動画生成AI・Veo(ベオ)とは?YouTubeにも導入予定!いち早く活用法・アイデアを紹介
Googleの動画生成AI・Veo(ベオ)とは?活用法・アイデアなどまとめてご紹介。いつから使える?
生成AIの成長が止まりません。最初はChatGPTをはじめとする文章の指示で文章を生成するものだけでしたが、文章から画像、文章から動画など、さまざまな変換が可能になってきています。
本記事でご紹介するのは、Googleがリリースした動画生成AI「Veo(ベオ)」です。機能的な特徴や、どんなビジネス活用ができるのかなど、まとめてご紹介します。
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この記事の目次
動画生成AI・Veo(ベオ)とは?Googleの動画生成AI。いつから使える?
動画生成AI「Veo(ベオ)」は、テキスト入力から1分を超える高品質な動画を自動生成する革新的なサービスです。公開されたデモ映像は映画のような高い質感を持ち、その出力の質の高さが注目を集めています。
「Veo」は24年10月現在、まだ単体のサービスとしてリリースされてはいません。ただし、「VideoFX」というツールを用いれば、英語では利用できるようになっています。
このAIは優れた自然言語理解能力を持ち、タイムラプスや風景のドローン空撮など、高度な映像技術を要する表現にも対応できる最先端の動画制作能力を有しています。これにより、複雑な指示や詳細な描写をテキストで入力するだけで、プロフェッショナルな品質の動画を生成することが可能となっています。
「Veo」の開発は、人工知能研究の最前線を走るGoogle DeepMindによって行われました。同社は過去に、汎用ゲームAIの「AlphaZero」やAIを活用したヘルスケアサービス「DeepMind Health」など、革新的なAIプロジェクトを多数手がけてきた実績があります。
さらに、「Veo」の開発には、著名な映画監督ドナルド・グローバーとクリエイティブスタジオGILGAも参画しており、その専門知識と創造性が反映されています。彼らは「Veo」の性能について、「従来の方法と比べて10倍から100倍のスピードで映像化できる」と高く評価しています。
「Veo」の公式ウェブサイトの謝辞欄には、このプロジェクトに貢献した多数の研究者や技術者の名前が列挙されており、その開発に多くの専門家が関わったことがうかがえます。これは、「Veo」が単なる技術的な進歩だけでなく、芸術性と創造性を融合させた総合的な取り組みの成果であることを示しています。
この革新的な技術は、動画制作の効率を劇的に向上させるだけでなく、クリエイティブな表現の新たな可能性を開くものとして、映像業界、ひいてはビジネス界に大きな影響を与える可能性を秘めています。
動画生成AI・Veo(ベオ)の特徴
Googleの動画生成AI「Veo」の特徴をご紹介します。
テキストから動画を生成
Googleが開発した動画生成AI「Veo」は、テキスト入力だけで高品質な動画を自動的に作成する革新的なツールです。この技術により、1分以上の長さの洗練された動画を、専門的なスキルや複雑な機器を必要とせずに生成することが可能になりました。
「Veo」の特筆すべき点は、その使いやすさと出力の質の高さにあります。ユーザーは望む動画の内容を文章で記述するだけで、AIがそれを解釈し、視覚的に魅力的な動画に変換します。これにより、従来は技術的な障壁や時間的制約のために動画制作を躊躇していた個人や小規模企業にも、プロフェッショナルな品質の動画コンテンツを作成する機会が開かれました。
この技術は、動画制作の民主化を促進し、クリエイティブな表現の新たな可能性を広げています。例えば、マーケティング担当者が商品紹介動画を迅速に作成したり、教育者が視覚的に豊かな教材を効率的に制作したりすることが可能になります。
「Veo」の登場により、動画制作のプロセスが大幅に簡素化され、アイデアを視覚化する時間と労力が大きく削減されました。これは、個人のクリエイティビティの表現から企業のコンテンツマーケティングまで、幅広い分野に影響を与える可能性を秘めています。
マスク編集機能
Googleの画期的な動画生成AI「Veo」は、動画の特定の部分のみを再生成し編集できます。
この機能により、動画制作者は全体を最初から作り直すことなく、動画の一部分だけを修正したり更新したりすることができます。例えば、背景の一部を変更したい場合や、登場するキャラクターの動きを調整したい場合、その特定のセクションだけを再生成することが可能です。
この部分的な再生成と編集機能は、動画制作の効率を大幭に向上させます。従来の方法では、小さな変更であっても動画全体を再レンダリングする必要があり、時間とコンピューティングリソースを大量に消費していました。Veoを使用することで、この問題が解消され、編集作業にかかる時間が大幅に短縮されます。
さらに、この機能はコスト面でも大きな利点をもたらします。動画の一部分だけを再生成することで、全体を作り直す場合と比べて計算リソースの使用量が大幅に減少し、結果としてコストの削減につながります。
画像入力で動画生成がより簡単に
Googleの革新的な動画生成AI「Veo」は、画像とテキストを組み合わせて動画を生成する機能を備えており、これによりユーザーの表現の幅が大きく広がっています。この高度な機能により、複雑な内容や抽象的なアイデアをより簡単に、そして視覚的に豊かに表現することが可能になりました。
この画像とテキストの組み合わせ機能は、特にテキストだけで詳細な指示を与えることが難しい場合に非常に有用です。例えば、特定のビジュアルスタイルやシーンの雰囲気を言葉で正確に描写するのは困難な場合がありますが、参考画像を提供することで、AIはその視覚的要素を理解し、動画に反映させることができます。
具体的には、ユーザーが風景写真を入力し、「この風景が季節とともに変化する様子を表現して」というテキスト指示を加えることで、AIは四季の移り変わりを美しく表現した動画を生成することができます。また、製品の写真と「この製品の特徴を紹介する動画を作成して」という指示を組み合わせれば、詳細な製品紹介動画が自動的に生成されます。
この機能は、クリエイティブな発想力を持ちながらも、それを言語化するのに苦労する人々にとって特に有益です。アーティスト、デザイナー、マーケティング担当者など、視覚的な表現を重視する職種の人々にとって、アイデアを素早く形にする強力なツールとなります。
さらに、この機能は教育分野でも大きな可能性を秘めています。複雑な科学的概念や歴史的出来事を、関連する画像とテキスト説明を組み合わせて入力することで、理解しやすい教育用動画を簡単に作成することができます。
「Veo」のこの機能は、動画制作のプロセスを大幅に簡素化し、より多くの人々が高品質な動画コンテンツを作成できるようにしています。テキストだけでは伝えきれない微妙なニュアンスや視覚的要素を、画像を通じてAIに伝達できることで、より正確で創造的な動画生成が可能になっています。
SynthIDの埋め込みでAI生成コンテンツであることを証明
Googleの動画生成AI「Veo」には、生成されたコンテンツの透明性と信頼性を確保するための革新的な機能が組み込まれています。具体的には、AIが生成した動画に「SynthID」と呼ばれる電子透かしが自動的に埋め込まれる仕組みが導入されています。
この「SynthID」は、動画がAIによって生成されたものであることを明示する識別子として機能します。これは、生成AIによって作られたコンテンツがフェイクニュースや偽情報として悪用される可能性のある現代社会の課題に対する、Googleの積極的な対応策と言えます。
この技術の導入により、視聴者は動画の出所を容易に確認することができ、それがAIによって生成されたものか、人間が制作したものかを判別することが可能になります。これは、オンライン上の情報の信頼性を高め、デジタルコンテンツの健全な流通を促進する上で非常に重要な役割を果たします。
YouTubeショートにも導入予定
YouTubeショート向けに、GoogleのAI動画生成ツール「Veo」を使って、6秒間の動画クリップを簡単に生成できる機能が一部のユーザー向けにリリースされる予定です。
この機能の特筆すべき点は、既存の撮影済み映像を補完する能力です。例えば、編集中に動画に何かが欠けていると感じた場合、クリエイターはVeoを使用して、その隙間を埋める適切なクリップを即座に生成できます。これにより、動画の質と流れを向上させ、より魅力的なコンテンツを作成することができます。
透明性と信頼性を確保するため、Veoで生成されたこれらのクリップには重要な特徴が付与されます。まず、各クリップにはSynthIDによる電子透かしが埋め込まれます。さらに、視聴者にAIによる生成であることを明確に伝えるラベルが表示されます。これらの措置により、視聴者は常にコンテンツの出所を理解し、情報を適切に解釈することができます。
この新機能の展開は段階的に行われる予定です。初期段階では、特定の国のテスターに限定して提供されます。日本在住のクリエイターへの提供時期については、現時点では未定となっています。
Veoを使ってみた
日本語ではまだ使えませんが「VideoFX」というツールを使うことでVeoの動画生成AIを使うことができました。
「お寿司を食べる韓国の女の人」というプロンプトで作ってみると、以下のような画像が出てきました。
他の画像生成AIにはないような部分としては、「韓国人」の部分や「お寿司」の部分は選択肢がプルダウンから選べて、他に生成しなおすことが可能です。
例えば「お寿司」を「うどん」に変えると、以下のような画像が生成されました。
動画生成AI・Veoのビジネス活用方法・アイデア
動画生成AI「Veo」のビジネス活用アイデアをご紹介します。
商品紹介動画の作成
動画生成AI「Veo」は、マーケティングコンテンツ作成の際に役立ちます。
商品紹介動画の迅速な制作が可能となり、新製品の特徴や利点を効果的に伝えられます。
カスタマイズされた広告キャンペーンでは、異なる顧客セグメント向けにパーソナライズされた動画を大量生成できます。
ソーシャルメディア向けには、各プラットフォームに最適化された短編動画を簡単に作成できます。
さらに、製品の使用方法や特徴を詳しく説明する教育・説明動画の制作も効率化されます。
イベントやキャンペーンの告知動画、ブランドストーリーを視覚化する動画、データをビジュアル化した動画なども容易に作成可能です。
これにより、コンテンツ制作時間の短縮、コスト削減、多様なコンテンツの迅速な展開が実現し、マーケティング戦略の柔軟性が向上します。
ただし、AIが生成したコンテンツの品質管理やブランドの一貫性維持には注意が必要で、人間のクリエイティブディレクションとAIの能力を適切に組み合わせることが重要です。
教育・トレーニング向け動画の作成
動画生成AI「Veo」は教育・トレーニング動画の作成において革新的なツールとなります。
従業員向けのオンボーディング動画を効率的に制作し、新入社員の迅速な適応を支援できます。
複雑な業務プロセスや手順を視覚的に分かりやすく説明する動画を簡単に作成でき、従業員の理解度向上に貢献します。安全訓練や法令遵守に関する重要な情報を、魅力的で記憶に残る形で提示することが可能です。
また、製品やサービスの使用方法を詳細に解説する顧客向けチュートリアル動画の制作も容易になります。学習管理システムと連携させることで、個々の学習者のペースに合わせたカスタマイズされた教育コンテンツを提供できます。
さらに、抽象的な概念や理論を視覚化し、学習者の理解を深める教育動画を作成できます。リモートワーク環境下での効果的なトレーニング実施にも役立ち、時間や場所の制約を超えた学習機会を提供します。
「Veo」を活用することで、教育コンテンツの制作時間とコストを大幅に削減しつつ、高品質で魅力的な学習材料を継続的に提供することが可能となり、組織全体の学習効率と知識の定着率を向上させることができます。
カスタマーサポート用動画の作成
動画生成AI「Veo」は、カスタマーサポートの効率と質を大幅に向上させる強力なツールとなります。
まず、よくある質問(FAQ)に対する回答を視覚的に分かりやすい動画形式で提供することができます。これにより、顧客は複雑な問題でも容易に理解し、自己解決できる可能性が高まります。
製品のトラブルシューティングガイドを動画化することで、文字だけでは伝わりにくい手順や操作を明確に示すことができ、顧客の問題解決をスピーディに支援できます。
新製品や機能のチュートリアル動画を迅速に作成し、顧客の学習曲線を緩やかにすることも可能です。
さらに、カスタマーサポート担当者向けの研修動画を効率的に制作し、スタッフのスキル向上と知識の均一化を図れます。
顧客からの問い合わせ内容に応じてパーソナライズされた説明動画を生成し、より効果的なサポートを提供することも可能になります。
「Veo」を活用することで、カスタマーサポートの対応時間短縮、顧客満足度の向上、そしてサポートコストの削減を同時に実現することができ、顧客体験の大幅な改善につながります。
Googleの動画生成AI・Veo(ベオ)を活用しましょう
以上、「Veo」についてご紹介しました。まだ単体のサービスとしてリリースされてはいませんが、リリースされ次第、ぜひ積極的に活用してみてください。
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(編集:創業手帳編集部)