50代・60代・70代からのシニア起業|メリットや始め方、補助金などを紹介

創業手帳

シニア起業の実態から注意点まで!セカンドライフを有意義にするために

シニア起業押さえておくべきポイントはここ

定年後、急に増えた時間に不安を感じていませんか?社会とのつながりや生きがい、収入の低下などの不安を払しょくする手段として「シニア起業」が注目されています。

「なぜ起業なの?」「自分でもできる?」と感じている方のために、シニア起業の魅力から気になる疑問までを徹底的にまとめました。

起業に役立つ助成金や補助金といった制度も紹介しています。50代・60代・70代だからもう遅いだろうと諦めている人こそ、まずは知ることから始めてみてください。

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シニア起業を後押しする環境の変化

シニア層の起業割合は、ここ20年ほどで緩やかに増加しています。2024年度新規開業実態調査によると、2024年に開業した人のうち、60歳以上の割合は6.3%でした。

少子高齢化の影響はあるものの、働き方の多様化の拡大、国によるシニア起業家への支援の広がりなどもあり、セカンドライフの選択肢として起業を選ぶ人も多いようです。

近年では、SNSやネットツールをうまく活用するシニア世代も増えています。起業はシニア世代が積み上げた経験や知識を活かせる場になっているほか、ビジネスコミュニティーの形成による孤立予防策としても期待されているのです。

前向きにシニア起業に取り組むためにも、必要な準備をしっかり整えておきましょう。

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シニアで起業する4つのメリット

シニア起業のメリット
50〜70歳代のシニアで起業するメリットは、主に以下の4点です。

知見や経験をいかせる

シニア起業には、現役時代に培った知識や経験をいかせるメリットがあります。長年にわたって磨き上げた能力は、誰もがそう簡単に身に着けられるものではありません。

シニア世代は、トライ&エラーによる豊富な経験と、多岐にわたるスキルを持った人材が豊富です。これらの知識や経験をいかして起業することで、競合にない魅力を持つ製品やサービスの提供につながります。

定年がない

自分で働く年齢を決められるシニア起業には、定年がありません。一般企業のように70歳で働き口を失う心配がなく、年齢にとらわれずに仕事に打ち込むことができます。

また、青年期とは違いフルタイムの勤務が体力的に厳しくなりがちです。起業すれば働く時間や量を調整できるため、自分の体力に合わせてやりたい仕事に取り組めます。

資金的な余裕がある

シニア起業のメリットは、資金的な余裕がある人が多い点です。退職金やこれまでの貯蓄などを活用し、開業資金にあてることができます。

起業の課題の一つが、店舗や設備の購入代といった初期費用です。若年層の場合は資金に余裕のない人も多く、借り入れをして開業することがあります。

すると、起業後は借入金の返済と利息の支払いの負担がかかってしまうでしょう。

一方、資金に余裕のある人が多いシニア世代なら、借入をしない分利息の支払いがなく、リスクを減らしてスタート可能です。

活用できる助成金や補助金が多い

助成金や補助金など、シニア起業向けの資金支援が増えてきています。起業家にとって資金調達は不可欠であり、活用できる資金援助の制度が多いのは重要なメリットです。

政策金融公庫や厚生労働省、中小企業庁などが提供するシニア起業向けの助成金や補助金を活用すれば、資金に不安のある人でも起業しやすくなります。

始め方やコツは?シニア起業のよくある疑問

どうやって始めればいいのか、参考になるアイデアはあるのかなど、50〜70歳代だからこそぶつかる悩みはたくさんあります。シニア起業でよく浮かぶ悩みや疑問を一問一答形式でみていきましょう。

何から始めればいい?

シニア起業のスタートで迷ったら、軸となる以下3つから取り組んでみてください。

  • 事業計画書を作成する
  • 資金計画を立てる
  • 家族や周囲の理解を得る

事業計画書とは、これから始めるビジネスをどうやって成功させるかを具体的に示す計画書です。

事業の目的や扱う商品・サービスの強み、売り方から利益のあげ方まで、第三者に見せたときに納得してもらえるような内容に仕上げるのが作成のコツとなります。

生活に必要なお金も含めて資金計画を立てることや、配偶者や子供など周囲の理解を得ることも欠かせません。

経験があるから、今までやってきたからと1人で解決しようとせず、堅実に起業準備を進めることをおすすめします。

どんな業種で起業したらいい?

シニア起業をするなら、自分の強みや経験を活かせる業種をおすすめします。0から学ぶ必要がなく、効率やリスクヘッジの観点からも無理なく始めやすいからです。

商品やサービスを販売することだけがビジネスではありません。過去の経験をもとにスクール講師となり、実際の体験談をまじえた講義をするやり方もあります。シニア起業におすすめの業種をチェックして、参考にするのも一手です。

身に着けたスキルや経歴を棚卸しした上で、起業する業種を絞ってみてください。どのような業種で起業するにしても、最初から大きく始めるのではなく、スモールスタートを前提としておきましょう。

シニア起業で実際に成功した人はいる?

シニア起業で成功を収めている人も多く存在します。ここではいくつかの実例を紹介しましょう。

Major7th
大和証券の専務取締役 企業公開担当などを務めた丸尾氏が、Major7thを設立。豊富な経験と実績をもとに多くの若手起業家を支援
・キワミ株式会社
70歳でオリーブオイルに魅了された代表取締役社長が、製造会社とともに高品質なオリーブオイル商品を開発し、71歳で会社を設立
出典:株式会社エクサネット「起業家File.060 和田篤幸さん(72歳) キワミ株式会社 代表取締役社長」
・FUN RIDE JAPAN(ファン・ライド・ジャパン)
50代半ばで大型バイク免許を取得した元国際線CAの女性が2015年に設立。訪日外国人旅行者向けのバイクツーリング専門の旅会社
出典:FUN RIDE JAPAN「ご挨拶」

シニア世代でも、長年培ってきた経歴を活かしたり、明確な目標を持って大胆に行動したりして、起業の一歩を踏み出している人たちがいます。

実例を参考にして、自分にできるところから起業の準備を始めてみましょう。

1人でも起業できる?

1人で起業することは可能ですが、理解者がいるほうが安心です。シニア起業に限らず、ビジネスを立ち上げるときは協力者やアドバイスをくれる存在を積極的に頼ってみましょう。

代表的なものが、各自治体が提供する無料の創業支援です。東京都なら「TOKYO創業ステーション」という施設があり、起業家向けのイベントやセミナーを定期的に開催しています。

ネットで情報収集するのもいいですが、怪しいセミナーや商材の勧誘があるのも事実です。内閣府の令和6年版高齢社会白書によれば、特殊詐欺の被害者の約8割が65歳以上となっており、シニア世代がターゲットになりやすいことは否めません。

自分だけで判断せず、迷ったら必ず周囲に相談できるよう、孤独にならない環境の中で起業しましょう。

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【2025年最新】起業セミナーの選び方!怪しいor安全を見抜くポイント

創業手帳では、常に新しい情報を発信するために、小さなスキルアップが目的のセミナーから、著名人による大規模セミナーまで幅広く開催しています。

シニアで起業する際に役立つ補助金・助成金・融資制度

シニア起業の資金調達
退職金や貯蓄をすべて開業資金にあてず、老後の生活資金を十分確保した上で起業すべきです。そのためにも補助金や助成金、公的融資などをうまく活用しましょう。

ここでは個人でも使える事業資金などの支援制度を紹介します。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓等の取り組みなどを行う事業を実施する小規模事業者を対象とした補助金です。

  • 最大200万円を補助
  • 8種類の経費が対象(機械装置等費、新商品開発費など)

シニア世代の起業はスモールスタートが基本です。本補助金は少人数の会社および小規模に活動する個人のための制度といえるため、非常に相性が良いでしょう。

小規模事業者持続化補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
【2025年最新版】小規模事業者持続化補助金とは?概要や変更点などを解説

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

通称ものづくり補助金と呼ばれるこの制度は、生産性の向上や持続的な賃上げのために必要な新商品の開発などに際して、設備投資費等を行う場合に支援が受けられます。

  • 補助上限額750万~4,000万円
  • 8~11種類の経費が対象(機械装置・システム構築費、運搬費など)

従業員数に応じて補助上限額が上がるのが特徴です。これから開業するシニア世代は個人や少人数の可能性が高いですが、最小規模でも5人以下で750万円を上限としており、多額の資金調達ができます。

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【2025年最新版】ものづくり補助金をわかりやすく解説!補助上限4,000万円・最低賃金賃上げ特例など変更点についても解説

起業支援金

起業支援金は、各地方自治体が実施する起業のための支援金です。東京圏や大阪府以外の都道府県・市町村、または東京圏内の条件不利地域において起業する方などを支援対象としています。

  • 最大200万円を支援
  • 起業に必要な経費の2分の1が対象

田舎でのんびり起業したい、地元に戻って貢献したいと考えているシニア世代にはうってつけの制度といえるでしょう。

正式名称や制度の詳細は自治体によって異なるため、各ホームページなどを確認してください。

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「起業支援金」とは?概要や地方で起業するメリットを解説

新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)

日本政策金融公庫では、55歳以上の方の開業を支援する融資を提供しています。条件によって特別利率で借り入れでき、女性や35歳未満の方も対象です。

  • 融資額最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)
  • 開業済みでも事業開始後おおむね7年以内なら対象

利率は有担保の場合で1.30%から、無担保でも2.30%から借り入れ可能です(2025年6月26日時点)。

さらに特定の条件に当てはまる場合は各種特例制度も活用でき、中には利率の引き上げが適用される制度もあります。融資を検討しているシニア起業家は、真っ先に候補に入れておきましょう。

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【2025年版】女性起業家が使うべき助成金・補助金・融資15選!返済不要の制度はどれ?

女性・若者・シニア創業サポート2.0(東京都)

女性・若者・シニア創業サポート2.0は、東京都で創業を計画している55歳以上のシニア、女性、39歳以下の人を対象にした融資です。

  • 融資額最大1,500万円(運転資金のみは750万円以内)
  • 固定利率1%以内
  • 無担保可、個人事業主は保証人不要

これから創業する方や創業後5年未満の場合も対象となります。

融資以外に、地域創業アドバイザーによる経営サポート、事務局によるアドバイスやセミナー開催など、複数の支援を受けることが可能です。


補助金ガイド


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シニア起業で充実したセカンドライフを

シニア起業では、会社員の頃の肩書や経歴が通用しない場面にも出くわすでしょう。単に業種や業務に関する知識だけではなく、経営に関するノウハウも重要になります。

補助金・助成金や無料の創業支援などを活用し、経営計画や資金計画をしっかりと立ててスタートしましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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