注目のスタートアップ

家庭のエネルギー利用を最適化するIoT製品などを手がける「Nature」が資金調達

company

2024年6月27日、Nature株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。

この資金調達により、2024年2月から実施しているシリーズDラウンドの資金調達の合計額は、約12.2億円となりました。

Natureは、スマートリモコン「Nature Remo」や、スマホHEMS「Nature Remo E」の開発・販売、電力小売事業者向け「デマンドレスポンス支援サービス」を手がけています。

「Nature Remo」は、赤外線リモコンを備えた家電であれば利用可能なスマートリモコンです。スマートフォンやスマートスピーカーによる家電操作や、タイマー機能・GPS・センサーなどによる自動操作を可能とします。

「Nature Remo E」は、コンセントに挿すことで利用できるHEMS製品です。電力の消費状況、電力料金の目安、太陽光発電設備の発電・売電状況、蓄電池の充電量・放電量をリアルタイムにスマートフォンアプリから確認することができます。また、蓄電池やV2Hの遠隔コントロールも可能です。「Nature Remo」と組み合わせて使用することで、使用量に応じた家電の自動制御を実現します。

また、これらプロダクト・サービスの開発ノウハウを活用し、DER(Distributed Energy Resources:分散型エネルギーリソース)を最適に制御するエネルギーマネジメントプラットフォーム「Nature DER Platform(ネイチャー・ディーイーアール・プラットフォーム)」の構築を目指しています。

今回の資金調達により、独自のエネルギーマネジメントプラットフォームの構築、パートナー戦略による成長加速、採用強化を進めます。


気候変動を要因とする災害が世界各地で多発しています。日本でも、豪雨、台風、猛暑などの影響が出ており、安心して暮らせる社会を実現するには、この気候変動を抑制し、そして改善していく必要があります。

気候変動の主な要因とされているのが温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)です。この二酸化炭素は化石資源の利用によって大量に排出されるため、化石資源の利用削減や脱却が求められています。

とくにエネルギー供給においては多くの化石資源が利用されています。近年は経済成長に伴って世界的にエネルギー需要が急増していることから、エネルギー関連における温室効果ガス削減の取り組みは喫緊の課題といえます。

こうした状況下で、省エネルギー化は脱炭素化を実現する重要な要素のひとつとして推進されています。省エネルギー化はエネルギー使用量を削減することで、脱炭素化や増大するエネルギー需要への対応に貢献します。

日本のエネルギー消費は産業部門では減少している一方で、事務所・商店・家庭などの民生部門と自動車などの運輸部門で増加しており、全体として増加傾向にあります。

こうした状況を踏まえ、家庭部門での省エネルギー化は重要な課題として認識されており、現在さまざまな取り組みが進められています。

とくに家庭の電気やガスの使用量を可視化し、家電を自動制御するHEMS(Home Energy Management System)は、家庭における省エネ化を実現する中心的なシステムであり、政府は全国の住宅への普及を目指しています。

Natureは、手軽に導入できるHEMS製品「Nature Remo E」やスマートリモコンなどを提供し、家庭のエネルギーマネジメントや省エネルギー化に貢献しています。

さらに、これまでの知見を活用し、DER(分散型エネルギーリソース)を最適制御するエネルギーマネジメントプラットフォーム「Nature DER Platform」の構築も進めています。

DERとは、各地に分散して存在する発電設備やエネルギーを溜められる設備のことです。具体的には、一般家庭や企業に設置された太陽光発電システム、蓄電池、電気自動車、家庭用燃料電池などです。

太陽光発電や風力発電は天候などによって出力が変動するため、電力の需給を適切に調整することが求められます。その調整力としてDERの活用が考えられており、その最適制御を実現するシステムは、次世代エネルギーを社会実装するために重要なものとなっています。

企業・事業の成長には戦略的な資金調達やシナジーのある企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB DER EMS HEMS IoT Nature Nature DER Platform Nature Remo Nature Remo E エネルギー エネルギーマネジメント スマートホーム スマートリモコン デマンドレスポンス支援サービス 可視化 家庭 操作 株式会社 管理 資金調達 遠隔 電力
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ15選の制度
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

クラウド型倉庫在庫管理システム「W3」を中心に物流のDXを推進する「ダイアログ」が5.5億円調達
2024年12月9日、株式会社ダイアログは、総額5億5000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、金融機関4行から総額1.3億円の融資を受け、エクイティとデット合計で6.8億円の調達を完…
SaaS一元管理ツール提供の「メタップス」がマニュアル自動作成ツール提供の「テンダ」と業務提携
2022年6月16日、株式会社メタップスは、株式会社テンダと、業務提携契約を締結したことを発表しました。 メタップスは、SaaS一元管理ツール「メタップスクラウド」を提供しています。 社内のSaaS利…
電気自動車充電サービス「WeCharge」を展開する「ユビ電」が2億円調達
2023年8月31日、ユビ電株式会社は、総額2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ユビ電は、EV充電サービス「WeCharge」を展開しています。 充電ごとの電気量・料金を計測できるEV充電…
高速3Dプリンターを開発・製造・販売する「グーテンベルク」が3,000万円調達
2022年5月27日、株式会社グーテンベルクは、総額3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 グーテンベルクは、FFF式3Dプリンターを開発・製造・販売しています。 2022年6月から、…
フードロスを活用したコオロギ生産などの「エコロギー」が資金調達
2021年12月27日、株式会社エコロギーは、資金調達を実施したことを発表しました。 フードロスを活用したコオロギの生産や、マルマタしょう油合資会社と共同でのコオロギ味噌/醤油の開発・提供、コオロギ粉…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集