確定申告って必要?しないとどうなる?した方が得する場合って?
確定申告が必要な場合とそうでない場合の違いとは
(2016/11/22更新)
フリーランスの人やアルバイトの人、初めて確定申告に関わるひとは、「私って確定申告必要?」と心配になる方も多いかと思います。今回は、確定申告が必要な場合・必要でない場合と、もし必要な場合、しないとどんな罰則があるのか、した方が得する場合などを解説していきます。
この記事の目次
確定申告が必要な人=年末調整を受けていない人
確定申告が必要な人は、「年末調整」を受けていない人です。このような方は、源泉徴収票の「給与所得控除後」の欄が空欄の場合となっており、この場合は確定申告をする必要があります。
ただし例外があります。それは、アルバイト等で1年間の給与合計額が103万円以下となる場合です。
その他、以下の場合に確定申告が必要となります。
全般
- 配当所得や不動産所得などの副収入の合計額が20万円を超える場合
- 給与所得や退職所得を除く各種所得総額が20万円を超える場合
- 公的年金や個人年金の雑所得を一定額以上受給した場合 ※1
- 災害減免法によって税金の軽減免除を受ける場合
雇用条件系
- 雇用主から年末調整を受けていない場合
- 源泉徴収されていない、海外の企業から支払われた退職金などがある場合
- 年間の給与収入が2,000万円以上の場合
副業系
- ネットオークションやアフィリエイト収入がある人
- 原稿料や講演料を主収入以外で得ている人
- 外貨預金で為替差益がある人
- 株や不動産売却で譲渡所得がある人
- 2社以上の会社から給与を貰っている人
多いのは、雇用主から年末調整を受けていない場合や、副業をしている場合でしょう。今では副業で収入を得ている方も多いので、忘れずに確定申告するようにしましょう。
確定申告、しなくてもいいけど、したら得するケース
確定申告をしなくても問題ないが、したらお金が還付されるケースもありますので、いくつかご紹介しておきます。
- 副収入があり源泉徴収で税金が引かれている場合
- 医療費が高額となった場合(本人・家族)
- 会社で年末調整がされなかった場合
- 自宅購入時のローンを返済していない場合
- 株で損をした場合
確定申告、しないとどうなる?
いままでで、確定申告をしなければならない人が分かったと思います。続いて、そういった方が、確定申告をしなかった場合にどうなるかについてお伝えします。
確定申告書の提出期限を過ぎて気づいたら「期限後申告」に
その年の確定申告期限以降に提出漏れに気づき、税務署に提出すると、「期限後申告」という扱いになります。この「期限後申告」には罰則が課せられます。国税庁の「確定申告を忘れた時」を参考に見ていきましょう。
- 期限後申告をすると、納める税金にプラスして、「無申告加算税」が課される
- 無申告加算税は、納付する税額に対し、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%を掛けて計算した金額
- 自主的に期限後申告をすれば無申告加算税が軽減される
ということなので、気づいたらすぐに自己申告するのがベターです。
【補足】自己申告しても、延滞税はかかる!
1ヶ月以内に気づいて申告をすると、よっぽどでない限り(常習的、故意に遅らせるなど)罰則はありませんが、延滞税はかかります。
罰則に関することは下記から詳細を御覧ください。
>>2017年版|確定申告の期間はいつからいつまで?提出期限を過ぎたら?
確定申告、した方が得する場合って?
青色申告特別控除の対象の場合
経営を行う人であれば、青色申告について知っている方も多いのではないでしょうか。確定申告時に青色申告の対象であるならば、申告しない手は無いです!なぜなら、複式簿記の帳簿をつけることで最大65万円の特別控除があるからです。
青色申告は「きちんとした帳簿管理をして、確定申告も期限内にちゃんとやったら、控除してあげる!」というような制度なので、日頃からのお金周りの管理や確定申告書の期限内提出が必須となります。
事業が赤字の場合
青色申告には、事業が赤字の場合、「純損失の繰越し控除」という、これまた嬉しい制度があります。下記、国税庁からの引用です。
事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除します。
また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます。
(国税庁「青色申告制度」)より引用
というように、赤字を繰り返しても、その分の申告(損失申告)をすると青色申告制度の適用を受けられます。
まとめ|確定申告を理解して、申告忘れの損をなくそう
いかがでしょうか。確定申告が必要な意外なケースや、知らなかった制度がいくつかあったのではないでしょうか。申告した方が得する様な意外なケースも多くあるので、まず制度を理解することから始めましょう。
(執筆:創業手帳編集部)
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