創業アドバイザー直伝 相性の良い税理士を見つけるポイント

創業手帳

創業手帳アドバイザーの創業講座【顧問税理士編2】

(2019/02/25更新)

こんにちは。創業手帳の創業アドバイザーの石井です。顧問税理士編1では、税理士を選ぶ上での基本的なポイントについて取り上げました。

今回は「相性の良い税理士を見つけるポイント」と題して、これまで私自身が数多くの起業家の相談に乗ってきた経験から得た、より踏みこんだ情報をお伝えします。

石井啓太(いしい けいた)
創業手帳 創業アドバイザー 
大学を中退し花屋を起業。生産、販売、商品設計など2年間経営する。その後大手花屋のブライダル部門にて修行を経て、「事業の成功には情報が必要」という考えに至り、創業手帳株式会社に入社。起業家が目指す目標へ間違いなくたどり着くためのガイド役をモットーに、累計800人以上の起業家に「実践的な情報」に絞った提案と創業支援を行っている。

選ぶ基準はサービス・費用・人間性の3本柱にあり

税理士を選ぶ基準には「サービス面」、「費用」、「人間性」という3つの柱があります。順番に見ていきましょう。

サービス面

創業対応をする税理士のサービスは、「税務や会計」「資金調達」「経営アドバイス」という3つのカテゴリーに分けられます。

税務や会計

まず税務や会計についてです。一般的に「記帳管理」と「会計管理」はひとつの項目としてまとめられがち(実際、税理士事務所でもひとまとめに説明しているケースもあります)ですが、実はこの2つは全く性質が違います

記帳管理とは、月々の資金の推移を正確に記録することです。これは技術的なものなので簿記を勉強したり会計ソフトを導入することでカバーが可能ですし、税理士にお願いする場合にも、大きな差は出ない分野と言えます。

一方で、会計管理というのはどのように資金を動かしていけば将来の目標達成ができるか、という「経営的な考え方」を体系化したものと言えます。
消費税や法人税などの発生や資金調達のタイミング、売上目標値の設定といった計画管理は、事業展開の成否に直結します
例えば料金が安く済むからという理由だけで「記帳管理のみ税理士に依頼しよう」といった判断をしてしまうのはちょっと危険ですね。

この視点があると、税理士選びが大きく変わってくると思います。

資金調達

創業期には実績がないため、資金調達に独自の難しさがあります。そのため税理士を通して銀行交渉など行ってもらうことが重要です。
資金調達には、主に融資補助金と2種類があります。簡単に分けると、銀行からお金を借りるのが融資、公的機関からお金を支給してもらうのが補助金です。

それぞれメリット・デメリットはありますが、補助金は返済義務がないだけあって、申請の難易度が非常に高い上に、有用なものが多いとは決して言えません。また補助金は国の税金から拠出されるものなので、受けるにあたっては「その事業に国が補助すべき理由」が明確であることが条件になります。融資の申請手続きの際に、そういった説明がしっかり盛り込まれているかという点がチェックされるのです。

創業時、補助金に大きく期待する起業家の方は少なくないですが、補助金よりも融資をベースに資金計画を考えることを強くおすすめいたします。融資の際に銀行交渉で力になってくれるのが税理士です。金融機関に対して信用・交渉力のある税理士を選ぶと、大きな力になってくれるでしょう

経営アドバイス

経営アドバイスについては、事業ごとに“微妙な現場のノウハウ”というものがあります。
例えば飲食店なら「オフィス街では、ランチの価格を抑えてサラダの野菜を新鮮にすれば、夜の価格設定が高めでも客の入りが良くなりやすい」といった話です。

このような感覚は、その業界の案件を繰り返しこなすことで身についてくるものです。自分が行いたい事業領域での経験が豊富で、知見をしっかり持った税理士かどうか、という点も選択の基準になるでしょう。

費用面と人間性

費用面

税理士の費用は、創業期においては月額1~2万円、2万5千~3万5千円、4万円~という価格帯が一般的です。

1~2万円の場合は、記帳代行のみ請け負ったり、「何かわからないことだったら聞いてください」というスタンスで、サポートの範囲があっさりしているところが多いです。

2万5千円~3万5千円の価格帯ですと、先程話した3つの要素「税務や会計、資金調達、経営アドバイス」をカバーしてくれるところが多くなります。今後一定以上の規模で事業をやっていきたい、将来的に税理士と長く良い関係を築きたいという場合は、この価格帯を選ぶ目安にすると良いでしょう。

4万円以上の税理士は、一気に上場を狙う企業向けとか、フォローがとても手厚いといった強みを持っています。もちろん、一概には言えませんが、大まかな価格帯によってこういう傾向があるというのが肌感覚ですね。

人間性

最後に重要なのは、言わずもがなですが税理士の人間的な部分です。

これも私の感覚ですが、税理士には「守りのタイプ」と「攻めのタイプ」の人がいて、割合としては守りのタイプのほうが多いです。守りの人は、経営に対して慎重な姿勢を持つのに対し、攻めのタイプの人は、「このタイミングでこうしたほうがいい」とか、判断に迷った時に「こうしておきましょう」といった積極的なアドバイスを出してくれる人です。
起業家としてガツガツ攻めるタイプの人は守りの税理士を、逆の場合は攻めの税理士を選ぶほうがバランスが取れると思います

あとは、しっかり並走してくれる税理士かどうかというのもポイントです。起業家として税理士に会う時に緊張してしまう方って、けっこういらっしゃいます。相手が専門家だからといって、萎縮してしまうのではなく、分からないことや聞くべきところはちゃんと聞いて、対等な関係を築けるかどうか。ざっくばらんに雑談できるような税理士と組むのが良いですね

まとめ

起業は何をやりたいのか、何をしたいのかによって「今取るべき手段」が変わってきます。税理士を選ぶにあたっては、どんなスケジュールで事業を勧めていくのか、銀行はどんなところと付き合うべきなのか、どんな融資が必要なのかといった実務的な判断をする力と、相手の得意分野や人間性など相性的な部分をしっかり鑑みた上で、“そもそも自分の事業に税理士は必要なのか”ということまで含めて、総合的に判断する必要があります。

ただ、起業したてで正確にこの判断ができる創業者の方は多くないと思いますし、ネットなどに掲載されている教科書的な情報だけで選ぼうとするのは困難です。

いきなり税理士や事務所の門を叩く前に、まずは、税理士と関わってきた経験が豊富な起業支援の専門家などに相談するというのも有効です。創業手帳の無料創業支援でも、税理士の相談や紹介を行っていますので、選択肢の一つとして使っていただければ幸いです。

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(監修:創業手帳株式会社 石井 啓太)
(編集:創業手帳編集部)

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