【起業準備】会社設立前に”絶対に”やっておくべき10のアクションとは

創業手帳

司法書士の北村先生に聞く「会社設立前にやっておきたい!」起業準備

【保存版】株式会社設立の「全手順」と流れをどこよりも詳しく解説!

起業後、事業が軌道に乗るまでの期間は「起業の事前準備期間にどう行動したかによって大きく変わってくる」と言っても過言ではありません。

今回は、司法書士の北村祐人先生に、起業準備の実践的なノウハウを伺いました。

先生ご自身の起業経験と、司法書士として会社設立等の業務を行う中で、これまで700人以上の起業家の方とお話された経験から、「起業準備の10か条」をまとめていただきました。

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1.事業資金を「コツコツ」貯めておく

業種によって金額の大小はありますが起業の際、どんな事業であっても必要になるものが「お金」です。

お金=起業用資金を貯めておくということは起業の最低条件であると考えていますが、毎月一定額を通帳に記帳するという作業が大切になります。

というのも、起業時に公的融資(創業融資)の利用を考えた際に、この作業を行っていないと、貯蓄してきたお金を金融機関に自己資金として認めてもらえない可能性があるからです。

※ここで言う「自己資金」とは返す必要のないお金のことで、金融機関からすると「自己資金」の金額や出どころは、創業融資の審査の際の重要なチェックポイントになります。

毎月一定額の積立金が通帳記帳されていれば、起業用資金としてコツコツお金を貯めてきたことをアピールでき、金融機関の心証が良くなりますので、毎月一定額の記帳を心がけることが重要です。

また創業融資の審査では、公共料金や家賃の支払いが滞りなくされているか?
に関して、預金通帳(引き落としの場合)を通してチェックされますので、審査に備え、きっちりと支払いがなされていることを明確に証明できる様な状態にしておくことも大切です。

2.マーケティングセミナー・営業セミナーを受講する

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起業準備中の方とお話をしていると時折、こんな質問を受けることがあります。

「起業後しばらくは、経理処理を自分で行いたいのですが簿記の勉強をしておいた方が良いですか?」

私は、「簿記の勉強に充てる時間をマーケティングや営業のスキルアップに使うのはいかがでしょうか」とご提案する様にしています。

起業間もない頃、起業家の一番の悩みと言えば、「売り上げが上がらないという事実」に尽きるからです。

その一方で起業後すぐに売り上げを安定させ、事業を軌道に乗せる起業家がいるのもまた事実です。

前職の繋がりで、起業時からお客様がついているという方もいますが、売り上げを多く上げている方は例外なく、「マーケティング・営業に強い方」という印象です。

売上が上がらないと精神的にきつくなりますし、経理どころではありません。

この様な状態にならないためにも、独立前・安定収入のある内から、マーケティング・営業の知識やスキルの引出しをたくさん蓄えて置く必要があると思います。

私自身も元々、営業経験なし・マーケティングの知識0ゼロだったのですが、独立する約2年前から、マーケティングや営業の勉強を開始しました。

具体的にはマーケティング(営業ノウハウ)関連のセミナー受講・スクールへの通学・本を読むことがメインでした。

最近ではオンラインの無料動画でもこうしたノウハウを学ぶことができる様になっていますね。

3.広告・キャッチコピーのストック

上記の様に、起業間もない頃、最も大事なことは「売り上げを上げる」ことであると考えますが、売り上げを上げるためには自社の商品やサービスについて多くの人に知ってもらう必要があります。

その手段の一つとして「広告」があります。

他業種の広告でもかまいません。

日常生活を送る中で、自分自身が購買意欲をかきたてられた広告を、ファイルにストック(チラシ、WEBサイトをプリントアウトしたもの、新聞広告等々をどんどんストック)していきます。

創業後、自社のサービスについて広告出稿する際に、このファイルが大変参考になります。

またこれと同様に、自分が気になった(気にいった)商品・サービスの「キャッチコピー」のリストをストックしておくと、自社商品をPRする際の参考になります。

※もちろん、他社の広告やキャッチコピーをそのままコピーするのは問題になりますのでやめましょう。念のため。

4.ライバルチェック【競合調査】を行う

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「広告・キャッチコピーのストック」と併せて、起業前に行っておきたい作業がライバルチェック【競合調査】です。

あなたがこれから始めようとするビジネスには既にライバルが存在しているはずです。

ライバルの「商品価格」、「USP(独自の強み)」、「サービスの質」、自分のビジネスが勝っている部分はどこか等をチェックしていきます。

具体的に何をするのか。

まず始めに行う作業はライバル企業20社のWEBサイトをプリントアウトして、ファイルにストックすることです。

その後、ライバル企業の商品を買ってみる、サービスを利用してみる、メルマガに登録してみる等、消費者として同社との接点を持ちます。(※もちろんライバル企業の迷惑とならない様、常識の範囲内で行ってください。)

その際に気が付いたこと等を先にストックしておいた
印刷物にどんどん書き込んでいきます。

これでライバルチェック【競合調査】ファイルが完成します。

この作業をとことんやることで他社にはない自社の強みや独自の売りというものが徐々に明確になっていくはずです。

この「ライバルチェック【競合調査】ファイル」や広告・キャッチコピーのストックファイルは創業後も随時、更新していきましょう。

5.Twitterとキュレーションサイトを使って業界の最新情報を把握する

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起業する業界の最新情報を把握しておくことは言うまでもなく大切なことです。

ではより効率的にこれを行うため、具体的に何をすれば良いのか。

私自身も実践していて、気軽に始められる方法がTwitterとキュレーションサイトを利用する方法です。

※キュレーションサイトとは簡単に言うとニュースのまとめサイトです。

キュレーションサイトを日々チェックして、業界の最新情報や自社ビジネスのお客様に役に立つ情報を、起業用に準備したTwitterアカウントでつぶやきます。

私の場合は通勤電車の中など、空き時間でこの作業を行うことが多いです。

この作業を行うことで、日々、業界の最新情報をチェックできますし、つぶやいた記事はTwitterにストックされていきますので、いつでもどこでも読み返すことができます。

6.事業計画書作成のきっかけを作る

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起業前に事業計画書を作成する方は多くありません。

重要性は分かっていても何となく面倒そうですし、きっかけがないと中々着手できないという方が大半です。

私の場合、「創業補助金」に応募をして、事業計画書を書かざるを得ない状況にしました。
創業補助金に応募するためには、事業計画書の添付が必須だったのです。
※「創業補助金」とは起業家のための補助金で、私が開業する約1年前に中小企業庁から募集が行われていました。

結果として補助金には落選しましたが、事業計画書を練りこんで行く過程で、同業者との差別化について徹底的に考えましたし、開業後5年間の資金計画表は現在でも私の事業の羅針盤とも言える存在になっており、想像以上に「事業計画書の作成」を通じて得たものは大きかったのです。

補助金の申請や創業融資の申し込みの際には事業計画書の作成は必須になるかと思いますので、私の様に「きっかけ」を自分で作ってしまうというのも一つの方法だと思います。

7.事業用WEBサイトを準備しておく

私はこれまで700人以上の起業家の方とお話させていただきましたが、起業と同時に自社HPがある会社というのはほとんどありません。

起業後、数か月~半年程度かけて自社HPを準備する方が多いのです。

起業直後に「人脈作りのために異業種交流会やセミナーに参加する」、「Facebookで起業の報告をする」「知人に開業の挨拶状を送る」、等の営業活動を行う際に、自社HPや広告用のランディングページ(以下、「LP」と言います。)が完成しているとより効果的に営業活動を行うことができます。

経験上、名刺交換を行って話が弾んだ人ほど、自社HPを訪問・興味を抱いてくれる可能性が高いのですが、その際にHPがないと、せっかくのビジネスチャンスを逃しかねません。

逆に言えば、HPの準備ができていないと「信用性」という観点からマイナスのイメージを抱かれてしまう場合もあります。
皆さんもHPがないという理由で、商品の購入や、サービスの利用を躊躇してしまったという経験はないでしょうか。

そのくらい、ビジネスを行う上でHPは重要な存在になっています。

さらに、起業後にインターネットを使った集客活動を予定している場合、起業前から自社HPや広告用のLPを用意しておけば、起業と同時にリスティング広告の出稿等が可能になりますので、起業当初から自社商品やサービスについて、多くの人にアピールすることができます。

自社HPや広告用のLPの制作は思っている以上に時間がかかるものです。

まずは6割・7割の状態でかまわないので、自社HPやLPを準備して、起業後、必要に応じて、修正を加えていくという姿勢が重要です。

私の場合、「創業補助金」への応募をきっかけとした事業計画書の作成を通じて、「自社サービスの強み」が明確になり、その強みや事業に対する思いを開業の約半年前から自社HPの原稿として少しずつ書き溜めていき、独立開業と同時に自社HPを公開しました。

また、起業前、サラリーマン時代からブログを使った集客活動を実践し(副業として勤務先の許可を得て、自分の本名等は出さず)、多くの見込み客を獲得してから独立開業を果たしたという方を知っています。

8.商工会議所の「創業塾」に参加してみる

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各地の商工会議所では今後、起業する予定がある方を対象に「創業塾」というセミナーを開催しています。

私も創業前、東京商工会議所主催の創業塾に参加しました。

東京商工会議所主催の創業塾は、土日2日間(いずれも10時~17時)のセミナーでサラリーマンでも参加しやすい様に配慮されています。

創業塾ですが、「すでに創業されている方は参加できない」という点にも大きな特徴があります。

セミナーの内容が有意義だったのはもちろん、セミナー後の懇親会で、飲食業、不動産業、IT関連、アパレル関係の方等、多様な業種の仲間と知り合うことができ、現在でも交流を続けています。

創業塾の詳細については各商工会議所にお問い合わせいただければと思います。

9.起業で成功した人の話を聞きにいく

起業準備を進めるにあたって、また実際に起業してから、たくさん悩みが出てくるはずです。

その際に、相談相手がいると大きな支えになります。

相談相手は家族や恋人、友人ではなく、自分より先に起業をしていて、実績を出している人(売り上げを上げている人)です。

同じ職場から独立した人や同業者仲間、セミナーで知りあった人等から相談できる人がいないか探してみます。

私の場合は幸いなことに勤務先の上司が私の独立に理解を示してくれたので、よく相談していましたし、同業者仲間に電話等で相談することもありました。

相談の際には、「相談相手の貴重な時間をいただいている」ことを意識して、行動することが大事です。

また、Skypeや電話、メールでの相談をお願いすると相手の負担も減ります。

相談相手が中々見つからない場合は有料でコンサルティングを受けるという方法もあります。

10.会社を辞めるタイミング・辞め方について考えておく

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ここまで、「【永久保存版】今日からできる!起業準備10か条!」ということで、前回からお付き合いいただきましたが、これこそが一番大切なことかもしれません。

というのもお恥ずかしながら私自身が過去に勤務先で「起業したい・独立したい」という思いばかりを自己主張してしまい、退職前に勤務先へ迷惑をかけてしまった経験があるからです。

今となっては本当に後悔していますが・・。

起業という大きな目標に向かって努力していると、周りが見えなくなって周囲から孤立してしまうという危険性があります。

ですが、やはり、勤務先や勤務先のお客様への感謝の気持ちや配慮を欠いてしまうと、円満に退職、独立開業することが難しくなってしまいます。

どのタイミングで退職するのか?退職後は勤務先・同僚とどの様な関係を築いて行くことができるのか?こういったことを常に意識しながら、起業の準備をしていくことが大切だと実感しています。

以下、2回にわたりご紹介した「今日からできる!起業準備のノウハウ10か条」のまとめです。

今日からできる!起業準備のノウハウ まとめ
  • 事業資金を「コツコツ」貯めておく
  • マーケティングセミナー・営業セミナーを受講する
  • 広告・キャッチコピーのストック
  • ライバルチェック【競合調査】を行う
  • Twitterとキュレーションサイトを使って業界の最新情報を把握する
  • 事業計画書作成のきっかけを作る
  • 事業用WEBサイトを準備しておく
  • 商工会議所の「創業塾」に参加してみる
  • 起業で成功した人の話を聞きにいく
  • 会社を辞めるタイミング・辞め方について考えておく

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(監修:北村司法書士事務所 代表司法書士・北村祐人
編集:創業手帳編集部)

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