ブロックチェーン超入門・起業家はブロックチェーンとどう関わるべきか?【市場を知ろう編】

創業手帳

「ブロックチェーン後進国」の日本はブルーオーシャン?


最近、経済ニュースを中心に価格の高騰で取り上げられることが多いビットコイン。ビットコインとは、世界で初めてブロックチェーン技術を採用した暗号資産です。

今回は、ビットコインの基礎となるブロックチェーンについて紹介します。その仕組みを知れば、あなたのビジネスにも新たな可能性を見い出せるかもしれません。

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ブロックチェーン市場のイメージ

ブロックチェーンは暗号資産の技術と思われがちですが、暗号資産はあくまでもブロックチェーン技術における一要素でしかありません。

ブロックチェーンは「第四次産業革命の支柱」とされていますが、その複雑さから理解されにくい技術領域といえるでしょう。

そのわかりにくさを利用して、特に暗号資産分野ではしばしば詐欺の道具として使われるという負の側面も。そのため、ブロックチェーンを良く思わない人も少なくありません。

一方で、世界では日々ブロックチェーンの社会実装が進行しています。今回は、それがどのような技術なのかという話に入る前に、ビジネスの視点で世界のブロックチェーン市場がどのようになっているのかを見ていきます。

ブロックチェーン市場の成長率


日本の調査会社、株式会社グローバルインフォメーションは、ブロックチェーン市場の成長について以下のように述べています(参考:株式会社グローバルインフォメーションのプレスリリース)。

ブロックチェーン市場規模は、2020年の30億米ドルから2025年には397億米ドルへと拡大し、CAGR67.3%という驚異的な成長を遂げると予測されています。ビジネスプロセスの簡素化と、ブロックチェーン技術とサプライチェーン管理のニーズの高まりが、ブロックチェーン市場全体を牽引することになるでしょう。

CAGRとは、年平均成長率のことです。AI分野でさえ年成長率が28.5%(IDC「世界の人工知能予測、2019〜2023年」より)といわれているので、ブロックチェーンの成長スピードがいかに速いかがわかるでしょう。

ブロックチェーン特許の取得状況


実際にブロックチェーンを使っているサービスは、日本国内にはまだほとんどありません。ブロックチェーン分野において、日本はかなり遅れをとっています。これから紹介するデータを見ても、それは明らかです。

他国の状況を見てみましょう。特許の提出状況を見ると、特定分野の活性の度合いがある程度わかります。

2020年7月に中国特許保護協会が発表したデータによると、2014年から2020年5月までに世界で認定された特許件数は3,924件。その39%は米国が占め、次いで韓国が21%、中国が19%となっています。日本は4位の6%です。

それを企業別に細分化したのが、以下の表です。ほとんどを中国勢と米国勢が占め、中国のアリババ(阿里巴巴)の独走状態。日本勢としてNTTが36位に入っていますが、その件数はアリババと比べると天と地ほどの差があります。


国名翻訳:美国=米国、韩国=韓国、中国台湾=台湾、加拿大=カナダ
(画像:中国特許保護協会「2020年区块链领域全球授权专利报告」より)

米中企業がブロックチェーン特許を取得する理由は、大きな利益に結びつく可能性があるからでしょう。企業にとってブロックチェーンは、それほど魅力があるということです。

日本のブロックチェーンはどうなる?


未だに「日本は技術立国」と思っている人は少なくありませんが、データを見る限りブロックチェーン分野については違うようです。

現在、日本企業はブロックチェーンにあまり注目していません。逆にいえば、日本でブロックチェーンを使ったサービスを生み出せたら、少なくとも日本では大きなシェアを獲得できる可能性があるということです。

ニュースを見ると、日本企業も負けじとブロックチェーンのサービスを開発しています。日本市場にはまだブロックチェーン分野の絶対的王者がいませんが、その状態も長くは続かないでしょう。つまり、ブロックチェーン分野でチャンスを掴みたいと思ったら、今すぐ動かなければならないということです。

ブロックチェーン業界は、他の業界の7倍以上のスピードで変化しているといわれています。変化が苦手な人にとってはこの上なく苦痛でしょうが、変化が好きな人にとっては最高に面白い世界です。

もしもあなたが変化を楽しめる人で、テクノロジー領域に強い興味があるなら、ブロックチェーンはうってつけのビジネス分野になる可能性があります。

ブロックチェーンをビジネスに活かすためには、その技術についてある程度理解しておかなければなりません。そのためには、ブロックチェーン関連のニュースをキャッチアップできるくらいの知識を身に付けておきたいところです。

そこで、次回はブロックチェーンがどのような技術なのかについて、できるだけ噛み砕いて紹介していきます。

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