週末起業をする前にやっておきたい5つの準備

創業手帳

少しでも成功の確率を上げるために

(2018/10/10更新)

「将来は起業するぞ!」と考えている方の中には、まずはサラリーマンとして働きながら週末だけ事業を行う「週末起業」を目指している方もいるのではないでしょうか?
本業で生活費を確保しながら事業ができることがメリットの「週末起業」ですが、「そもそも、どうやって週末起業を始める準備をすればいいのかわからない!」という悩みを抱えている方も多いかもしれません。
そこで今回は、起業コンサルタント兼行政書士である林田玲子さんに、週末起業をするためにやっておきたい準備についてお話を伺いました。

副業と週末起業の違いとは?

週末起業の準備についてお話しする前に、まずは混同しやすい「副業」と「週末起業」の違いについてお話しします。

副業

本業とは別に収入を得ること、労働力の提供として対価を得ることを意味します。
簡単に言えば、お金のためだけに「労働力」を切り売りすることです。

週末起業

自分の好きなこと・スキルを活かして事業を立ち上げることです。

両者の大きな違いは、「お金だけ+労働」なのか、「夢やビジョンを持ってビジネスを立ち上げる」なのかどうかです。
例えば、確実に収入を得たいのであれば、副業のほうがはるかに有効です。しかし、「お金に困っている」、「家族のため」といった理由が無い限り、モチベーションは続きにくいでしょう。

それを踏まえて、自分は「副業派」なのか、それとも「週末起業派」なのか、どっちが合っているか選んでいくと良いでしょう。

週末起業のメリットとデメリット

では次に、週末起業のメリットとデメリットを比較してみます。

メリット

生活の基盤が確立している

本業で生活費を確保しながら、夢の実現を目指すことができます。

お金と心の余裕がある

起業が軌道に乗らなくても本業に戻れば良いので、金銭的にも精神的に負担が少ないです。

週末起業から本格起業にシフトチェンジすることができる

週末起業の売上が順調に推移していけば、そのまま本業にシフトチェンジすることができます。

週末起業で課題をあぶり出すことができる

起業すると、起業前には想定していなかった様々問題が発生します。
週末起業の段階で課題の整理をしておけば、本格起業のシフトした後の事業展開がスムーズに進みます。

デメリット

休みや自由時間が無くなる

 
これだけ聞くとデメリットではありますが、無駄に休んでいた時間が夢に投資する時間に変わったと考えれば、一概にはデメリットとも言えないでしょう。

本業に影響が出ることがある

週末起業が軌道にのるほど、時間・体力・集中力等が欠如して本業へ支障をきたすかもしれません。
影響が出始めた段階で、本格起業にシフトするかどうかを検討しましょう。

会社によっては就業規則違反になる可能性がある

本業に支障をきたす等の理由で、副業・週末起業を禁止している企業は多いです。週末起業をする前に就業規則をしっかり確認しておきましょう。

週末起業の前にやっておくべき5つの準備

週末起業とはいえ起業であることに変わりありません。資金だけでなく様々なリスクが伴います。
「失敗は成功の元」といいますが、できれば失敗したくないのが人情です。
そこで、週末起業で失敗しないための準備を5つの項目に分けて解説します。

1.人について

家族

まず、週末起業を始めようと思っている皆さんは、そのことについて家族の同意を得ていますか?
「受験生の子供がいる」、「親の介護」、「家族が病気」などなど、何の問題も抱えていない家庭はありません。また起業する場合、奥さんが経理と総務を担当しているケースも多いです。家族団らんの時間も減ってくるでしょう。家族の同意を得ることが、最初にすべき準備です!

協力者

仕事をする以上、協力者は不可欠です。週末起業の場合は「一人でこっそり起業する」イメージですが、
実際は取引先、自分の代わりに作業してくる人、子供の世話をしてくれるシッターさん等、様々な協力者が必要です。具体的な場面を想定しながら、どんな協力者が必要かリストを作りましょう。

顧客

本格起業をする場合、業種にもよりますが500~1,000人の顧客リストが必要です。
顧客名簿のリスト数と質が、本格起業を成功させるためのポイントとなります。

2.環境について

物理的な場所

家族の同意も環境に含まれますが、物理的な場所の確保も必要です。
作業の場所・道具置き場・車・立地条件等、自身が週末起業するための物理的環境を確保しましょう。

職場と協業

あなたが務めている会社は週末起業を認めていますか?もし会社が週末起業を認めていない場合、会社に露見した時のリスクも考えておかないといけません。さらに、週末起業が順調に進んだ場合、退職時に競業避止義務(※1)の問題も発生する可能性もあります。法律的なリスクヘッジも含めて対応が必要です。

※1
競業避止義務:労働者は所属する企業と競合する会社・組織に就職したり、競合する会社を自ら設立したりするなどの競業行為を行ってはならない、という義務のこと。退職後の労働者の行為をどこまで制限することが可能かという点については、労働者の職業選択の自由(憲法22条1項)に照らし、慎重に判断される。

自己分析

週末起業する方のほとんどが「好き」を重視して事業を開始します。しかし、起業は趣味ではなく、出資を伴うビジネスです。失敗するリスクと最小限に抑えたいですね。

そこでやってもらいたいのが、「SWOT分析」という手法です。
SWOT分析で、今起業すべきなのか?ニーズはあるのか?起業に対して足りないものはないか?等様々な問題がみつかるはずです。問題解決の先に週末起業の成功が見えてきます。

3.資金について

もちろん、週末起業でも資金が必要です。まずは概算を把握し、自己資金を中心に資金繰りを考えます。週末起業はあくまで「テスト起業」ですから借入をしてまで起業すべきではありません。
起業時の資金調達には様々な方法があります。詳しくはこちらをご覧ください。

4.スキル・経験・資格について

週末起業は、「自己実現のため」「好き」「生きがい」等を目的として起業します。このような目的だからといって非現実的な事業では、成功は見込めません。
そこで、自身のスキル・経験・資格を棚卸しして、現実的な事業の選択をしましょう。前述したSWOT分析でも自己分析をしますが、さらに深掘りしして自身を見つめ直します。

スキル

そもそも、「スキル」とは「知識を使って仕事などでパフォーマンスを発揮する能力。ただし、応用力が利く能力(利かない能力はテクニック)」と言われています。

ちなみに、私は長らく専業主婦をやっていたのですが、以前とあるキャリアコンサルタントからこんなアドバイスを受けたことがあります。

「あなたは主婦業が長く、自分には何のスキルも無い、と勘違いしていませんか? 主婦も立派なスキルなのですよ」

一般的にスキルとは「仕事に役立つ技能」と理解されているようですが、技能だけで仕事ができる訳ではありません。
さらに、経験はスキルに入ります。経験とは、実際に見たり、聞いたり、行ったりすることそれによって得られた知識や技能などのことです。

つまり、全ての経験がスキルになってゆく、ということですね。

資格

世の中には、民間・国家を合わせると様々な資格があります。
資格を持つことの意味は、

  • その道のプロであると公言できる
  • その道の知識があると認知(経験値はともかく)してもらえる

というメリットがあります。

例えば、私は行政書士です。行政書士のみが行うことができる特権として、ビザや許認可の申請があります。他の士業(弁護士除く)は、これらの業務を行うことができません。いわば「ビザや許認可申請のプロ」です。

週末起業をするための準備として、今自分が持っている資格について考えてみるのも良いでしょう。
「持っている資格がこういうものだから、こんな事業ができるかもしれない」といった事業のヒントが見つかるかもしれません。

ビジョンと経営理念

ビジョンとは、企業が目指す将来像を視覚化したイメージ、簡単に言えば「経営者の夢」です。自分がワクワクする将来像を描きましょう。
これに対して、「経営理念」は、企業の存在意義や大事にする価値観、経営姿勢、社会的責任(社会的使命)などを内外に示したものです。
経営ビジョンと比較すると、ちょっと硬くて真面目なイメージですね。もしかしたら、「週末起業でここまで考える必要があるの?」と疑問をもつ方もいるかもしれません。

しかし、週末起業は本格起業を見据えた「デモ起業」です。将来像が明確なほど、週末起業から「本格起業」に移行できる確率が高くなります。

まずは、ビジョンから考えてみませんか?「週末起業やるぞ!」のモチベーションアップにつながりますよ!

5.事業計画書について

「えっ?週末起業で事業計画書ですか?」と思うかもしれませんね。しかし、ある程度の計画を立てないと、ダラダラと時間だけが過ぎていきます。
事業計画書は、短期計画(1年間)と中期計画(3年間)を作成して、中期計画の2年目あたりから、本格起業を見据えて作成しましょう。

そして、目標を形にすることで将来を「見える化」します。「見える化」ができていることで、事業が成功する確率が高くなります。事業計画書の雛形はネットでも手に入るので、まずは気負わず構えず、うまく書こうなどと思わずに作成してみましょう。

まとめ

起業は失敗と挫折の連続です。私が起業した時もそうでした。
私がコンサルタントとして起業した理由は、これから起業しようとする方々に「自分がしたような遠回りをしてほしくない!」との思いからです。
失敗・挫折した経験を糧に、少しずつ前に進みましょう。自分を信じて起業家の道を進んでいただければと、強く思います。

(監修:行政書士&補助金起業スタイリスト 林田玲子
(編集:創業手帳編集部)

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