的に経費削減の結果を出すために中長期的な利益を無視することは避けてください。
例えば、研究開発費や新商品開発費の削減は、すぐに経費削減効果が出るかもしれません。
しかし、将来の利益のつなげるための費用を削減することは、新しく価値がある製品やサービスを生み出す可能性をつぶしてしまうリスクがあります。
また、商品や質のサービスを下げることも短期的には経費削減できるものの、長期的に顧客が離れて売上げが下がることにつながるかもしれません。

自社のビジョンがどこにあるのかを考えて、将来につながらない短期的目線の経費削減は避けてください。

従業員のモチベーションに悪影響な削減

人件費や福利厚生を急に大幅削減すれば、まとまった金額の経費削減が可能です。
しかし、やり方によっては従業員のモチベーションが下がり、優秀な社員が離職する原因となります。

従業員のモチベーションは、企業の生産性に直結しています。
人材不足になれば在籍者の負担が大きくなり、モチベーションが下がって離職するといった負のサイクルになってしまうかもしれません。
経費の削減がどれだけ従業員のモチベーションに影響するかまで考えてアイデアを導入してください。

まとめ:持続可能な経費削減アイデアを構築しよう

経費削減は一時的なものではなく、継続して行うものです。無理をせず、無駄を減らして業務効率化につながるような経費削減を行ってください。
経費削減の過程の中で業務フローや組織の見直しも実施することで、生産性向上も促進されます。
将来の会社のあるべき姿をイメージして経費削減アイデアを取り入れてください。




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(編集:創業手帳編集部)

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