【会社登記/法人登記】申請の3つの手段とその後のステップまとめ

創業手帳

会社登記の3つの手段を知って、スムーズな申請を!

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(2016/09/23更新)

会社設立登記とは、いわば人間でいうところの出生届。この手続きが完了したら、あなたの会社が世の中に晴れて誕生することになります。
それでは早速、会社設立登記申請の流れを説明しましょう。

1 会社設立登記申請

1−1 会社設立登記申請の3原則

会社設立登記の申請において、大切な点は以下の3つ。

①申請者=会社の代表者
②申請日=会社設立日
③申請先=管轄地域の法務局

それでは、各項目を細かく追っていきます。

①申請者=会社の代表者

登記の申請は原則として、会社の代表取締役が行います。合同会社の場合は代表社員が。いずれにしても、会社を代表する立場の人が行います。

②申請日=会社設立日

法務局が申請を受け付けた日が、会社の設立日となるため、設立したい日に法務局へ申請を行って下さい。受付時間は、祝祭日、年末年始休暇を除く平日の午前8時30分〜午後5時15分。

※申請日の注意点

  • 登記申請は、設立時取締役の調査が完了した日か、発起人が定めた日(通常は払込証明書の作成日)から2週間以内にしてください。
  • 申請は月初の1日は避けて、2日以降で。なぜなら、1日を避けることで税金の支払額が変わるからです。

法人住民税の中にある「均等割」が、それです。1日に登記を行うと、その設立月分から支払い義務が生じますが、2日以降の登記なら、設立月は一月とカウントされないため、設立月分の支払いはなくなります。つまり一月分の支払額が浮くわけです(資本金1000万円以下のケースでは約6000円)。

③申請先=管轄地域の法務局

申請先は、必ず会社の本店所在地を管轄する法務局(登記所)で手続きを行ってください。法務省のサイトに管轄一覧があります。

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1−2 会社設立登記申請の3手段

管轄地域の法務局への申請手段は以下の3通りです。

①法務局へ直接申請
②郵送申請
③オンライン申請

早速、各提出手段の具体的な説明に移ります。

①法務局へ直接申請

管轄地域の法務局に着いたら登記申請に必要な書類、データ一式を「商業登記(法人登記、会社登記)」の窓口に提出してください。箱に入れるか、手渡しとなります。できれば提出前に職員に書類の不備がないかを確認してもらうと安心です。窓口に登記申請の完了予定日(補正日と表記の場合あり)が書いてあります。書類に不備の箇所がなければ通常、申請から約7日〜10日で登記は完了します。なお、登記が完了しても、法務局からその旨を知らせる連絡はありませんので、ご注意ください。

※申請時における注意点
会社設立登記申請書の余白に、鉛筆で申請人の連絡先電話番号を記載。書類の不備があった場合に法務局から連絡をもらうためです。

※書類に不備があった場合
提出した書類に不備があった場合は後日、書類を精査した登記官から電話で連絡が入ります。連絡を受けたら、指定された期限内に申請書に押印した代表印を持って窓口へ。指摘された箇所を補正(訂正)します。補正箇所を全て直したら登記完了。なお、郵送での補正も可能です。詳細は次の『②郵送で申請』で説明しますので、そちらをご一読ください。
なお、不備が多かった場合は、一旦申請を取下げることが可能です。「取下書」(Word一太郎PDF)を提出すると、申請した書類一式を返却してもらえます。その際、申請時に納めた登録免許税15万円分の領収証書や収入印紙は「再使用証明申出書」(Word一太郎PDF)を提出すれば、再び使用できます。

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②郵送で申請

管轄する法務局宛に「登記申請書在中」と書いて封筒に書類一式を入れ、郵送。普通郵便でも送れますが、できれば書留など配達状況の確認ができる方法で送る方が安心です。なお、郵送の場合は、書類の法務局到着日=会社設立日となります。希望する設立日がある場合は、配達日指定の郵送を選択してください。登記完了に要する時間は、法務局へ直接申請する時と同じく7日〜10日間。完了の連絡もありません。

※申請時における注意点
登記申請書の余白に、鉛筆で申請人の連絡先電話番号を記載。書類の不備があった場合に法務局から連絡をもらうためです。

※不備があった場合
法務局を訪問できない場合は、郵送での補正も可能です。その場合、補正書をダウンロード(Word一太郎PDF)して必要事項を記載し、郵送します。補正書には連絡を受けた際に伝えられた受付年月日と受付番号を書く欄があります。また申請書に押印した印鑑の押印欄もありますので、忘れずに。なお、補正方法は主に以下の2通りです。

  • 該当書類自体を差し替える
  • 誤りのあった部分の正誤を明らかにする

なお、郵送でも申請書の取下げは可能です。『①法務局へ直接申請』の時と同じく「取下書」(Word一太郎PDF)をダウンロードし、必要事項を記入。登録免許税も「再使用証明申出書」(Word一太郎PDF)を提出することで、領収証書や収入印紙の再使用の申し出を行えます。なお、取下げに伴う申請書、添付書面の還付は、切手を貼り付けた返信用封筒を同封した場合に限ります。

③オンラインで申請

オンラインを利用すると、インターネット上でその後のやりとりが迅速にできます。しかし、その一方で専用ソフトをダウンロードするなどして申請者自らがパソコンの環境を整えなければならないほか、電子証明書の取得も必要になるなど事前準備が必要となります(電子定款を行った方は、この手順は省けます)。また、オンラインで全ての書類が送付できるわけではないため、別途、法務局への提出や郵送作業が発生し、行程は煩雑になります。なお、オンラインシステムの利用時間は、祝祭日、年末年始休暇を除く平日の午前8時30分〜午後 9時00分。ただし、窓口業務の終了時刻、午後5時15分以降の申請は翌業務日扱いになります。

それでは作業の手順を簡単に紹介します。オンラインでの手続きの流れは「電子定款の認証手続き」と同じように進みます。                

〜作業手順〜

  
1.「登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと」にアクセスし、申請者情報を登録

2. 申請用総合ソフトをダウンロード

3.ダウンロードしたソフト(setup.exe)をダブルクリックしてインストール

4.インストールが完了したらソフト起動

5.申請用総合ソフトを用いて登記事項提出書を作成し、データを送信

6.申請後、7日間から10日間で登記完了

詳細の手順については以下から「操作手引書」をダウンロードし参照してください。

※オンライン申請の場合に別途発生する手続き

①電子証明書の取得
オンライン申請をする場合、申請人による電子署名が必要になります。電子署名をするには、電子証明書をあらかじめ取得していなければなりません。これは当事者で間違いないことを示す、書面における実印と同じ意味合いを持ちます。電子証明書の取得に関しては、法務省の「電子証明書取得のご案内
を参照してください。動画での説明もあります。

②印鑑届書の提出
会社設立登記申請では印鑑の提出が必須。そのため印鑑届書を補正期限までに、管轄の窓口に必ず提出、または送付しなければなりません。その際、印鑑届書には必ず、申請番号か受付番号を余白に明記し、どのオンライン申請に対応しているのか確認できるように整えてください。

※書類の不備があった場合
「申請用総合ソフト」に連絡が入ります。補正方法は、このソフト上で行えます。詳細の手順は「操作手引書」を参照のこと。

Files. Pile of paperwork

2 登記完了後速やかに済ませたい法務局関連の書類申請

無事に登記が完了し、これであなたの会社が立ち上がりました。とはいえ、会社を本格的に稼働させるために必要な手続きは、まだ控えています。会社の銀行口座開設や、税務署への届け出などです。それらの手続きで必要となるのが登記事項証明書(登記簿謄本)。また、場合によっては印鑑証明書も必要となります。登記が完了したら、速やかにこの二つの証明書を取得しておきましょう。特に登記事項証明書は3部ほど請求しておくとベターです。これが済めば、法務局関連の手続きは終わりになります。

2−1 登記事項証明書(登記簿謄本)の取得

登記事項証明書は、銀行口座の開設や税務署への各種届け出の際に必要となります。
取得方法は以下の3通り。なお、請求する法務局はどちらでも問題ありません。

①法務局で直接取得
②郵送で取得
③オンラインで取得

①法務局で直接取得

最寄りの法務局へ向かい、法務局に用意されている申請用紙に必要事項を記載して請求。

②郵送で取得

法務省の「登記事項証明書、印鑑証明書の交付等の申請」内の「登記事項証明書・登記簿抄本・概要記録事項証明書交付申請書」から申請書をダウンロードして必要事項を記載。
「登記事項証明書交付申請書在中」と書いた封筒に以下の3点を同封して郵送。

  • 申請書
  • 書類での請求時に必要な手数料600円分の収入印紙
  • 郵便切手を貼付した返信用封筒
③オンラインで取得

①「申請用総合ソフト」か②「かんたん証明書請求」を利用して行います。「かんたん証明書請求」は、ソフトをダウンロードする必要がないため、手軽です。
かんたん証明書請求による請求方法」を参照し、ガイドにならって操作してください。
なお、オンラインでの請求だと、書面でなら600円の手数料がかかるところ、窓口受領にした場合で480円、送付対応にした場合500円となります。なお、手数料はインターネットバンキングによる電子納付も可能です。

2−2 印鑑証明書の取得

印鑑証明書は、銀行口座の開設や、不動産の売買、担保の設定時などに求められることがあります。取得するためには、以下の2ステップが必要です。

①印鑑カードの取得

印鑑証明書の取得の際に必ず必要となるのが、印鑑カード。管轄している法務局での申請となります。印鑑カードの発行手数料は無料です。

1)直接取得
法務局で「印鑑カード交付申請書」を記入し窓口へ。

2)郵送で取得
法務省の「印鑑証明書の交付等の申請」から「印鑑カード交付申請書」をダウンロードして必要事項を記入。切手を貼った返信用封筒とともに「印鑑カード交付申請書在中」と書いた封筒に入れ、郵送。なお、切手代は、簡易書留など配達を追跡できるタイプの郵送料金にしてください。

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②印鑑証明書の取得

印鑑証明書は最寄りの法務局で申請可能です。

1)直接取得
法務局で「印鑑証明書交付申請書」に必要事項を記入。450円分の収入印紙を貼り、その申請書と印鑑カードと共に提出する。

2)郵送取得
法務省の「印鑑証明書の交付等の申請」から「印鑑証明書交付申請書」をダウンロードし必要事項を記入。以下の4点を「印鑑証明書交付申請書在中」と書いた封筒に入れて郵送する。印鑑カードが入るので、簡易書留などで送った方がいいでしょう。

  • 申請書
  • 印鑑カード
  • 書類での請求時に必要な手数料450円分の収入印紙
  • 郵便切手(簡易書留相当分)を貼付した返信用封筒

3)オンライン取得
こちらは印鑑証明書の取得時とは違い「申請用総合ソフト」からのみのアクセスとなります。
手数料は、郵送を選択した場合410円、窓口受領を選択した場合390円と、書面での請求よりも若干割安になります。しかし、オンラインでの取得には別途、電子証明書も必要です。この段階で初めてオンライン申請を利用される場合は、直接取得か、郵送取得をお薦めします。

【起業準備】会社設立前に”絶対に”やっておくべき10のアクションとは
司法書士の北村先生に聞く「会社設立前にやっておきたい!」起業準備

(編集:創業手帳編集部)

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