起業して初めてのオフィス選び -賃貸オフィス編・共用部の巻-

創業手帳

賃貸オフィスビルの管理状態は共用部にあらわれる!

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オフィスを内見する際、前回お話ししたエントランスとともにしっかり見ておきたいのが廊下やエレベーターをはじめとする共用部だ。

内見ではオフィス内ばかりに目がいきがちだが、共用部はオフィス内以上に時間をかけて見るべきなのである。初めてのオフィス選びを絶対に失敗したくないというベンチャー経営者・起業家は、共用部こそ意識して見てほしい。

賃貸オフィスビルにおいて共用部とされる箇所は、前述のエントランスや廊下、エレベーターのほか、階段やベランダ、配管、場合によっては給湯室やトイレ、さらにセントラル式の空調が導入されているビルでは空調機器も含まれるなど多岐にわたる。

見るべきポイントが多少専門的になる「水まわり」や「空調」などについては機会を改めるとして、今回は廊下やエレベーターなどを中心に説明しよう。


賃貸オフィスビルの共用部は清潔で当然

まず確認しておきたいのは清潔さだ。オフィスビルを内見する際は、廊下やエレベーター、階段はもちろん非常口にいたるまで、ビル内の全ての箇所が清潔であって当然という意識を持っておきたい。

例えば、廊下や階段であれば、床は磨かれているか、床材は剥がれていないか、壁の塗装はキレイか、といった点を確認しておきたい。

さらに扉の裏側や什器の上など、通常は目に入らないような箇所も確認することが望ましい。細かすぎると思われるかもしれないが、清掃はビル管理の基本といわれるほどの必須項目なのだ。

清潔でない賃貸オフィスビルは、管理も杜撰と判断できる。廊下が薄汚れていたり、エレベーター内にゴミが落ちていたりするようなビルが、適切に管理されているとは考えにくい。清掃の状態を見ることは賃貸オフィスビルの管理状態を見ることと同義といって過言ではない。

賃貸オフィスビル共用部のチェックリスト1
  • 廊下・エレベーター・階段・非常口は清潔に保たれているか?
  • 床は磨かれているか?
  • 床材ははがれていないか?
  • 壁の塗装はキレイか?
  • 扉の裏側はキレイか?
  • 什器の上はキレイか?


ゴミの収集状態は必ずチェック

個人の住宅やマンションの内見なら必ず確認するのに、オフィスビルでは意外と忘れがちになるのがゴミ集積場だ。ゴミ集積場の状態から管理状態や住人の性格がわかるのは、一般住宅も賃貸オフィスビルも同様だ。ゴミ集積場の場所やそこが清潔か否かはもちろん、ゴミ出しのルールが守られているかも見ておきたい。

また、ビルからでるゴミはいわゆる「事業系ゴミ」であり、一般家庭のゴミ収集とはルールが異なることも覚えておきたい。事業系ゴミは家庭ゴミの集積場に出すことはできず、ビルごとあるいは事業者ごとに処理業者に収集を委託するのが基本だ。分別の方法や収集の頻度、タイミングなども併せて確認しておこう。

起業・開業時から自宅を事務所として利用していて、今回はじめて賃貸オフィスを構えようと考えている起業家は、家庭ゴミと事業系ゴミの区別が必要になるので特に注意したいところだ。

賃貸オフィスビル共用部のチェックリスト2
  • 事業系ゴミの集積場はどこか?
  • ゴミ集積場は清潔か?
  • ルールが守られているか?
  • ゴミの分別方法は?
  • ゴミの収集の頻度・タイミングは?


エレベーターを見れば賃貸オフィスビルの使い勝手がわかる

賃貸オフィスビルの共用部をチェックする上でもうひとつ意識しておきたいのが、ビルとしての使い勝手だ。確認しておくべきポイントとしては、廊下の幅エントランスからの導線エレベーターホールの広さなどだ。

エレベーターは最も重要なチェック項目である。一定以上の規模のオフィスビルであれば、エレベーターのサイズと数、複数のエレベーターを有するビルは運行管理システムも重要なポイントである。エレベーターの運行が適切でないと、出勤時間などにエレベーター待ちの長い列ができることもある。

創業後に初めて賃貸オフィスを選ぶスタートアップベンチャーや、中小企業が入居を考えているような賃貸オフィスビルは、通常は中小のビルが多いことだろう。中小ビルであっても2基以上のエレベーターがあることが望ましいが、実際はそのような物件は多くない。清掃や保守・点検の状態と合わせ、運行管理体制もよく見ておきたい。

賃貸オフィスビル共用部のチェックリスト3
  • 廊下の幅は十分か?
  • エントランスからオフィスまでの導線はわかりやすいか?
  • エレベーターホールは十分に広いか?
  • エレベーターのサイズ・数は十分か?(混雑時に行列はできていないか?)
  • エレベーターの清掃・保守・点検はどうしているか?


まとめ

賃貸オフィス物件を内見する際は、細部までじっくり見ることが大切だが、特に共用部は興味の無い部分であっても良く見て、疑問があればすぐに確認しておきたい。

毎月の賃料とは別に請求される共益費は、共用部の管理にも使用されており、入居する側としては適切な管理を求める権利があるのだ。口うるさい入居者と思われるかもしれないが、ベンチャーや中小企業でも意見することを恐れていては、良いビルに入居などできるはずがない。

細かい点までチェックして適切な要望を伝えられることは副次的なメリットをも生む。ビルオーナーや不動産業者に「この入居希望者は只者ではない!見る目がある!」と思わせれば、自然と良い物件を紹介してもらえるようになる。良い賃貸オフィス物件を紹介してもらうコツの一つといってよいだろう。

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(監修:オフィス経営コンサルタント 久保純一
(創業手帳編集部)

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