注目のスタートアップ

「Srust」が1億円調達 R&D特化型グローバルスキルシェアプラットフォーム「free-ist」をリリース

company

2022年6月3日、株式会社Srustは、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。

また、R&D特化型グローバルスキルシェアプラットフォーム「free-ist」をリリースしたことも併せて発表しました。

「free-ist」は、研究開発人材に特化した副業・転職のマッチングプラットフォームです。

日本だけでなく世界中の研究開発人材にアクセスできることを特徴としています。

2022年6月時点で、15カ国以上の科学者が登録しています。

今回の資金は、日本・海外での事業拡大に向けた人材採用、サービス開発、マーケティング活動の強化に充当します。

国内では研究力の向上のために1991年から大学院拡充政策が実施されました。これにより1991年度から2006年度にかけて大学院生は倍増しています。

一方で博士課程終了者数は増えているものの、大学教員としての採用数は横ばいとなっており、若手研究者は深刻な就職難という課題を抱えています。

その溢れた研究者は専門的な知識を持っている人材なのですが、しかし民間企業は博士号を持つ人材を積極的には採用しません。

採用しない理由としては、専門的な知識を持っていたとしてもすぐに活用できるわけではないこと、一から人材を育てたほうが効果的であるからといったことが挙げられています。

この企業の考えは、日本が長年終身雇用制度を採用し、さらに年功序列制度であったことが原因です。この体制では人材の流動性が低く、企業内では秀でた人材よりも、様々な仕事を一定以上こなせる人材こそが求められていました。

一方で近年は終身雇用制度・年功序列制度が廃止される動きも出てきており、博士課程終了者といったスペシャリストも活用できる環境が構築されつつあります。また、副業・兼業の解禁もあり、人材の流動性を高めようという動きも出てきています。

Srustは「free-ist」の提供を通じ、研究開発人材の民間企業での活用を促すことで、企業の課題解決と、若手研究者のキャリア形成を支援することを目指しています。

株式会社Srustのコメント

このニュースを受けまして、株式会社Srust 代表取締役社長 野崎光太氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

採用、サービス開発およびマーケティングに資金を投じることで、更なる登録者および利用企業の拡大を目指し、調達しました。

・今後の展望を教えてください。

元々論文などは英語で書かれており、国境を隔てる必要がない研究開発領域において、Day 1からグローバル展開する日本発のスタートアップとして事業を進めて参ります。

既に海外子会社を設立しておりますが、年内に海外での実績を積み上げ、調達においても早期に海外投資家との協議を開始し、名実ともにグローバルスタートアップとなることを目指して事業を運営していきます。

・読者へのメッセージをお願いします。

一人で創業した当初は、事業の方向転換を強いられたり、調達も上手くいかないなど色々な問題がありましたが、信念とスピード感をもって事業に取り組むことによって、今では多くの人に支えられ、事業を運営しています。

資金やメンバー集め、その他数々の実務作業で大変だと思いますが、踏ん張って事業を進めればどこかで解決の糸口は見つかると思うので、諦めずにがんばってください!

企業の成長には優秀な人材の採用が欠かせません。しかし創業期はどのように採用活動を行えばよいのかわからない場合があるでしょう。「冊子版創業手帳」では、創業期の人材採用ノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ free-ist Ph.D. R&D Srust スキル・シェアリング 人材 副業 博士 博士号 研究者 研究開発 転職
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

2024年度「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」公募予告
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2024年度「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」に係る公募の予告について発表しました。 ディープテック・スター…
海洋性紅色光合成細菌を利用した二酸化炭素と窒素の固定技術を有する「Symbiobe」が8億円調達
2024年9月12日、Symbiobe株式会社は、総額8億円の資金調達を実施したことを発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は約10.7億円となりました。 Symbiobeは、海洋性紅色光合…
株式会社ハッカズーク 鈴木仁志|アルムナイ特化型SaaSの事業展開が注目の企業
アルムナイ特化型SaaS事業展開で注目なのが鈴木仁志さんが2017年に創業した株式会社ハッカズークです。 GDPの低迷、ITの進化による働き方の変化、目まぐるしい経済環境の変化、グローバル化などに伴い…
本の要約サービス「flier」運営の「フライヤー」が6億円調達
2022年5月27日、株式会社フライヤーは、総額約6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 フライヤーは、本の要約サービス「flier」を運営しています。 主にビジネス書を1冊10分程度で読める…
フェロトーシス・酸化脂質をターゲットとした医薬品の研究開発を進める「フェリクス」が3億円調達
2022年9月22日、株式会社フェリクスは、総額3億円の資金調達を実施したことを発表しました。 フェリクスは、フェロトーシス・酸化脂質をターゲットとした医薬品の研究開発を進める、九州大学発スタートアッ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集