生成AIのプロンプトとは?作成するコツやステップ・例文・テンプレートを紹介!
生成AIのプロンプトは必要な回答を得るための命令文
生成AIはうまく活用すれば、ビジネスにおいて大きな力を発揮します。どのようなプロンプトを作成するかによって、回答の精度が異なるため、指示の出し方が重要です。
そこでこの記事では、生成AIのプロンプトとは何か、プロンプトを作成するステップやコツ、おすすめのプロンプト作成ツール、生成AIのプロンプトの例文・テンプレートなどについて解説していきます。ぜひ、生成AIを活用する際の参考にしてください。
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この記事の目次
生成AIのプロンプトとは?概要・重要性について
生成AIとは、ユーザーの命令で、文章、音声、画像、動画などのコンテンツを生成できるAIのことです。機械学習とディープラーニングによって、新しいコンテンツを生成可能です。
「プロンプト」とはその生成AIに与える命令文のことをいいます。生成AIにおけるプロンプトの重要性と、生成AIのプロンプトエンジニアリングとは何かについて解説します。
生成AIにおけるプロンプトの重要性
生成AIに与えるプロンプトの内容によって、AIの回答の精度が異なるため、プロンプトをどのように書くかは重要です。特に大規模言語モデルと呼ばれる、膨大なデータを用いた学習を行い、自然言語などのコンテンツを理解し高度な回答をするモデルにおいては、最適なプロンプトが求められます。
曖昧なプロンプトであれば、必要な精度の回答は得られず、生成AIの能力を十分に引き出せないでしょう。求めている回答を得るためには、適切な指示、命令を出さなければなりません。
生成AIのプロンプトエンジニアリングとは
生成AIのプロンプトエンジニアリングとは、プロンプトを設計・最適化することです。プロンプトエンジニアリングに携わる専門家がプロンプトエンジニアであり、AIが生成するコンテンツの質を高める役割を担っています。
例えば、生成AIに「山の絵」というプロンプトを入力した場合、求める結果は得られないかもしれませんが、「青空を背景として雪の積もった冬の高山」と入力すると、より精度の高い結果が得られるでしょう。
プロンプトエンジニアはプロンプトを最適化することで、意図通りのコンテンツの生成を実現します。
生成AIのプロンプトを作成するステップ
生成AIのプロンプトは、どのように作成すればよいのでしょうか。生成AIのプロンプトを作成するステップは、以下の通りです。
- 目的を明確にする
- 指示を具体化する
- プロンプトを構造化する
- プロンプトを調整していく
それぞれについて解説します。
1.目的を明確にする
生成AIを利用する目的は、求めているコンテンツを生成してもらうことです。プロンプトの作成にあたっては、まず、どのようなコンテンツを得たいのかという目的を明確にしましょう。
どのような回答が欲しいのか、どのような画像を得たいのか、どのような文章を作成して欲しいのかなど、十分に検討して具体化していくことが必要です。
2.指示を具体化する
曖昧な表現を避け、指示を具体化してプロンプトを作成することが重要です。主語や目的語を明記し、数値なども使用して条件付けすれば、回答の精度は高まるでしょう。
ただしプロンプトは簡潔であることも必要です。長文であったり複雑であったりするプロンプトでは、生成AIが指示を正確に理解できずに、精度の低い回答になってしまうでしょう。簡潔なプロンプトを作成するためには、テンプレートを利用することもおすすめです。
また、画像を生成してもらいたい場合には、指示に詳細な情報を入れ込むことで、より希望に近いコンテンツが生成されます。
3.プロンプトを構造化する
プロンプトは構造化を意識して作成すると、AIが命令の意図を正確に理解できるようになり、さらに回答の精度が高まります。
具体的には、前提条件を明示したり、望ましい手順を番号を付けて示したり、考慮すべき項目を伝えたりしましょう。
見出しを設定する「#」、箇条書きを設定する「*」などを活用する「マークダウン記法」を取り入れたり、プロンプトのテンプレートを活用したりするのもおすすめです。
4.プロンプトを調整していく
最初に作成したプロンプトで、望む結果が出なかったとしても、調整していくことで回答の精度を高めていけます。
シンプルな命令を出した後に、具体例を示したり、情報を加えたり、形式を指定したりしていき、結果を確認していきましょう。
微調整を繰り返していくうちに、回答の精度を高める方法も理解できます。
生成AIのプロンプトを作成するコツ
生成AIのプロンプトを作成するコツは、以下の4点です。
- 具体的な指示を書く
- 修正を繰り返す
- 役割・条件を細かく指定する
- 抽象的な表現を避ける
それぞれについて解説します。
具体的な指示を書く
生成AIのプロンプトを作成するには、具体的な指示を書くことが重要です。精度の高い、求める回答を得るためには、何をしてほしいのかをAIに理解してもらう必要があります。書くべきポイントは、内容や目的、5W1H、明快な言葉、コンテキストなどです。
例えば、「カレーのレシピを教えてください」というプロンプトでは必要な情報が手に入らないでしょう。「夏野菜を使ったスープカレーの作り方を教えてください。大人向けのスパイシーな味にしたいです」などと具体的なプロンプトを作成することで、明快な回答を得られるでしょう。
役割・条件を細かく指定する
特定の分野における専門家という役割を指定することで、専門的で良質な回答を得られることがあります。例えば、「あなたは税理士です」と役割を与えた上で、税務に関する質問を投げかけるという方法などです。
また条件を細かく指定することでも、より精度の高い回答を得られるでしょう。例えば、「高校生でも分かるように説明する」などのように、読解力のレベルを設定すれば、わかりやすく説明してもらえます。
他にも、「表形式で記載する」などのように、回答の出力形式を指定すれば、整理された回答が得られるでしょう。
修正を繰り返す
作成したプロンプトで望む結果が得られなかった場合でも、プロンプトの修正を繰り返すことで、次第に理想の結果に近づけていけます。
完成度の高いプロンプトが作成できなくても、試行錯誤しながら微調整を加えていきましょう。
また、追加の指示を出すことも効果的です。例えば「あと3つ具体例を挙げてください」などと指示すれば、前のプロンプトの内容に基づいた回答が得られます。
生成AIのプロンプト作成ツールのおすすめ3選
生成AIのプロンプトを作成する際には、「プロンプトジェネレーター」と呼ばれるツールを活用することも有効です。生成AIのプロンプト作成ツールのおすすめは、以下の3つです。
- Neural Writer
- Easy-Peasy.AI
- Anthropic Console
それぞれの特徴について紹介します。
Neural Writer
Neural Writerは無料で利用できる、シンプルなプロンプトジェネレーターです。ChatGPTなどの、GPTベースの生成AIで使用するプロンプトを簡単に作成します。
希望する命令を入力して「プロンプトの生成」をクリックするだけで、プロンプトが作成可能です。
Easy-Peasy.AI
Easy-Peasy.AIは、生成AIのサービスですが、機能の1つにプロンプトジェネレーターが含まれています。
テキストを入力して「生成」をクリックすればプロンプトが作成可能です。様々なテンプレートも利用できます。無料でも利用可能ですが、有料プランにアップグレードすれば、各種の機能が拡張されます。
Anthropic Console
Anthropic Consoleのプロンプトジェネレーターは、最適化されたプロンプトを自動作成してくれます。
コンソールダッシュボードを開いて、「プロンプトを生成」をクリックすると、実行したいタスクを入力できます。入力後にもう一度、「プロンプトを生成」をクリックするとプロンプトが作成されます。
このプロンプトには、さらに詳細な情報を「変数」として入力するように求められていますので、入力するとさらに完成度の高いプロンプトが作成可能です。
現在、Anthropic Consoleのプロンプトジェネレーターは有料でしか利用できません。
生成AIのプロンプトの例文・テンプレート
生成AIのプロンプトの実際の例文・テンプレートを、以下の7つのタスクについて紹介します。
- メールの作成
- 文章の要約
- 文章の校正
- キャッチコピーの作成
- 表の作成
- 画像の作成
- 議事録の作成
ぜひ、生成AIのプロンプトを作成する際の参考にしてみてください。
メールの作成
メールの作成の場合には、宛先、目的、背景を明記することが重要です。プロンプトの例文は以下の通りです。
「取引先」に送る「謝罪」のメールを書いてください。 ###背景:””” 納品した商品に不良品が含まれていた “”” |
また、返信メールの場合には、届いたメールの文面も記載するとよいでしょう。プロンプトの例文は以下の通りです。
以下の「取引先からのメール」について、取引先に失礼にならないような返信メールを書いてください。 ###:顧客からのメール””” 相手からのメール文 “”” |
文章の要約
文章を要約してもらいたい場合には、プロンプトに続けて、要約してほしい文章を貼り付けます。プロンプトの例文は以下の通りです。
以下の文章を、以下の条件に基づき、要約してください。
###文章:””” 要約してほしい文章 “”” ###条件:””” ・150文字以内 ・専門用語は使わない ・中学生でも分かるように “”” |
文章の校正
文章を校正してもらいたい場合のプロンプトの例文は以下の通りです。
以下の文章を校正してください。
###校正してほしい文章:””” 校正してほしい文章 “”” |
キャッチコピーの作成
生成AIにキャッチコピーを作成してもらう場合には、複数個出してもらい、その中から選ぶのがおすすめです。プロンプトで作成するキャッチコピーの個数を指定してみましょう。プロンプトの例文は以下の通りです。
あなたはプロのコピーライターです。以下の条件に基づき、Aという商品のキャッチコピーを10個作成してください。
###条件:””” ・20文字以内 ・Aの新鮮であるという特徴を強調 ・夏の季節感を出す ・ユーザーが商品を手に取ってみたくなるような魅力的な内容 “”” |
表の作成
生成AIでは様々な表を作成できますが、一例として、商品の比較表を作成するプロンプトの例を紹介します。
以下の商品情報に基づき、商品を比較する表を作成してください。
###商品情報:””” ・A(スペックa、カラーb、価格c) ・B(スペックd、カラーe、価格f) ・C(スペックg、カラーh、価格i) “”” |
画像の作成
画像を作成してもらいたい場合のプロンプトの例文は以下の通りです。
以下の条件に基づき、画像を作成してください。
###条件:””” ・商品Aを使用している若い男性 ・都会の屋外 ・縦:横=1:2 “”” |
議事録の作成
議事録を作成してもらう場合には、会議内容を記録したメモを記載します。また、まとめ方についての条件がある場合にはプロンプトに書き込みましょう。
議事録作成のプロンプトの例文は以下の通りです。
以下の「会議内容メモ」をもとに、会議の議事録を作成してください。 ###会議内容メモ:””” 会議内容 “”” ###条件:””” ・決定事項の要約を冒頭に記載する ・箇条書き ・発言者「発言内容」という形式で記載する “”” |
まとめ:適切なプロンプト(命令文)を作成して生成AIを活用しよう!
生成AIは活用次第では、ビジネスにおいて大きな力を発揮できるツールです。ただし、求める回答やコンテンツを得るためには、どのようなプロンプト(命令文)を作成するかが重要なポイントです。
プロンプトを作成するコツを理解して、作成ツールやテンプレートも活用しながら、適切なプロンプト(命令文)を作成して生成AIを活用しましょう。適切なプロンプトの定義は日々変わって行く可能性がありますので、常に新しい情報をキャッチアップしていく必要があります。
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(編集:創業手帳編集部)
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