創業期の労務を無料で相談できる!TECCに行ってみた
人を雇うなら、まずはTECC(東京圏雇用労働相談センター)に相談しよう
(2019/4/3更新)
「そろそろ人を雇おう!でもどこから手をつけていいのかわからない…」
そんな方はいらっしゃいませんか?
自身の専門分野には圧倒的なノウハウがあっても、「人を雇う」ことに関しては初心者、という方も多いはず。必要な届け出はあるのか?雇用に際し、社内にどんな仕組みを整えると良いのか?よく分からない…。それが正直なところではないでしょうか。
そんな皆さん、東京圏※の起業家なら「労務を無料で相談できる」場所があることをご存知ですか?その名もTECC(東京圏雇用労働相談センター)!今回はそのTECCについて、どんな場所なのか?具体的にどんな相談ができるのか?詳しく解説していきます。
※東京圏とは「東京都、神奈川県、千葉県千葉市と成田市」を指します。
この記事の目次
そもそもTECC(東京圏雇用労働相談センター)とは?
TECC(東京圏雇用労働相談センター)は、ベンチャー企業や海外からの進出企業等の労務管理をサポートするために、2015年1月に内閣府・国家戦略特別区域会議の下に設置された施設。
起業家では、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県千葉市と成田市)で起業直後(概ね5年以内)の方や起業を目指す方が利用でき、人を雇う際の疑問点や悩みについて、専門家の社労士・弁護士が無料でマンツーマンでアドバイスをしてくれます。
「はじめて人を雇う」起業家なら、労務でおさえるべきポイントはざっくり二つ。
②雇った後のトラブルを未然に防ぐための、社内体制の構築
とはいえ、事業を回すのに手いっぱいの起業初期に、これらを一人でやっていくのは大変な労力。そんな起業家をサポートすべく、無料で気軽に専門家のバックアップを受けられるよう作られた施設、それがTECCなのです!
TECC(東京圏雇用労働相談センター)に労務相談に行ってみた
概要は一旦ここまでとして、気になるのは「どのくらい活用できるのか?」ということ。
そこで創業アドバイザーのTが起業家に扮し、TECCに相談に行ってみることに!
TECCは東京都港区・アーク森ビル内の本部窓口のほか、丸の内の「Startup Hub Tokyo」内、渋谷区の「Plug and Play Shibuya」内に出張相談所があります。
今回向かったのはアーク森ビルの窓口。7階の相談ブースに行くと、社労士の先生がいらっしゃいました!
早速相談してみる
早速相談してみましょう!まずは最も「初歩的」な質問から。
先生:わかりました。人を雇うのはアルバイトとしてですか?それとも正社員としてですか?
…正社員ですね!それではまず・・・
逆に聞くのが申し訳なくなるような初歩的なことも、目的や状況を分解しながら丁寧に教えてくれました。
行うこと | 概要 |
---|---|
労働条件通知書の作成 | 雇用契約を結ぶ際に必要。労働者に書面で通知する義務のある事項を必ず記載する |
36協定の届出 | 時間外労働・休日労働を課す場合、その協定届を労働基準監督署に提出する |
法定3帳簿の設置 | 労働者名簿・賃金台帳・出勤簿を設置する |
各種保険への加入 | 労働保険や健康保険・厚生年金保険へ加入する |
年次有給休暇管理簿の作成 | 従業員の年次有給休暇付与日数と残日数をオンタイムで管理 |
一目見て気が遠くなりそうですが、これらの具体的なやり方・書き方についても、会社の状況に合わせ細かく教えてくれます。
なお作成した書類のフィードバックを後日受けることも可能だそうです!
そのほか、
-
- 就業規則は従業員10人未満なら義務ではないが、トラブル防止のために作っておいた方が良い
- 試用期間中に辞めさせるのは「解雇」になり、よほどのことがない限りは辞めさせられない
- 非正規雇用者を一定期間後に正規雇用にすると「キャリアアップ助成金」を申請できる
など、労使トラブルの防止や事業のプラスになる追加情報を得られたT。約1時間の相談で、頭も心もホカホカになって、帰路に就くのでした。
気になる情報を発見
帰り際、気になる情報を発見。
TECCでは何と、弁護士・社労士の先生が会社訪問してくれるサービスがあるとのこと!しかも無料!
窓口には各種制度やセミナー情報などがあるため、情報収集も兼ねて「向かう」のが一番だと思いますが、どうしても忙しい、または窓口まで遠いという場合は、「来てもらう」ことを検討してもよいと思います。
電話やメールでも相談可能!
「相談したいが、窓口に行くほどではない」「今すぐに聞きたいことがある!」
そういった方向けに、TECCでは電話やメールでの相談も受け付けています。
まずは手間なく相談してみたいという方、活用してみてはいかがでしょうか?
結論:初めて人を雇うなら、まずはTECCに相談しよう
本業に専念したい起業初期。「労務」まで一人で何とかしようとすると大きな時間ロスになりますし、ミスがでて後々のトラブルにも繋がりかねません。
一方、顧問弁護士や社労士をつけるのも、資金の少ない起業時には負担が大きすぎる、というケースも多いでしょう。
そんな中、無料で気軽に相談でき、その道のプロの先生に労務の「キホンのキ」から教えてもらえるTECCは、まさに至れり尽くせり。これから初めて人を雇う方なら、まずは活用したい施設といえるのではないでしょうか。
少しでも労務に不安のある方、自身の労務知識のヌケモレをチェックしたい方、まずはTECCのホームページをチェックしてみてください!
(編集:創業手帳編集部)