注目のスタートアップ

リチウムイオン電池の性能向上を実現する新規カーボン素材「グラフェンメソスポンジ」を開発・製造する「3DC」が5.8億円調達

company

2024年6月6日、株式会社3DCは、総額5億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

この資金調達により、累計調達額は各種助成金なども含め14.8億円となりました。

3DCは、カーボン新素材「グラフェンメソスポンジ(GMS)」の開発・製造・販売を行う、東北大学発ベンチャー企業です。

炭素1原子分の厚みでスポンジのような三次元構造を備えた素材です。

ゴムのように弾性変形する柔軟性を特徴としています。また、優れた多孔性、導電性、耐食性を有しており、炭素素材が抱えている寿命と性能のトレードオフ問題を解決する材料として期待されています。

GMSを使用したリチウムイオン電池向け導電助剤「導電助剤用GMS」の研究開発を進めています。今回の資金調達はこの「導電助剤用GMS」の本格的な製造体制構築を目的としています。

今回の資金調達により、GMSを活用したリチウムイオン電池向け導電助剤「導電助剤用GMS」の製造体制の構築を進め、既存リチウムイオン電池の性能向上(高容量・高出力・長寿命)を目指します。


リチウムイオン電池は、スマートフォンやPCなどの電子機器や、家電、電気自動車(EV)など、さまざまなプロダクトで利用されている充電式電池(二次電池)です。

他の一般的な二次電池と比べて、リチウムイオン電池は高いエネルギー密度を持ち、電池の小型化が可能であり、寿命が長く、廃棄時の環境負荷が低いといったメリットがあります。

しかし、既存のリチウムイオン電池には、過充電・過放電・高温環境下での発火や爆発のリスク、希少な資源であるリチウムの利用、充電時間の長さなどの課題があります。

さらに、電子機器の性能向上に伴い、リチウムイオン電池に対する要求も高まっており、容量の増加、充電時間の短縮、寿命の延長など、さらなる高性能化が求められています。

カーボン素材は電池の構成要素として重要ですが、従来のカーボン材料は寿命と性能のトレードオフがあり、電池の高性能化や次世代電池の実現において障害となっています。

東北大学が2016年に発表したカーボン新素材「グラフェンメソスポンジ(GMS)」は、従来のカーボン材料の問題を解決する機能を有しており、3DCはこのGMSの社会実装に向けて取り組んでいます。

事業の成長には豊富な資金が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ 3DC BtoB GMS カーボン素材 グラフェンメソスポンジ リチウムイオン電池 大学発スタートアップ 大学発ベンチャー 新素材 東北大学 株式会社 次世代電池 炭素 炭素素材 蓄電池 製造 販売 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人設立の完全ガイド|設立の流れ・メリット・手続き一覧など徹底解説!
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ14選の制度
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

個人向け融資プラットフォーム開発の「UPWARDS」が資金調達
2019年11月11日、株式会社UPWARDSは、資金調達を実施したことを発表しました。 また、金融庁よりノーアクションレターを受領したことも併せて発表しました。 個人向けの融資プラットフォーム「クラ…
海外旅行予約アプリ「NEWT」を提供する「令和トラベル」が48億円調達
2024年9月9日、株式会社令和トラベルは、合計約48億円の資金調達を実施したことを発表しました。 令和トラベルは、海外旅行予約アプリ「NEWT(ニュート)」を提供しています。 予約・管理業務をテクノ…
「HANATABA」が資金調達 ChatGPTなどのAIを活用したオンライン学習サービス「どこでも自習室」をリリース
2023年5月10日、株式会社HANATABAは、資金調達を実施したことを発表しました。 また、学習支援サービス「どこでも自習室」をリリースしたことも併せて発表しました。 「どこでも自習室」は、Cha…
国際宇宙ステーションに代わる宇宙環境利用プラットフォームを開発する「ElevationSpace」が3.1億円調達
2022年3月9日、株式会社ElevationSpaceは、総額約3億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 国際宇宙ステーション(ISS)に代わる宇宙環境利用プラットフォームとなる、…
人型重機を研究・開発する「人機一体」が「大和工業」と資本提携
2022年10月3日、株式会社人機一体は、大和工業株式会社と資本提携契約を締結したことを発表しました。 人機一体は、Man-Machine Synergy Effector (MMSE)=人間機械相乗…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集