注目のスタートアップ

循環型養殖と「つきみいくら」などのD2Cブランドを展開する「Smolt」が6,500万円調達

company

2022年9月15日、株式会社Smoltは、総額約6,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。

山と海をつなぐ独自の循環型養殖技術によるサクラマスの完全養殖を実現している宮崎大学発ベンチャー企業です。

環境耐性の強い家系を開発し、水産業をサポートする種苗事業に取り組んでいます。

さらに、独自養殖技術によって養殖したサクラマス「本桜鱒」、そのサクラマスからとれる金色のいくらの「つきみいくら」をD2Cブランドとして展開しています。

今回の資金は、D2C事業の商品開発、販路拡大、サクラマス種苗事業の研究開発の強化、人材採用などに充当します。

サクラマスは川で生まれたあと海へと降って、30~70センチメートルほどの大きさに成長したあと、産卵のために川へと戻ってくる降海型の魚です。

海に降ることがなく一生を淡水で過ごすものはヤマメと呼ばれます。

天然のサクラマスの漁獲量はここ数十年で減少しており、1990年代はおおよそ80トン程度で推移していたものが、2013年以降は10トン程度となっています。

サクラマスは美味で知られており、高級料亭などでも供されることがある食材です。

高値で取引されることから、積極的に養殖技術の確立が進められています。

Smoltの養殖技術は、ヤマメのうち海水に適応する個体(銀化する個体)を冬の間4か月程度海の生け簀で育てるというものです。

海の養殖では、冬の間はオフシーズンであり、生け簀が空いているケースがあります。Smoltのサクラマスの養殖ではこの空いている海の生け簀を活用できるというメリットがあります。

さらに特徴的なのが、自社で人工授精から採卵まで一貫して行う完全養殖を実現している点です。これにより生産が天然資源に左右されることはありません。

また、サケ・マス類は高い水温に弱いという特徴があるのですが、Smoltは高水温に強い種を選別しており、地球温暖化にも対応しています。

株式会社Smoltのコメント

このニュースを受けまして、株式会社Smolt 代表取締役 上野賢氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

D2C(小売り)事業の商品開発やマーケティング予算、養殖の種苗(稚魚)の研究開発、人材採用が主な目的となります。

・今後の展望を教えてください。

国内における百貨店などリアル店舗でつきみいくら・本桜鱒を提供できる場を増やしていくこと、ECでの販路拡大、海外での同商品テストマーケティング、桜鱒の養殖パートナー(稚魚の提供)を増やしていくことを目指しています。

・読者へのメッセージをお願いします。

Smoltは100年先もおいしい魚を楽しめる世界を目指し活動しています。

魚本来の美しさやおいしさ、生き方を大切にすることにこだわり本桜鱒を育てています。

ぜひ私たちの育てた本桜鱒とつきみいくらをお手に取り、この思いを感じていただければ幸いです。

研究開発や事業の拡大には資金調達が非常に重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ D2C Smolt いくら サクラマス つきみいくら ブランド 大学発ベンチャー 循環 本桜鱒 株式会社 水産養殖 資金調達 養殖
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」の設立方法完全ガイド|流れ・費用・必要書類など解説
NPO法人設立サムネイル
【2025年最新】NPO法人の設立ガイド|費用・条件・手順を徹底解説
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

化学デジタルプラットフォームの構築を目指す「Sotas」が4.8億円調達
2024年10月23日、Sotas株式会社は、総額4億8000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Sotasは、化学のデジタルプラットフォーム構築を目指し、「Sotas工程管理」「Sotas…
企業・自治体のDXやデジタル人材の育成支援を手がける「チェンジホールディングス」が「ストラテジー・アドバイザーズ」と資本業務提携
2023年5月30日、株式会社チェンジホールディングスは、株式会社ストラテジー・アドバイザーズと、資本業務提携を締結することを決議したことを発表しました。 チェンジホールディングスは、デジタル化やデジ…
「アルトア オンライン融資サービス」のオンライン本人確認「eKYC」がAndroidに対応
2020年3月16日、オリックス株式会社および弥生株式会社が共同で設立した、アルトア株式会社は、「アルトア オンライン融資サービス」におけるオンライン本人確認「eKYC」においてAndroidに対応し…
2人の対話にリアルタイムで生成AIが伴走する1on1支援ツール「emochan」を提供する「KOU」が5,000万円調達
2023年9月4日、株式会社KOUは、総額5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 KOUは、1on1支援ツール「emochan」を提供しています。 2人(管理職・部下)の対話にリアルタ…
「資生堂」のIoTスキンケア・サービス・ブランド「Optune」が本格展開
株式会社資生堂は、「Optune(オプチューン)」の本格展開を、2019年7月1日(月)から開始することを発表しました。 「Optune」は、その日その時の肌環境に合わせて変わるパーソナライズ・スキン…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集