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2022年3月24日ラピュタロボティクス株式会社 ガジャンCEO・アルルCFO|クラウドロボティクス・プラットフォー ムの提供事業が注目の企業
多様なマシンとマシンを繋げ、互いに協調しながら稼働制御ができる ‶クラウドロボティクス・プラットフォー ム” の事業展開で注目なのが、Mohanarajah Gajan(モーハナラージャー・ガジャン)さんとKrishnamoorthy Arudchelvan(クリシナムルティ・アルドチェルワン)さんが、アインシュタインを輩出したことで知られるチューリッヒ工科大学のスピンオフとして、2014年7月に設立したラピュタロボティクス株式会社です。
現在、製造業や物流倉庫などでの作業における自動化はほんの5%程度と言われています。
AI技術やロボット開発がここまで進んだ現代においてもなお導入が進まない背景には、ロボット購入費用の問題だけではなく、各作業ごとに専用ロボットが必要で、多岐にわたるそれらのロボットを一元統制したり動作連携が出来ない、という課題があります。
その結果、導入しても費用対効果が十分に出なかったり、用途が制限されてしまい、結局人の手で大変な作業を続けているというのが今の実情です。
せっかく有能なロボットが次々と開発されても、それらを統制できるシステムがないために普及や活用範囲に制限がかかってしまっては元も子もありません。
こうした課題を解決に導き、社会のDX化を推進し、人々の生活をより豊かなものにしていくために、ロボット界全体を統制するオペレーションシステムを開発し、様々なメーカーのロボットたちを一元管理・効率よく協働作業に当たらせることが出来るプラットフォーム開発事業に、今大きな注目が集まっています。
ラピュタロボティクスの事業の特長は、あらゆるロボットが互いを認識しながら効率よく作業できるロボティクス開発・制御の共通基盤(プラットフォーム)づくりと、そのプラットフォームを活用して生み出したロボットソリューションの提供により、『制御機能』と『実務作業サポート』の両側面からロボティクスが普及した豊かな社会づくりに切り込んでいる、という点です。
ラピュタロボティクス株式会社のMohanarajah Gajan (モーハナラージャー・ガジャン)さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクト開発するに至った経緯について教えてください。
弊社には、コアプロダクトが2つあります。
<rapyuta.io>
これまでロボティクス分野には、開発・制御に関する共通基盤がほとんど存在せず、各社にてロボットが個別に開発・制御されていました。
ロボット同士を連携させる際にも、機種やメーカー等の制約から、柔軟なロボットの運用は実現できておらず、普及率の低さも課題でした。
そこで当社は、ロボットを活用したい全ての人が、ロボットの台数や種類に関わらず、自由にロボットを制御できる共通基盤「クラウドロボティクス・プラットフォーム(rapyuta.io)」を開発しました。
<ラピュタPA-AMR>
rapyuta.ioの有用性と世界観をユーザーに示すために、まず、弊社自身でrapyuta.ioを活用した、ロボティクスソリューションを開発することにしました。
物流業界の抱える喫緊の課題(深刻な働き手不足・EC市場の伸びによる物流量の急増)に着目し、DX化へのソリューションとして倉庫スタッフのピッキング作業をアシストするロボット「ラピュタPA-AMR」を開発しました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
<rapyuta.io>
クラウドロボティクス・プラットフォームであるrapyuta.ioは、ロボット動作に不可欠なコアソフトウェア群(ナビゲーション機能や自己位置推定機能等)と、開発者向けには、開発に必要な一連のツールやサービスを提供します。特に主要な技術は「群制御AI技術」で、この機能によって異種・複数台のロボットの制御や既存資産(移動式ラック等のマテハン機器)との連携が可能になります。
<ラピュタPA-AMR>
ラピュタPA-AMR(協働型ピッキングアシストロボット)は、簡単かつスピーディーに現場へ導入でき、ピッキング業務の生産性向上、作業者の歩行距離削減、労働者不足の問題を解決する最新のロボットです。
rapyuta.ioと群制御AI技術によって、スタッフがピッキング作業を完了する為に最も効率の良いルートが自動算出され、複数台のロボットが連携して荷物の搬送を行います。新人スタッフでもロボットの指示に従うことで、安定かつ効率的にピッキング業務を遂行でき、ベテランスタッフと同等の生産性を保つこと、および企業側の新人教育の手間を省くことが可能です。
※協働型ピッキングアシストロボット
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
<rapyuta.io>
rapyuta.io上に革新的なロボティクスソフトウェアを構築する技術者の方や、ラピュタPA-AMRのような新しいロボティクスソリューションを開発するソリューション提供会社にぜひご活用頂きたいです。
開発を支援するツールや環境は、弊社がプラットフォーム上に構築し、パートナー企業が簡単にカスタマイズできるよう、APIを公開しています。
また、顧客のシステムとrapyuta.ioを統合させるシステムインテグレーターの方にも積極的にご活用頂きたいです。
<ラピュタPA-AMR>
導入に最適な現場は、ピッキングスタッフ7名程度以上の物流倉庫です。
弊社は、医療機器からアパレル商材、BtoBおよびEC向け倉庫等、幅広い導入実績があるので、物流現場の人手不足や自動化に課題をお持ちの荷主様、3PL事業者様に幅広くご活用頂けます。
支払い方法も、購入だけでなく、初期投資額を抑えた月額定額制(RaaS) のオプションもご用意しています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
設立当初、rapyuta.ioの有用性を証明するためにドローン事業を展開しましたが、ドローン市場はまだ大きくなく、売上はほとんど上がらず、主要メンバーの離職が相次ぐといった、大変苦しい状況にありました。ドローンに代わる、ロボティクスアプリケーションを模索する中で、物流業界が少子高齢化による労働者不足、物流の仕組み自体の複雑化、EC市場の急速な成長を受け、DX化を急いでいることを知りました。
それまでドローン事業に注力していたので、事業の方向性を変えるのは容易ではありませんでしたが、物流ロボット事業の将来性について丁寧に説明を重ね、全従業員が同じベクトルを向くように意思統一をしました。この大胆な転換が正解であったことを裏付けるように、経済産業省「J-startup」への認定や、東京都やNEDOからの補助金獲得、マイクロソフトアワードをはじめとする数種のアワード受賞、そしてラピュタPA-AMRの導入実績を顕著に伸ばし、現在に至ります。
・このサービスの解決する社会課題はなんですか?
<rapyuta.io>
rapyuta.ioは、ロボット開発・制御の共通基盤であり、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」にコミットします。
また、2017年より経済産業省が推進する「Connected Industries 政策」の観点においては、rapyuta.ioを通して、ソフトウェア開発企業、ハードウェアメーカー、SIer、エンドユーザー(物流、製造、建設等)を最新テクノロジーで繋ぎ、各業界の振興を図ることができます。
<ラピュタPA-AMR>
ラピュタPA-AMRを活用することで、少子高齢化による労働力不足を補うことができ、新型コロナウィルス対策(ヒトによる密環境の回避)の一助ともなります。
また、物流企業が抱える課題(急増する物流需要への臨機応変な対応・生産性向上・DX化)の解決にも貢献します。
<弊社の存在意義>
弊社は、「3K(きつい・汚い・危険)」な仕事は人間だけで行うのではなく、ロボットを活用して自動化・半自動化させることが良いと考えます。
厳しい労働環境で働くのは、精神的・肉体的に悪影響を及ぼします。ロボットと上手に協働し、人間がより楽に仕事をしたり、創造的な仕事にチャレンジできる社会を実現することで、新しい技術やより優れたサービスが誕生すると信じています。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
弊社のコア・パーパス、「Empowering lives with connected machines(マシンとマシンを繋げ、人々の生活を豊かにする)」の実現に向け、今後もロボットの導入をリードし、社会課題の解決に貢献していきます。
弊社の最大の強みは、rapyuta.ioを含めた主要な技術を自社で保有している点にあります。将来的には、PaaS(Platform as a Service)をメイン事業とし、世界中のロボット開発と運用を支えられるよう飛躍したいです。rapyuta.ioとrapyuta.ioの持つ、柔軟性と汎用性の高い群制御AI技術によって、多様な業界にて、異種・複数台のロボットを効率的に制御し、世界中のロボットが人間と共存し、人のために働く社会を創りたいです。
・今の課題はなんですか?
複数台ロボットの群制御に関して、現状シミュレーション上では100台以上の連携が可能ですが、実際の現場で100台のロボットをエラーなしに運用することは未だ難しいです。倉庫内のインターネット環境にも左右されるので、いかに安定した通信回線を準備できるかもポイントになります。
また、事業を速く確実にスケールさせるためには、優秀な人材が必要不可欠です。弊社では、営業やマーケティングメンバーを積極的に採用しています。
新鋭であるロボティクス業界では、チャレンジ精神と逆境に負けない強さが求められるだけでなく、顧客が感じる課題に寄り添い、共に解決策を作り上げていく共感力も大切です。大企業がハイリスクと捉えていることを、実現させていくのがスタートアップの存在意義でもあります。コアバリューの一つである”Fearlessness” の精神を持ち、失敗を恐れず挑戦できる方とぜひ一緒に働きたいです。
※世界20ヵ国以上から結集したダイバーシティ溢れるメンバー(東京オフィス)
・読者にメッセージをお願いします。
弊社は、人間とロボットが協働することによって、人間がより知的でクリエイティブな仕事に注力でき、多くの新しいイノベーションが誕生すると信じています。
DX化は世界共通の課題であり、これから益々発展する分野だと思っています。
グローバルロボティクスプラットフォーマーとして常に挑戦する気持ちを忘れず、ユーザーの抱える課題に真摯に耳を傾け、今後も最適なソリューションを提供していきます!
会社名 | ラピュタロボティクス株式会社 |
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代表者名 | 代表取締役 CEO : Mohanarajah Gajan 共同創設者 兼 CFO : Krishnamoorthy Arudchelvan |
創業年 | 2014年7月2日 |
社員数 | 140名(従業員の出身国は20か国以上に及ぶ) |
事業内容 | ロボットソリューション開発と運用を加速させる、クラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」の提供と当該プラットフォームを活用したソリューションの提供 |
所在地 | 〒135-0023 東京都江東区平野4-10-5 |
代表者プロフィール | 〇Mohanarajah Gajan (モーハナラージャ・ガジャン) ・代表取締役CEO ・生年月日:1980年6月29日 ・スリランカ出身 <経歴> 2016年4月 インドに開発拠点として、子会社Rapyuta Robotics Pvt., Ltd.を設立し、CTOを務める 2014年7月 ラピュタロボティクス株式会社を設立(代表取締役CEO) 2014年3月 チューリッヒ工科大学卒業 学位:工学博士 チューリッヒ工科大学の博士過程にて、欧州における名門大学共同プロジェクト「RoboEarth」に参画し、ロボット制御の共通基盤(ロボット向けのインターネット)を開発。その功績が称され、TED × Youthへの登壇実績あり。 2008年9月 東京工業大学卒業 学位:修士(機械・環境情報学) 2007年3月 東京工業大学卒業 学位:学士(システム制御学) 2002年4月 来日。久留米高専にて2年間の制御・情報システム課程を修了し、2005年3月に東京工業大学システム制御学科の2年次に編入。 〇Krishnamoorthy Arudchelvan (クリシナムルティ・アルドチェルワン) |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | ArudchelvanKrishnamoorthy GajanMohanarajah クラウドロボティクスプラットフォー ム クリシナムルティ・アルドチェルワン モーハナラージャー・ガジャン ラピュタロボティクス |
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