注目のスタートアップ

未利用熱による発電を目指す「elleThermo」が資金調達

company

2023年11月14日、株式会社elleThermoは、資金調達を実施したことを発表しました。

elleThermoは、東京工業大学発のコア技術「半導体増感型熱利用発電(Semiconductor-Sensitized Thermal Cell, STC)」を活用し、未利用熱のエネルギー変換を目指しています。

STCは室温程度の低温度帯に存在する熱で発電できるほか、温度差を必要とせず発電できることを特徴としています。

地熱や工場排熱などの熱源に置く、あるいは埋めるだけで発電できるため、幅広い活用法が期待されています。

今回の資金調達により、STCを産業情実用可能なサイズに大型化し、耐久性の検証を行います。また、エンドユーザー共同でユースケース開発や、仮説検証に引き続き取り組みます。


日本では、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス削減、化石燃料からの脱却、エネルギーの安定供給などを実現するため、再生可能エネルギーの普及が進められています。

2022年時点で国内の発電電力のうち再生可能エネルギーが占める割合は22.7%です。大部分は太陽光発電であり、今後は風力発電の研究開発が進み、そのシェアが拡大すると予測されています。

また近年は、事業所などでの省エネルギー化を目指すコージェネレーションシステムの導入も進んでいます。

コージェネレーションシステムは、原動機などを使用して電力と熱を供給するシステムであり、熱併給発電とも呼ばれます。これは、熱を利用した発電や産業利用時に発生する未利用熱(未利用排熱)を有効活用するものです。

NEDOによると、国内で使用される化石燃料のうち約6割が有効利用されずに排熱として放出されています。もしこの未利用熱を有効活用できれば、大幅な省エネ化が期待できます。

未利用熱は工場、ゴミ焼却施設、送電線、変電所、エアコン、自動車エンジンなどで発生し、広範に分布しています。現在、未利用熱の有効利用技術として、コージェネレーション技術、ヒートポンプ技術、蓄熱搬送技術、雪氷熱利用技術などが実用化されています。

しかし、これらの技術は熱をそのまま利用する技術であることから、エネルギーの使い道が限られることが課題です。したがって、より汎用的な熱エネルギーから電力への変換技術の開発が求められているのです。

elleThermoは、半導体増感型熱利用電池(STC)の社会実装を通じて、排熱を利用した省エネルギー化を実現し、それに伴うエネルギー問題と資源問題の解決に取り組んでいます。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB elleThermo Semiconductor-Sensitized Thermal Cell STC アンビエント発電 エネルギー 再生可能エネルギー 半導体増感型熱利用電池 排熱 未利用排熱 未利用熱 東京工業大学 株式会社 発電 資金調達 電力 電気
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

カスタマー・サクセス・チャット「チャネルトーク」提供の「ZOYI Corporation」2.5億円調達
2020年7月28日、株式会社ZOYI Corporationは、コロナ禍の3月17日に2億5,000万円の資金調達を実施し、累計資金調達額が11億8000万円になったことを発表しました。 また、社名…
抹茶マシンと茶葉を届ける抹茶ブランド「CUZEN MATCHA(空禅抹茶)」を展開する「World Matcha」が7億円調達
2024年1月23日、World Matcha株式会社は、米国親会社であるWorld Matcha Inc.が、500万米ドル(約7億円)の資金調達を完了したことを発表しました。 World Matc…
バーチャル空間「oVice」提供の「oVice」が「Zoom Video Communications」と業務提携
2021年11月29日、oVice株式会社は、Zoom Video Communications, Inc.と業務提携契約を締結したことを発表しました。 oViceは、バーチャル空間「oVice(オヴ…
消費電力を削減する半導体技術「NanoBridge」を保有する「ナノブリッジ・セミコンダクター」が1.3億円調達
2022年7月21日、ナノブリッジ・セミコンダクター株式会社は、総額約1億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ナノブリッジ・セミコンダクターは、2019年9月にNECの研究者が設立…
「ギグベース」が資金調達 タレント採用プラットフォーム「gigbase」の正式版を公開
2022年7月28日、ギグベース株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 また、「gigbase」の正式版を公開したことも併せて発表しています。 「gigbase」は、オールインワンのタレン…

大久保の視点

ニコニコ超会議・学生ピッチ甲子園ビジネス部門優勝&1000万円獲得はウェルヘルス土井久生馬さん
2024年4月27日(土)~2024年4月28日(日)に幕張メッセでニコニコ超会議実行委員会で『ニコニコ超会議2024』が開催された。 『ニコニコ超会議20…
(2024/4/28)
「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】