シニア起業でフランチャイズ加盟は可能?年齢制限やオーナーになるメリットなどを解説

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定年後にシニア起業を選択する人は増えている


近年、定年退職を迎えた後に第二のキャリアとして「起業」を選ぶシニア層が増えています。
帝国データバンクの2024年「新設法人」動向調査によると、2024年に起業した人の年代で60歳以上は18.6%を占めており、前年度(17.0%)と比較して過去最高を記録していました。

豊富な人生経験や人脈を活かし、やりがいや収入の両方を求めて新たなチャレンジに踏み出す人が少なくありません。
その中でも注目されているのが、フランチャイズへの加盟による起業です。ただし、年齢的にフランチャイズのオーナーになれるのか不安に感じる人もいます。
そこで今回は、シニア起業におけるフランチャイズ加盟について、年齢制限やオーナーになるメリットなどを解説します。

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フランチャイズオーナーに年齢制限はある?


フランチャイズオーナーになるのに年齢制限は設けられているのでしょうか。
結論からいえば、基本的に年齢制限はなく、定年後でもシニア起業としてオーナーになることは可能です。
フランチャイズオーナーは加盟しているものの、自分が経営者となって店舗を運営していくため定年がなく、健康などの問題がなければいくつになっても経営を続けていけます。

ただし、企業によっては年齢制限を設けている場合もあるので注意が必要です。例えばコンビニでは年齢制限を設けているケースが多いです。
年齢制限が設けられていない場合もありますが、土地や建物、内装費などをオーナーがすべて負担するなどの契約条件を満たしている必要があります。

シニア起業でフランチャイズオーナーになるメリット


シニア起業でフランチャイズオーナーになるメリットとして、以下の4つが挙げられます。

  • 年金以外の収入源を確保できる
  • 定年に関係なく働ける
  • 未経験でもチャレンジしやすい仕組みがある
  • 本部の支援で開業資金を準備しやすい

定年後にフランチャイズオーナーになることで、年金以外の収入を得られます。年金に対する収入面の不安がある場合にメリットが大きいです。
年齢制限のない業種・本部を選べば、定年に関係なく働くこともできます。
また、本部のマニュアルに従って業務を行えば、未経験でもチャレンジしやすかったり、本部からの支援で開業資金を準備しやすかったりするなどのメリットもります。

シニア起業でフランチャイズオーナーになるデメリット・リスク


シニア起業でフランチャイズオーナーになるとメリットもありますが、デメリットも存在します。主なデメリットやリスクは以下の3つです。

  • ロイヤリティなど継続的なコストが発生する
  • 本部のルールで自由な経営が難しい場合もある
  • 業種によっては体力面での負担が大きい

フランチャイズに加盟すると、毎月本部にロイヤリティを支払うことになります。個人で起業すればロイヤリティを支払う必要もないため、大きなデメリットといえます。
また、決められたマニュアルやルールに従う必要があり、自由な経営ができない場合も少なくありません。
さらに業種によっては体力面での負担が大きく、健康に支障をきたす恐れもあるので注意が必要です。

シニアがフランチャイズ開業するまでの流れ


シニアがフランチャイズオーナーとして開業するには、具体的にどのような流れで進めていけば良いのでしょう。ここからは、フランチャイズ開業の流れを解説します。

ステップ1:業種の選定と資料請求

まずは業種を選定するところからはじまります。
フランチャイズで開業できる業種は多岐にわたりますが、その中からシニアからでもはじめられそうなものをピックアップしていきます。
どのような業界・業種があるのかわからない、自分に合う業種がわからない場合には、合同説明会などに参加して情報収集を行うのがおすすめです。

気になる業種が見つかったら、その業種のフランチャイズ本部を調べていきます。その中から気になる本部を絞り込んで、資料請求を行ってください。

ステップ2:本部との面談・契約

資料請求をした本部に連絡を取り、担当者との面談を行います。面談後に契約条件の審査を受け、問題がなければ本契約に進んでいきます。
審査は、主に開業資金を準備できるか、人格に問題はないか、過去に職場などでトラブルを起こしていないか、などの確認です。
また、酒類を提供する飲食店や不動産業などで開業する場合、本部から必要な資格の提示を求められることもあります。

本契約を行う前に立地調査や事業計画書の作成などを行っていきます。その際、わからないことや不安に感じることがあれば、遠慮せず担当者に相談することも大切です。
事業計画を立て、開業後の具体的なシミュレーションも行い、特に問題がなければ本部と本契約をします。

ステップ3:研修と準備

契約が完了すると、開業に向けた準備がはじまります。本部からの指導に従いながら物件の取得や内装・外装工事の手配を進めてください。
さらに、スタッフの雇用や顧客獲得に向けた宣伝活動も忘れてはいけません。
業種や本部によって開業前に研修を実施するケースもあります。研修を通して本部のノウハウを身につけていくことが可能です。

ステップ4:開業と初期サポート

オープン日に向けて開業の準備を進めていき、当日になればいよいよ開業です。本部からのマニュアルや条件に基づいて運営を行っていきます。
本部によっても異なりますが、開業初期のサポートを受けられる場合もあります。
例えば開業直後にスーパーバイザーが入り、店舗運営をサポートしてくれることもあるかもしれません。

シニア起業におすすめのフランチャイズの業種


様々な業態にフランチャイズがありますが、その中でもシニア起業におすすめの業種を紹介します。

リペア業

リペア業は、家具や車、住宅、衣服、スマートフォンなど、様々なものを修理する業種です。
出張先や小さいスペースでも作業できるものが多く、また従業員を雇わずにオーナーひとりからでもはじめられるため、初期費用を抑えて開業できます。
また、修理をするとなると専門的な知識・技術を要することもありますが、フランチャイズに加盟することで開業前に研修を受けることができ、しっかりと技術を身につけた状態でスタートできます。

また、商品を販売する業種とは異なり、顧客から預かったものを修理するのが基本です。部品などは準備する必要があるものの、基本的に在庫を抱える心配もありません。
さらに、リペア業は基本的に客単価が高めで、1回の修理につき様々なサービスを提供できると、さらなる利益アップにつながります。

経営コンサルタント

経営コンサルタントは、企業の経営面に対して様々な戦略・改善策を打ち出し、アドバイス・サポートを行う業種です。
経営コンサルタントというと個人が起業するイメージを持つ人もいますが、近年はフランチャイズに加盟することでコンサルティング業務を行えるようになっています。
また、経営コンサルタントは経営に関する知識が必要となりますが、未経験でも研修によって専門的な知識を身につけることが可能です。

企業が抱える経営課題を解決することから、経営者からも直接感謝の言葉をもらえるため、非常にやりがいのある仕事といえます。
未経験からでも可能ですが、これまでに培ってきた経験・実績を活かせる可能性もあることから、シニア起業におすすめの業種です。

清掃業

現在、超高齢社会や共働き世帯の増加にともない、ハウスクリーニングを含む清掃業の需要が高まっています。
そのため、シニア起業として清掃業のフランチャイズに加盟するのもおすすめです。
清掃業は基本的に顧客のもとでサービスを提供するため、店舗を構える必要がなく、車1台を用意できれば開業できます。

清掃に関する知識・技術は必要になってくるものの、特に難しい資格を取得する必要はなく、未経験からでもはじめやすいというメリットがあります。
また、本部によっては営業時間や休日などをある程度自分で設定でき、ワークライフバランスを重視した働き方も可能です。

コインランドリー経営

フランチャイズに加盟してコインランドリーを経営するのも、シニア起業におすすめです。
コインランドリーは個人でも開業できますが、立地調査や集客施策が不十分だと利益が出にくく、また初期費用が高額になりやすいというリスクがあります。

しかし、稼げるノウハウを持つフランチャイズに加盟することで、ロイヤリティの支払いは発生するものの安定した収益が可能になります。
しかも本部によっては清掃管理の代行や売上・稼働状況などのシステム管理も行ってくれることから、「起業したいものの、体力に自信がない」という人でもチャレンジしやすいです。

コインランドリーは一度に多くの衣類を洗濯・乾燥できることから、家事時間を短縮したいと考える人が利用する傾向にあります。
また、大型の洗濯機なら布団や毛布などを丸洗いでき、清潔な状態を保つことも可能です。
消費者のニーズも高いことから、コインランドリー経営を検討してみるのも良いかもしれません。

シニア向けサービス

最後におすすめしたいフランチャイズの業種は、シニア向けサービスです。
2024年の人口推計を見ると、65歳以上人口は29.3%と全人口の約3割が65歳以上の高齢者であることがわかっています。
そのような中で高齢者が増えていることもあり、シニア向けサービスの需要も高まっているのです。

シニア向けサービスの種類も様々です。
例えば、介護・福祉に関連するサービスやバリアフリー住宅の改修・リフォーム、シニア向けフィットネス、外出支援・送迎サービス、終活支援などがあります。
オーナーもシニア世代になるため、ユーザーに近い目線でサービスを提供できます。
利用者の悩みや課題に共感し、価値観を共有できるからこそ、利用者からの信頼を得ることも可能です。

加盟するフランチャイズ本部の選び方


シニア起業でフランチャイズに加盟する場合、本部選びは成功の可否を左右する重要なポイントです。以下のポイントを押さえながら、本部の実態を確認してみてください。

経営状態は安定しているか

まず確認したいのが、本部の経営状態です。
フランチャイズ本部自体が経営的に不安定であれば、加盟店に対する支援が滞ったり、最悪の場合は本部が撤退したりするリスクもあります。
直近数年の決算情報や店舗数の推移、閉店数などを調べ、本部が持続可能なビジネスモデルを維持しているかをチェックしてみてください。
また、上場企業であればIR情報を参考にするのもおすすめです。

加盟店の収益性は高いか

本部が安定していても、実際に加盟した店舗が収益を上げられなければ意味がありません。
説明会や資料請求の段階で、モデル収支や平均売上、利益率などを確認してください。
また、可能であれば実際に運営している加盟店オーナーの声を聞くことで、リアルな収益性や課題が見えてきます。過度に楽観的なシミュレーションには注意が必要です。

同業他社にはない強みがあるか

競合他社が多い業界の中で成功するためには、選んだフランチャイズ本部に他社にはない差別化された強みがあるかも重要です。
例えば独自の集客ノウハウ、特許技術、ブランド力、価格競争に巻き込まれにくい商品力など、明確な優位性があるかを見極めてください。
競争に強いビジネスモデルは、長期的な収益の安定にもつながります。

サポート体制は万全か

シニア起業では、フランチャイズ本部からの支援が手厚いかどうかも重要なポイントです。
開業前の研修はもちろん、開業後の運営サポートや定期的なフォローアップ、販促支援、経営相談など、具体的なサポート内容を確認してください。
「未経験でも安心」と謳っていても、実態としてサポートが形だけというケースもあります。契約前にしっかりと比較し、納得できる支援体制がある本部を選ぶことが大切です。

まとめ・シニア起業のフランチャイズ加盟で新たな一歩を踏み出そう!

シニア起業というとハードルが高いように感じられるかもしれません。
しかし、フランチャイズに加盟することで開業に向けた様々なサポートが受けられ、安定した収益につながりやすいです。
ロイヤリティの支払いや個人での開業に比べて自由な経営が難しい、などのデメリットも考慮した上で、自分に合った業種でのシニア起業を検討してみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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