QRコード決済サービスを比較!店舗導入の際のメリットや選ぶ際のポイントもご紹介

創業手帳

店舗に合ったQRコード決済の導入で店舗の利便性を向上!


キャッシュレス決済が普及する中で、店舗側も手軽に導入しやすい「QRコード決済」が注目を集めています。
QRコード決済を導入することで店舗の利便性が高まり、顧客満足度の向上にもつながります。

ただし、現在はすでに様々な種類のQRコードサービスが登場しているため、どれを選べばいいか迷っている方も多いでしょう。

そこで今回は、QRコード決済サービスを6種ピックアップしてコストや導入までにかかる期間などを比較してみました。
ほかにも、QRコード決済を比較する際のポイントや、QRコード以外のキャッシュレス決済サービスについてもご紹介しているので、キャッシュレス決済の導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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QRコード決済を比較する際のポイント


QRコード決済サービスを比較する際には、以下のポイントに注目してみてください。

導入や運用にかかるコスト

QRコード決済サービスを導入する場合、初期費用と運用費がかかってきます。例えばQRコード決済では「決済手数料」がかかります。
決済手数料はクレジットカード決済や電子マネー決済と同様に、決済が行われるごとに支払わなくてはいけない手数料です。
ほかの決済サービスと比べて比較的割安に設定されていますが、具体的な割合がどれくらいかチェックしたほうが安心です。
また、各サービスで料金体系などが異なるため、どれくらいのコストがかかるのか事前に計算しておいてください。

普及率

QRコード決済は、NFC搭載のスマートフォンが普及したことによりキャッシュレス決済も広く普及していきました。
消費者のキャッシュレス志向が高まったことで、キャッシュレスに対応できていない店舗は避けられる傾向にあります。
そのため、QRコード決済を利用すれば集客力や売上げの向上が期待できます。
ただし、この効果が十分に発揮されるためには、普及率が高いサービスでなければ意味がありません。導入する前にどれくらい普及しているサービスなのかも確認してください。

入金サイクル

QRコード決済を行った直後は、まだ店舗側に売上金が入っていない状態です。
決済が完了してから決済事業者によって手数料を差し引いた分の金額が支払われることになっています。
そのため、決済からある程度時間が経過してから入金されることになります。

店舗を運営していく中で資金繰りのために現金が必要になってくるタイミングもあるかもしれません。
なるべく早く現金を受け取りたい方は、各サービスの入金サイクルをチェックしてみてください。
中には翌日入金・即時入金に対応しているサービスもあります。
ただし、翌日入金・即時入金を希望する場合、金融機関の指定があったり手数料が発生したりする場合もあるので注意が必要です。

サポート体制やセキュリティ

QRコード決済を導入する際には、サポート体制やセキュリティに関してもチェックしておくことが大切です。
例えば導入後にわからないことがあった場合、万全なサポート体制を構築しているサービスであればすぐに対処してもらえます。

また、セキュリティ対策も行われているか確認してください。セキュリティ対策が行われているかどうかも確認することで、顧客情報を守ることにもつながります。
つい初期費用や運用費ばかりに目が行ってしまいがちですが、サポート体制やセキュリティも必ずチェックしておいてください。

QRコード決済サービス6種を比較!


QRコード決済サービスの種類は多岐にわたりますが、今回は6種をピックアップして特徴を表にまとめてみました。
特に店舗側で気になる費用面や、導入するまでにどれくらいの期間がかかるのかをご紹介しています。

初期費用 月額費用 決済手数料 導入までの期間 その他の特徴
PayPay 無料 無料(初回3カ月目以降から課金開始(1,980円)) 1.76%~2.178%(税込み) 審査完了後約1週間 トライアルキャンペーンの適用で、初期費用や月額費用が0円になる。
楽天ペイ 無料 無料 3.24%(税込み) 申し込みから3~4週間 翌日入金に対応。楽天銀行からだと無料でその他は330円(税込み)の手数料がかかる。
d払い 無料 無料 2.86%(税込み) 申し込みから最短2営業日 d払いを直接契約すると、d払いとメルペイに対応するQRコードが発行される。
au PAY 無料 無料 2.86%(税込み) 約1週間~10日 24時間のサポート体制と電話相談も可能。2段階認証のセキュリティ対策も。
FamiPay 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ ファミリーマートを利用する消費者の集客が見込める。
ゆうちょPay 無料 無料 要問い合わせ 要問い合わせ 銀行Pay(マルチバンク決済)に対応。ゆうちょ銀行を利用していれば翌営業日(14時)に入金可能。

PayPay

PayPayは2024年6月時点でユーザー数6,400万人を誇る、普及率の高いQRコード決済サービスです。専用端末や初期費用などは不要で導入することができます。
QRコードを組み立ててレジに設置するだけなので、導入も簡単に行える点はメリットです。

サポート体制も充実しており、24時間365日いつでも電話で相談に乗ってもらえます。
また、万が一PayPayの決済を使った不正取引が行われていた場合、原則加盟店に取引金額の全額を補償してくれます。
セキュリティも情報セキュリティマネジメントシステム国際規格のISMS認証を取得しているので安心です。

決済手数料は、PayPayマイストアライトプラン(月額1,980円)に加入していると1.76%、未加入の場合は2.178%かかるので注意が必要です。
なお、入金サイクルは月1回(月末締め最短翌日入金)となっていますが、急に売上金が必要になった場合は「早期振込サービス(都度)」が申し込み不要で利用できます。

楽天ペイ

楽天ペイは、2023年度のJCSI調査で主要6指標(顧客期待、知覚品質、知覚価値、顧客満足、推奨意向、ロイヤルティ)で、第1位を獲得した実績を持つQRコード決済サービスです。
初期費用や月額費用も無料で、支払いは決済手数料しかかかりません。さらに、楽天銀行を振込指定口座に設定していると、365日最短翌日に自動入金されます。
現金支払いと同じような感覚でキャッシュフローを実現できる点も、楽天ペイの魅力の一つです。

また、楽天ペイ(実店舗決済)で決済端末を申し込んだ場合、楽天ペイだけでなくクレジットカード決済(楽天カード)や電子マネー決済(楽天Edy)にも対応できるようになります。
クレジットカード決済は国内の主要6ブランド、電子マネー決済は楽天EdyやiD、クイックペイに加え、交通系電子マネーブランドにも対応可能です。

d払い

d払いは、2023年3月時点で5,199万人のユーザーが利用するQRコード決済サービスです。
d払いの大きな特徴として、d払いを導入することでメルペイによる支払いも可能になります。そのため、d払いとメルペイユーザーの両方からの集客効果が期待できます。

費用は初期費用・月額費用が無料です。決済手数料は2024年7月現在で申し込み月から最大6カ月間の無料キャンペーンを実施しています。
このキャンペーンは7月時点で終了日未定となっており、いつ終了するかわからないので注意してください。
なお、7カ月目以降からは通常どおり決済手数料2.86%が発生します。

入金サイクルは初期設定で月1回になっていますが、加盟店の管理画面から月2回に変更することも可能です。
月2回の場合は15日締めで25日入金、月末締めで翌月10日入金の2回に分かれます。
また、入金予定額が1万円以上の場合、入金口座に関わらずに入金手数料が無料になります。

au PAY

au PAYは、2024年4月30日時点で会員数が約3,438万人のQRコード決済サービスです。
au PAYというとauユーザーしか使えないように思えますが、実際にはauユーザー以外も利用でき、同時にPontaポイントも貯まるためユーザーからの満足度も高い決済サービスとなっています。
導入にかかる費用は無料で、月額費用もかかりません。また、どの銀行口座を指定していても入金手数料まで無料になっています。

入金サイクルは以下の3つから選択することが可能です。

  • 毎月1回(末日締め・翌月末払い)
  • 毎月2回(15日締め・翌月15日払い、末日締め・翌月末払い)
  • 早期振込サービス(最短翌々営業日に振込)

さらにau PAYでは専用の管理画面から24時間いつでも質問ができるので、わからないことがあってもすぐに聞けます。電話相談にも対応しているので安心です。
2段階認証で、セキュリティ対策もしっかりと行われています。

FamiPay

FamiPayは、年間延べ来店客数50億人を超えるコンビニ「ファミリーマート」が送客拠点となるQRコード決済サービスです。
ファミリーマート店舗や銀行口座、ファミマTカード(クレジットカード)からチャージが可能なので消費者にとって利便性が高く、FamiPayを導入することで集客効果も期待できます。
実店舗に導入した場合、支払方法はQRコードを読み取ってもらう方法と、バーコードを表示させて店舗側が読み取る方法の2種類から選ぶことが可能です。

初期費用や月額費用、決済手数料などはファミペイ・ポイントサポートセンターに問い合わせる必要があります。
メールフォームから問い合わせる場合、種別を「その他」に選択してから問い合わせるようにしてください。

ゆうちょPay

ゆうちょPayは、専用端末が不要で手軽に導入できるQRコード決済サービスです。専用端末がいらないことで初期費用もかからず、月額料金も発生しません。
ゆうちょPayは銀行Pay(マルチバンク決済)にも対応しています。
銀行Payは各金融機関が提供する決済サービスで、支払いはQRコードの読み取りで行い、使った分だけ即時銀行口座から引き落とされます。
銀行Payに対応する他行のスマートフォン決済サービスと相互連携が可能です。お互いのユーザーがそれぞれの加盟店で利用できるため、集客効果も見込めます。

また、即時引き落としがされることで、決済日の翌営業日には入金が可能となっており、売上金を素早く回収したい方にもおすすめです。

QRコード決済以外のキャッシュレス決済サービスとも比較


キャッシュレス決済にはQRコード以外にも様々な決済サービスがあります。
利便性の向上を目指してQRコード決済サービスの導入を検討されている方は、ほかのキャッシュレス決済サービスの導入も併せて検討してみてください。

クレジットカード

クレジットカードは、カード会社が指定した期日に一括または分割で代金を支払う決済サービスです。
支払った金額にあわせてポイントが付与されたり、特定の店舗では割引サービスなどが受けられたりするため、決済手段として選ばれることも多いです。

クレジットカード決済を導入する場合、カード会社と直接契約するか、決済代行会社を経由して契約するかの2つから選ぶことになります。
直接契約は決済手数料が抑えられ、長期間運用していくなら総合的に割安となりますが、審査に時間がかかりやすく、経理業務も煩雑化する可能性が高いです。

一方、決済代行会社を経由して契約した場合、審査にかかる工数や期間を大幅に削減することができます。
運用する際の手間もかかりませんが、その代わり決済手数料が発生するので注意が必要です。

交通系ICカード

交通系ICカードは、公共交通機関を利用する際に決済手段として用いられるツールですが、現在は店舗や自動販売機など、様々な決済手段としても使われるようになっています。
交通系ICカードも種類が豊富ですが、特に利用者が多いのはSuicaとPASMOです。
SuicaはJR各社を中心に利用できるカードで、モバイルSuicaの発行数は2023年3月時点で2,000万枚を突破しています。
PASMOは関東エリアの私鉄各線を中心に、鉄道・バスで利用できる交通系ICカードです。

交通系ICカードは利用者の年齢層が幅広く、クレジットカードと違って発行するのに原則審査は不要です。
そのため、クレジットカード決済などに比べると多くの人が利用することも考えられ、集客効果も期待できます。

その他の電子マネー

電子マネー決済は、専用のカードやスマートフォンを専用の機器にかざすことで支払いが可能な決済手段です。電子マネーは主に3つの種類に分類することができます。

  • プリペイド型:事前にチャージをした分だけ使える
  • ポストペイ型:後払いで支払う
  • デビット型:支払ったタイミングで口座から自動引き落としされる

交通系ICカードも電子マネーに分類できますが、それ以外にもQUICPayやEdy、おサイフケータイ(iD)などの電子マネーが利用されています。

店舗に合ったQRコード決済を選ぶために比較してみよう!

QRコード決済は消費者にとって便利な決済方法であり、現在多くの企業でサービスが提供されています。
店舗側にとっても決済の利便性を高めることで集客効果が期待できるため、比較しながら店舗に合ったQRコード決済サービスを選んでください。

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(編集:創業手帳編集部)

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