注目のスタートアップ

プラスチックリサイクルの「esa」が4.5億円調達

company

2024年8月22日、株式会社esaは、総額4億5000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

esaは、複合プラスチック素材を再利用可能なペレットに変換する独自技術「esa method」を用い、プラスチックのリサイクルを中心とした環境事業を展開しています。

具体的には、一般・産業廃棄物のリサイクルコンサルティングや、プラスチック廃棄物のリサイクル、プラスチックペレットの加工、販売プラスチック製品の開発、販売などを展開しています。

今回の資金調達により、「esa method」によるプラスチックの再資源化に向けた研究開発の促進や、リサイクルプロセスの効率化と品質向上の実現を図っていきます。


現代社会は、石油由来製品、特にプラスチックに大きく依存しています。プラスチックは、その安価さ、腐食しない性質、軽量さ、そして複雑な形状を作ることができるなど、多くのメリットを持っているため、現代の生活や産業において不可欠な素材となっています。

しかし、プラスチック製品にはいくつかの重大な問題が伴います。プラスチックを燃焼させると温室効果ガスが排出されることや、海洋プラスチック問題の深刻化、さらにその原料である石油資源が枯渇するリスクがあることが挙げられます。

こうした資源や環境に関する課題を解決するため、世界中で循環型社会の実現に向けた取り組みが進められています。循環型社会とは、資源を効率的に利用し、環境への負担を軽減する社会を指します。資源の再利用や循環を通じて、持続可能な利用と環境負荷の低減を目指す考え方がその根底にあります。

しかし、プラスチックのリサイクルには技術的な課題が存在します。特に汚れたプラスチックや複合プラスチックのリサイクルは難しく、コストやエネルギーの面でのハードルが高いのが現状です。マテリアルリサイクルのプロセスでは、分別収集、選別、洗浄といった工程が必要となり、これがコストの増大につながっています。

esaの独自技術「esa Method」は、一般的なマテリアルリサイクルで高コストになりがちな工程を特殊技術によって工数削減し、低コストかつ低エネルギーでのリサイクルを実現しています。この技術を通じて、グリーンサステナブルケミストリー(環境に優しい化学)やサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目指しています。

株式会社esaのコメント

このニュースを受けまして、株式会社esaよりコメントが届きました。

株式会社esa
株式会社esaは2022年3月に創業しプラスチックのリサイクルを中心とした環境事業を展開するスタートアップです。
独自技術により、これまでリサイクルが難しかった複合プラスチック素材をペレット化する仕組み【esa method】を確立。
これにより、今まで扱えなかった素材をリサイクルできるようになるだけでなく、 途中工程で排出されるCO2を圧倒的に少なくし、コストも抑えることができるようになりました。また、廃棄処理に回っていた素材の回収〜再利用を起点に、環境事業に関するコンサルティング・マーケティングサービスの提供や研究開発を通じて、カーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に寄与していきます。


黒川周子(くろかわ・ちかこ)
株式会社esa 代表取締役
ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ社会人類学部で学士号を取得後、2004年に渡米し、アパレル企業で勤務。2008年に独立し、くろかわちかこ事務所を設立。
2011年の東日本大震災を契機に、2012年に環境保全や教育に注力した活動を行う「チームカーネーションズ」を共同設立。2013年には株式会社ベイクウェルを設立。
2022年からは東京都きらりプロジェクト推進委員として、江戸東京の伝統ある技や老舗の産品を新たな視点で磨きをかけ、その価値と魅力を国内外に発信する活動を行い、伝統の技の継承を目指している。
2022年3月に株式会社esaを創業し、共同代表に就任。2024年1月より代表取締役CEOに就任。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

今回の資金調達の主な目的は、私たちの独自技術「esa method」によるプラスチックリサイクルの効率化と品質向上を図ることです。

これにより、リサイクルが難しかった複合プラスチック素材の再資源化をさらに推進し、真のサーキュラーエコノミーの実現に貢献したいと考えています。

また、新たなビジネスモデルの構築と市場展開を進めることで、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。

・今後の展望を教えてください。

今後、私たちはさらなる技術革新を通じて、より多くの廃棄プラスチックを再資源化し、環境に優しい循環型経済の実現に向けた取り組みを強化していきます。

また、資本業務提携先である株式会社環境エネルギー投資およびCBC株式会社と連携し、グローバルな市場展開を目指して、新たな市場開拓やビジネスモデルの構築にも注力していく予定です。

最終的には、すべてのプラスチックを環境に配慮した形で再利用可能にし、廃棄物ゼロの社会を実現したいと考えています。

・読者へのメッセージをお願いします。

皆様のご支援とご理解のもと、株式会社esaは「脱プラ」ではなく「withプラ」という新しい考え方を提唱し、持続可能な未来に向けた一歩を踏み出しています。

私たちの目標は、技術と創造性を駆使して、すべての廃棄プラスチックを資源として再利用し、循環型経済を実現することです。

今後も社会と環境に貢献できる企業であり続けるため、努力を重ねてまいります。引き続き、皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

ビジネスによって社会課題に立ち向かっていくためには、資金調達が重要となります。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB esa esa method コンサルティング プラスチック ペレット リサイクル 再生 加工 廃棄物 株式会社 環境 産業廃棄物 製品 販売 資金調達 量産化
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

飲食提供事業者向け食物アレルギー対応ITサービスを提供する「CAN EAT」が5000万円調達
2024年8月15日、株式会社CAN EATは、約5000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、一般財団法人KIBOWが運営する「KIBOW社会投資ファンド3号」です。 CAN EA…
【最大800万円補助】令和6年度「農業生産におけるプラスチック排出抑制対策事業のうちプラスチック代替資材導入推進事業」
農林水産省は、令和6年度「農業生産におけるプラスチック排出抑制対策事業のうちプラスチック代替資材導入推進事業」の公募について発表しました。 農業生産現場において、プラスチックの使用削減・適正回収・リサ…
【3/23開催】オンラインセミナー「新製品開発による新事業創出~新たな事業で市場を切り拓く~」
公益財団法人東京都中小企業振興公社が主催する「新製品開発による新事業創出~新たな事業で市場を切り拓く~」が開催されます。 新製品の開発から事業化までを一貫して支援する「事業化チャレンジ道場」で支援に携…
モビリティ事業・不動産事業の「アイビーアイ」が4億円調達
2019年9月18日、株式会社アイビーアイは、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しました。 傘下のロイヤルリムジングループにおいて、配車アプリ「RoyalTaxi配車」の開発などのIT化推進や、…
あらゆる社員教育をひとつのeラーニングで実現する「SAMURAI YOSHINA」がリリース
2023年6月27日、株式会社SAMURAIは、新サービス「SAMURAI YOSHINA」をリリースしたことを発表しました。 「SAMURAI YOSHINA」は、オンボーディング、OJT、集団研修…

大久保の視点

日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集