【2026年】65歳超雇用推進助成金で最大160万円!70歳以上・定年廃止が鍵!

創業手帳

65歳超雇用推進助成金は「70歳以上・定年廃止」で最大160万円!


人手不足が深刻化するなか、経験豊富なベテラン人材の力を活かす「生涯現役社会」への転換が急務となっています。その強力な後押しとなるのが65歳超雇用推進助成金です。
実はこの助成金、単なる「65歳までの雇用維持」が目的ではありません。
真の狙いは「70歳以上への定年延長」や「定年制の廃止」にあり、これらを実施することで最大160万円もの助成金が受給可能です。

本記事では、受給額を最大化するための要件や、70歳雇用を成功させるステップをわかりやすく解説します。返済不要の助成金を活用して、熟練の働き手を確保しながら、人手不足に負けない組織づくりをスタートさせましょう。

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65歳超雇用推進助成金とは?概要について


65歳超雇用推進助成金は、高年齢者が意欲と能力に応じて働き続けられるよう、事業主が行う取り組みを支援する助成金です。厚生労働省が管轄していますが、実質的な運営は高齢・障害・求職者支援機構(JEED)が担っています。

次の3つのコースで構成されており、具体的な取り組み目的に合わせて使い分けが可能です。

コース名 特徴
65歳超継続雇用促進コース ・65歳以上まで働ける制度の導入を支援
・定年の引き上げ、継続雇用制度などの促進
高年齢者評価制度等雇用管理改善コース ・雇用管理制度を整備した事業主を支援
・人事評価や教育訓練の見直しなどの促進
高年齢者無期雇用転換コース ・有期契約労働者を無期雇用へ転換した事業主を支援
・高齢者の長期安定雇用の促進

企業は3つのコースから自社の事情や課題解決に向けて適したものを選択できます。コースごとに受給要件や助成額もさまざまなので、事前に詳細を確認しておきましょう。

65歳超継続雇用促進コース


65歳超継続雇用促進コースは、生涯現役社会の構築に向けて高年齢者の就労機会を確保したり、雇用の安定を図ったりすることが主な目的です。

月ごとまたは四半期ごとの予算額上限を超える恐れがある場合などは、支給申請を停止することがあるので、早めに手続きしましょう。

主な要件

65歳超継続雇用促進コースの助成を受けるには、次に挙げる主な要件を満たす必要があります。

主な要件 概要
制度の整備 以下いずれかの制度化を実施すること

A 65歳以上への定年の引き上げ
B 定年の定めの廃止
C 希望者全員を66歳以上の年齢まで雇用する継続雇用制度の導入
D 他社による継続雇用制度の導入
経費の支出 就業規則の改定や制度設計について外部の支援を受け、それに対して経費の支出があること
雇用管理措置の実施 高年齢者雇用推進者を選任し、高年齢者雇用管理に関する措置を1つ以上実施していること

AやCについては、自社の現行制度のもっとも高い定年年齢を上回らなければいけません。

AからDの措置の実施日が属する月の翌月から起算して4カ月以内の各月月初から15日までに申請書と添付書類を用意して申請します。

これらの制度規定のために専門家等の相談・指導を受け、委託料などの経費を要していることも必須条件です。

助成金額

65歳超継続雇用促進コースは、実施する取り組みや対象になる従業員の数によって助成額が変わります。ここでの対象者は、「支給申請日の前日において1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者」です。また、A〜Dのどの措置を実施する場合も、実施前の定年または継続雇用年齢が70歳未満である事業主が対象となります。

以下では、取り組みごとに実際に支給される額をまとめました。

【A.65歳以上への定年引き上げ】

対象人数 65歳 66~69歳 70歳以上
5歳未満の引き上げ 5歳以上の引き上げ
1~3人 15万円 20万円 30万円 30万円
4~6人 20万円 25万円 50万円 50万円
7~9人 25万円 30万円 85万円 85万円
10人以上 30万円 35万円 105万円 105万円

65歳以上の定年引き上げによって上記の助成が受けられます。70歳以上への定年引き上げは、旧制度の定年が70歳未満の場合にのみ該当します。

【B.定年の定めの廃止】

対象人数 助成額
1~3人 40万円
4~6人 80万円
7~9人 120万円
10人以上 160万円

定年の定めを廃止すると、対象者が10人以上いれば最大160万円が支給されます。
ただし、この措置も旧制度での定年年齢が70歳未満である場合に限り対象となります。すでに70歳定年や70歳までの継続雇用制度を導入している企業は対象外となるため、現行制度との関係性を事前に確認しておくことが重要です。

【C.希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入】

対象人数 66~69歳 70歳以上
1~3人 15万円 30万円
4~6人 25万円 50万円
7~9人 40万円 80万円
10人以上 60万円 100万円

70歳以上までの継続雇用は、旧制度の定年や継続雇用の年齢が70歳未満の場合のみ該当します。

【D.他社による継続雇用制度の導入】

66~69歳 70歳以上
支給上限額 10万円 15万円

Dを実施する場合は上記の表の金額か、他社の就業規則などの改正に自社が払った経費の2分の1(100円未満切り捨て)のいずれか低いほうの額が支給されます。

就業規則などの改正にかかる費用とは、社会保険労務士への委託料などで、自社で全額負担したものです。

高年齢者評価制度等雇用管理改善コース

高年齢者評価制度等雇用管理改善コースは、高齢者の雇用を推進するための環境整備で一定の取り組みを行った事業主を対象とする制度です。

支給対象経費は、高年齢者雇用管理制度の導入に必要な専門家への委託費やコンサルティング費用、整備措置の実施に必要な機器やシステム、ソフトウェアの導入費用などが該当します。

主な要件

高年齢者評価制度等雇用管理改善コースの主な支給要件は以下のとおりです。

1.雇用管理整備計画書を(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に提出し、計画内容について認定を受けていること

2.上記計画に基づいて、高年齢者雇用管理整備の措置を実施し、当該措置の実施の状況および雇用管理整備計画の終了日の翌日から6カ月間の運用状況を明らかにする書類を整備していること

3.支給申請日の前日において1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者であって、講じられた高年齢者雇用管理整備の措置により雇用管理整備計画の終了日の翌日から6カ月以上継続して雇用されている者が1人以上いること

4.雇用管理整備の措置の実施にかかった支給対象経費を支給申請日までに支払ったこと

このコースの助成を受けるには、就業規則または労働協約に定めた上で、高齢者雇用管理整備に向けた取り組みを実施する必要があります。

具体的には、能力開発や評価、賃金体系の制度の見直し、健康診断制度の導入などの取り組みです。雇用管理整備について計画を策定し、事前に認定を受けた上で実施します。

外部委託などを通じて経費を支払っていることも前提で、経費を要していない取り組みは助成対象にはなりません。

助成率

高年齢者評価制度等雇用管理改善コースの支給額は、支給対象経費の額に下の助成率を乗じた額です。

  • 中小企業事業主:60%
  • 中小企業事業主以外:45%

ただし、初回と2回目以降で支給対象経費の額および支給額は以下のように変わります。

申請回数 支給対象経費の額 支給額
初回 50万円(50万円) 30万円(22.5万円)
2回目以降 上限50万円(上限50万円) 支給対象経費の額×60%(45%)

※カッコ内は中小企業以外の場合

初回は一律で50万円の支給対象経費の額が設定されるため、実際の支給額も一律です。

2回目以降は実際に支払った支給対象経費の額にそれぞれの助成率を乗じて計算しください。

高年齢者無期雇用転換コース

高年齢者無期雇用転換コースは、50歳以上63歳以下の有期雇用契約労働者を、無期雇用契約へ転換した場合に支給される助成金です。無期雇用転換日において64歳以上の労働者は対象外となります。

対象となるのは、パートや契約社員などの有期雇用労働者で、派遣労働者は含まれません。

主な要件

主な支給要件は以下のとおりです。

1.「無期雇用転換計画書」を(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に提出し、計画の認定を受けていること

2.有期契約労働者を無期雇用労働者に転換する制度を労働協約または、就業規則その他これに準ずるもので規定していること
ただし、実施時期が明示され、かつ有期契約労働者として平成25年4月1日以降に締結された契約に係る期間が通算5年以内の者を無期雇用労働者に転換するものに限る

3.2の制度の規定に基づき、雇用する50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換すること
ただし、無期雇用転換日において64歳以上の者はこの助成金の対象労働者に該当しない

4.2により転換された労働者を、転換後に6カ月以上の期間継続して雇用し、当該労働者に対して転換後6カ月分の賃金(勤務をした日数が11日未満の月は除く)を支給すること

契約が5年以内の労働者が対象なので、5年を超えて無期転換ルールの範囲に入る前に、事業主側から無期契約への転換を働きかけられます。助成金を受け取りつつ無期転換の規定にも備えられるのです。

まず無期雇用転換計画を作成して認定を受けてから、期間内に対象の労働者を無期雇用に転換するようスケジュールを組みましょう。

助成金額

支給額は、対象労働者1人につき、以下の金額です。

中小企業事業 中小企業以外
30万円 23万円

申請できるのは、1支給申請年度1適用事業所あたり10人までです。

事業主が65歳超雇用推進助成金を利用するメリット


65歳超雇用推進助成金は、単に助成金を受け取る以外のメリットがあります。どのようなメリットがあるのか紹介します。

熟練の働き手を確保できる

少子高齢化が進むなか、70歳まで雇用を維持できる体制を整えることは、単なる人手不足対策にとどまりません。長年にわたり培われた経験や判断力、現場に根付いたノウハウが社内に蓄積され続けることで、業務品質の底上げやミスの防止、安定した生産性の維持につながります。

また、熟練社員が現役で活躍することで、若手や中堅社員への技術・知識の承継が日常的に行われ、属人化しがちな業務を組織全体の財産として残すことが可能です。結果として、教育コストの削減や人材育成の効率化にも寄与し、企業競争力の強化が期待できます。

長く働き続けられることを従業員にアピールできる

「70歳まで現役で働ける社員がいる」という事実は、社内外に対する強力なメッセージになります。実際のモデルケースが存在することで、若手社員は「この会社なら将来を見据えて安心して働ける」と感じやすくなり、長期的なキャリアパスを描きやすくなります。

その結果、早期離職の抑制や定着率の向上につながり、採用や育成にかかる負担の軽減も期待できるでしょう。高齢者が働きやすい環境は、特定の世代だけでなく、すべての従業員にとって働き続けやすい職場づくりにつながり、企業全体の安定的な成長を支える要素となります。

人材を確保しつつ助成金も受け取れる

65歳超雇用推進助成金の利用により、熟練の働き手を確保しながら助成金を受け取ることが可能です。

優秀な人材を確保するには採用費や広告費といったコストがかさみやすく、多くの企業は資金繰りに頭を抱えています。助成金を活用すれば、融資などのように返済や利息のリスクを背負う心配がありません

将来的な資金繰りの悪化を防ぐとともに、ベテランや経験豊富な働き手を確保できるため、返済不要の助成金は、資金繰りに悩む企業にとって心強いサポートです。

65歳超雇用推進助成金の申請の流れとポイント


助成金の受け取りには、所定の流れでの手続きが必要です。65歳超雇用推進助成金の場合、以下のようにコースごとに流れが異なります。

継続雇用促進コース 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
高年齢者無期雇用転換コース
取り組み実施

申請書類の準備

支給申請

支給決定

助成金の支給

取り組みの計画書作成

計画申請

認定

取り組み実施

申請書類の準備

支給申請

支給決定

助成金の支給

継続雇用促進コースは、要件に基づいて取り組みを実施してから支給申請をすればいいですが、ほか2コースは事前に計画申請をし、認定を受けてから取り組み→支給申請の流れです。

この点で、継続雇用促進コースは比較的申請の手間が軽く、ほか2コースはより計画的な準備が求められるといえます。

各準備のポイントについてみていきましょう。

申請書類の準備と提出

65歳超雇用推進助成金のコースごとに必要な申請書類を準備し、JEEDの各都道府県支部に提出します。以下に、必要書類のポイントをまとめました。

  • 高年齢者評価制度コース・無期雇用転換コースは申請時に計画書を提出し、認定後の支給時に支給申請書を提出する
  • 電子申請の場合は各コースの必要書類が各1部となる
  • どのコースも「登記事項証明書等」「就業規則等」などの基本書類が求められる

高年齢者評価制度等雇用管理改善コースと高年齢者無期雇用転換コースでは、取り組みを始める前にまず「計画書」を提出して認定を受ける必要があります。その後、実際に制度を運用し、一定期間が経過した後に改めて「支給申請書」を提出するという2段階の手続きを踏みます。

計画書は「計画開始の3か月前の日まで」に提出する必要があるので注意してください。

コースごとに申請書の様式や添付書類が異なり、書類の種類も多岐にわたるため、入念な確認が必須です。

提出方法は持参か郵送、または電子申請で受け付けています。紙の場合は1種類につき2部以上が求められる書類もありますが、電子申請なら各1部で済むので、可能な限り電子申請するのがおすすめです。

審査の内容

申請書類を送付すると、書類内容をもとに審査が行なわれます。さらに必要に応じて次の審査が実施されることがあるため、把握しておきましょう。

  1. 事業主、従業員へのヒアリング
  2. 高年齢者雇用管理整備措置を実施した職場の現地確認
  3. 高年齢者の就労状況の確認
  4. 提出書類の原本確認

ヒアリングや現地確認の可能性を把握しておくだけでも、いざというときの対応が変わります。

計画認定や支給決定の審査結果は通知書で送られてくるので、大切に保管してください。

審査で支給できないと決定しても救済措置はなく、不服申し立てもできないため、準備を万全にした上で審査にのぞむ必要があります。

65歳超雇用推進助成金を利用する際の注意点


65歳超雇用推進助成金は、働き方を整備したい、人材を確保したいといった企業におすすめの制度です。

しかし、利用する際には注意点もあります。どういった点に注意すればいいのか紹介します。

「高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)」に申請する

雇用関連の助成金の申請先は、その多くが管轄の労働局やハローワークですが、65歳超雇用推進助成金は「独立行政法人 高齢・障害・求職者支援機構(JEED)」の各都道府県支部に申請します。

各地の職業能力開発促進センターなどに支部が設置されていて、高齢・障害者業務課(東京・大阪は高齢・障害者窓口サービス課)が窓口です。

労働局やハローワークでは受け付けていないため、申請先を間違えないよう注意してください。

高齢者の新規採用でもらえる助成金ではない

65歳超雇用推進助成金は、高齢者の雇用を推進する目的の助成金ではありますが、新規採用に対しては支給されません

新規採用を考えているのであれば、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)を活用してください。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、高年齢者など一定の条件を満たす求職者を雇用した場合に受給できる助成金制度で、60歳以上の労働者も対象になります。

70歳以上の雇用を成功させるための3つのステップ


この助成金は、単なる「65歳までの雇用維持」ではなく、70歳以上への定年延長や定年制の廃止といった、より長期的な雇用を後押ししています 。高額な助成金を活用しながら、人手不足に強い組織を作るためのステップは以下の通りです。

ステップ1:「70歳以上定年」か「定年廃止」かの経営判断

現在の定年年齢を確認し、どの制度が自社の将来に最も利益をもたらすかを検討します。

・定年制の廃止(最大160万円受給)
年齢による一律の区切りをなくすことで、優秀なベテランがいつまでも活躍できる環境を作ります 。採用時にも「定年なし」と打ち出せるため、求人力が劇的に向上します。

・70歳以上への定年延長(最大105万円受給)
「まずは70歳まで」と明確な目標を定めることで、段階的にシニア雇用のノウハウを蓄積できます。

ステップ2:70代でも「意欲」と「能力」を発揮できる環境整備

70歳を超えても安心して働き続けてもらうためには、単に雇用を延ばすだけでなく、実務面のアップデートが不可欠です。

・評価・賃金の見直し
60代、70代の役割に応じた納得感のある評価制度を設計します。

・健康とDXの推進
高齢者が扱いやすいITツールの導入や、独自の健康診断制度の構築を検討します。

・経費の活用
こうした制度改定にかかる専門家への委託費用などは、別コースの助成金でカバーすることが可能です。

ステップ3:事前計画と「窓口」の間違いに注意

助成金を受け取るには、取り組みを開始する前に「計画書」の提出が必要なケースがあります。

・窓口はJEED
雇用関連ですが、窓口はハローワークではなく「高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)」の各都道府県支部です。

・予算の確認
予算上限に達すると年度途中でも締め切られる可能性があるため、早めの相談が推奨されます。

まとめ・高齢者の継続雇用を検討している企業は65歳超雇用推進助成金を利用しよう

65歳超雇用推進助成金は、優秀な人材を確保したい、技術の継承を推進したいと考えている企業を後押ししてくれる制度です。ただし、助成金を受け取るには、書類の作成のほか、高齢者も働きやすい環境整備が求められます。雇用管理制度の見直しなど時間がかかるものもあるので、早めに計画してください。

助成金の内容が複雑すぎて申請できるか不安……。そんな方にこそ「雇用で差がつく助成金10選(無料)」が助けになります。支給額、助成率、スケジュール、必要書類などを表でスッキリ整理しているので、初めての申請も安心です。

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出典一覧:
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「65歳超雇用推進助成金 65歳超継続雇用促進コース 支給申請の手引き

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「65歳超雇用推進助成金 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース 支給申請の手引き

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「65歳超雇用推進助成金 高年齢者無期雇用転換コース 支給申請の手引き

厚生労働省「令和7年度65歳超雇用推進助成金のご案内

(編集:創業手帳編集部)

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