「NFT」とは?いま話題のNFTを超初心者向けにわかりやすく解説!
NFTって何?できること、メリット、稼ぎ方とは?
NFTという言葉を頻繁に耳にするようになりました。2021年9月には、日本の小学3年生の男の子が自由研究で制作したNFTアートが約240万円で購入されて話題となりました。
しかし、多くの方は、以下のような疑問をお持ちだと思います。
- NFTって、そもそも何なの?
- NFTで何ができるの?メリットは?
- NFTで稼げるの?
- NFTで未来がどう変わるの?
そこで今回はNFTについて、超初心者向けにできるだけわかりやすく解説していきます。
NFTは革命的な最先端技術であり、これからの世界を大きく変えていく可能性があります。
この記事を読めば、NFTの基本的な知識を身につけることができます。
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この記事の目次
NFTとは代替出来ないトークン
NFTとは、「Non-Fungible Token」の略で、日本語にすると『非代替性トークン』となります。
コインチェックテクノロジーズ代表の天羽氏によると、「デジタルコンテンツに保有している情報を紐付けるはんこのようなもの」と表現しています。
現在では、ゲーム・アート・ファッション・スポーツ・会員権・担保ローン・不動産など、幅広い分野での実用化が進められているところです。
インターネットの世界ではコンテンツの所有を特定できなかったのが、NFTの存在で変わったことが革命的だと同氏はいいます。
なぜNFTが必要なのか
そもそも、なぜ唯一無二であることの証明が必要なのでしょうか?
人は唯一性や希少性のあるのものに価値を感じるからです。
これまで、インターネットはたくさんの価値を生み出してきました。誰でも手軽にアクセスができて、お金やモノのやりとりがスピーディになりました。
一方で、インターネット上にある情報は、コピーされたり改ざんされたりするリスクがあるため、その価値を証明することが難しいという問題がありました。
実際、ネットショッピングやネットオークションの取引では、不正やトラブルを不安に思う方も多いと思います。
また、音楽や画像、動画を誰でも気軽に利用できるようになった反面、著作権が侵害されたり、コピーによって所有者が増えてしまい、価値あるものが正当に評価されにくくなったのです。
このような価値に対する不安は、『唯一無二であることの証明』がなかったからです。
本物と偽物(コピーや改ざんされたもの)には、本来は決定的な価値の違いがあります。しかし、デジタルで作成されたものには、本物と偽物の区別がつきにくいです。
その区別を可能にし、正真正銘であることを証明する技術がNFTなのです。
NFTがあれば、本物と偽物を区別することができ、唯一性や希少性を担保できます。NFTによって、これまではできなかったデジタル作品の楽しみ方やビジネスが生まれるのです。
NFTによって守られる価値とは?
例えば、『世界的に有名なプロスポーツ選手の決定的な名シーン』には、代えがたい価値があるはずです。誰もが感動しますし、ましてファンにとっては垂涎の価値です。
しかし、インターネット上には『決定的な名シーン』がたくさん転がっていて、お金を払うことなく誰もが気軽に見ることができてしまいます。
本来であれば、『決定的な名シーン』はチームや選手が生み出した資産であり、『決定的な名シーン』を見たいと思う人が多ければ多いほど、価値が高まるのが市場原理です。
『決定的な名シーン』をしっかりと所有することができれば、価値に転換することができます。さらに、『決定的な名シーン』を欲しい人の間で売買することもできるのです。
いままでは、どんなに『決定的な名シーン』が世界中の人に見られても、チームや選手にはほとんど金銭的な還元はありませんでした。マネタイズができるとしても、DVDを作成したり、動画投稿サイトの広告費が振り込まれる程度でしょう。
しかし、NFTによって唯一無二の証明ができれば、そのデジタルデータは資産となり、所有したり、転売したり、多くの人に有料で見てもらったりすることができるのです。
『決定的な名シーン』の価値が高まるほど、チームや選手に利益がもたらされるようになります。
次にNFTの具体的な事例を紹介いたします。
NFTの代表的な事例:NBA Top Shot
アメリカのプロバスケットリーグであるNBAでは、『NBA Top Shot』というNFTを利用したサービスを開始しました。
これは、NBA選手による名シーンをデジタルトレーディングカードで所有できるというサービスです。
人気選手のダイナミックなシュートシーンには、非常に希少性のある価値が生まれます。その瞬間を、NBA公式のデジタルトレーディングカードとして所有できるのです。
これにより、NBA選手のデジタルトレーディングカードは、NFTによって本物と区別される唯一無二の価値を持つことができ、ファンが所有する喜びを感じたり、ファンの間で売買できるようになりました。
NBA Top Shotは、立ち上げから数カ月で2億ドル(約210億円)を超える売り上げを記録しています。
NFTは、『唯一無二であることの証明ができる技術』によって、新しいビジネスチャンスを創造することができるのです。
下記にはその他NFTの事例をご紹介いたします。
NFTについて知っておきたいこと
本記事では、『デジタル作品+NFT=デジタル資産』という概念で説明しています。
デジタル資産を購入する場合、多くはそのデータそのものを手元に置くことはできません。NFTは、データそのものを所有できるわけではなく、データを所有する権利を所有できるだけです。
NFTによって、デジタル資産のオーナーが自分であるという証明はできます。しかし、実データはどこかのサーバーに保管されている状態となりますので、手元のパソコンに保管したりスマートフォンで持ち歩けるわけではありません。また、デジタルデータは実体がないため、法律的な『所有権』はありません。
音楽や映像などの『著作権』がNFTによって移転されるわけではありません。著作権の侵害にならないようにデジタル資産を扱わなければいけません。
さらに言えば、NFTはブロックチェーンによって改ざんされたり消えてしまうことはありませんが、デジタル作品の実データはNFTに紐づいているだけの場合が多いです。そのため、改ざんやコピー、消去されるリスクが伴うことも知っておきましょう。
例えば、デジタル作品が保存されているサーバーがクラッシュすれば、ブロックチェーン上にあるNFTだけが残るのです。
代替性と非代替性について
代替性とは、例えば通貨がそれにあたります。100円は誰が持っていても100円の価値であり、売買に使ったり、交換することもできます。
非代替性とは、例えば人気タレントのサイン入り写真集です。定価が3500円であったとしても、本人のサインをもらったことによって、唯一無二の価値がついています。このサイン入りの写真集は、ファンにとっては数万円以上の価値として取引されることでしょう。
他では代替できない価値(本人のサイン入り)がその写真集にはあります。これが非代替性です。
NFTの具体的な事例
NFTの大枠を理解していただいたところで、NFTの具体的な事例をご紹介していきます。
NFTがどんなものなのか、何ができるのかをイメージしやすくなると思います。
NFTの事例①|デジタルアート「デジタルアーティスト・Beepleのコラージュ」
2021年3月11日、デジタルアーティスト・BeepleによるNFTデジタルアートのコラージュが、オークションで6900万ドル(約75億円)の値を付けました。
これまでデジタルアートには、唯一無二の価値を保証することができませんでしたが、NFTによってデジタルアートの価値が一気に高まった事例となりました。
NFTの事例②|デジタルアート「鉄腕アトム」
2021年12月18日まで行われたオークションにおいて、モザイクアートNFT「鉄腕アトム」が約5600万円で落札されました。日本発NFTの最高落札額となっています。
NFTの事例③|デジタルアート「Everydays: The First 5000 Days」
NFTアートの先駆者として注目される、アーティストのBeeple氏が制作した「Everydays-The First 5000Days」は、NFTアートの代表作です。
約75億円で落札され、当時のNFT史上最高額と言われています。
この作品は、10数年間毎日Beeple氏が制作し続けた「EVERY DAYS」プロジェクトの絵を、全てひとつにまとめたものです。
落札価格の高さもあり、世界で最も有名なNFTアートと言われています。
NFTの事例④|ツイート「ツイッター創業者の初ツイート」
2021年3月22日、ツイッター創業者ジャック・ドーシー氏の15年前のツイッター初投稿がオークションにかけられ、3億円超の高値をつけました。NFTによってツイートのようなデジタル資産も競売できるという事例となりました。
NFTの事例⑤|スニーカー「Curry Flow 9」
2021年12月13日、ナイキがNFTスニーカー企業を買収しました。世界的な大手ブランドがNFTを活用しながらメタバースへの進出を加速させています。
ナイキ以外のスポーツメーカーでもNFTを活用しています。
アディダスではBored Ape Yacht Club・PUNKS Comic・gmoneyの3ブランドとコラボしたNTF界隈でも注目のプロジェクトを発表しました。
アンダーアーマーは、NBA選手のステフィンカリーとのコラボNFTを発売しています。
12月14日ニューヨーク・ニックス戦での記録を記念して発行されたNFTで、その試合で着用していたシューズ「Curry Flow 9」です。
NFTの事例⑥|トレーディングカード「「PLAY THE PLAY for J.LEAGUE」」
株式会社博報堂DYメディアパートナーズが提供するNFTトレカが、「PLAY THE PLAY for J.LEAGUE」です。
Jリーグの試合中の名シーンを切り取ってデジタルトレカにし、ファンが選手の華麗なプレイをコレクションして遊べます。
また、2022年12月からは、プラットフォーム上で動画トレカの販売や購入が可能となりました。これにより、さらなる利用者の増加が見込まれています。
NFTにできること・特徴
すでにさまざまな活用がされ始めているNFTですが、NFTにできること・特徴を整理しておおきましょう。ここでは主に以下の3つについて解説します。
- 安全な取引ができるようになる
- 不正に改ざんされる心配がなくなる
- 市場の取引で価値が高まる
安全な取引ができるようになる
NFTによって、デジタル作品の価値が証明できるので、インターネットを通じて安全な取引が気軽にできるようになります。
画像や動画、音楽、ゲーム内のアイテムなどが取引できるようになります。
これまでは、インターネットのオークションに価値あるデジタル作品が出品されていたとしても、NFTがなければ、それが本物であるかを見極めることが難しかったです。
しかし、NFTのマーケットプレイスで取引すれば、そのデジタル作品がNFTによって本物であることを証明してくれます。
NFTによってデジタル資産の取引を安心して行うことができるのです。
不正に改ざんされる心配がなくなる
NFTによって、デジタル作品の唯一無二性が保証され、所有者を明確にすることができます。この情報は、ブロックチェーンによって保護されますので、不正に改ざんされる心配が無くなります。
デジタル作品を不正にコピーされたとしても、NFTがなければ偽物ということになります。本物の価値はNFTによって守られます。
市場の取引で価値が高まる
デジタル作品にNFTが紐づけられることで、デジタル資産となり唯一無二の価値を持つことができます。
そして、人気のあるデジタル資産は、コレクションやオークションによって高額で取引されるようになります。
実物の絵画のような芸術作品では、今までの所有者の履歴が、その作品の価値を決める要因のひとつとなっています。NFTによって、デジタル資産も所有者の履歴が残せるようになりました。
また、従来は転売されても著作権者にはメリットがないために転売禁止であることも多かったです。しかし、NFTなら転売されるごとに著作者に報酬が支払われるような設定をすることが可能。NFTの登場により今後は積極的な転売がビジネスとなっていくでしょう。
いままでのデジタル作品 | デジタル資産 | |
---|---|---|
ネットの取引 | 証明書がないため、取引に不安がともなう | NFTが証明書となり、安心して取引できる |
唯一性や希少性 | 本物かどうかが区別できない | NFTによって唯一性や希少性が証明される |
所有者 | データの所有者が不明確 | データの所有者が明確になる |
所有の履歴 | これまでどのような履歴を持っていたのかがわからない | これまでに取引された履歴がすべて記録されている |
著作者 | 著作者がわからなくなる。転売されても報酬が入らない | 著作者を登録できる。転売のたびに報酬をもらうこともできる |
NFTでの稼ぎ方は?
あらゆる分野でNFTの導入が進む中、ゲームやアートなどでNFTを利用して稼ぐ方法があります。
NFTアートを売る
自分でNFTアートを制作して売る方法です。デジタルで制作した作品をNFTマーケットプレイスでNFT化し、販売します。
NFTゲームで遊ぶ
ブロックチェーンを組み込まれたゲーム内で、NFT化されたキャラクターを売買したり、NFTを保有してゲームをプレイしクリアしたりすると、報酬として仮想通貨を受け取れます。
後者の稼ぎ方はNFTを保有して初めて稼げるので、まとまった初期投資が必要です。
NFTを転売する
NFTの世界で転売は禁じられていないため、安くNFTを購入し利益をプラスして売っても問題はありません。
なぜならNFT転売は、転売されるたびに制作者へロイヤリティが入るからです。
売る側・買う側・制作する側の誰もが得をする稼ぎ方です。
NFTを購入しサービス権を得る
企業などのNFTを購入した人に対して、何らかのサービスを受ける権利を提供する場合があります。
たとえば、NFTを購入してホテルを利用する権利を得たものの、今年は利用しないとわかっていれば、その権利だけを売って稼ぐことも可能です。
NFTの始め方・やり方
今後さらに発展する可能性を秘めたNFTの購入方法と販売方法を解説します。
ここではCoincheck(コインチェック)のやり方を用いて紹介します。
NFTを購入する方法
NFT取引ができるプラットフォームで購入できますが、取引きをするには国内仮想通貨取引所での口座開設が必要です。
口座開設後に日本円を入金し、仮想通貨を購入したあと、仮想通過ウォレットの「MetaMask(メタマスク)」を登録します。
次に、国内の取引所からイーサリアムまたはIOSTの仮想通貨を送金し、最後にNFTマーケットプレイスとメタマスクを連携するとNFTを購入できます。
NFTを販売する方法
売りたいNFTコンテンツができあがったら、NFTマーケットプレイスにコンテンツ情報を登録して販売方法を選びましょう。
販売方法は、オークション販売・定額販売・セット販売から選べます。最後はNFTマーケットプレイスへ、NFTコンテンツをアップロードして終了です。
Coincheck NFTの場合は出品手数料がかかりません。出品中のNFTコンテンツが売れると、専用のNFTウォレットへ仮想通貨が届きます。
【一覧】NFTマーケットプレイス
NFTを売買するには、NFTマーケットプレイスを利用します。アートや音楽、映像、ゲームのキャラクターやアイテムなどの売買ができるさまざまなNFTマーケットプレイスがあります。
NFTマーケットプレイスには、海外のサイトと国内のサイトがあります。
NFT初心者の方は、まずは各サイトを見てみて、その雰囲気を確かめることから始めてみましょう。
海外 | 国内 |
---|---|
OpenSea | Coincheck NFT(β版) |
Rarible | Adam byGMO |
SuperRare | SBINFT Market |
Nifty Gateway | NFTStudio |
NFTを理解するために知っておきたいキーワード
NFTを理解するために知っておきたいキーワードを解説します。
なぜNFTが価値を証明できるのか、価値を証明できることによってどんなメリットが生まれるのかを理解するために、以下の3つのキーワードをそれぞれ解説します。
- ブロックチェーンとは
- 仮想通貨とは
- メタバースとは
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンとは、一度作られたデータを二度と改ざんできないようにする仕組みです。データを小分けにして暗号化し、それを1本のチェーンのように数珠つなぎにして、世界中で分散管理されています。そのため、コピーしたり、改ざんしたり、データが消えたりすることがありません。
私たちの手元にあるパソコン上で作られたデータは、いつでもコピーしたり編集することが可能です。誤って消去してしまうこともあります。
そのため、大切なデータはサーバーにおいている人も多いでしょう。サーバーに置くことで、他の人と共有することもできるようになります。
しかし、サーバーに置いたデータは、セキュリティを高めたり、アクセス権を設定したりしなければ、誰かが勝手に編集したり、盗んだり、消したりしてしまうこともできます。
そのため、データを安全に管理したり、誰もが安心してデータを利用するために、莫大な時間とコストをかけて、中央集権的な仕組みを使ってセキュリティを高めていたのが今までの歴史です。
ところが、ブロックチェーンで作られたデータは、セキュリティの高いサーバーを必要とせず、誰も勝手に改ざんすることができません。なぜなら、ブロックチェーンのデータは世界中に分散され、暗号化され、幾重にもコピーされ、その整合性が保たれるように監視されているからです。
第三者がブロックチェーンに保存されている大切なデータを攻撃しようとしても、それは世界中に分散されたデータの一部でしかないために、変更を加えることができません。
仮に一部のデータに変更を加えられたとしても、数珠つなぎでつながっている他のデータとの整合性が崩れてしまうので、変更として成立させることができません。
データそのものをコピーしようとしても、世界中に分散されたデータにアクセスすることが難しいため、コピーはできません。ブロックチェーンは、データを安全に保管し、管理することができる技術なのです。
NFTにはブロックチェーンの技術が使われています。ですから、NFTの情報は第三者が勝手に書き換えることができません。そのため、どのデータが誰のものであるのか、そしてそれが唯一の物であるのかをNFTは証明できるのです。
ブロックチェーンに関して、より詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてください。
仮想通貨とは?
仮想通貨とは、ブロックチェーン技術で作られたデジタルで取引される通貨のことです。仮想通貨にはブロックチェーンの技術が使われています。そのため、仮想通貨を偽造したり、消去することはできません。
一般的な通貨は、国の管理下にあり、価値がコントロールされ、安全に使えるために信頼性の高い資産となっています。
ところが、世界の国の中には、通貨の価値が暴落してしまう時があります。
これは、その国の信頼性が下がってしまったからです。その国の信頼性が下がってしまうと通貨が暴落するだけでなく、その国に住む国民の財産も減ってしまいます。
そうならないように、一般的な通貨は国が管理しています。中央集権的に管理することで、偽造を防止したり、預金を保護したりして、価値をコントロールし安全に使えるようになっています。
一方、仮想通貨には国のような中央集権的な組織がありません。仮想通貨の価値を決めている要因は、その仮想通貨を欲しい人と売りたい人との需要と供給のバランスだけです。
仮想通貨を欲しい人が増えれば、価値が高まります。仮想通貨を売りたい人が増えれば、価値が下がります。
仮想通貨がなぜ市場原理だけで成立できるのかというと、仮想通貨はブロックチェーンによって偽造したり、消去することができないからです。ブロックチェーンによって保護されている仮想通貨には、中央集権的な管理が不要なのです。
仮想通貨とNFTとの違いは、仮想通貨は代替性トークン、NFTは非代替性トークンであるという点です。
例えば、1ビットコインは1ビットコインと交換できます。ビットコイン自体に個別の価値の違いはありません。
一方、NFTには個別の情報が紐づけられるため、唯一無二であるという価値を証明をすることができるのです。NFTで紐づけられたデジタル資産は、個別の価値が異なるため、他のデジタル資産とは単純な交換ができません。
仮想通貨とNFTの違いは、デジタル資産の個別の価値を区別できるかどうかです。
メタバースとは?
メタバースとは、仮想空間のことです。身近なメタバースとしては、『あつまれ どうぶつの森』や『モンスターハンター』などでなじみの深い方も多いことでしょう。
メタバース上では、デジタル資産のやりとりができるようになっていきます。ゲームであれば貴重なアイテムや武器、アバターの服や持ち物、仮想空間内の土地や建物、ペットやアートなど。
ゲームのような楽しみ方以外にも、ビジネスの打ち合わせやプレゼンテーションにもメタバースは使われることでしょう。何時間もかけて飛行機で海外に出張に行かずとも、メタバースの打ち合わせルームに世界中の人が集まって会議をすることだって可能です。
メタバース内では、さまざまなデジタル資産をコレクションしたり、売買したりできるようになります。その際のデジタル資産の価値の証明にNFTが使われます。
これからはゲームで手に入れた希少価値の高い武器を、自分のメタバース空間にある自宅のリビングに調度品として飾っておく、なんてことができるようになるかもしれません。
NFTによってメタバース空間でデジタル資産を所有することを楽しんだり、売買することによって大きな利益を生み出したりすることができるのです。
NFTのメリット・デメリット
NFTのメリット・デメリットを解説していきます。NFTの理解を深めつつ、今後のビジネスへの活用をイメージしてみましょう。
NFTのメリット
デジタル資産の売買ができる
これまで価値の証明が難しかったデジタル資産の売買ができるというメリットは大きいです。デジタルな作品を作る人にとっては、収入源を確立することができますし、デジタル資産を投資目的で買う人が増えれば、大きなマーケットとなります。
実際、世界最大級のNFTマーケットプレイス『Open Sea』では毎月20億ドル以上の取引がされています。
事務手続きや書類のやりとりを省略できる
NFTに使われるイーサリアムには、スマートコントラクトという機能が搭載されています。スマートコントラクトを使えば、『契約の自動化』ができます。
従来の契約では、第三者を仲介者にしたり、複雑な書類をやりとりする必要がありました。なぜなら、仲介や書類の存在が安心して取引をするための担保だからです。
しかし、NFTを利用すれば、ブロックチェーンの技術により信頼が担保されます。スマートコントラクトによって確実に契約が実行され、価値の移転が行えるからです。
そのためNFTを活用すれば、これまでの複雑な契約が不要になります。お金を入れて商品を選べば、その商品が自動で入手できる自動販売機と同じ理屈で、いちいち契約書を交わしたり、第三者を仲介させることなく、契約が自動化できようにようにもなります。
不正や改ざんができない
NFTを利用することで、所有者の情報を改ざんされたり、不正に転売されたりすることが無くなります。これまでのデジタルデータのやりとりでは、データが改ざんされたり、コピーされたりして、唯一無二性が保証されませんので価値を担保することが難しかったです。
しかしながら、デジタル作品の価値をNFTがブロックチェーンによって証明することができますので、不正や改ざんを起こすことはできません。
NFTを利用することで、デジタル資産の価値がしっかりと保護されます。
NFTのデメリット
データそのものが手に入るわけではない
NFTで取引されるデジタル資産は、多くのケースにおいてデータそのものを入手できるわけではなく、ほとんどがその所有者としての宣言がNFTによってできるだけです。
現物が手元に来るわけではないので、実際の所有という感覚とはすこしイメージが異なります。入手したデジタル資産は、モニターに表示したり、所有者としての優越感に浸ったりすることができるというものです。
また、デジタル資産の実データを手にすることができたとしても、民法上の所有権にはあたりません。このあたりの法律的な理解も必要です。
天羽氏によると、「NFTに関する法律の整備は、白黒がはっきりしていないグレーな状態である」と言われています。テクノロジーの進化速度は非常に速く、法の整備が追いついていないのが現状です。
さらに、デジタル作品に限りませんが、すべての著作物は著作権によって保護されています。NFTを所有したとしても、著作権が譲渡されるわけではありません。著作者の権利を侵害しないように注意する必要もあります。
仮想通貨の変動の影響を受ける
NFTはオークションにかけたり、転売をしたりすることも可能ですが、その際にやり取りする仮想通貨の価値が急落すると購入した値段よりも著しく下がってしまう可能性があります。
また、NFT市場そのものが過熱している時に買ったデジタル資産は、ブームが落ち着くとその値段は下がってしまうかもしれません。
NFTの取引には、投機的な要素が強い点は理解しておきたいところです。
ガス代と言われる手数料が高まる可能性
NFTの売買において、イーサリアムなどの仮想通貨を利用する場合、ガス代と言われる手数料が発生します。この手数料は変動しますので、購入するデジタル資産によってはそのものの値段よりもガス代の方が高くなってしまう場合もあるようです。
NFTを取引する際には、ガス代も含めた価格を想定する必要があります。
NFT 将来性・今後の課題
NFTによって、デジタル資産の取引が安心してできるようになりました。それによって、デジタルアートを購入したり、仮想空間を使って新しいビジネスの取引をしたり、ゲームの中で世界の人とアイテムの売買を行ったりすることができます。
スポーツ選手や人気アイドルのトレーディングカードも人気です。仮想空間で育てたペットを売買してお金を稼げるようになったりもします。
ブロックチェーン、仮想通貨、メタバースによって、NFTの可能性はどんどん拡がります。
さらに、実はNFTはデジタル作品ではなくても、現物でも利用できます。不動産やブランド品などにも応用が考えられています。NFTはデジタル上の証明書なので、唯一性や所有を証明できるものであれば、現物であっても活用することができます。
NFTによって安全に個人間取引ができたり、ビジネスのスピードをアップさせることができるので、今後はさまざまなシーンでのNFTの活躍が期待できます。
ただし、NFTにも課題がないわけではありません。国や国際法などの強い規制によって、NFTの普及にブレーキがかかる可能性もあります。
ブロックチェーンは安全でも、暗号資産取引所やNFTマーケットプレイス、ウォレットにセキュリティ的な問題が発生する場合も考えられます。
法律的な整備が進んでいないため、NFTの取引で金銭的な損失があった場合には、法律的な保護が受けられず自己責任となってしまうこともあるでしょう。
NFTを取引する場合は、自己責任のもとでご注意をお願いいたします。
まとめ・NFTの可能性について
本記事ではNFTについて解説しました。
NFTの基本的なことが大枠で理解できたかと思います。NFTはデジタル作品に唯一無二の証明をすることで、希少的な価値を証明することができます。
NFTによって、コピーや偽物があふれていたデジタルの世界に、正真正銘の本物が存在できるようになりました。
NFTはこれからのデジタル社会を大きく変化させる原動力となっていきます。仮想通貨、NFT、メタバースなど、最新のトレンドに注目していきましょう。
NFTアートやビジネスのアイディアを生み出すために、ChatGPTなどAIを活用してみませんか?創業手帳では、ChatGPTについて解説した「ChatGPT生成AIガイド」を配布しております。是非ご参考にご利用ください。
(編集:創業手帳編集部)