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教えて先生!Q&A2015年7月29日
セグメントとターゲットの違いは?
マーケィング用語であるセグメントとターゲットの違いは、マーケティング戦略における内容と順番が異なります。
商品やサービスのマーケティング戦略の際、第一にセグメントで市場や顧客の属性を区分し、第二にそれらの区分の中からターゲットとする適切な顧客層を選定します。これらの内容と順番で分析、戦略立案をすることによって、適切な市場や顧客へ効果的にアプローチをすることが可能となります。
セグメントとターゲットの定義、使い方と違いについてくわしく説明します。
まず、「セグメント」とは、英語で「部分または区分」を意味しますが、マーケティングの用語としては、「市場または顧客の地域・年齢・性別・嗜好などの属性による区分」となります。
市場には様々な属性の顧客がおりますので、商品やサービスを効果的に販売するためには、それらの属性を区分してアプローチする必要があります。このように、市場や顧客のセグメントを定めることを「セグメンテーション」と呼びます。
また、一般的なセグメンテーションでは、次の4つの変数によって市場や顧客を区分します。
(1) 地理変数:国や市町村、人口、気候や文化などの地理的な属性。
(2) 人口変数:顧客の年齢、性別、家族構成、所得、学歴、職業、などの属性。(人口統計データ)
(3) 心理変数:顧客の価値観、興味、ライフスタイル、購買心理などの属性。(心理的傾向データ)
(4) 行動変数:商品やサービスを利用する目的や用途、利用頻度などの属性。
一方、「ターゲット」とは、英語で「標的」を意味しますが、マーケティングの用語としては、「セグメントの中で狙いたい顧客」となります。
セグメントによって区分した市場や顧客のうち、自社の商品やサービスを効果的に販売するためには、適切な対象を選定する必要があります。このように、自社のターゲットを定めることを「ターゲティング」と呼びます。
また、一般的なターゲティングでは、次の6つの要素(6R)によって適切なターゲットを選定します。
(1) 市場規模 (Realistic Scale):市場の有無と大小、適切か。
(1) 成長性 (Rate of Growth):市場の導入期、成長期、成熟期、衰退期など。
(3) 顧客の優先順位 (Rank/Ripple Effect):優先順位の高低、波及効果など。
(4) 到達可能性 (Reach):プロモーションによりターゲットへ到達できるか。
(5) 競合状況 (Rival):ライバルの有無、強弱など。
(6) 反応の測定可能性 (Response):マーケティング施策が測定可能か。
このように、同じマーケティング用語であるセグメントとターゲットですが、それぞれの違いはマーケティング戦略における内容と順番が異なります。
これまでの説明のように、商品やサービスのマーケティング戦略にて、第一に市場や顧客を様々な属性によって区分してセグメントを定め、第二に定めたセグメントの中からターゲットを定めます。従って、意味する内容と使う順番が異なりますので、混同しないように注意しなければなりません。
ここで、マーケティング戦略でのセグメントとターゲットの具体的な使い方について補足します。
一般的なマーケティング手法として「STP分析」があります。これは、セグメンテーション、ターゲティングに加えて、自社の商品やサービスの位置づけを行う「ポジショニング」を定めるものです。
ポジショニングでは、セグメンテーションで定めた市場や顧客の中から、ターゲティングをした顧客層に対して、自社の商品やサービスを優位にするためにその独自性や競合との差別化を行います。
STP分析として、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの3つの要素を適切かつ順番に定めることで、マーケティング戦略の効果をより高めることが可能となります。
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