コールセンター・テレマーケティング運営のプロが解説!成果の上がるテレマ構築のコツ

創業手帳

営業の強力な武器! コールセンターの採用・育成・立ち上げについて知る

経営の拡大で欠かせないのが営業、販促活動です。起業しても売上げがなければ始まりません。また、ビジネスを軌道に乗せるため、製品ももちろん大事ですが、営業力が大きく影響します。

電話営業は、他のチャネルもミックスすることで威力を発揮しますが、実際、立ち上げや成果を出すにはパワーとコツが必要です。

コールセンターの立ち上げや教育を行い、自身もコールセンター会社の社長のW氏。この道一筋のテレマーケティングのプロが、電話系の営業のコツやコールセンターの立ち上げ方を伝授します。

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この記事の目次

テレマはいまだに強力な営業の武器。セールステックの力を借りて進化している。

Q:ビジネス拡大における営業の役割はなんですか。その中でテレマの役割とはどんなものでしょう?

起業や経営では、営業活動をして事業を広げていかないといけません。その時に地味に有効な武器になるのがテレマ、電話での営業です。

電話にはかかってきた電話に対応するインバウンドこちらから電話を掛けるアウトバウンドがあります。

関係値がない状態での、新規の電話をコールドコールともいいます。電話をかける相手と商品の相性、トークの技術、関係値の深さなどが課題になってきます。

また、アウトバウンドの特徴としては、インバウンドとは違い、こちらからお客様を選べる(リストを作成できる)。というメリットがあります。

自社でお声がけ先を選定できるので、起業当初、自信をもって提案できる属性(成果創出できそうな属性)のみに絞って営業活動が実施できます。

Q:DMやメールマーケティング、Web広告に比べた長所・短所を教えて下さい。

DMは一斉に送ることができますが、コストが高いのがネックです。Web広告は、物理的なコストが無い、データが使えるなどのメリットがあります。

テレマは、人と人の関係になるので、地味な分、強力に顧客とコミュニケーションできるのが特徴です。

こうした手法をミックスするというのもよく行われています。会計的には、DMは販促費、Web広告は広告費、テレマは外注費や人件費という違いがあります。

いずれにしてもテレマはそれなりにコストがかかり、かつ技量で成果が大きく左右されます。

また、一見アナログなテレマの世界ですが、最近ではミーテルのようなテレマ系のテクノロジーや、セールスフォース・ZOHOのような顧客管理システムなど、一見見えないところでのテクノロジーも進歩してきています。

まず重視すべきは人材教育とトークスクリプト

Q:例えば人材、マニュアル、システムなど色々ありますが、テレマやコールセンターで重要な要素はなんでしょう?

やはり人ですね。人の教育が重要な部分になります。電話というのはモチベーションも大事です。

個々人もそうだし、チームの雰囲気や協力も含めた人の力が大事になってきます。意外に大事なのは、スタッフやマネージャーの、メンタル面のケアや人間性も大事になってきます。

またトークスクリプトが大事です。こういう反応が来たらこういう返し、というように分岐させていきます。

パターンを細かく決めるケースと、オペレーターの裁量に任せるケースがありますが、大規模にやる場合には、スクリプトは必須です。

テレマの結果をフラグで管理して、数値化することで業績を見える化できるようになります。

システムは電話ですが、NTTなどの固定回線、もしくはCTI(※1)などで回線がセットになっているケースも多いです。

また、CRM(※2)での管理も大事です。Webマーケやオフライン営業との接点もあります。アポ取り、クロージングをスキルや志向に応じて分けるケースも多いです。

※1:Computer Telephony Integration(コンピューター・テレフォニー・インテグレーション)の略。コンピューターと電話を統合した技術、またはその技術を使ったシステムのこと。
※2:Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント)の略。顧客関係管理のこと。

Q:テレマ営業の立ち上げの手順を教えてください。採用して、マニュアルを作って、ロールプレイングして…とさまざまなプロセスがあると思いますが、どのように進めるのがよいのでしょうか。

まず電話やオフィスなどの設備ですね。最近はリモート型も増えてきました。次にスタッフの確保です。テレマの場合は時給制の契約社員やアルバイトのケースが多いです。

例えば演劇など何らかの理由で、社員になりたくない、というケースもあるので、うまく勤務形態を設計してあげる必要があります。

そして、ロープレやスクリプトに基づいて、トレーニングしていきます。リストのピックアップや抽出も、スタートまでには準備しておく必要があります。検索エンジンで探す方法や、クローラーやリスト作成会社を使う方法などがあります。

Q:テレマ業界のトレンドがあれば教えて下さい。

基本は今も昔も変わらないですが、やはり多様な働き方に合わせた人員の確保や、モチベーション維持が最近の課題です。そしてリモートワークへの対応でしょうか。

個人情報も厳しくなってきていますので、リストやセキュリティの管理や教育も従来より大事になってきています。

群雄割拠のCTI業界で、システムという武器を使いこなせ

Q:CTIの主なメーカーと特徴を教えて下さい。

「シナジー」や「アルゴ」、「ミーテル(MiiTel)」、「ワイズリー」などが有名どころでしょうか。

他にも「COLLABOS PHONE(コラボス)」、「Omnia LINK」、「tetra」、「シンカCTI」、「InfiniTalk」、「BIZTEL コールセンター」、「CT-e1/SaaS」、「Sakuraコールセンターシステム」、「INNOVERA PBX」、「MEDIA-CTI」、「Makit」、「3Clogic」、「List Navigator.」、「N-CALL」、「UNIVOICE ACCS」、「TELE-ALL-ONE ENTERPRISE」、「AmeyoJ」、「Mediacalls」など、本当にいろいろなツールがあります。

CTIは、

  • 過去の顧客から電話がかかってきたことを知らせるポップアップ機能
  • 電話先を自動制御する機能
  • 録音機能

などが欠かせません。録音機能はクレーム防止や育成などで使えます。

また、指定の電話契約があり、電話代がセットのケースもあるので、電話代も含めて検討しましょう。

システムの話でいうと、クラウド型とオンプレミス型に分かれます。スタートアップはクラウド型のほうが無難でしょう。

変わったところでは、ワイズリーはスマホから発信できます。

手軽にコールセンターを構築するには値段も手頃だし良いでしょう。

ミーテル(MiiTel)は録音からAIで成功パターンを探すなど新しい機能があります。

ただ、どう運用や現場で使えるか、徹底できるかなので、使いこなせることと、無理のない価格帯の商品を選びましょう。

スタッフを定着させるには?内製と外注の使い分け。

Q:テレアポスタッフの募集はどうやっていますか?なかなか人が集まらないですよね。コツはありますか?

アルバイトのテレマの募集では、「indeed」や「タウンワーク」、「バイトル」などを使うケースもあります。

ポイントは、アルバイト・パートの場合は、必ずしもフルタイムの終身雇用の正社員と同じような考え方で採用する必要はないので、時間だったり、待遇だったりを柔軟に考えましょう。

例えば、主婦の方であれば、子供のお迎えの時間を調整する、夢に向かっての準備中、という方はそうした活動を認めてあげるなど、多少の調整で良い人を採用できるようなケースもあります。

「エンゲージ」、「ジモティ」などは無料で掲載ができ、応募も見込めますので、即効性は低いですが、採用経費を抑えることが可能です。

Q:スタッフのトレーニングはどうしていますか?育成のコツはありますか?

やはりロールプレイングと実戦になります。ロープレの相手は契約の取れる上級者が行い、実戦に慣れさせていきます。実際にやってみてどうだったのかの振り返りも大事です。

Q:コールセンターといえば定着率が課題ですよね。どうやったら高められるのでしょうか?

やはり人の教育、特にマインド面が大事です。そして、就業環境の整備ですね。商材やトークの強さも、自信を持って仕事ができるかという面で大事です。あとは、現場の方をまとめるマネージャーが大事です。

Q:外注のコールセンターの使い方のコツはありますか?

内部でできるけれども拡大するために外部を使うというケースと、テレマノウハウのプロを雇うためにコールセンターを使うという2パターンがあります。

有名なところでは「光通信」や「もしもしホットライン」「ベルシステム24」「トランスコスモス」「ニュートンコンサルティング」など、上場している巨大コールセンターもありますし、一方で中小規模の会社も多いです。

ベンチャーであれば、少ない案件でも受けてくれる小さ目のコールセンターは狙い目かも知れません。コールセンターの希望があればご紹介します。(創業手帳問い合わせフォーム

Q:この仕事の特徴、厳しい点、魅力があれば教えて下さい。

良くも悪くも結果が直に見えます。成長するかどうかは努力次第なので、そこが厳しい点でもあり魅力でもありますね。

Q:その他読者に伝えたいことはありますか。

電話での営業は、泥臭く時代遅れと見られることもありますが、セールステクノロジーも進歩してきており、人と接することで顧客やユーザーの声をダイレクトに知ることができるやりがいのある仕事です。

自分や事業の成長に直結する仕事ですので、頑張って事業を大きくしていきましょう!

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