インバウンドビジネスの事例・アイデア25選!増え続ける外国人観光客はチャンス
2023年11月の訪日外国人客数は、2019年同月とほぼ同水準の244万800人まで回復!
コロナ禍が終わり、外国人観光客が日本に増えてきました。日本政府観光局(JNTO)によると、2023年11月の訪日外国人客数は、コロナ前の2019年同月とほぼ同水準の244万800人(推計)でした。この調子で増えていけば、過去最高の水準を更新する日も近いでしょう。
さて、そこで起業家の皆さんが気になるのが、インバウンドビジネスでしょう。「自社でもインバウンドビジネスを始めて、恩恵を受けたい」と思われる方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、インバウンドビジネスのアイデア・事例をご紹介します。
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この記事の目次
ホテル・旅館業の運営
代表的なインバウンドビジネスは、ホテル・旅館業でしょう。特に、日本の伝統的な旅館は外国人観光客に大人気です。東京や京都などの有名観光地だけではなく、地方の旅館でもそれはそれで見せ方次第で人気が出ている旅館もあります。畳や温泉などの日本の伝統文化の体験も一緒に提供することで、より人気が出るでしょう。
日本食のレストラン
日本食のレストランも外国人観光客に大人気です。寿司や天ぷらなどだけではなく、最近はラーメンも「他の国よりも安く食べられる」と人気が沸騰してきています。より幅広い日本食が外国人に受け入れられてきているのです。地元の食材を使ったその地域ならではの郷土料理などを、日本の伝統的な和室で提供するなど、スタイルはさまざまです。
観光業や体験ビジネス
インバウンドビジネスの代表格といえば、外国人向けの翻訳ガイド付きツアーなどを提供する観光業でしょう。例えば、京都の歴史的な地区を英語で案内するツアーを販売する旅行代理店や、ツアーガイドビジネスなど、さまざまなものがあります。地域それぞれの特色を活かして、温泉やアウトドアアクティビティーなど、さまざまなスタイルのツアーを企画・販売することができます。
また観光とあわせた体験ビジネスも人気です。
歌舞伎や能などの日本の伝統芸能
歌舞伎や能楽などの伝統芸能の鑑賞体験を提供するツアーなども、外国人観光客が増える中で注目されるインバウンドビジネスです。ツアーだけではなく、外国人観光客向けに英語の字幕サービスや解説を提供するデジタル機器やアプリなどを作るビジネスも周辺ビジネスとして考えられます。
茶道などの日本の伝統文化体験
茶道や着物の着付けなど、日本の伝統文化を体験するプログラムを提供するビジネスも、インバウンドビジネスのうちの一つです。その多くはツアーなどとして提供されていますが、ホテルなどの一種のアクティビティとして提供されるスタイルもあるでしょう。日本の伝統文化体験は、外国人観光客から一定の人気があります。
地方都市ならではの観光体験を提供する
地方都市が特有の歴史や食文化を活用して、外国人観光客を惹きつける観光ビジネスを展開するのも良いでしょう。例えば、富士山周辺の自然を体験して回るツアーを組んだり、沖縄の海の中を案内するダイビング事業など、さまざまなアイデアが考えられます。日本人や地域の人にとっては当たり前のことでも、外国人からはウケる、ということもあるでしょう。外国人が日本を旅行するYouTube動画などからアイデアを見つけ出すのも方法の一つです。
農業体験
日本の農村地域で、農業体験プログラムを提供してみてはいかがでしょうか。特に、日本らしさが味わえる米づくりなどの収穫体験などを通じて、日本の農村文化を体験してもらえば、他の観光とは一味も二味も違った心に残る体験になるでしょう。米づくりを体験した後で、そのお米をおにぎりにして提供したら、その美味しさに感動すること間違いなしです。
スポーツツーリズム
スキーやスノーボードのリゾート地などで、外国人観光客向けのパッケージツアーを提供するインバウンドビジネスも人気です。例えば、北海道のニセコ地区は、今や世界を代表するようなスキーリゾート地域となりました。国内ではあり得ないような高額なホテルやレストランが目白押しです。他にも、沖縄などでその地域ならではのマリンスポーツを体験させるようなビジネスを展開してみても良いでしょう。
日本の伝統工芸品の製造過程を体験するワークショップ
日本の伝統的な工芸品作りのワークショップ。例えば、陶芸や和紙作りの体験などを外国人観光客向けにウケるようにアレンジして提供してみるインバウンドビジネスはいかがでしょうか。その体験単体では売れなくても、ツアーの中に組み込んでみたり、ホテルやゲストハウスの一サービスとして展開してみると良いかもしれません。地域一丸となって、地域の伝統工芸のワークショップ体験をパッケージツアー化してみても面白そうです。
日本酒・地ビールの体験ツアー
インバウンドビジネスとして、日本酒や地ビール醸造所の見学ツアーを展開してみるのはいかがでしょうか。試飲や製造プロセスの体験など、日本酒や地ビールの魅力をさまざまな形で伝えることで、感動的な観光体験を提供できるでしょう。また、その日本酒や地ビールを気に入ってもらえたら、その場で販売したり、近隣のレストランなどに案内したりなどもできます。
観光業に関連するIT開発
観光業に関連するIT開発のインバウンドビジネスをご紹介します。
観光案内するスマートフォンアプリ
観光情報や地図、翻訳機能などを備えたマルチリンガル観光アプリを開発・提供してみるのはいかがでしょうか。外国人観光客に、日本伝統の温泉や寺社仏閣、特定の観光資源などをわかりやすく解説できるようなアプリを作れば喜ばれることでしょう。
VR・ARなどを活用した歴史体験
歴史的な場所や文化遺産で、VR(仮想現実)またはAR(拡張現実)技術を使った体験を提供するインバウンドビジネスを展開してみてはいかがでしょうか。例えば、古代の城や歴史的な戦場をリアルタイムで再現するVR・ARがあれば、より楽しめるでしょう。
ポップアップストアなどの小売業
外国人観光客向けにシーズン限定で特別な商品を販売するポップアップストアはいかがでしょうか。例えば、地元のクラフトビールや伝統工芸品などを販売するような小売店です。特に観光客が多くなるシーズンにだけ営業することで、コストとリスクを抑えることができます。また、他のシーズンでは他の業態で他のビジネスを展開することも可能です。
円安を利用した海外向けECビジネス
「インバウンド」という言葉を聞くと、どうしても物理的なインバウンドビジネスばかりを考えてしまいがちですが、インターネット上で日本の製品を海外に販売するECビジネスもまた、インバウンドビジネスに含まれます。円安である今の為替環境を利用して、日本の品質の良い製品を海外向けに販売してみると、爆発的に売れる可能性もあるでしょう。
日本語学校
インバウンドビジネスのイメージは湧きにくいかもしれませんが、日本語学校もその選択肢のうちの一つです。日本語学習のための短期コースやサマースクールを提供すれば、シーズンごとの売上を期待することができます。文化体験活動と組み合わせて外国人学生を惹きつけるのもひとつのアイデアです。オンラインでの日本語学校を展開してみても良いでしょう。
日本のアニメ・漫画に関連する事業
日本のアニメ・漫画は世界からも称賛を受けており、多数のファンが世界各地いるため、アニメや漫画を目的に、日本に訪れる人も少なくありません。そのような需要を満たす事を事業にするのもインバウンドビジネスに適しています。
イベントの主催
日本のアニメや漫画に特化した展示会やイベントを開催してみてはいかがでしょうか。今や日本のアニメ・漫画は世界中にファンを獲得しているため、グローバルなファンをターゲットにすることで一定の売上を見込めそうです。毎年、夏と年末に行われるコミケにも、外国人観光客が一定数きています。
聖地巡礼ツアーの開催
人気の映画やアニメ、ドラマなどの聖地・撮影地を訪れるツアーを企画・販売してみてはいかがでしょうか。ファンが映画やアニメ、ドラマの世界を実際に体験でき、感動してもらえること間違いなしです。
日本のお祭りに関連するビジネス
日本各地で行われるお祭りは、外国人観光客にとってもユニークで、観光客を惹きつける大きな要因となっています。祭りを案内するツアーや、祭りで外国人を案内するツアーガイドなど、さまざまなビジネスが考えられます。祭りの際に外国人観光客向けの屋台(フードトラック)などを出店してみても良いでしょう。
国際的なエンターテイメントイベント
インバウンドビジネスとして、日本でしか体験できないような、国際的なエンターテイメントイベントを展開してみてはいかがでしょうか。例えば、音楽のフェスなどは代表的なものです。毎年、富士山の麓で行われる「FUJIROCK FESTIVAL」は、日本を代表する山である富士山を体験しつつも、そこに参加する世界的なミュージシャンたちの音楽も一緒に味わうことができるイベントですが、こうしたところにインバウンドビジネスとしてエンタメイベントを新たに作り出すヒントがありそうです。
外国人向けの医療ツアー
日本でしか提供できない高度な医療技術や健康診断サービスを外国人に提供する外国人向けの医療ツアービジネスも、インバウンドビジネスのうちの一つです。多言語対応の医療スタッフを配置するなどして、外国人の方々と医師の方々のコミュニケーションをスムーズにするなど、細やかな配慮が求められます。
日本食料理教室
世界的にも、日本食は人気になってきているため、寿司や天ぷら、和食の調理法を学ぶ料理教室を展開してみてはいかがでしょうか。地元の市場での食材選びから調理までの全過程を経験させ、自国に帰っても、日本で食べたような和食を作れるような技術を身につけられれば、外国人観光客も喜ぶことでしょう。
通信ビジネス
短期間のSIMカードやポケットWi-Fiなどのレンタルサービスも、インバウンドビジネスのうちの一種です。観光客が容易にインターネットアクセスを得られるようにすることで、日本での旅行体験をより豊かなものにします。もちろん、旅行者だけではなく、短期間の出張で日本にきているビジネスパーソンもそのターゲットになり得るでしょう。
スパやマッサージ
日本の温泉地でのスパやマッサージ体験なども外国人観光客に人気です。また、温泉がある観光地だけではなく、東京などの都市部でもアイデア次第でスパやマッサージ事業を伸ばすことができるでしょう。2024年現在、いまだに円安な状況は続いているので、「安くスパやマッサージを受けたい」という外国人観光客のニーズを捉えれば、事業を伸ばすことができそうです。
インバウンドビジネスの事例・アイデアを参考に
以上、インバウンドビジネスのアイデア・事例を25種類、ご紹介しました。ぜひ参考にしてみてください。
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(編集:創業手帳編集部)