2025年より新設!中小企業新事業進出補助金の最新情報を徹底解説!

創業手帳

新事業を検討している中小企業は中小企業新事業進出補助金を活用しよう


2025年より、中小企業新事業進出補助金という補助金が新設されます。中小企業が、新しい領域の事業へ進出する際の投資を後押しするための補助金制度です。

事業再構築補助金の後継制度となる補助金といわれており、最新の資料では1,500億円の予算が盛り込まれています。事業の拡大を検討している事業主の方は、中小企業新事業進出補助金の活用を検討するとよいでしょう。

今回は、中小企業新事業進出補助金の基本的な情報や、事業再構築補助金との違いなどを解説します。

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第2回中小企業新事業進出補助金の変更点

2025年9月12日に第2回中小企業新事業進出補助金の公募要項が発表されました。

第1回と比較すると、大きく変わっていませんが、公募期間や要件の具体化、審査基準の追加、添付書類の見直しなど、実務に直結する修正が多いため、申請を検討している方は必ず確認しておきましょう。
詳細については以下の表にまとめています。

区分 第1回 第2回 主な変更点
公募期間・採択発表 4/22開始~7/15締切
10月発表予定
9/12開始~12/19締切
翌年3月発表予定
スケジュール更新
問い合わせ対応 特になし 締切日予約は時間超過に注意と明記 新注意事項を追加
補助対象者規定 冒頭に「みなし同一事業者」対象外の注意書き 項目内に移動・明記、「同一の公募において」を追加 表現整理と条件明確化
応募制限 記載なし 1公募につき1申請のみ、複数事業は1計画書で可 制限を明確化
新事業進出要件 新規性要件・市場要件の規定のみ 「該当しない例」を追加 要件を具体化
付加価値額要件 終了月の属する決算年度 終了時点を含む決算年度 基準の表現を明確化
賃上げ要件 目標表明=応募申請時まで 目標表明=交付申請時まで 表明期限を後ろ倒し
賃上げ特例要件 注意書きあり 基準値+数値(+3.5%/+20円)を明確化
旧注意書き削除
条件を具体化
最賃水準要件 記載なし 主たる事業場所を選択と明記 補足追加
ワークライフバランス要件 公表要件のみ 「有効な計画」と明記
2週間余裕の注意
条件を具体化
事業計画記載方法 項目順序・一般説明中心 順序入替
具体記載指示
SWOT統合
「参入可能性」削除
記載方法を詳細化
新たな事業計画項目 なし 経費妥当性
米国関税影響(任意)
新規項目追加
承継に関する義務 承継時の一般説明 証憑名義・法人化扱いを明確化
事業承継先も対象外に
義務を具体化
書面審査 実現可能性など 経費妥当性を審査項目に追加 新審査基準
減点項目 特になし 「評価が低くなる例」該当を減点対象に 新たな減点基準
口頭審査 記載なし 申請者以外が対応・同席した場合は不採択の可能性 審査を厳格化
添付書類 固定資産台帳必須
決算書に個別注記表含む
賃上げ表明書=賃上げ要件のみ
固定資産台帳削除
個別注記表削除
賃上げ特例要件も対象
書類の簡素化と範囲拡大

今後、第1回の採択結果が発表になると、採択率なども明らかになりますので、情報が解禁され次第、こちらの記事に掲載予定です。

中小企業新事業進出補助金とは


中小企業新事業進出補助金とは、既存事業と異なる事業への挑戦を後押しするための制度です。新市場・⾼付加価値事業への進出を後押して中⼩企業の⽣産性・収益の向上を図りつつ、従業員の賃上げにつなげていくことを⽬的としています。

補助対象者

補助対象者は「企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等」です。企業だけでなく、個人事業主も補助対象となります。

企業だけでなく、個人事業主も補助対象となりますが、「賃上げ要件」にて、従業員がいない場合は補助対象外とされています。そのため、個人事業主であっても従業員0人の企業の場合は申請できません。いわゆる“ひとり社長”のようなケースも対象外となるため、注意が必要です。

補助を受けるための基本要件

中小企業新事業進出補助金の趣旨は、中小企業等の新事業の拡大を後押しすることです。採択されるためには、企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行い、以下の基本要件を全て満たす3~5年の事業計画に取り組む必要があります。

中小企業新事業進出補助金 基本要件
  • 新事業進出要件
  • 付加価値額要件
  • 賃上げ要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり。賃上げ特例あり】
  • 事業場内最賃水準要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】
  • ワークライフバランス要件
  • 金融機関要件

賃上げ特例があることから、事業の成長だけでなく、従業員の賃上げも求められていることがわかります。

昨今は物価の上昇や社会保険料負担の増大により、実質賃金のマイナスが続いている状況です。消費が停滞すると経済が悪化してしまうため、政府としては企業に対して「積極的に賃上げをしてほしい」という思惑があります。

中小企業新事業進出補助金に限った話ではありませんが、今後は補助金が採択されるためには賃上げが避けて通れない、という点を抑えておくとよいでしょう。

以下では、各要件について詳しく見ていきます。

新事業進出要件

「新事業進出の要件」は、新事業進出指針に示す「新事業進出」の定義に該当する事業であることです。主に以下の3つから構成されています。

1.製品等の新規性要件:事業者が新たに製造等する製品等が、当該事業者自身にとって新規性を有している必要があります。過去に製造等した製品の再製造や既存製品の単なる製造量増大、製造方法の変更、性能に有意な差のない製品の製造は該当しません。世の中にとっての新規性は求められません。
2.市場の新規性要件:新たに製造等する製品等が属する市場が、既存事業で対象としていなかったニーズ・属性を持つ顧客層を対象とする、事業者にとって新たな市場(※1)である必要があります。
3.新事業売上高要件:以下2つの要件のいずれかを満たす必要があります。
①「事業計画期間終了後、新たな製品等の売上高または付加価値額が、申請時の総売上高の10%または総付加価値額の15%以上を占めると見込まれるもの」
②「申請時直近の売上高が10億円以上あり、新事業を行う部門の売上が3億円以上ある場合は、計画終了後に当該部門の売上高が10%か付加価値の15%以上を新事業が占める見込みである」

※1 新たな市場:既存事業において対象外だったニーズ・属性(法人/個人、業種、行動特性等)の顧客層を対象とする市場

※参考:「新事業進出指針の手引き」令和7年4月 中小企業庁

付加価値額要件

「付加価値額要件」は、補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、付加価値額(又は従業員一人当たり付加価値額)の年平均成長率を4.0%以上増加させる見込みの事業計画を策定し、その目標値を達成することが求められる要件です。

付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を合計したものです。

賃上げ要件

「賃上げ要件」は、本補助金における重要な要件の一つであり、目標値未達の場合には補助金の返還義務が生じます。
具体的には、以下のいずれかの水準以上の賃上げが必要になります。

1.補助事業終了後の3~5年の事業計画期間にて、従業員一人当たり給与支給総額の年平均成長率を、業実施都道府県における最低賃金の直近5年間(※1)の年平均成長率(一人当たり給与支給総額基準値)以上増加させること
2.補助事業終了後3~5年の事業計画期間にて、給与支給総額の年平均成長率を2.5%(給与支給総額基準値)以上増加させること

※1:令和元年度が基準の、令和2年度~令和6年度の5年間

また、従業員に対して、目標値の表明がされていなかったり、目標値を達成できなかった場合、補助金全額の返還が求められますので注意しましょう。

ただし、付加価値額が増加していないかつ企業全体として事業計画期間の過半が営業利益赤字の場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は、一部返還が免除されることがあります。
賃上げ要件の達成状況は、毎年の事業化状況報告時に提出する決算書や賃金台帳等で確認されます。目標値の表明を従業員等に対して行わなかった場合も、交付決定が取り消され、補助金全額の返還が求められることがありますので、しっかり記録に残しておきましょう。

賃上げ特例要件に該当すると、更に補助金上限がアップします。詳しくは以下で説明します。

事業場内最賃水準要件

「事業場内最賃水準要件」は、本補助金における重要な要件であり、賃上げ要件と同様に目標値未達の場合には補助金の返還義務が生じます。

この要件は、補助事業終了後の3~5年の事業計画期間において、毎年、事業を実施する事業所内の最低賃金を事業実施場所である都道府県の地域別最低賃金よりも30円以上高い水準に維持することを求めるものです。
これは、補助事業を通じて、事業場における賃金水準のボトムアップを図ることを目的としています。
要件の達成状況は、毎年の事業化状況報告の提出時に、賃金台帳などの関係書類によって確認されます。

もし、事業計画期間中、毎年の事業化状況報告の提出時点において、水準に達していなかった場合、原則として補助金の返還が求められます。返還額は、未達だった年の数に応じて計算され、具体的には補助金交付額を事業計画期間の年数で割った額となります。計算式は「補助金交付額/事業計画期間の年数(年)」です。

ただし、付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として当該事業年度が営業利益赤字である場合や、天災など事業者の責めに帰すことのできない理由がある場合 には、この補助金の一部返還が免除されることがあります。返還額の上限は、交付された補助金額となります。

ワークライフバランス要件

「ワークライフバランス要件」は、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表していることがあげられます。
応募申請前に、仕事と家庭の両立の取組を支援する情報サイト「両立支援のひろば」に策定した一般事業主行動計画を公表することが必要です。
「両立支援のひろば」への掲載は、1~2週間程度かかるため、早めに準備しましょう。

金融機関要件

「金融機関要件」は、補助事業の実施にあり金融機関等から資金提供を受ける場合に、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受けていることを指します。
必ず、「金融機関による確認書」の提出が必要です。金融機関等からの資金提供を受けずに自己資金のみで補助事業を実施する場合は不要です。

賃上げ特例要件について

「賃上げ特例要件」に該当すると、受け取れる補助金が多くなるメリットがあります。該当する要件は以下のとおりです。

賃上げ特例要件
  • 補助事業実施期間内事業場内最低賃金が年額50円以上上昇している
  • 補助事業実施期間内にで給与支給総額が年平均6%以上上昇している

政府としては、従業員の賃上げを積極的に行い、経済を活性化させたり国力を高めたりしたい意向があります。そのため、積極的な賃上げを行っている中小企業や個人事業主を優遇する枠組みとなっているのです。

基本要件以外のその他要件

基本要件に含まれない、その他の要件については以下になります。

連携体申請要件
複数の事業者が連携して事業に取り組むこと(最大20者まで。)を「連携体申請」と言います。
組合特例要件
「組合特例要件」は、中小企業等経営強化法に基づく特定の協同組合や連合会などが補助金を申請する場合に適用される特例です

補助上限額と補助率

補助上限額は、従業員数に応じて以下のように決まっています(補助下限は750万円)。

従業員数20人以下 2,500万円(3,000万円)※
従業員数21~50人 4,000万円(5,000万円)※
従業員数51~100人 5,500万円(7,000万円)※
従業員数101人以上 7,000万円(9,000万円)※
※()内の数字は大幅賃上げ特例適用事業者

なお、補助率は1/2です。設備投資に要した金額の半分が補助対象となります。

補助対象経費

補助対象経費は以下のとおりです。

  • 建物費(機械装置・システム構築費といずれか必須)※建物費の新築(建築物の購入費)は原則対象外
  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導⼊費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利⽤費
  • 知的財産権等関連経費
  • (検査・加工・設計等に係る)外注費 ※補助上限額:補助金額全体の 10%
  • 専⾨家経費 ※補助上限額:100万円
  • 広告宣伝・販売促進費 ※補助上限額:事業計画期間1年あたりの売上高見込み額(税抜き)の5%

また、修繕費も原則補助対象外ですが、事業計画の実施に必要不可欠と認められる建物の建築・改修の場合は、補助対象として認められる場合があります。
設備投資をする際やDX化を進める際の経費など、幅広い支出が対象です。

ただし、中小企業の持続的な競争力強化を支援することが目的のため、機械装置・システム構築費または建物費のいずれかを含むことが必須です。
一時的な支出が中心の計画は対象外となるため、将来の事業に必要な資産への投資が求められます。

補助対象外となる経費

具体的には、以下の経費は補助対象外となります。また、計上経費の大半が補助対象外の場合、不採択・採択取消・交付決定取消になるため注意が必要です。

  • 既存事業に活用する等、専ら補助事業のために使用されると認められない経費
  • 事務所等に係る家賃、保証金、敷金、仲介手数料、水道光熱費等
  • 諸経費、会社経費、一般管理費、現場管理費、雑費等、詳細が確認できない経費
  • フランチャイズ加盟料
  • 切手代、電話・インターネット利用料金等の通信費(クラウドサービス利用費に含まれる付 帯経費は除く)
  • 商品券等の金券
  • 不動産の購入費、構築物の購入費、株式の購入費 など

補助予定件数

補助予定件数に関して、2025(令和8年)度末までに公募回数は4回程度、採択予定件数は6,000件程度が予定されています。ただし、1件当たりの補助申請額によっては、予定件数が増減する場合があります。

スケジュール

2025年9月現在、第2回目のスケジュールが公開されています。

▼第2回目スケジュール
    公募期間:令和7年9月12日(金)~令和7年12月19日(金)18:00(厳守)
    応募期間:令和7年11月10日(月)~令和7年12月19日(木)18:00
    採択発表日:令和7年3月頃(予定)
    交付申請締切日:採択発表日から2ヶ月以内
    補助事業実施期間:交付決定日から14ヶ月以内(採択発表日から16ヶ月以内)
    実績報告提出締切日:補助事業完了期限日(交付決定通知書に記載)
    事業化状況報告期間:補助事業完了日年度の終了後を初回とした以降5年間

なお、全体的な事業スキームは以下のとおりです。

1.事前準備 ・新規事業の検討
・計画の策定
2. 公募開始~交付候補者決定 ・申請受付開始
・公募締切
・審査
・交付候補者決定
3.交付決定~補助事業実施 ・交付申請、決定
・補助事業開始
・確定検査
・補助額の確定
・補助金の請求
・補助金の支払い
4.補助事業終了後 ・事業化状況報告
・知的財産等報告

補助金を申請する際には、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。まだ取得が済んでいない方は、あらかじめGビズIDプライムアカウントを取得しておくとよいでしょう。

返還を求められるケース

中小企業新事業進出補助金に、収益納付は求められていません。

しかし、各要件の説明でも記載したように、未達成率に応じて補助金の返還を求められる場合があります。

補助を受けるための基本要件のうち、「1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加」「事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円以上の水準」が未達の場合などがあげられます。

賃上げ要件をクリアできない場合、補助金が採択されても返還を求められる点に注意しましょう。ただし、付加価値が増加しておらず、さらに企業全体として営業利益が赤字の場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還が免除されます。

※参考:中小企業新事業進出補助金

中小企業新事業進出補助金のよくある質問

中小企業新事業進出補助金に関して、皆さんのよくある質問・疑問をご紹介します。

既に製造している製品の増産のみを行う場合は対象となりますか?

回答:対象となりません。 本補助金は既存事業とは異なる「新事業進出」を目的としており、「既存の製品等の製造量又は提供量を増大させる場合」は新事業進出の要件(製品等の新規性要件)に該当しない例とされています。

応募申請時点で従業員がいない場合も申請できますか?

回答:申請できません。 中小企業等の新規事業への進出を通した企業規模の拡大や賃上げを事業の目的としているため、応募申請時点で従業員が0名の事業者は対象となりません
従業員は、中小企業基本法上の「常時使用する従業員」とし、労働基準法第20条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」と定義されます 。

建物の建設の契約を応募申請前にした場合、対象になりますか?

回答:対象となりません。 応募申請時に既に契約(発注)していた経費は補助の対象となりません

補助対象となる経費は、交付決定日から補助事業実施期間までの期間に発注(契約)を行い、検収、支払を完了した経費に限られます 。これを「事前着手の禁止」と呼びます。着手金や中間払いを含む分割払いの場合も、全ての支払いを補助事業実施期間内に完了する必要があります。

※参考:中小企業新事業進出補助金 よくある質問

中小企業新事業進出補助金と事業再構築補助金の違い


事業再構築補助金の後継制度である中小企業新事業進出補助金は、異なる点がいくつかあります。2025年1月現在でわかっている情報と、事業再構築補助金第12回を比較したときの主な違いは、以下のとおりです。

事業再構築補助金 新事業進出補助金
目的 ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済環境の変化に対応するために、中小企業等の新分野展開や業態転換をはじめとした事業の再構築を支援すること 中小企業等の新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援すること
補助対象者 年平均成長率3.0~5.0%(事業類型により異なる) 年平均成長率4.0%以上の増加
補助金額の下限額 100万円 750万円
対象経費について 研修費、廃業費が含まれる 研修費、廃業費が含まれない

事業再構築補助金と中小企業新事業進出補助金は、別物の制度であるという前提を理解しましょう。今後、新事業進出補助金に関する新しい情報が公表されたら、内容をチェックしてみてください。

中小企業新事業進出補助金と中小企業成長加速化補助金の違い

中小企業の事業投資を後押しする補助金制度に、「中小企業成長加速化補助金」もあります。売上高100億円を目指す中小企業の成長を支援するための制度で、補助対象者となるのは年商数十億円程度の、比較的規模が大きい中小企業です。

中小企業成長加速化補助金を申請するためには、売上高100億円を目指すための計画を立て、1億円以上の設備投資を行う必要があります。補助上限額は最大で5億円となっており、大規模な事業投資を行う事業者向けの補助金制度といえるでしょう。

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補助金の採択率をあげるためのポイント


補助金は、申請すれば誰でも受け取れるわけではありません。審査を経て、事務局から採択される必要があります。

以下で、補助金の採択率を上げるために、事業主が行うべき対策を解説します。

自分の言葉でわかりやすく記載する

補助金を申請する際には、申請理由や将来のビジョンを記載する必要があります。「補助金を有効活用して生産性の向上や賃上げを目指している」という熱意を、事業主自身が自分の言葉でわかりやすく伝えましょう。

書面の審査のあとに、口頭審査が行われる可能性もあります。口頭審査では、事業主自身が検討している新事業のビジョンや設備投資の内容を言語化したうえで、わかりやすく伝えなければなりません。

テンプレートを使用していたり、違う補助金へ申請したときの内容を使い回したりしていると、事務局に熱意を伝えられません。そのため、「なぜこの投資が必要なのか」「新事業の計画をどのように進めるべきか」を、自分の頭で考えて言語化しましょう。

独自性を出す

他社と被らないような独自性を出すことも、採択率を高めるうえで効果的となる可能性があります。自社の強みを明確にしたうえで「自社でなければできない新事業」を考え、設備投資を行う意義を伝えましょう。

過去の成功事例や独自技術を挙げたり、自社が補助金を活用することで、どのような成果が期待できるかを具体的に示したりするとよいでしょう。明確なビジョンやストーリーを描くことで、事務局に対して自社の意義や必要性を伝えられます。

自社の事業を一番理解しているのは、事業主自身のはずです。自社ならではの強みや実績を整理し、オリジナリティに富んだ事業計画を考えてみてください。

公募要領を詳細に理解する

補助金には公募要領があり、申請に必要な情報や審査基準が記載されています。自社の事業が要件を満たしているか、計画している事業投資が趣旨に合っているかを確認しましょう。

たとえば、中小企業新事業進出補助金の趣旨は「新規事業への挑戦を目指す中小企業の設備投資を促進すること」です。補助金の目的や趣旨に沿った事業計画を作成すれば、採択率が高まると考えられます。

あわせて、審査基準を確認して、基準に応じた事業計画書を作成することも大切です。申請書や計画書を作成する際には、「目的や趣旨に合致しているか」「投資する意義やメリットがわかりやすく記載されているか」を確認しましょう。

専門家に相談する

補助金申請の際に、中小企業診断士や税理士、公認会計士など専門家の意見を取り入れることも効果的です。補助金制度に精通している専門家であれば、最新情報や過去の成功事例を知っているため、有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。

専門家に相談すれば、魅力的な書類作成をサポートしてもらえることに加えて、書類の不備や漏れを防げます。補助金の申請にあたっては専門的な内容の記載が求められたり、多くの書類を準備したりする必要がありますが、専門家に相談すればスムーズに進むでしょう。

これにより、効率的に申請準備を進められます。公募開始となってからスムーズに申請できるように備えておけば、審査のうえでも有利でしょう。

創業手帳では、補助金や助成金の申請について専門家のご紹介も行っております。どのような専門家がよいのかよくわからないという方はお気軽にご相談ください。

まとめ事業再構築補助金の後継である中小企業新事業進出補助金を活用しよう!

既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業への進出を検討している中小企業事業主の方にって、新事業進出補助金は有効活用できる補助金制度です。事業投資額の1/2、最大で9,000万円の補助金を受け取れるため、資金繰りに影響を与えるでしょう。

なお、中小企業新事業進出補助金は、中小企業の持続的な成長と賃上げの実現を主な目的としています。事業投資だけでなく、賃上げを実現するための工夫も検討しましょう。創業手帳の「補助金ガイド」では、補助金・助成金の最新情報をお届けしています。採択されるためのポイントやコツも紹介しておりますので、ぜひご活用ください。

また、地方自治体などの補助金・助成金情報について、月2回メールで配信する「補助金AI」もあわせてご活用いただくと便利です。ご登録いただいた都道府県の情報をお届けしています。


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